●  5期生インターン体験記録 
村上 直子
2001・夏
 以前から、私の議員インターンを続けている、村上直子さんのレポートを掲載します。政治家にとって、「リーフレット」がどのようなもののか、特に吉田つとむが、それをどのように位置付けようとしているか、作成過程をインターン生として、村上さんに内在的に関わってもらいました。貴重な体験と考え、下段に紹介します。
<以下は、注記>
 ちなみに、村上さんは大学3年生になりますが、町田市在住ではないため、町田市に選挙権はありません。また、年齢の関係で、選挙で投票した経験は、平成13年の参議院選挙の際に、1度だけと聞いています。都議会議員選挙の場合も、東京都に選挙権はありませんので、投票をしていません。ただし、都議会議員選挙では、私の同行して、いくつもの選挙区をたずねました。その都議選候補者の選挙がどのようなものか、選挙の2ヶ月前と選挙期間中の選挙選をレポートしてくれました。
 特に、その事務所訪問の間に、政府は森内閣から小泉内閣に変わり、国民の政府や自民党に対しての目が随分と変わったようです。
(記事は、全部インターン文集に掲載)



インターン記録レポート (リーフレット作成過程記)
                                                                町田市議会議員 吉田勉

                                              作成 学生氏名  村上 直子 

リーフレット作成過程記
2001/09/23

 今回、私は吉田さんのリーフレット作成に携わる事になった。このリーフレットは、いつもの議会レポートや街頭・駅頭で配るチラシとは、内容、目的、そしてそれが暗に意味する役割も異なるものである。
 では、一体、普段の配布物とはどこが異なるのだろうか?その一番の違いは、このリーフレットが果たす役割が特別なものであるということだ。つまり、このリーフレットは来年に控えた、町田市議選に狙いを定めたものである。
 しかし、リーフレットの中には、「選挙」の文字はどこにも見つけることは出来ない。吉田さん曰く、リーフレットの目的を選挙のためだと前面に打ち出して広告するのは、事前行為として、選挙違反になるとのことだ。つまり、「選挙に出ますので、よろしくお願いします。」と言わずに、選挙に出る雰囲気を漂わせ、自分をアピールしようということである。だから、普段とは違うぞ!ということを一目で理解してもらうために、今回のリーフレットは見た目も豪華版なのである。
 異なるのはそれだけではない。その内容と、構想への力の注ぎようも違う。選挙戦において、何人がこれを目にし、リーフレットという物がどれだけの力を発揮するかはわからない。しかし、努力をして損をするということはないだろう。だから、吉田さんは、春頃からこのリーフレット作成の構想を始めていた。随分と気が早いと思われるかもしれないが、それだけこのリーフレットの役割を重要視し、これからの行動に熱意を燃やしていることではないだろうか。
内容に関して、このリーフレットでは、その目的ゆえに、吉田さんのことを理解・評価してもらい、彼の力に期待を集めなければならないという義務がある。だから、普段の議会レポートにあるような議会の報告だけではいけない。いつもなら書かないような、今までの実績やこれから町田の将来へ向けての大きな政策を書き、写真やグラフなどもふんだんに使い、わかりやすく読みやすいものにすることが求められた。この点が、リーフレット作成過程で、最も苦労を伴うものであった。なぜなら、リーフレット全8ページの中に、吉田さんの全てを、勿論、彼の頭の中にあることさえも全てわかりやすく記さなければならないからである。小さな紙のリーフレットに描けるものには限界がある。次から次に浮かんでくる新しい構想の中で、何を重要視し、何を切り離していくかを決める過程は本当に大変だった。私がこの過程で学んだことは、ひとつのものに関しての限りなく続く新しい発想は、どこかで思い切って区切りをつけなければ、永遠に限がないということである。つまり、思い切った決断力である。ここで必要なものは、決断力であって、決して妥協ではない。これを学ぶことが出来たのは、このリーフレット作成に携わったことの副産物である。この経験は、私の人生において、自分の歩む道を決める際に役立つに違いない。なぜなら、自分の将来の構想やその方向付けは今回のリーフレット作りのように、いろいろな面で取捨選択を必要とされるからである。だから、これは本当に良い勉強になった。
リーフレットは今、印刷前の校正段階にある。苦労を重ねた結果がどう出るか。そして、リーフレットはその役割を期待通りに果たすことが出来るのか。これからの過程が、不安でもあり、楽しみでもある。

● 吉田
 長いあいだ、わたしの「議員インターン」をやってもらっている、村上直子さんには、今回レーフレットの作成を手伝ってもらうことにしました。村上さんが書いているように、このリーフレットは、吉田つとむの市議会議員としての4年間の総括であり、自分は今後も政治(議員)活動を続ける意志があるのだぞ!と言う決意の書であります。そうした意味で、その中に自分の何を込めるかは、政策中心の政治家にとって、真剣勝負の試合に臨むようなものと言えます。もう一つの言い方をすると、自分を映し出す鏡と呼んでもいいでしょう。
ところで、一般の市議会議員の選挙において、自分自身の選挙の際、ビラやチラシ類の発行・配布が認められていません。政治家が有権者に支持を受けるには、演説会を開催するか、街頭で演説をするほかありません。現状の市議会議員選出方法は、数千名の得票者を必要とするのに、「きちんとした公約を有権者に示さず、顔や声でその可否を決めろ」と言う、極めて不思議な法体系の中にあります。といって、ぼやいたところで、国会議員の方々の考えでは、「地方議員は政治家とは言わないよ、選挙で政策が問われるのは国政だよ」となるのでしょう。
 今回作成するものは、自分自身を紹介するリーフレットであり、通称「政策パンフ」と呼ばれることもあるものです。その作成目的は、後援会員の獲得です!!その文章を読んでもらって、「こんな政治家であれば、一つ応援してみようか?他人にも、その政治家の話しを聞いてもらおうか」と言う気持ちを起こさせるツールにほかなりません。
市議会議員の選挙期間に入ると、こうした文書を用いた方法を含め、後援会の入会勧誘はできません。他の方法でも、後援会活動の大半が禁止の対象です。つまり、このリーフレットと言うものは、選挙の時期には配れない、通常の時期に「政治家」の応援の是非を決める評価物として配るもの、と位置付けるものであります。
そうした不合理な方法なのに、現実の市議会議員・政治家が選挙で困っていないのは、政策宣伝が不要と言うわけで無く、選挙の時にはすでに、そうした宣伝戦は終了している!と解釈をしていると考えるほかありません。もとより、公選法は選挙の事前運動を厳しく禁止していますので、選挙の期間以前に、そうした挨拶状を出すことも、選挙に出るので支持してほしいとする文書を出すことも、一切が禁止の対象となるわけです。
 それでは、何が認められているのか、議員としての「日常活動を宣伝する」、この行為が全てだと思います。自分は、政治家としてこんな業績をあげた、こんな提案をしたと言う次第です。いや、今後も議員を続けて行ければ、もっとこんなすごいこともやるのだ、風呂敷を広げてみせるのが、政治家の特徴的なスタイルかも知れません。

 さて、本題のレーフレットですが、A4版で8ページのものを構想しました。過去、2回作った経験がありますが、より一層良いものを!と毎回欲を重ねて来ます。
第1回目のものは、新聞記事に自分が出たことを多用して構成しました。「情報公開」のみを主張に掲げて作成し、当時としては珍しいタイプの構成でした。
第2回目のものは、セミプロ級の方に長期間にわたって写真を取ってもらい、「子ども優先の政治」をテーマに掲げ、表紙から自分の写真を一切外しました。今にして思えば、結構、度胸が要る判断でした。
 さて、第3回目の作品はどのようなものか?インターン生との共同作成作業であり、その評価が楽しみです。

インターン記録レポート 11月                            町田市議会委員・吉田勉

学生氏名  村上直子 ('01年11月11日)

リーフレット完成を迎えて

 この度、リーフレットが完成した。構想、作成案が私の手元から離れ、印刷会社での校正を経て、印刷され、配布できる状態になったのである。
表紙の色に関しては、実際に拝見した人から、不満の声も出たようである。 しかし、印刷会社が提案した当初の色は、吉田さんの「好みでない!」の一言で変更することになった。 これを聞いて、どう思うだろうか。 「吉田つとむは人の意見を聞かない。議員はわがままだ。」とか、「専門家である印刷会社に任せた方が出来が良い。」とか、「やはり、麦わら帽子の吉田つとむらしい決断だ。」というように感じるか。私は、自分の好みにこだわる吉田さんに賛成の意を示したい。

 なぜなら、このリーフレットは吉田つとむという町田市議会議員そのものを反映すべきものだからである。この中身は、約4年間の吉田さんの活動や成果が詰まっており、さらに、これからの構想と提言を掲げているものである。 確かに、人に意見に耳を傾け、検討することも重要であり、必要である。しかし、この様な自分の中身を反映するものこそ、自分の「こだわり」を見せるべきだと思う。だから、周りが何と言おうと、私はこのリーフレットの仕上がりに充分満足している。

 さて、このリーフレットの発行部数は極秘である。なぜなら、これは、インターネットと共に、吉田さんの情報発信の武器である。 内容への手のかけ方と、吉田さんのこだわりから、是非想像してほしい。 私は断言しても良い。発行部数を言い当てられる人はそういないだろう。
私は、このリーフレット作りを手伝ってきたが、完成を迎えて、様々なことを考えた。半年以上の構想と、約3ヶ月に及ぶ作成期間、これだけ、時間と労力そして費用もかけたリーフレットは他に存在しないのではないだろうか。そして、そこまでリーフレット作りを重要視する議員も吉田さん以外に、めったに存在しないのではないだろうか。 このリーフレットに、そして、「吉田つとむ」という議員に町田市民はどのような反応を示すのか。 それは、来年、吉田さんの動向によって判断したい。

● 吉田

パンフレットの完成!

 いよいよ、私のリーフレットが完成した。大きさはとスタイルは、A4版8ページたてのものである。一般に、リーフレットといわれるのは、A4版1枚のものを、2つ折り、ないし3つ折り程度のもののことをいう。こうして見ると、自分自身がリーフレットと呼ぶには、相応しくないな、と感じている。英語は苦手で、この作品はパンフレットと称すると、語源的には問題があるかもしれないが、決して間違いではないのではないか、と考える。

 実際には、「市議会報告VOL 112」とし、通常の議会報告の総集編的な要素も持たせている。一方で、これには、自分のプロフィールとビジョンを盛り込んでおり、市政の大きな問題点の指摘まで網羅している。そうして考えると、何処から見ても、パンフレットと称するのが、適当だといえよう。

 自分の考えを総じて表すのであれば、起承転結の論文形式で全部を盛り込むものであろうが、政治家にとっては、街頭で話すこと、ミニ集会で話すこと、「演説会」で話すことなどといった場面で、話のウェイトも変わってこようというものである。すでに、このパンフレットは、作成協力者のインターン生である村上直子さんの手を離れて、私自身と一体の作品に変わった。後は、このパンフレットを、一人でも大勢の人に手渡し、説明をし、私を理解してもらう過程に入ってきた。
 今後、このパンフレットをもとに、ビジョンの舞台的な展開を口頭で語っていくのが、自分の仕事となる。

 全ては、私自身の活動と、後援会の皆さんの一体となった活動が、どのように進展かにかかっている。