● 学生インターンシップによる
     研修生の受入体験を語る(2)

◎ インターンシップ体験の見出し

<議員と学生の集団面接>     (前回)
<STATESMANの紹介>        (前回)
<学生との単独面接>       (前回)
<インターンシップ開始>     (前回)
<私の緊張した意識>       (前回)
<他の議員の受けとめ方>     (前回)
<学生になにを見てもらえたか>  (前回)
<学生に学んでもらいたいこと>  (今回)
<私の成果>           (今回)
<私の反省に代えて(今後の展望)>(今回)

◎ インターンシップ体験の本文(続き)

<学生に学んでもらいたいこと>

  1.  まず、新聞やテレビ見るのと違って「地方議員」というのは、「会議で眠ってばかりでは無い−むしろ、議論に夢中で、時間の経過を無視することもある」ということを、インターン学生に学んでもらいたいと思いました。

2. さらに、「地方議会でやっている議論は、下位的な議論であり、国のまねごとをやっているのではないか?」という一般の考えを、学生が地方議会の議論を実地に見て、けっして地方議会は中央のまねごとではないとする点を学んでもらいたいと思いました。

3. 議会と行政の関係では、議会の立場を発揮させる発言もあり、用意した原稿を読むだけ、というマスコミの考えは間違いが多々あるということも学んでもらいたい。議員が委員会で発言するために政策勉強している姿も合わせて見てもらいたいと思います。

4. 議員相互の対立や、会派同士のけん制も機会があれば見てもらいたいことの一つです。大学生には、議員の意地悪さ?を知ってもらうことも重要です。

5. 緊張の場面ばかりでは、長時間の議会活動に対する体力も維持できません。議員はどのようにして、気持ちをほぐし、明日への活力を作り上げているのかも、知っておいた方がいいのでしよう。

<私の成果>
 まず、これだけの研修生が、勉強のために私の元に来てくれたことです。選挙では決して得票が多くない私のもとに、今回インターンシップに参加した他の議員に比べて、遙かに多くの研修希望者が出たことが、自分を議員として認知する若い人が大勢いると認識できました。最終面接では、誰を採用するかという貴重な経験−結果として採用しない人を決めるという重い責任も体験出来ました。
 私への研修が、学生にとって地方議会と議員の活動を学ぶ機会になったことは、記念すべき私の誇りであると思っています。学生が、複数の議員の日常の議員活動を直に見たこと、はなせたことは、大げさに言えば、地方議会の真実の広報にも役立ったのではないかと、考えています。
 私個人にとってのにとっては、研修生を自分のスタッフを持て、自分の活動に協力してもらう関係を維持できたことでした。これまで選挙の時に、私はスタッフを導入したことがありますが、自分の考えで指示を出す立場になったことは、ほとんどありませんでした。
 今回、3名ものインターンシップの学生に来てもらったのは、<通常、秘書なしに活動する地方議員が、スタッフを持つとどのような行動が必要なのか?>という試みるためのものでした。つまり、自分自身を磨くためでもありました。
(1) 私が質問材料を用意し、学生に一般質問の原稿を書いてもらう作業をやってもらいました。平成10年12月議会の一般質問の原稿は、意識的に学生の手を借りて作成致しました。
(2) 私はこの年も決算委員になりましたが、長期間の審議が行われる決算委員会の質問の合間に、学生に必要な資料を読み込んでもらい、問題点を洗い出すという作業も実験しました。
(3) いつも秘書的な人物が、自分のそばにいるという体験も行いました。しかも、複数の学生がインターンとして入る日はてんてこ舞いでした。にわか秘書に指示をするのは大変な思いです。とりわけ、今回のように研修の学生が優秀であれば優秀であるほど、私が依頼する指示事項のレベルが高くなるわけです。この期間は、自分の議員活動の中で、もっとも充実した期間でもありました。
(4) 議会の研修以外に、研修生には、平成11年1月初旬に開催した「新春の集い」にも参加してもらいました。私が、議会以外ではどのような「面」をもっているのか、特に、地元地盤という形態を持っていない中で、住民の人たちとどのように関わりを持っているかを見てもらいました。
(5) 研修期間外のことですが、今年(平成11年4月)の統一地方選挙の期間、友人の選挙事務所を研修生を伴って訪問しました。トップ当選の候補、ぎりぎり当選の候補、残念ながら乱戦の中に入ってしまった候補など、二十人もの候補者の事務所を訪れ、あるいは候補者を見て、あるいは事務所風景を見て、選挙の現場の一部を見ていただきました。
<私の反省に代えて(今後の展望)>
 私のもとに研修に来てくれた学生は、全部が議員になろうという人ではありませんでした。むしろ、議員希望は1名だけでした。その学生は大学4年生で、喜友名智子さんといいましたが、決定していた就職を断り、「松下政経塾」に進みました。その第20期生だと言いますが、時折、電話で話すことがありますが、海外や国内各地に飛び廻る研修生活に明け暮れているようです。私の希望ですが、「喜友名さんには、偉い人物ばかりを見るのでなく、一般の人々の生活もきっちりと見るように心がけてほしい」と思います。もちろん、出来ると思ってのことですが。 
 他の2名は、政治家志望ではありませんが、政治問題への意識、社会問題への意識は特に高く、高橋佳奈さんは大学2年生でした。地方議員の立場から、地方自治体を見てみようと言う意識を持った人でした。こういうアプローチを大事にしていただきたいですね。議会研修の日数的にも一番の多くの時間をとってくれました。統一地方選挙では、マスコミの開票速報のバイトをやるといいながら、大雨の中でしたが、選挙戦最終日の選挙事務所を巡りました。開票では、訪れたそれぞれの候補者に思いを馳せてくれたことでしよう。高橋さんは地方自治体に入っても、マスコミ界に入っても、きっちりした自分を発揮してくれることでしよう。
 唯一の男性は出雲充さんと言い、大学1年生でした。携帯電話とPHSの両方を器用に使い分け、情報収集にたけた現代学生の典型を見ました。この8月の夏休みには、全国の学生を対象とした経済セミナーを企画しており、オリンピック記念センターに泊まり込みね忙しい毎日を過ごしていました。 
 これだけの学生が研修のために来てくれたのですから、もっとしっかりしたフムグラムを用意するべきでした。今回、インターンシップを計画してくれた「ステイツマン」では、機会があれば実施したいとのことですが、次の機会に研修学生を受け入れるとすると、次のことを心がけます。
(1) 研修の目標フログラムを事前に作成し、予定の変化に応じた修正を行う。
(2) 町田市議会の場合、とりわけ自由民主党会派の場合、インターンシップというものに実際にふれてもらった訳ですから、次回は研修生の行動がもっとスムーズに行えるだろうと思います。
次回は、研修生の言葉で勉強した成果を示したいと思います。(以下、次回の記事に続く)