電力供給に関する意見書を、1票差で可決 (03/07/07) 
<記事の一覧>
1.   電力供給に関する意見書を、1票差で可決
2. まちだ新世紀が提出した意見書全文
3. 若林章喜議員の賛成討論全文(資料)

1.   電力供給に関する意見書を、1票差で可決

 2003年6月議会では、議員提出議案では、複数の質疑・応答があり、いくつもの討論がありました。

 際立ったのは、うちの会派(まちだ新世紀)の若林章喜議員が行った、電力供給に関する意見書に賛成した討論でした。この討論では、まず原子力発電を全て否定する側からの反対討論が2件、及び、東京電力を擁護する立場で反対する討論がありました。

 それらが終えたあとで、若林議員は、堂々と賛成の立場からの討論でした。その討論が功を奏したか、わが会派が提出した意見書が、1票差で可決となりました。

2. まちだ新世紀が提出した意見書全文

 町田市議会6月議会、最終日に可決した、うちの会派が出した意見書の全文です。上記のように、1票差で可決しました。表決では、公明党の全員と諸派の藤田学議員が、賛成してくれました。

 議員提出議案の意見書は、一般に上程の説明を省略します。うわさでは、この意見書に質疑も提出されるとの情報が、大塚信彰幹事長は入念な答弁を検討しておりました。

 実際には、質疑は無く、討論の応酬合戦が行われました。

電力の安定供給に関する意見書

東京へ電力の供給については、原子力発電所が立地する新潟県および福島県をはじめ、電源が立地する他県の長年にわたる理解と協力によって担われてきている。
今回の東京電力(株)による不祥事は、電源立地地域住民に対し、原子力発電に対する不安と不信を呼び起こしている。安心・安全が何より求められている原子力発電所において、点検・補修等における諸々の不正問題が発生し、事業者の信頼は失墜し、ついては全プラントの停止という最悪の事態に至っている。
東京電力(株)は、原子力発電所を新潟県及び福島県内に17基設置し、合計1,730万kwの電力を首都圏に供給している。原子力発電は、長期的、安定的なエネルギーの確保と地球環境の保全という観点からも、その重要性は認識されているところである。
その後、地元の理解を得て新潟県の柏崎刈羽6号機は再開しているが、この一基のみで夏の電力供給が間に合うかどうかが、マスコミ紙上でも大きく取り上げられている。
仮に、供給不足に伴う停電というような事態になれば、国民生活に重大な影響を与え、我が国の社会経済全体にとっても多大な影響を及ぼすことは明らかである。
本来、この問題を引き起こした最大の原因は、東京電力(株)の隠蔽体質にある。東京電力(株)が、この体質を改革し、失われた信頼を取り戻すことが最重要課題である。一方、東京電力(株)を監督する国は、原子力発電の安全の確保に万全を期すとともに、東京電力(株)の体質改革実現のため監督責任を果たさなければならない。
 当然、このような事態を迎え、都民・企業・行政も挙げて、一層省エネに取り組まなければならないことは言うまでもない。
 このため、関係当事者は、引き続き電源立地地域の住民と同じ目線に立ち、何よりも地元住民における安心、安全の確保を最優先に考え、信頼回復へ向けた早急な取り組みが必要である。
 よって、町田市議会は、国及び政府に対し、東京電力(株)に対する指導・監督の徹底を図り、一日も早く、電力の安定供給に向けた運転が再開出来るよう強く要請する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 平成15年6月18日     

提出先:衆議院議長・参議院議長・内閣総理大臣・総務大臣・経済産業大臣・環境大臣   

3. 若林章喜議員の賛成討論全文(資料)
 下記は、本会議の表決で若林章喜議員が行った賛成討論の全文です。御本人のHPがリニューアル中ですので、私のHP掲示板に表記させていただくことにしました。

 若林章喜議員には、了解をもらっています。
ーーーーーーーーーーーー以下、討論の全文ーーーーーーーーーーーー

 議員提出議案第29号 電力の安定供給に関する意見書に賛成の立場から討論いたします。
この意見書は、これから迎える電力需要最盛期に向け、町田市民をはじめとする、都民及び国民が安全で安心できる日常生活を送るために必要不可欠な電力の早期回復解決にむけてのものであり、原子力発電所を抱える他市町村に協力を求めるものであります。
核に対し、原子力に対して反発心の強いわが国民の、一人でも多い理解と原発を抱える各自治体に安心して協力してもらえるよう、厳しい基準を設け、安全管理を行い、東京電力においては、より積極的な情報公開を行い国民の信頼回復に務める責務があり、これらを通じての電力供給の早期回復を求めるものであります。
以上の理由によりこの意見書に賛成いたします。
議員の皆様の御賛同よろしくお願いいたします。