ウウグイス嬢体験記 
   町田市議会議員 吉田つとむ    2002/3/3
安澤 桂  2002・2・28記

吉田の前書き
 選挙の宣伝カーにはウグイス嬢が付き物です。ウグイス嬢というのは、選挙カーに同乗して、候補者の紹介やその名前などを連呼して宣伝する人のことです。必ずしも「嬢」でなく、男性がやることもありますが、車の中から、手を振るのも重要な仕事に入ります。
 一般には、その道のプロがあり、通常はコンパニオンなどの職業をやっている人が務めています。12時間以上を車で過ごすため、体力の要る仕事であり、声量も必要です。参考に資しますが、国政選挙等の大型選挙では、プロのウグイス嬢がホテルに缶詰になり、その期間を一切休まず応援体制にこもったスタイルでやります。
 しかし、市議選ではもっとローカル色が強くなります。町内の有名なおばさんが大声を張り上げることもあれば、商店街のおやじさんが応援のマイクを取ることもあります。その他に、応援弁士が宣伝カーに駆けつけることもあります。民主党幹事長の菅直人さんなどは、政治や国会審議より選挙応援の方が大好きなようです。

 今回は、インターン生の村上直子さんの紹介で、中大の3名のメンバーがウグイス嬢を務めることになりました。他に、世田谷区の山口議員のインターン生、稲垣議員のインターン生も、吉田のウグイス嬢となってくれました。男性では、吉田インターン生の前場君も連呼要員をやってくれました。その他、カメラ要員としてのインターン生も誕生しました。

記事の本文
◎ 安澤さん
 ウグイス嬢のお話を頂いたのは1月も終わろうとしていた時でした。うぐいす嬢の説明をわかりやすくしてくれる吉田さんのインターン生、それからウグイス嬢というめったに体験できないお仕事へ対する興味が、ウグイス嬢をやろうと決める大きなきっかけとなりました。議員さんが頼むウグイス嬢さんはほとんどがプロだと聞きます。しかし、吉田さんはアマチュアの良さはプロには出せないということを見込んで、このように全くウグイス嬢などやったことない私にお話が降りてきました。私にはどのようなところがアマチュアの良さなのかは、さっぱりわかりませんでしたが。
● 吉田
 ウグイス嬢の話は選挙の直前だったんですね。先に書きましたように、通常はプロのウグイス嬢さんがいるのですが、吉田はアマチュアばかりを採用してきました。今回のその方法をとった次第です。さて、吉田が選挙に出たのは、これで7回目になります。最初は、以前の形式の参議院比例区選挙で個人の選挙はありませんでした。ですが、名古屋からスタートし、京都・大阪・神戸・岡山・広島・九州・高速で関西地方に戻り一巡・名古屋周辺・東京圏・北上して仙台周辺・フェリーで北海道を往復し、札幌中心の北海道遊説・仙台・福島・宇都宮・関東地区で締めくくった1ヶ月間の遊説をしたこともあります。その時のウグイス嬢さんの一人は、現役学生として秘書さんになり、週刊誌のグラビアにも掲載されました。比例選挙で、吉田は下位指定で落選でした.その後の自前の選挙でも、ウグイス嬢は全部プロを用いません。
 吉田方式は、いきなりマイクを持ち、とちりながらスタートするやりかたです。全くの素人が、選挙期間中に少し筒上手になる!のが目標です。安澤さんたちにもその方式でやってもらいました。選挙戦の中日あたりは人員不足で、ちょうど安澤さんが担当した日だったと思います。

◎ 安澤さん
 ウグイス嬢のお仕事は思っていたよりもすごく面白かったです。特に、人と人とのつながりを大切にする吉田さんのウグイス嬢はやはり、人と接することが多かったと思います。小中学生に吉田さんは大人気らしく、子供と接することが思いのほかありました。小中学生は選挙権を持っていないので、あまり政治家などに興味がなく、つながりが全くないと思い込んでいたため、私の価値観を大きく変える出来事の一つとなりました。また、それ以上に私を驚かせたことは、市民の方の市政への関心でした。今、全国のどの選挙をみても、投票率50%をきる選挙がほとんどです。この数字は国民の政治への関心力の無さを表しているのではないかと考えていました。しかし、実際の選挙活動を通して、政治的な観点で様々な物、人に接し、市政に期待をし、吉田さんに様々なことを訴える人の数の多さを見て、まだ、市民は政治への期待を捨てていないのだなと感じました。
● 吉田
 通常のウグイス嬢の仕事は、もっとシステム的・機械的です。吉田の場合は、直に本人が採否を決めるために親近感があるのだと思います。また、吉田が子どもに人気があるのは、選挙権などを意識せず、日ごろから親しみやすく接しているからです。つくし野駅が最寄の市外の森村学園の生徒にも大変人気が高く、生徒から学園祭に誘われる人気です。
 一方で、投票率の話になると、かなりがっかりします。今回を含めて町田市の選挙でも、投票率が50%に達しません。日ごろから政治に感心をもってもらうにはどうしたらよいか、私は議会のTV中継を提唱しています。自分が接する範囲では、政治への感心が浅くないと思っていますが、自分の町内投票区の投票率は平均値をわずかに1%上回る程度でした。

◎ 安澤さん
 私自身、今回のウグイス嬢として選挙に関わらせていただいた体験は、今後、大学における研究テーマ「地方分権と国の役割」というものに何かしら役立てられるのではないかと考えています。市区町村という立場の役割を少しでも知ることで、国の本当の役割が見えやすくなったのではないかと思います。このような事を踏まえ、今回のウグイス嬢というお仕事は、すごく自分にとってプラスになるもので、たくさんのものを頂くことが出来ました。
 私自身の政治への関心、市政への関心を与えてくれたこの仕事へ、ウグイス嬢とお仕事のきっかけを与えてくださった吉田さんのインターン生、後援会の方々、秘書の方、吉田さんの奥さん、そして何より、このようなきっかけを与えてくださった吉田さん、に感謝したいです。
本当に数日間、楽しかったです。ありがとうございました。
● 吉田
 選挙のウグイス嬢の経験がそうしたもののどの程度役立つか、私にはわかりませんが、自治体とその議会のことで疑問点は、何でもお尋ねください。インターン生とウグイス嬢経験者には、自分ができるサービスはいつでも協力します。
 また、様々の自治体議員との交流も多いので、そうした自治体情報の照会・取り寄せも優位です。
 とりわけ、政治と言うと「中央政治=国政」と考えがちですが、実際には地方自治体の役割も重いものがあります。私も自分が関わるまでは、地方の政治のことは、あまり知りませんでした。以前は、学校で習った程度の知識でしたが、その後は経験を重ねるごとに、住民と密着した地方自治体の存在が重要だ考えるようになりました。
安澤さんにとって、この間のウグイス嬢経験が、人に親しみやすく話す、一人一人の個人に視線を向けられる。そうした蓄積になれば幸いです。皆さんは、本当に良くやってくれました。特に、その訴えかける口調が特に良かったと思います。