都議選挙予定候補者の事務所まわり同行
                                     インターン記録レポート     町田市議会委員・吉田勉

作 学生氏名  村上直子                                                   年月日 (2001年04月13日)

構成
  1 本文
  2 吉田の注
  3 吉田の後書き・感想

 主要研究項目  04月13 日 金曜日 
 都議選挙予定候補者の事務所まわり同行
 
1 本文

 都議選挙予定候補者の事務所まわりに同行した。目的は吉田さん本人が、来年2月の改選を控え、その事務所作りの参考にするためである。
この日以前に2ヶ所の事務所を訪れたことがある。そして、13日に5ヶ所を回ったので、合計7箇所の事務所を見学したことになる。
 私は、このように多くの事務所を訪問してまわるのはとても参考になることだと思う。なぜなら、それぞれを比較し、長所、短所を研究できるからである。これは、政治家のHPを日々チェックし、比較検討して自分のHP作りに活かしている吉田さんの得意とする方法である。
 それぞれの事務所には特徴がある。それは、場所やそこにいる人材もその違いの要素ではあるが、もっと際立ったものは、その事務所の雰囲気、つまり選挙に対しての体制であると考えた。吉田さんも以前言っていたが、事務所に行けば、選挙に落ちるか落ちないかはその雰囲気でわかるそうである。確かにと納得することができた。

 私は、選挙に立ち会ったことがなく、実際に選挙で投票した経験もない。(吉田注:1) しかし、今回事務所を訪問し、その事務所のスタッフの対応で、「ここは大丈夫なのだろうか?」と感じた場面もある。私のような選挙初心者にまでそう思われてしまっているので、経験を積んだ吉田さんは、その事務所を訪れ、どう思われたのかが気になった。
 また、事務所の雰囲気の重要な要素は、選挙に対しての自信だという事もわかった。やはり、自信が感じられると、何かやってくれそうだという気に、こちらまでなってくる。
 私が興味を持ったのは、政治家のパンフレットやポスターにも、流行というものがあるというお話だ。今年はオレンジ色が流行るという事を聞いた。今までは、そのようなことは考えもしなかったので、驚いた。このような流行を捉えて選挙活動をしていくのも大切だということがわかった。しかし、私個人の意見では、吉田さんには、流行にとらわれて、自分のカラーが出せないという状況に陥ってもらいたくない。自分のやることが流行になる!!という意気込みでやっていったほうが、吉田さんらしいと感じた。
(色々な資料を出して、作成するパンフレットについて、丁寧な説明をしていただきました)

 事務所訪問の際、吉田さんは、応援費を持参していた。<祈必勝>を書かれたものを渡していた。私は、これは違反なのではないかと思ったが、話しをきくと、本来政治家は、個人からの応援で政治をするので、本来こうした資金で活動するのが正しいのだという。ただし、会社からはもらってはいけないのは、言うまでもない。
(相手の事務所の担当者に、応援費を手渡すところの写真)
(応援費を入れた封筒=祈必勝)

 ある事務所で、推薦状というものを見せてもらった。薬剤師会や、歯科医師協会からの推薦状である。私が驚いたのは、それらの中には、こちらから頼んで推薦してもらっているものがあるという事実だ。お金を払って推薦してもうこともあるということを始めて知った。私はそれを聞いてあまりよい印象をもたなかった。そして、その推薦状がまるで札束に見えてくるような気がしていやな気分がした。
 このような、推薦状などで、周りを固める候補者もいれば、政党からの支持、公認をわずらわしく思っている候補者もいた。彼らの言い分は、何もしがらみがないほうが、自由であるということだ。確かに納得できるが、一人でいる分、大変なことも多いと思う。ここが、選挙の難しいところだと感じた。
 今回の事務所訪問は、予定候補者の政党がバラバラであったのもよかったが、(例外はあるが)選挙予定候補者本人に直接会わなかったというのが面白かった。本人を取り巻く事務所の体制、雰囲気を、よりよく観察することができたからである。これらを参考に、今後の活動につなげて行きたいと思う。

 最後のまとめとして、今回の事務所訪問で得た、私なりの「選挙に勝つ事務所像」を述べたい。なお、かなり個人的な意見なので、これが正解と断言できるものではないことを注意願いたい。
1. 事務所開きの時期: 早すぎても遅すぎてもいけない。選挙に対する体制が整うぐらいの時期がベスト
2. 事務所の立地条件: 駅から近く、わかりやすく目立つ場所、駐車場があればベスト
3. 事務所の中: 日差しが入り明るい感じのほうが好感をもてる。応接セットは必須。整理整頓
4. スタッフの対応: 選挙に対してある程度の知識が必要、急な訪問者に対しても、すぐに対応できるような心構えが必要(訪問者にパンフレットなど渡すべきものを心得ておくこと、挨拶がしっかりとできること、選挙違反にならないよう気をつけることなど)事務所や地元の場所を理解し事務所までの道順などを説明できること、女性と男性が両方いたほうが感じがよい
5. 選挙に対して: 本人のやる気と自信が重要

2 吉田の注

(吉田注:1) 私は、選挙に立ち会ったことがなく、実際に選挙で投票した経験もない。ーーー村上さんは、二十歳を越したばかりです。

3 吉田の後書き

 インターン生の村上直子さんが、政治家の事務所を吉田とともに訪問した際に、感想と吉田はどうあるべきかについて書いたものです。よく、相手を観察し、参考意見を提出してくれました。今まで、そうした事務所をみたことがありませんでしたので、新鮮な感覚で意見を述べています。
 下段は、私が説明のために書き加えたものです。

1 選挙の活動と準備(事前運動の禁止)
1) 私たちが今回たずねたのは、各都議会議員及び、その立候補予定者の事務所です。
選挙の候補者と言わない、言えません。
今回、訪問した相手が、今日の段階で選挙運動をすることはありません。選挙期間以前に選挙運動することは、選挙の事前運動と言うことになり、それは禁止されています。
2) 選挙運動ができるのは、選挙の立候補受付が完了してからです。それ以前に行う政治家の活動は、選挙運動でなく、あくまで議員活動か、後援会の拡大・広報活動です。
3) 選挙運動期間に入る前の事前にできることは、事務所・車両など借り上げの内交渉、届け出書類の準備等、ごく限られた範囲です。法律の解釈説明をした解説本も出ています。
4) 政治家のパンフレットやポスターは、選挙のために作るのでなく、あくまで後援者を増やすため、自分を知ってもらうための討議資料に相当します。

2 政治家と寄付金(応援費)
  1)「祈必勝」と書いたのは、その時期が来ればと言う、考えでお渡ししました。選挙が始まって以降に持っていく時は、「陣中見舞」と書いて出します。何か、戦国時代の用語のようですが、選挙は当時の「戦(いくさ)」に相当します。
  2)政治家は、大勢の住民に支持・応援されて、存在するものです。当然、それらの人たちの寄付(昔は、浄財とも言います)でなりたつのが理想です。「コーヒー一杯運動」(コーヒー一杯分の寄付を集める)というものもありました。吉田は、インターネット上で、「政治家に、国民一人が千円の寄付をしよう」と言うサイト(個人献金促進委員会)に登録し、インターネット上で、政治資金の公開しています。
 このお金を、「カンパ」といえば、インターン学生には分かりやすいのでしょうか。

3 推薦団体と寄付
  1)政治家は、選挙の場合、団体の推薦を受けることがあります。自民党・民主党・公明党・自由党・共産党・社民党・保守党と言う政党に所属する場合も、無所属でも同様です。ごく、まれに団体の推薦を受けていない人がいます。個人が政治家を応援する時代ですので、今後は少なくなる可能性もあります。
  2)ちなみに、吉田つとむは、に推薦はゼロ、平成10年で推薦は1団体でした。余り縁が無い団体の推薦があっても、さほど意味が無いかもしれません。無いより良いのでしょうし、あるに越したことはありません。
ただし、政治家が、団体に資金を出して、推薦をお願いするものではありません。

4 村上さんの要望・注文について
 1)吉田は、流行にとらわれるな
    「パンフレットやポスターの作製で流行にとらわれるな、自分のやることが流行になる!!という意気込みでやっていったほうが、吉田さんらしい」と言うのが村上さんの考えです。なにを作るも、吉田はオリジナルを基本にしましょう。
 2)選挙の指針について
    今回、関係した多くの事務所の成り行き、最終結果を見つめましょう。