インターン体験レポート 林 啓子 デジタル教科書の勉強会

町田市議会議員 吉田つとむ    2006/08/31作成 
 
主要研究項目 デジタル教科書、一般質問ヒアリング

林 啓子 大学2年 インターンレポート
8月 27日分  2006年8月30日作成  

8月29日(火) インターン11日目
●実習内容
 12時に市役所ロビーで待ち合わせをし、一緒に昼食を頂いた。13時から、会派室で吉田議員が打ち合わせやパソコンをやっていたので一般質問について自習した。また、ホームページ作成も行った。そして14時から吉田議員の一般質問事項のヒアリングに同席した。16時には市役所を出て、王子駅の東京書籍本社に向かった。少し早めに到着したので喫茶店に入って休憩をし、18時からの勉強会に参加した。勉強会は、20時に終わりそれから他の議員の方と共に食事をしに行き10時には帰宅しました。
●学んだこと
 一般質問事項のヒアリングは、1時間の予定で、会派室で行われた。町田市では、本会議での質問事項について、事前に各部署の方と打ち合わせをしておき当日に臨むシステムになっている。吉田議員は今回の本会議で4つの質問をすることになっており、それぞれの質問について担当の部署の方が順番に吉田議員の下に来て、質問の詳しい内容、どのような答弁を期待するのかなどを聞いていた。このようなシステムをとることで当日、質問について適切な答弁が得られることを知った。また、市長の政治資金パーティーについての質問については、秘書課の方がいらっしゃったが再質問について詳しく吉田議員に聞いたりと緊張感が感じられた。
 東京書籍本社で行われた東京ねっとわーく勉強会では、東京書籍の方に「デジタル教科書とはどのようなものか」の題でパワーポイントや実際のデジタル教科書を使って説明していただいた。デジタル教科書とは、教科書に掲載されている挿絵・写真・グラフなどを拡大して電子黒板で表示したり、動画でわかりやすく説明することのできるソフトである。東京書籍のほかでも何社かこのソフトに取り組んでおり、取り入れている小中学校も全国に存在している。生徒の視線を画面に集中させることができたり、言葉では理解しにくい説明を容易にできるなど特長は多々あり教育現場での利用には大いに期待できる。
 今回の勉強会は、主に東京都内の地方議員が10名ほど集まり、公立の小中高にどうすれば取り入れられるかなどの意見を交わしていた。埼玉県は、このソフトの導入市が非常に多く、新設される浦和市立の中高一貫校では全員一人一台ノートパソコンを持たせるなど進んでいる。一方、東京都は、各学校予算で買うために予算が少ないなどの理由から導入が著しく少ない。東京都においてどう導入を推進できるか、会社側と議員の議論は白熱した。このような場に参加することで、議員が常にどういう視点でものを考えているのかを学ぶことができた。
●感想・意見
 一般質問についてのヒアリングは、私が今回、質問事項を作成する国民健康保険の支払い回数については、特に問題なく話を伺うことができたのでよかった。これから文章を作成していくことになるが、しっかり考えて作り本会議に臨みたい。
勉強会では、実際にデジタル教科書を見て体験することができ驚きでいっぱいだった。このようなソフトを使えば、子供は勉強への意欲は高まるだろうとも思った。しかし、教師の機械に対する不安、コストの問題、数値化の難しさ、学力格差の生じる可能性など心配な面も多く意見があげられていた。その点で私立学校や私塾では、どんどん活用されそうな気がするが公立校ではまだ難しそうだ。議員も様々なアプローチの仕方を模索しており、このような勉強会は非常に有意義だと感じた。

● 吉田 つとむ
 この日は、インターン生の2人を、(私が代表を務める)「東京ねっとわーく」の勉強会に同行しました。今回の内容は、タイトルを「デジタル教科書とはどのようなものか(実物とその利用法)」とし、サブタイトルを、―教育のICT化における 普通授業の変革2― としました。前回の「電子黒板が、授業を変える」に続くシリーズでした。

 このデジタル教科書というのは、近年になって開発されているもので、林さんらも全く知らない時代に相当しています。林さんは、「生徒の視線を画面に集中させることができたり、言葉では理解しにくい説明を容易にできるなど特長は多々あり教育現場での利用には大いに期待できる。」としていますが、生徒の目線を画面に向けさせるのは、教師から見て、その顔が見えるようにするためです。プラズマの画面だと、教室を暗くしないでも使用できるため、最も顔を見るのに好条件になるわけです。

 このシステムは、埼玉県域で普及しかかっているようですが、最近(大宮市や浦和市が)合併してできた「さいたま市」で、最も充実された試みがなされているとのことでした。中・高一環教育の導入にあわせたカリキュラムを用いるのでしょう。

 さて、この「デジタル教科書」というものの勉強をしようとした意味は、今の教育がパソコン教室を増やした結果、果たして教育のIT化促進となっているかという疑問があることと、「電子黒板」の使用法を学校現場の視察を通じて知っていたことがありました。

 こうした機械やシステムの導入には経費がかかることであり、かつまた、それを使って教える教師の資質向上という目標が設定せねばなりません。こうしたものの導入は、我々の基礎自治体(=町田市などの市町村)が行うのですが、そこには教員の人事権がないという課題も存在しています。

 こうした新しいシステムの導入については、地方の自治体のほうがより真剣です。そうした自治体では、文部省などと組んで地方交付税というものを用い、その導入をはかる例が多くなっています。町田市のように地方交付税の不交付団体では、基本的に全てが自前の財源であり、ことは簡単には行かないことになります。むしろ、近隣の私立学校で導入が進めば、その周辺公立校でもやむなく導入する例が増えて行くでしょう。

 さて、その前に本会議の一般質問に備えたヒアリングの状況を見てもらいました。要するに、このヒアリングは行政(市長)の答弁をスムーズにいかせるために行うものです。質問のスタイルでは、単に、質問の項目を箇条書きにしたものを渡すに過ぎません。後は、議員は自分が指名された時点で、壇上で内容を話す方法になっています。原稿を読む場合も有りますが、基本は演説内容が質問です。それに、市長が答弁するわけですが、各セクションの担当者が答弁内容をまとめ、それを市長に説明した上で渡し、市長はその答弁を行うスタイルになります。

 町田市の議会では、その後の再質問も重要視しており、時間の制限はしていますが、いわゆる1問1答形式の論議も2回目の質問と答弁からは認めています。その為にも、質問の発言回数は決めていません。議論の内容によって、かなり緊迫したやりとりになるケースも起きてきます。

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