2012.3.21 大谷優樹 第15回インターンレポート
            町田市議会議員 吉田つとむ 研修生

第15回:インターンシップ17日目> 
              第29期研修生 大谷 優樹 明治大学4年生

  他所の市にもあると思うが、町田市には請願制度がある。町田市民が市議会議員の紹介をもとに請願書を提出する。そして委員会会議で採択されれば本会議に議案として提出されるというもの。今日は請願代表者を意見陳述に招き請願に関する質疑応答・議員間討論を行った。請願内容は①町田市議員定数削減を求めるもの②町田市議場に日本国旗を掲揚することの2点。請願の是非については人によって確実に考えが異なるであろうから質疑の内容について書かせていただく。

 まず①の請願の趣旨は他都市(横浜等)の状況や国会議員の定数の多さを引き合いに出して町田市議員も適正数にするべきとのこと。なので主に質疑の内容は適正数の基準は何か。町田市とほぼ同水準の市での状況は如何なのか。定数削減することによる市政の弊害。議員のあるべき姿云々。だいたいこんなところだろうか。ちなみに質問は議員→請願者の一方通行のみ。請願者から議員に質問はできない仕組みである。そして議員から様々な質問が飛んでくるので請願者は多くの情報を集め、準備をしなければならない。議員を納得させるだけの、議員の言い分を打ち負かすほどの答弁ができないといけないだろう。わからないと言ったり、論理的な説明ができなくてはあまり心象はよくない。結局請願①は継続審査ということで決着がついた。

 請願②についてだが非常に詳細が書きづらい……、というか書けない。議員方々と請願者の主張を書くと確実に意見の衝突が起こるだろうから。ここで言えるのは偏見を持つのは良くないということ、少数意見でもそれは一つの意見として受け止め考慮する必要があること、そして思想の自由が認められる日本において、国旗に対してどういう考えを抱くかは究極的にはその人の自由だということ、くらいだろうか。

 それはそれとして気になった点が一つある。議場に国旗を掲揚するのにわざわざ議案として提出する必要があるのだろうか。そのための法案を作らなければいけないのか、職員の一存でさっと掲げてはいけないのか。町田市旗は掲げられていたはずだがそれは掲げるためのルールがあるのだろうか。疑問が深まる。
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                             記:町田市議会議員 吉田つとむ 志政クラブ
2012.3.21 コメント


● 大谷祐樹さんが市議会の委員会を傍聴しました。委員会は、議会改革特別委員会です。ここに、議会運営委員会の決定に基づき議員定数の削減を求める請願と本会議場に国旗の掲揚を求める請願が付託されました。まず、請願の権利は憲法で保障されており、それは地方自治体も共通であり、しかも、それを厳粛に守っているのが町田市議会の特徴です。それは1名の議員の署名があった請願は必ずその議会の審査に付され、審議を行ってその可否を判定するシステムになっています。

● 委員会で可否を決定しますが、結論がでると可否のどちらの場合も本会議に送ります。そこで採決した結果が議会の意思になります。いままで、委員会で決定したことと異なっ採決は何度も見てきました。つまり、委員会の決定はあくまでそのメンバーで決定したに過ぎないわけです。

● 今日の議論は、意見陳述を行った請願提出者に質疑をしたことがメインでした。そもそも請願者はすでに請願文を出しており、意見陳述する義務はなく、町田市議会が請願者に権利として設定したもので、多くの自治体には存在しない制度であり、町田市議会の会議でも意見陳述がないものも珍しくはありません。そうした意味で、今回の請願者はあえて自ら意見を述べたかったのだと理解してください。確かに、その請願者の説明は用意周到とは言えず、議員の質疑に十分には応えられない場面もありました。逆に、私の質疑にはご本人は答える意思があったのですが、他の議員から、請願者の意見を誘導しているという質疑をさえぎる異議申し立てが出たおうな経過がありました。私の質疑の要点は、国会議員の歳費削減に言及されていながら、請願にはなぜ、定数削減のみが項目になっているのかという趣旨でした。

● 継続審査になった理由は、資料を取り寄せたいと求めた議員があって、それを支持した議員が多数であったためです。私は資料がなくとも審査には支障がなかったと考え、なくともかまわなかったのですが、いきなり結論では資料を求める議員に失礼かなと思って、継続審査に賛成しました。

● ついで、国会掲揚の請願は、これまで何度かおこなわれたもので、なにも請願審査で決定することはなく、これこそ議員が決定するべき内容です。よもや国会では請願を審査してそうしたことを決すような手続きは取られないでしょう。そういう意味でも、町田市議会の審査方法は住民に開かれたものだと考えています。

● 追記しますが、この種のことを職員が決めることは100%ありません。本会議場の演壇後方(議長席の上方)に市章がありますが、それに彩色することでいろいろ議論したことがあります。議場の内部を変更することは簡単には決まらないことで、今回は何度も語られたことが煮詰まる状況にあるかなというところです。

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