新春の集い 第一部講演 −お米は生産者と消費者で一緒に作るもの− 講師 提携米・黒瀬農舎 代表 黒瀬 正 氏
 (インターン作)
 
 黒瀬氏は滋賀県の農家の生まれである。将来は自分も農業を、と考えていたそうだが実際は県庁に勤め、その後脱サラして秋田県の大潟村に移り住み現在にいたる。大潟村との縁は、当時、政府が掲げた"民主的な農村づくり"に惚れこんでのことだ。移り住んだ当初は田んぼづくりから始める重労働だったようだが、それがまた楽しかったと語る。
 黒瀬氏の米作りは食管法との戦いであったように思う。食管法はそもそも米不足の時代、貧富の差によらず皆が米を手に入れられるようつくられた制度である。それは今日のような減反を強いられる時代にはそぐわない、農民の自立を妨げるとして独自の米作りを模索してきた。
 黒瀬氏は米作りを通じて真の民主主義の獲得もめざしてきた。自らがおいしいと思える米を作り販売することが、農民の自立を促し自己責任を意識させるのだと。
 実際、これに見合うだけのおいしい米作りのため多大な苦労を重ねてきた。現在ある田んぼの三分の二は無農薬、残りの三分の一は除草剤を一回撒くだけである。消費者に信頼できるおいしい米を届けようと日々がんばっている。黒瀬氏は語る。「自分たちの米を都会の人達が買ってくれることでまたがんばれる」と。おそらく、自分達の信念が消費者にも受け入れられている、と支えになっているのであろう。
 そんな黒瀬氏の姿が村の人々の信頼を得ているのだろうか。黒瀬さんの奥さんが現在、大潟村の村長であるそう。
 昨今、地方の自治力が問われている。黒瀬氏の住む大潟村では、米作りがそれを象徴しているように思う。本日の講演は、私達には私達なりの"自治像"を描き、前進していくことが求められているように感じた。そういった点でも新春の集いにふさわしいテーマであったように思う。

写真 講演中の黒瀬 正 氏、タイトル看板、懇親会で挨拶する吉田 つとむ 

リンク: 提携米 黒瀬農舎

吉田注)
 吉田つとむ後援会主催「第5回新春の集い」の、講演内容をインターンの人にまとめていただきました。講演時間は吉田の開会挨拶を含めて1時間弱でした。本格的な「講演会」と考えると短か過ぎ、新年会の「イントロ」と考えると、珍しいタイプの会だと思います。
 なお、「黒瀬さんの奥さんが現在、大潟村の村長」だと言うことは、講演会・懇親会の間には明らかにされませんでした。会が終わって以降に、実行委員との懇談の席で出た話題でした。吉田自身も、不勉強で、そのことを知らないでいました。