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オーナー通信 第30号 「住宅金融公庫について」
2001年11月
有限会社 臼井不動産 栗山隆太さん記事作成
拝啓 枯れ葉舞う季節、ますます御健勝のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
小泉政権の特殊法人改革がなにかと話題になっておりますが、今回は私共「不動産屋」と関係が深い「住宅金融公庫」(以下「公庫」)について。
弊社におきましても土地や住宅の分譲並びに仲介を行っておりますので、購入者の皆様の資金計画上、所謂「住宅ローン」の手続きを代行する機会が多々ございます。しかしながら一戸建の購入資金や、老朽化に伴う持ち家の建替え資金に「公庫」を利用されるお客様はハッキリ申し上げて少数派です。何故か?一概には言えませんが、先ずあげられる理由が「融資額の少なさ」です。次に手続きが面倒、と言ったところでしょうか。確かに長期に渡る固定金利は魅力ですが、公庫の融資だけではローンが足りないので更に銀行のローンを借りて二つの金融機関と取引するより、その銀行の「借入れ」一本に絞るケースが非常に多いのです。
それに引き換え、大手デベロッパーの分譲するマンションは、ほとんどの場合「公庫融資付」或いは「融資対象」物件となっており、原則としては融資額は物件価格の80%ですが、ものによっては100%の融資を受けることが可能です。したがって公庫が廃止になるとマンションの売れ行きに大きく影響がでることが想像できます。一番痛手を被るのは業界の中でも大手のマンション分譲業者である、と言えそうです。
短期的な視点で考えるなら、業界の牽引役である大手の分譲マンションの売れ行きに陰りがでることは、あまり歓迎すべきことではございませんが、既に貸倒れが4000億円とも5000億円とも言われている公庫です。これは一般の銀行であれば最も問題視されている「不良債権」以外の何ものでもありません。元が我々の税金なので国民が声を大にして糾弾しない限り、積極的な回収は行われないと見て間違いないでしょう。旧国鉄と全く同様と捉えると分かりやすいような気が致します。
マスコミの捉え方、特に業界新聞などの記事を読みますと、まるで不動産業界全体で公庫の廃止には反対しており、公庫が廃止されると住宅産業そのものがダメになってしまうようなヒステリックな書き方が目に付きますが、実態はそんなことありません。弊社と取引の深い同業者の社長さん何人かに公庫についての質問をしましたが、誰一人廃止について異議を唱える方はいませんでした。
一部の団体や個人の利益のために存在する特殊法人は本当にもう勘弁して欲しいものです。全ての特殊法人がそうだとは申しませんが、道路公団をはじめほとんどの組織が公庫と似たり寄ったりだと想像できますので、小泉政権にはこの特殊法人改革をどんどん推し進めて頂きたいと願います。それが真の景気回復に繋がると信じております。
めっきり寒くなって参りました。ご自愛の程を。
敬具
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