2011.10.26 福光 智子 第2回インターンレポート
            町田市議会議員 吉田つとむ 研修生

第2回:在宅型有料老人ホーム事業について> 
              第29期研修生 福光智子 専修大学2年

 今回、私はエクシオジャパン様が運営なさっている、アクア福祉グループ・エクシオホーム様のところへ訪問し、小林教利様からお話を聞かせて頂きました。エクシオジャパン様は、20年ほど前か不動産業を営んでいらっしゃいます。そして7年ほど前から古くなり中々入居者が見つからないアパートを有効に使いたい、また、入居することが出来ずに困っている高齢者の人々を減らしたいという思いから、アパートを高齢者向けに改築し提供するという福祉部をつくり在宅型有料老人ホーム事業を創められたそうです。

 小林様から伺ったお話の中で特に印象的であった話が2つあります。まず1つ目は、群馬県渋川市の老人ホームにおいて起きた火災についてでした。この火災によって死者10名、負傷者1名の犠牲者が出てしまいました。これは、老人福祉法で都道府県知事への届け出が義務付けられている有料ホームであった可能性があるにも関わらず、ホームが県に提出していた運営内容確認表に記載されていた居室数と実際の居室数が異なるなど、劣悪な環境で高齢者の人々が生活していたがために起きてしまった事件でした。事件後、消防部局と福祉部局が連携し、未届けの有料ホームに対して緊急点検が行われたそうです。その点検内容とは、火気管理や自力で避難することの困難な人の避難経路や避難誘導ができるのかといった火災予防対策に関してや、防火管理者が選任されているかどうか、消防用設備などの早期の設置を促進することでした。

 こういった事件が起き、行政からの認可が必要となったことによって、エクシオホーム様は頭を痛めたそうです。というのは、エクシオホーム様は一般的な所得の高齢者の方に向けたアパートの延長線上にあるものと思って貰えるような住宅型有料老人ホームを作りたいと思っていたにも関わらず、改築以外の設備投資の費用が嵩んでしまったからです。例えば、スプリンクラーをホーム2棟に設置すると費用として1400万円ものお金が必要になります。国が補助金として1100万円を支給してくれるそうなのですが、それでも300万円は自己負担しなければなりません。ホームの利用料を上げないこととすると、この300万円はどうやって回収するのでしょうか。急速な高齢化が進んでいる日本であるからこそ、国は福祉事業を営んでいる企業に対してもっと手厚い支援をし、福祉事業がもっと活発になるようにするべきなのではないかと思いました。
 
                                             第29期研修生 専修大学2年 福光智子
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                             記:町田市議会議員 吉田つとむ 志政クラブ 
2011.11.27 コメント

 第29期生 インターン生の福光智子さん(専修大学2年)の第2回目のレポートが到着しました。それ以降も企業などの訪問を行っていますが、レポートがそろい次第アップしていくことにしています。

 インターン生の授業の関係で、この日の研修時間もまた夕方からの日程でしたが、相手のアクア福祉グループ・エクシオホーム様と小林教利氏には、大変ご迷惑をおかけしました。快く引き受けて頂き、有り難うございました。さて、今回のレポートの記載方法ですが、小林氏の話を聞いた際に詳細なメモを取り、その記憶にもとづいた記述になっています。前回と同様に今回も、短時間のインタビューと若干の資料を頂いたのみで、よくこれだけのレポートが出来上がったと思います。是非、この現場でも学ぶ機会を設定しましょう。

 さて、今回の在宅型有料老人ホーム事業に関してですが、今後高齢者がますます増えていくことが明らかであり、施設入所型の老人ホームの建設や運営ではおのずと財政的に限界があります。そのためには、高齢者自身ができるだけ自分で生活する環境を拡充していくことが重要な課題になっています。そうした社会環境の中で、民営によるこの種の有料老人ホームが誕生して拡大する状況になっているものと思います。自治体や国の「公」がどのような部分に財政を投入するかと言う方向性が問われていると私は考えています。

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