個人視察報告書を作成しました。自分で自分に報告をすることになりますが、議長職は役務ですので、特に意識するものでもありません。
 調査研究視察報告書 個人・会派視察 平成28年11月17日(水)~平成28年11月18日(木)
   
1. 期   日    28年 11月 17日(木)~ 11月18日(金)
2. 視 察 先  1.開催場所:主婦会館 
          清渓セミナー
3. 視察項目等  別  紙(研修報告)
          *東京都市議会議長会に出席した時間、およびその往復時間を除いた時間に参加

 *なお、上記では別紙としていますが、ホームページでは下段にその内容を掲載いたします。

2016.11.18 清渓セミナー講座V 実践報告「住民主体の津波防災まちづくりの計画」作成

 いくつものテーマで話題がありましたが、セミナーの講座では気になった項目のみの所感を報告書に記載しました。 

2016.11.18視察報告書 清渓セミナー講座V 実践報告「住民主体の津波防災まちづくりの計画」作成:講師 西原茂樹(静岡県牧之原市長) 

                                町田市議会議員 吉田つとむ 保守連合 

視察先:清渓セミナー講座V(場所:東京四谷主婦会館)

視察日程:2016.11.18  

<経過>
 <2016.11.18 清渓セミナー講座V 実践報告「住民主体の津波防災まちづくりの計画」作成>の講師は、西原茂樹・静岡県牧之原市長でした。西原市長の経歴は、市のHPに自身で記載されています。

生年月日:1954年(昭和29年)318

学歴:静岡県立榛原高等学校卒業
    金沢大学工学部土木工学科卒業

経歴:相良町議会議員(平成元年~)
    静岡県議会議員(平成3年~)
    牧之原市長(平成171030日~)

 とあります。年齢からみて、経歴では、それ以前の職業があったはずですが、いくつかのネット記事を見まわしましたが、その記載は見られません。政治家ですのでそれを隠しているのでなく、あえて、それ以前の職業を重視していないと私は見ました。

 さて、牧之原市は、浜岡原発の近くにありながら、それが市内に位置するわけでもありません。市内にはスズキ自動車の工場があって、市民以外の従業員も多い街であるのが特徴のようでした。あわせて、静岡空港がある街でもありました。

 牧之原市にとって、福島原発の爆発事故以降、浜岡原発は休止したままの状態になっているが、今後どのような方向に向かうのかが課題になっており、特に、政治家の主張、判断にとって大きな課題になることがわかる。あわせて、住民意見がどうなるのかの視点も欠かせないことであることが明らかでした。

 西原市長が取ったやり方は、まず、第1期目のマニフェスト「牧之原から国を変える」と言うもので、市民参加と協働を推進!「フォーラムまきのはら」を開設とありました。

 多くの市民が集まったと言いますが、その後、回を追うごとに参加者が減る問題が起きたとのことでした。

それは、1人だけで話す、頭から否定する、楽しくない会議になるためでした。

そうした事態が起きて、市民参加をどのように進めるかの考えで、「市民ファシリテーター」が考案されました。

自分ばかりが話をしない、頭から否定をしない、楽しい雰囲気を作る、まきのはら協働プロジェクトが開始する経緯になりました。

平成23年に牧之原市自治基本条例ができる過程では、「まちづくり基本条例を考える会」ができ、「まきのいはら協働推進会議」が設置され、「自治基本条例を創る会」が設置されて、条例ができました。

それが東日本大震災の発生で、今後の対策が必要になりました。対話によるまちづくりの手法が問われることになりました。「津波防災まちづくり計画」に関して、本来は早々に計画を立てるべきところ、ある意味、時間をかけた検討が積み重ねられました。住民意見を聞く、専門家の会議にも住民の声が反映するのはどのようにするべきかのあり方を学べました。 

<所感>
 西原市長は、参加者に「政治家の仕事はなにか」と問われました。

 数人に尋ねられ、私は「議論をすること」と返答しました。他にも、同様な意見がありました。西原市長の答えは違っており、「人の意見を聴くこと」とされました。それによって、市民は自身の声が伝わったと思えるし、施策の中でも自分の主張と照らし合わせることができるという考え方でした。

 

 西原市長の在り方は、会合の場において、最初に市長が挨拶して、さっと帰るやり方を最悪と見ていました。つまり、これでは市民の声が行政のトップには伝わらない、住民自身の声が施策に反映されることがないと考えても止もう得ないことで、それをカバーする方法は、まず、市長が会議の場にあって、その進展を見守ることだと言われました。つまり、最初の挨拶などは控え、議論の膠着状態を見たところに登場し、行政的な見解を述べるべきとのことでした。

 行政の執行者から見て、何ができるかのめどをつけて、関係者に意見を述べるという大事な手法だと思いました。

 *以下、関係して感想を書きました。

議長とファシリテーターの関係

 ファシリテーションと言う言葉があり、辞書の大辞林によれば、「グループによる活動が円滑に行われるように支援すること。特に、組織が目標を達成するために、問題解決・合意形成・学習などを支援し促進すること。また、そのための方法。」と記述されています。その役目をするのがファシリテーターであり、ビジネス界では大変重視されています。

 議会の会議では、議案や請願を審議し、その是非を決定(表決)することが第一義的な仕事です。議長は、論議のやり取りを進行し、採決の時期には唯一、議場で言葉を発し、議員の賛否を問い、その多数を明らかにした結果を述べ、議案や請願の可否を述べます。

他方で、議会には一般質問と言うものがあり、これは議員個人が自由に市長に対して質問を行い、市長が答えるものです。一概に答えが出る、議論に決着がつくというものでないことが特徴です。議長は、唯一その進行役を務める立場です。町田市議会は、1回に5日間、年に4回の定例会を開催するために、年間を通じては20日間を一般質問に充当しておりますが、議長とは議事進行に関する一種のファシリテーターに似たものではないかと思っています。

記:町田市議会議員 吉田つとむ 保守連合
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