●  5期生インターン体験記録 
坂本 修司
2001・夏 (9月記事分)
 2001年夏に、5期目のインターン生を受け入れました。大学3年生の坂本修司さんです。その体験記を、質問と吉田の答えのスタイルにまとめました。


第8回 インターン記録レポート                                          町田市議会議員 吉田勉

                                              作成 学生氏名  坂本修司 
H13年8月31日  
主要研究項目
  8月31日 金曜日(8日目)
活動内容…小、中学校に取材 バトミントン大会観戦同行
記 事
  
◎坂本コメント
  今日は頭を使う1日だった、9月の本会議の質問作成ために行った小中学校では、私が取材を任されたため緊張してしまった。どの学校も校長先生(1校は教頭先生同伴)が対応してくださった。最初の学校では吉田さんも質問をしていたので、その間に私は自分の考えをまとめる事ができたのだが、次の学校へ行くごとに吉田さんは喋らなくなり、私は戸惑ってしまった。学校の方は、吉田議員が取材をすると思っていたようで、私がついて行っただけでも違和感があるだろうに、取材までするので、なかには戸惑った方もいたようだでる。それにしても、質問によっては吉田議員がテーマを決めて、あとはイン
ターン生に任せる、というか、預ける、といった感じで質問をつくる事があるようだが、大丈夫なのだろうか?取材の際に吉田議員がほとんど喋らないので不安になってしまった。質問はきちんとされるのか?という疑問と、インターン生の調査は本会議で生かされるのか?という疑問がわいた。
● 吉田の回答
 基本的に、質問はインターン生の坂本さんに、作ってもらおうと考えました。小中学校の教育となると、学生が質問を考えるのもそれもまた、特徴がでるものです。自分の調査が生かされるかと、心配しているようですが、新鮮な視点に期待していると考えてください。

◎坂本コメント
  今日は、吉田さんが2度ほど練習を見学したという中学校のバトミントン部の試合を観戦しに行った。選手の親が来るとか、議員が集まるようなところでもないのに何故行くのかなぁ、と思って訊いてみると、「別にバトミントンに興味があるというわけでもなく、ただ練習を2回見に行ったから試合を見に行くのだ」と言う。実際は、中学生の女の子に吉田さんが話し掛けても、渋い反応しか返ってこないことが多いのだが… 
議員というよりは、娘想いの自営業のおじさん(でも娘には煙たがられている)といった感じである。
これは余談だが、中学生の女の子にまで、私の大学名まで言わせて自己紹介させられるのには、閉口した。突然に自己紹介されて相手も戸惑っているし、あまり意味がないような気がする(インターン生としては)。
● 吉田の回答 
 バトミントン部の試合を見たわけですが、その皆さんとは練習時に見学しただけでなく、朝の街頭演説時に出会う生徒が何人かいるわけです。そうした中で、朝のあいさつを毎度かわす皆さんが試合に出るとなれば、それを見にいかないわけにはいけません。
 生徒の反応にたいして、坂本さんは期待しすぎではないでしょうか。「小泉総理」が応援に駆けつけたと言うわけではないので、その程度のものでしょう。同行のインターン生を紹介するのは、当然です。そうしないと、相手は「この人は、なんだろうな」と思うだけです。

 なお、吉田はその後、「職員の外部派遣の問題で、他市の例に関して、その対象者にインタビューをするため、相手先にいきました。前回は、上手く連絡がとれませんでしたが、今回は派遣先の皆さんの協力を得て、インタビューが出来ました。そのレポートは、別途作成し、後日坂本さんに見てもらいます。
第10回インターン記録レポート         町田市議会議員 吉田勉

学生氏名 坂本修司                     H13年9月8日(9月9日にアップ)  
主要研究項目
  9月7日(10日目)
活動内容…本会議傍聴、先輩インターン村上さん(西山きくえ似)の手伝い
記 事
 「本会議のすすめ」

コメント
<吉田注: 第10回レポートとなっているのは、坂本さんおインターン体験が10回目と言うもので、9回目の体験記事は記事無しです)

● 坂本さん
 今日はインターン中に5回ほど気を失ってしまった。別に体調が悪いわけではない。"あるもの"を傍聴していたら、引き込まれるように眠りの世界に沈んでいったのだ。あるものとは本会議の事である。今まではテレビで見る議会中継などで年寄り議員が寝ているのを見ると、なんとけしからん輩だと思っていたが、自分で体験して見るとこれは耐えがたく眠いものである。今後は、悪い子がいた時、罰ゲーム、我慢大会の際には、「本会議を丸一日傍聴」というのを入れるべきだ(入場料は無料)。我々一般の者が、本会議を丸一日聞いていたらおそらく誰もが1度は気を失うはずである。
● 吉田 
 インターン生は、「議員のあり方に対して、内在的な批判を行うもの」は、インターン生を何度も迎えてきた吉田つとむの持論です。そうした意味で、議員や議会の評価をするには、一日中(本来で言うと、4日間全部)、議員の一般質問をまず聞いてみる必要があります。傍聴席でただひたすらに、「一般質問」の質問と答弁に耳をすますことを求めました。そうした観点で、坂本さんのレポートも、議会の真実性を表す可能性が出てきました。「自分に対して、正直でよろしい」と言えましょう。

● 坂本さん
 本会議がとても厳しいものである事はわかったが、議員達はやはり寝てはならない。なぜなら、彼らはそれで金を貰っているからである。ここに於いて、本会議における睡魔への防衛策が必要になる。第一に、原稿を持たないで発言をしていただきたい。原稿をお経のように読まれたのでは、心地よいアルファー波が発生し同僚を不要な眠りに誘う事になりかねない。ちなみに吉田議員は「ノー原稿」で壇上に立っている。次に、発言の際に感情を込め、抑揚を入れることである。たとえ原稿を持たずに発言しても、丸暗記の言葉の羅列では結果は同じである。吉田議員にはこの抑揚をもう少し使って欲しいと思った。最後に、日本で古くから座敷の世界、笑いの世界に用いられる業、「間」を効果的に用いることである。今日発言した議員さんの中に、内容は大したことではないのだが、この間を用いることで、程よい緊張感と注目を集めている人がいた。私はうまいなぁと感じて、その議員さんのときは集中して傍聴する事ができた。以上、3点をまず心がけて欲しいと思う。議員は見世物ではない、と言われそうだがやはり人にアピールするように工夫する事は必要ではないだろうか?
● 吉田 
 そうですね、「面白い話しは、客も聞く」は、講演会などでも同様です。裏を返せば、「面白くない話しは、聞く人もいない」が真実です。
吉田が「ノー原稿」としているのは、政治学の福岡政行教授の教え(別に、福岡教授の授業を受けたと言う意味にあらず)によるものです。坂本さんは、吉田の質問を聞いて、「抑揚が少ない」と判断しました。そうですね、吉田つとむは元来、話しに抑揚が少ないタイプです。しかし、せっかく坂本さんが、こうしてネット上で、指摘してくれたわけですので、そうも言っておれません。次の、12月議会では、「より、感情を込める」に比重をおいて、質問にたちましょう。
 「間」の効果、と感じられる議員発言があったんですね。私も他人の質問の中に、「何度も、しゃべりが上手いなー」、と感じさせるものがあります。アッピール力は、政治家にとって極めて有効な武器なのでしょう。

● 坂本さん
 私は、自分の作ったインタビューや、質問を吉田議員が本会議で使ってくれないのでは…、と心配していたが少し使われていたようで安心した。私が作った質問に対して、吉田議員が、「坂本さんは、行政に対して多くを望みすぎだ。」と言ったが、その意味が今日の傍聴でわかった。行政側は発言に対して、イエスかノーかをハッキリ言わず、なんだか御如御如ともっともらしいことを言っていて、いまいち要領を得ない。これではカタツムリが前進するように、少しずつ、ねちねちと質問を繰り返していかねばならないのも無理はない。
● 吉田 
 理事者や部長の答弁を聞いていると、「あいまいな答えができる人物が、出世したのではないか」、と感じる時があります。本来は、1点のみの質問を行い、その中で最も大きな課題で、「イエスかノー」を問うのが最良でしょう。


第11回インターン記録レポート         町田市議会議員 吉田勉

学生氏名  坂本 修司                    H13年9月19日  
主要研究項目
  インターン9月18日分
  活動内容…写真撮影、その他同行
記 事

コメント
坂本 修司さん 
  吉田議員が新しいリーフレット(ちらし)を作るので、そこに載せる写真を撮影した。一口に写真撮影といってもなかなか複雑で、例えばチラシを配る写真を撮る時には、もちろん吉田議員が配っている事が明確にわからなくてはいけないし、受け取っている人も写っていたほうが望ましい、だが、そのチラシを受け取る人の顔がわかってしまうのは面倒な事なのだそうだ。仮にその人が吉田議員の支持者でない場合には問題が生じるかもしれない。今度、吉田議員のリーフレットを手にした人は、その中の写真を見て欲しいほとんどの写真で、吉田議員以外の人は顔が見えなかったり、ぼやけていたりするはずだ。
● 吉田 勉
よく観察してくれました。このような印刷物を作成する時には、絶えず考える問題で
す。特に、写真の使用は気を配るべき内容です。
ただし、ここで言う「リーフレット」は「チラシ」とは、少々異なっています。「チラシ」と言うほうが、より簡単な製作ものと言うイメージがしませんか。「リーフレット」が出来上がった段階で、再度評価してください。
 
坂本 修司さん
   今日の写真はデジタルカメラで撮ったのだが、そのカメラを貸してくださったのは印刷屋さんの人で、その人に撮り終わった写真を見せに行くと、「あ、これっ、掲示板が写ってない」という。掲示板とは吉田議員の車についている電光掲示板のことで、これが写っていなかったために、急遽写真をもう一度撮り直した。ここでわかるのは、その印刷屋のひとが、すぐに電光掲示板の写っていない事に気付くぐらい吉田議員のことをよく知っている(8年来の付き合いらしい)事と、吉田議員にとって車に装備している電光掲示板はとても大事なもの、ということだ。
● 吉田 勉
 前に撮影した写真は、夕方に撮ったために出来あがりが暗かったり、フラッシュの光源が弱かったりと言う感じでした。そこで、坂本さんに再度の撮影をしてもらったのですが、自慢の「宣伝カー」の写真には、車上に設置する「電光掲示板」が写っていませんでした。車の反対側を撮影したためにそのようなことが起きました。
 そこで、デジタルカメラ(吉田は、デジタルカメラを持っていないのです。取り込みは全て、スキャナーを使用しています)で再度の撮り直しを行い、差し替えた次第です。
 これまた、「リーフレット」が出来上がった段階で、再度評価してください。

今日の日程では、「めったに見れないものを見た」と言う風に考えて下さい。
第12回 インターン記録レポート         町田市議会議員 吉田勉

学生氏名  坂本 修司                    H13年9月21日  
主要研究項目
  インターン9月21日
活動内容…議会運営委員会、本会議傍聴
記 事

コメント
◎ 坂本さん
  今日は議会運営委員会と、本会議を傍聴した。議会運営委員会とは、本会議をどのように進めるかの打ち合わせのような感じで、各党の代表?が集まって、役所の側からの説明を受けていた。各党の人たちは、議会運営委員会の他にも代表者会議というのも開くようで、私が見た限りでは、代表者会議→議会運営委員会→代表者会議→本会議と、本会議に至るまで今日だけでも3回は打ち合わせをしている。本会議場につく頃には大体の状況、大勢はどちらか、を議員さんたちは知っているようだ。だから、本会議は緊張感がないことが多いのかもしれない。多い ということは、緊張感のあるときもあるようで、今日はそうだった。本会議ではそれぞれの委員会(町田は都市環境、企画総務、文教生活、保健福祉委員会の4つ。各委員会に議員さんが振り分けられている。)から挙げられた議案を報告し、その表決を今度は議員全員でとる。表決は議員達の起立と着席で採られる。今日はその表決のときに、共産党の議員さんが3〜4人走って出て行って、またすぐに戻ってきた。突然走り出ていかれたので、何か腹に据えかねる事でもあったのかなぁ、と思ったのだが、後でお話を聞かせていただいたら、本会議の評決には「保留」がないため出て行ったのだそうだ。つまり、賛成か反対の意思表示がしにくかったので、議場からでて、自分達は判断を下さないという態度をとったのだそうだ。
● 吉田 
 今日は、坂本さんに、説明抜きで議会本会議と、議会運営委員会の会議を見てもらいました。おおむね、会議に対する坂本さんの把握は正しいでしょう。少し違った点もありますので、数点説明をしておきましょう。
 「議会運営委員会」・・・本会議の進行に関して、取り決めをする委員会です。その委員会では、会派の所属議員数に対応したメンバーが委員になっています。私のその一員であり、2年間の任期です。略称「議運」は、本会議の議事進行方法をとりあつかっており、多数決で決める時もあります。
 「代表者会議」・・・・・ここは、かく会派の代表者が集まります。会派の議員数に関係なく、会派から一人が出席します。非公式のもので、議会の様々の文書を見ても「この名称のものは登場しません。今日は、代表者会議→議会運営委員会→代表者会議→本会議と言うスケジュールで、会議が進行しましたが、必ずしも、代表者会議と議会運営委員会は会議の連続性を持っていません。この日は、議員提出議案に関して、全会派一致で出せないかのかの意見調整が、代表者会議で行われていたようですが、交渉が不成立だったと聞きました。そうなると、所定のルールに従って、議事次第を進めることになります。
 「本会議の表決」・・・町田市では、事前に議員の賛否を事務局が確認する作業をしません。本会議の決着が全てです。ただし、委員会の態度と本会議の態度は、よほどのことが無い限り,会派議員は同じくしています。と言うことは、ほぼ採決の賛否は予想が着くことが多いと、言って問題ありません。もっとも、会派拘束を殆どしない会派もあり、会議の流れで態度を変える人もいます。たとえば、今日の請願審査の報告で、「委員長が、その請願は全員一致で可決すべきものと決定しました」、と報告しましたが、常任委員長の報告に続いて、「質疑」と討論があります。町田市では、よほどのことが無い限り,委員長の報告に質疑することはありません。私が総務常任委員長を務めていた2年間で、たしか2度ほどありました。いきなり、難しいことを質問者は尋ねてきます。今回,賛成討論をした議員がいました。こんな発言は、通常の議会では存在しないのではないでしょうか。一般には,反対討論を先に、次に賛成討論と討論の順を決め、公平な議論をしているためです。町田市は、発言の自由を保障している半面、今回のように「議論の価値がない」発言を認める結果にもつながります。今回、あまりにもばかばかしい発言があったため、「委員会で、全員一致だよ」とやじったのは、私のものでした。
 「退席」・・・議案の採決時に、賛否の態度を回避する方法です。今回のように、住民請願では、たまに発生することです。たとえば、「マンション建設反対」の住民請願などは、「その請願に賛成するのは、法的・条例の見地で難しい、ただし反対するのは住民感情にそぐわない」と言う判断もありえます。今回の共産党さんの態度も、そうしたケースに似通ったものと判断しています。(ただし、今回の場合は,私が経過を説明するより、共産党の人に、直に聞いたが良かろうと考え,そのように共産党議員に依頼しました)私は、過去8年間に退席した例は、一切ありません。そのためか、住民の皆さんから、厳しい批判の目で見られることもあります。それは、議員の宿命と考えています。

◎ 坂本さん
  それ以外にも、先日のテロへの報復で、日本はアメリカに最大限の支援をするべきだ、という議案が出たときには、今回の報復が戦争かどうか?という質問に対して、あれは「戦争に決まっているだろ!」と捲くし立てる議員さんがでたり、その議員に対して、「この議場で戦争に行ったのは自分だけだ!!あんたは、戦争がどういうものかわかっとるのか!!」と息巻く老年の議員さんがいたり、と白熱していた。町田市の本会議で日本の後方支援のあり方のようなことが、あんなにも激しく話し合われるとは思わなくて、意外だった。
● 吉田 
 今日の会議のハイライトになってしまいした。「たしかに、日本がどうするか」の問題ですので、重要な事柄です。ただし、昨日の発言は、共産党、社民党、ネットの議員等が質問し、それに対して提案者の「諸派議員」が答えたものでした。
 他の政党議員の場合は、発言者はありませんでした。主旨は理解しているので、賛否で示せばよいと判断していました。私の同様ですが、政府や国会で対応している問題だと言う感情が、根底にあったと思います。ましてやこの間、地元の伊藤公介代議士がアメリカにあって、小泉総理の為に情報収集を行っているとのことであるためです。

 今回の会議の最大問題は、「公団住宅を公共住宅として存続させることを求める意見書」の採決でした。それは、請願が委員会審査の段階で、可否がほぼ同数の状況で、本会議の採決でも微妙な人数であったようでした。(注記:このように、議員の賛否が本会議場でわからないと言うのは、自分は本会議場の前列より2列目に座っており、後列の3列目、4列目の態度が見えないポジションにいるためです)
 請願採択を受け、国に議員提出議案を出す段階になりました。この最終議案の採決では、反対者多数で否決となりました。一部議員が、態度を変更したためです。われわれは、当初より、この請願及び意見者内容に、反対の立場を取りつづけました。5−60人いた請願者の皆さんにはがっかりさせて様子でした。

なお、今日(21日)は、坂本さんに9時30分の議会運営委員会から見てもらいました。われわれは、朝の9時から会派の会議を行っていました。それは、当日の本会議の対応確認と、最終日に提案される意見書の賛否を決定するための時間でした。本会議を見て判ったと思いますが、議案によっては、自民党議員の賛否がことなるものもあります。そのことは、傍聴席からも見えたのではないでしょうか。

 その後、本会議が終了するやいなや、我々(自民党)が会議を開始しました。坂本さんとは、殆ど会話をする暇もない状況でした。例のとおり、自民党会派の会議には一切の人を入れません。議会の事務局員、市の職員、他の会派議員、来訪者を一切排除しての会議です。結果として、秘密にする内容でなくとも当事者のみに、会議参加者を限定するわけです。会議は、数時間後の終わりましたが、その内容には一切触れないことにしたいと思います。

 これで、日程としてのインターン期間は終了しました。何件か、依頼したこと、約束したこともあるとも見ますので,次にの機会にしたいと思います。最終レポートを期待しています。