採決で可否同数となった議案を、議長が裁決する
(03/10/04) 

<見だし>
可否同数と議長の裁決 - 吉田 つとむ 09/30
議長の裁決の重み - 吉田 つとむ 10/03
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可否同数と議長の裁決

 今度の議会では、本会議の採決で可否同数という事例の議員提出議案が2件も発生しました。町田市議会は定数が36名(議長は採決に加わらないために、35名で決する)のため、本来では採決で同数という自体は発生しません。

 9月29日、本会議には合計16本の議員提出議案が出ました。その中には全員一致のものもあれば、あるいは賛成多数で採決されたもの、もしくは賛成少数で否決されたものもありました。(もとより、議員自身が提出するものですので、賛成者がゼロという事態はありえません)

 そうした中で、本会議の採決で可否同数という事例の議員提出議案が2件も発生したのですが、それは入札・積算・契約などにに関するものでした。下記の2件がそれにあたります。

42号議案 公共工事の積算方法の改革を求める意見書
43号議案 都内各自治体において公開性・競争性の高い入札制度の拡充が行われるよう、都がリーダーシップを発揮することを求める意見書

 趣旨は理解できるのですが、町田市議会では地場産業の優先ということで、市内企業の育成を重視する立場の請願を前の議会で採択していました。そこで、この意見書は、その趣旨に沿わない側面があるという判断をしていました。

 本会議の採決では、各会派の動向により、意見書が可決する見込みでしたが、なでか可否同数となりました。たまたま、一人の議員が欠席していたためで、議長がその判断して裁決することになり、議長が否決としました。

 私は、思わず「よし」と叫んでいました。

議長の裁決の重み

 一般には、議長に裁決を強いるような状況にはならないことを書きました。

 それは、先に書いたように、町田市議会が議員の定数を偶数(前期までは40名、今期より36名)としているため、通常の採決では、賛否が同数となることはありません。

 しかし、今回のように、会議に欠席者がでたり、議案によって「退場」する議員がでることで、状況が変わってきます。滅多にないことですが、事前にそうした情報が知らされることが無いのが町田市議会の特徴です。議長は、その可否の人数確認を寸時に行っているようです。

 ただし、他の自治体議会によっては、議員の賛否を会派ごとに、事前に確認しているところがあるようです。大都市の議会では、そうした傾向を聞いたことがあります。(議長は、採決結果を宣告することが非常に楽でしょう)

 一般に、議長は可否同数の際、<「現状維持」の結果をもたらす>側の立場に立つようです。一般の議員と異なって、自治体の政治に混乱をもらさないことが、その職務でもあるものと考えられます。

 ただし、町田市議会では議長も会派に属することが通常のため、会派が一致した賛否を示した場合は、その会派の立場に合わせることが、より通常の立場と考えられます。

 いずれにしても、こうした事態が何度も起きれば、議会の運営は時によって、混乱が生じる可能性が高くなります。そうした事態が日常化すると、その時にはその状況にあったルールが取られることでしょう。

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