2011.10.17 福光 智子 第1回インターンレポート
            町田市議会議員 吉田つとむ 研修生

第1回:障がい者就労について> 
              第29期研修生 福光智子 専修大学2年


 今回、私は社会福祉法人ウィズ町田様が運営されていらっしゃる就労支援センターらいむ様のところへ訪問させて頂きました。らいむ様は作業所等で日中活動を行うことや、一般就労を希望されている障害者の方への支援等を行っていらっしゃいます。私はそちらの理事長を務めていらっしゃる天野貴彦様からお話を聞かせて頂いたのですが、それらの話はどれも今まで私が知らなかったことばかりでした。

 例えば、1万5千円という金額が何を表わすのか。これは、障害者の方が作業所等で日中活動を行うことで毎月支払われるお給料の金額です。私はこの金額を聞いたとき、初めは1日に支払われる金額のことを言っているのかと思ってしまいました。障害者の方がこれだけで生活できるはずがありませんし、20分の1の仕事しかできないというわけではありません。障害者の方には障害年金として毎月、障害等級が第一級の方は8万2千円が、第二級の方には6万6千円が支払われており、多くの方は第二級に位置しているそうです。グループホームで生活するためには11万円くらいが必要とされるらしく、障害年金以外に5万円ほどの収入がなければなりません。その収入を得ることを支援するために設立されたのが、就労支援センターらいむ様であったわけです。

 私が知らなかったことはこれだけではありません。49%、この数字は障害者雇用促進法に則ってきちんと雇用する労働者の1.8%に相当する障害者の方を雇用している企業の数を表しています。平成22年の日本の実雇用率は1.68%でした。企業の半分以上が障害者雇用促進法を守っていないというのが現状なのです。日本のように、法定雇用率を定めている国はいくつかあり、イタリアは7%、フランスは6%、ドイツは5%、韓国は3%としているそうです。いずれの国も日本よりも高い数値を設定しています。私はここに日本の障害者に対する支援の意識の低さを感じました。悲しいことに、いずれの国も日本と同じように法定雇用率を達成することは出来ていないそうです。そのため、アメリカやイギリスでは、障害者雇用促進法を定めるのではなく、何が差別にあたるのかということを示す障害者差別禁止法という法律を定めているそうです。この法律は現在は日本には存在していませんが、これから一般法を変えていこうとしている最中なのだそうです。2006年に国連で採択された障害者の権利条約では、直接差別・間接差別・合理的配慮を行わないことの3つに分類することで国際的な差別についての水準が示されたそうです。日本の障害者に対する一般法を早く国連で採択されたものと矛盾がないような物に変更されて欲しいと強く思いました。

 また、訪問先で毎月3回5の付く日に発行されているwith町田というものを頂き、それを拝見していた際にも驚かされたことがありました。とても恥ずかしい話なのですが、これまでの私は「障害者」という言葉を聞くと、どうしてもネガティブなイメージを持ってしまっていました。ですが、実際はそんなことはありませんでした。例えば、作業所での作業内容には清掃事業・弁当事業・花卉事業・メール配達便・おかし作り・給食調理などたくさんの種類があります。メール配達便のお仕事をなさっているある方は、地図をしっかりと覚え、一通一通を責任を持って届けていらっしゃいました。私は障害者の方がこんなにいろんな仕事をすることができることに感動しました。それぞれが自分の得意なことや能力を生かし、自分の仕事に誇りをもって取り組んでいらっしゃることを、一体どれ程の人たちが知っているのでしょうか。私はそういった人たちは少ないのではないかと思います。もっと障害者の方の住みやすい社会を実現させるためにも、私はこのことをもっとたくさんの人たちに積極的に広めるべきなのではないかと思いました。そして、現在、障害者の方々が抱えている障害がどういったことであるのかということをもっと日本の社会全体で共有するべきなのではないかと感じました。

 これまでの私は、福祉というと高齢者の方に関することで、自分とはあまり関わりのない話であるような気がしていました。また、障害者の方に対してもネガティブな考え方ばかりしていました。しかし、with町田に載っていた障害者の方々はどの人も輝いて見えました。そして、私のこれまでの考え方こそが、障害者の方に対する差別に繋がってしまっているように思いました。こういったことに気付くことができたのは、天野さんが貴重なお話をしてくださったからです。天野さんは、話を聞くだけでは分からないことが現場にはあるため、現場に見学に行くことを勧めてくださいました。今度は実際に作業所に見学に行ってみたいと思いました。
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                             記:町田市議会議員 吉田つとむ 志政クラブ 
2011.10.25 コメント

 第29期生のインターン生が登場しました。専修大学2年の福光智子さんと言い、参加のきっかけは、第28期生の小宮春菜さんが作ってくれた「インターン募集」のチラシを見て、募集要綱を確認し、応募してきたものです。インターン活動は、後期の授業の合間をぬっての研修になります。

 そのために、この日の研修時間は夕方からの日程で、相手の就労支援センターらいむと天野貴文氏には、大変ご迷惑をおかけしました。快く引き受けて頂き、有り難うございました。

 さて、今回のレポートですが、ずいぶんと詳しい数字も入った記述になっています。短時間のインタビューと若干の資料を頂いたのみで、よくこれだけのレポートが出来上がったと思います。是非、この現場でも学ぶ機会を設定しましょう。

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