オーナー通信 第39号 「ペイオフ解禁の影響:その3」
2002年8 月
有限会社 臼井不動産 栗山隆太さん記事作成

拝啓 酷暑の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素はひとかたならぬ御愛顧を賜り、ありがとうございます。

 さて今年の4月1日より定期預金のペイオフが解禁され、金融機関が破綻した場合でも保証される額は「元本1000万円とその利息」となりましたが、前にもお伝えさせて頂いた通り今まで銀行に預けられていたストックマネーが不動産市場に流入され始めているようです。

 東京地裁による今年7月の不動産競売の結果によりますと、いわゆる投資用不動産、主に都心部におけるワンルームマンション等(以下「1R」)の落札率は約85%で個人投資家の賃貸用不動産購入の傾向が如実にみられます。

 新聞広告にも新築の1Rの掲載が目立ちます。売れ行きも好調のようです。営業マンの殺し文句は「1千万円を銀行に預けていても年利は良くて10万円、入居率の高い1R物件であれば1ヶ月の家賃が5万としても収入は60万円」と、いかに利回りが良いかを強調します。確かにそれだけ聞くと悪い話ではありませんが、そんなに単純な話ではないことは誰でも察しがつきそうなものです。不動産運用を長年続けていらっしゃる皆様には「何を今更」と怒られかもしれませんが、近頃お問合せをよく頂戴致しますので下記にご注意点をまとめてみました。ご参考にして頂ければ幸いです。
1. まず今の市場では購入する物件の値上がりは期待しないほうが無難です。むしろ値下がりすると思っていることが肝心です。
2. 利回りは常時満室で計算されています。7掛けくらいで丁度よいと思われます。
3. 賃料が下がることは計算されていません。
4. 物件の価格以外に発生する不動産取得税、登録免許税等の税金は利回りに計算されていない場合が多いです。
5. 保有コスト(固定資産税や所有者が負担するマンションの管理費、火災保険料)また入居者が入れ替わる際のリフォーム費用なども計算されていないことがほとんどです。
6. 駐車場は確保されているでしょうか?
7. 管理会社は信用に足る会社ですか?

 ざっと考えただけでも確認しなければならないことが沢山あります。銀行の預金は分散しておけば利息が少なくても元本が目減りすることはありません。もちろん不動産業界が活性化することは我々としても望ましい限りですが、くれぐれも熟考の上ご判断を。

 管理会社の経験から申し上げますと「実際に使用する立場」即ち入居者の目線で考えて造られている物件は入居率が高いように思われます。