2013.11.14 清渓セミナー 講座3
              記:町田市議会議員 吉田つとむ


講座3 「教育委員会は地域コミュニティにとって必要なのか」
(講師:工藤 一徳先生)
(講師:工藤 日出夫先生)
〈コーディネーター:中西 茂先生〉


 ちなみに、この部門の司会は真岡市議の佐藤和夫さんと私が担当でした。 

 第18回清渓セミナーは2日目ですが、講座Ⅲ(教育委員会は地域コミュニティにとって必要なのか)から始まりました。この講座Ⅲは2名のパネリストとコーディネーターの方によって構成されました。

 パネリストは、工藤 一徳先生(福岡県自治振興組合専門員、前福岡県春日市教育委員会学校教育部長)、工藤 日出夫先生(生涯学習ゆめ・みらい研究所主宰、北本市議会議員)で、コーディネーターは中西 茂先生(読売新聞東京本社調査研究所本部主任研究員)でした。

 春日市の工藤 一徳先生は一般行政職員で長期間教育委員会に所属し、その内部的な改善に努めた人物で社会的に高く評価を受けています。

 一般基礎自治体には公立小中学校教職員の人事権が無いとされ、給与が都道府県費であることがその根拠になっています。学校教職員も都道府県教育委員会の方針のもとにあるようです。結果的に、市町村行政職員は事務領域の職務に閉じこもりがちになるとされています。そうしたことで、行政職員である市町村職員は部内移動の一環として教育委員会に所属し、それが本来機能するには長期人事が必要と述べられました。また、教育委員会はその予算(執行権、予算原案編成権)を学校現場に渡すべきで、学校長に本来の権限を持たせるべきであるとも述べられました。

 コミュニティ・スクールでは、学校運営協議会が権限を持つことが重要で、教育委員の機能もその懇談会を強化し、事務局の追認機関から予算案の要求や新規事業案の作成で自立性を持つことを期待していました。
 北本市の工藤 日出夫先生は、現況の教育委員会には展望が薄いことを基本に見解を示されました。これからは職員が社会教育的な手法を身につけるべきで、社会教育主事の資格を取って、地域住民との対応にあたるべきことを述べられました。学校施設の空き状態が多くなる中、その解消の問題に大きくかかわる考えが示されました。

 されに、今後、人口減少に伴い、自律的なコミュニティが必要であるとされました。

 その他、教育基本法の記述に「人格の完成を目指す」とあること、あるいは地方が育てた人材を中央が使うわけだから、中央は地方に財政的な還元が必要なことなどを述べられたことが特徴でした。

 教育委員の人事では、議会が同意事項として承認しているわけだから、その責任を負うべきであり、問題があるとすればそれを指摘するのが議会の役割だとされました。記憶しないではおけない意見でした。

 このセミナーの参加者の大半が地方であり、首都圏の町田市から見ると、課題がだいぶ異なっているが、地方が人的に財政的に疲弊していることは間違いなく、それらを我々に無縁として無視する施策は許されないだろう。

 その他、本日は他に3氏の講演がありましたが、政局的な観点では興味深いものでしたが、記録する対象には至りませんでした。

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