KSD疑惑の解明を求める意見書に賛成
◎ 要旨

 2001年3月29日、町田市議会は最終日を迎えた。10件以上の議員提出議案が上程されたが、その中で、<KSD疑惑の一日も早い全容解明を求める意見書>が共産党会派から出されました。内容は全文を下段に掲載していますが、「KSDから補助金を受けている仕意団体・KSD豊明会が、架空の自民党員の党費として21億円も立て替えた疑惑や、補助金が自民党支部を経由して現職の参院義員を支援する豊政連に流れていた疑惑」などの解明を求めたものです。
 この意見書は、共産党会派議員からだされたものです。自民党にとって大変に不利な面が書かれていますが、大半が事実のことと思われるし、自民党関係者、とりわけ地方自治体議員にとって、全部の議員がお金をもらっているわけではありません。ましてやこれらの事実を承知していたわけでもないので、この件に関して地方議員にしてみれば、「自民党自治体議員は、自分の活動は、自前の資金を出している。こんな参議院議員と一緒にされたくない」と考えるのは当然です。
 そこで、この意見書に反対すのは問題も多い、賛成するほかないとの意見があり、自民党は自主投票とした。吉田は、この意見書に賛成しました。かなりの自民党議員が賛成にまわり、採決結果は可決となりました。
 下段には、その全文とエピソードを掲載しました。
  <議案の採決結果、その他議会最終日の状況は、改めて掲載予定>

◎ 意見書全文

KSD疑惑の一日も早い全容解明を求める意見書

 労働省所管の財団法人「ケイエスデー中小企業経営者福祉事業団」(KSD)をめぐる疑惑が、大きな政治不信を呼び起こしている。
 KSDは、中小企業経営者向けの災害靖債共済事業を目的に設立され、中小企業から共済保険料によって、運営費がまかなわれている。
 ところが、KSDから補助金を受けている仕意団体・KSD豊明会が、架空の自民党員の党費として21億円も立て替えた疑惑や、補助金が自民党支部を経由して現職の参院義員を支援する豊政連に流れていた疑惑など、補助金が本来の目的を逸脱して使われていた問題が発覚した。
 また、本業以外の業務が禁止されている金融機関が、KSDの会員を組織的に勧誘していた事実や大手電機メーカーにたいする架空の業務委託費名目で4,500万円が行方不明になっていることが明らかになり、しかも、KSDが業界・団体ぐるみで国会議員の集票機構に位置付けられていたことも明らかとなった。
 そもそもKSDは企益法人であり、政治活動が認められない団体である。中小業者の掛金を原資としたこのような数々の不正・疑惑は、この間の久世前金融再生委員長のヤミ献金問題を規模でも中身でも上回る社会的に重大な問題である。
 よって、町田市議会は、政府に対し、国民の政治不信を一層つのらせた今回の事件の一日も早い全容解明を求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

◎ エピソード

 新聞報道(手元の毎日新聞を参照)」によれば、「自民党は30日、ケーエスデー中小経営者福祉事業団(KSD)による同党の架空党員獲得問題に関し、朝日新聞社が「徳川家康」などの名義で党員集めが行われた報道したことに対し「事実無根で党の名誉が傷つけられた」として、同社に謝罪広告の掲載を求め、東京地検に提訴した」とのことであります。
 参議院比例区選出議員である今回のケースでは、自分自身が署名していない党員がいることは否定できないでしょうから、「徳川家康」と言う党員名は無かったので、名誉毀損だと言うことになるのでしょうか。それとも、「自民党に、参議院議員に関する幽霊党員は存在しない」と言うものでしょうか。自分が会議にでることがあれば、その問題を聞いて見ましょう。