● 第三回 インターン学生の新鮮な疑問と、私の答え

◎ 第三回 この記事の主旨

 議員インターンシップによる、2ヶ月間の現役学生をインターン受け入れが終了しました。それぞれにレポートを書いていただいた中から、主要なものを記事にしました。学生インターンは、小泉裕美さん(東京女子大3年)、大里亨くん(中央大学3年)、村上直子さん(中央大学1年)の3名に研修に来てもらいました。就職活動と重なる3年生が2名という状況でしたので、かならずしも全てが順調というわけでありませんが、成果はそれぞれの内容を参考として下さい。

 活動としては、議会の本会議・委員会の傍聴、私の質問作りや議会レポートの資料収集・原稿作成の手伝い、議員としての議会外活動への同行等をやっていただきました。あわせて、インターン体験記録のレポートを作ってもらい、その回答を用意しました。次々と新鮮な質問が飛び出しましたので、私としては、大変参考になりました。自分では常識であることが、一般の学生から見たら、不自然なこともたくさんあり、むしろその見地のほうが健全なことも含まれていました。その内のいくつかを記録と、私の答えを掲載することにしました。

 次回にも、別の形式でインターン学生の研修成果については、記事とします。

◎ この記事の見出し

 1 新議会スタート日議会についての疑問とコメント

 2 初めて一般質問を見ての疑問とコメント

 3 他の議員の質問や、吉田と他の議員のやりとりについて

 

1 新議会スタート日議会についての疑問とコメント

     (コメントしているのは、村上直子さんです)

村上さんの疑問とコメント
  50分も遅れて本議会が始まりました。どういう理由で遅れたのでしょうか。また、その理由は、傍聴する人には公表しないのでしょうか。是非するべきだと思います。
● 吉田の答え
 そうですね。傍聴人がいるわけですから、誰かが教えて上げるべきでしょう。ただし、この日の事態は別にして、どういう理由で遅れるのか、私たち当事者にもわからない時もあります! 
 このように、会議の進行がストップしていると、「議長がけしからん」、「委員長がけしからん」と様々の議員から言われることがあります。時として、議長や委員長の不信任につながることがあり、それらの声には要注意です。逆に、その声に押されて準備不足のまま会議を開くと、会議の進行に不手際が起こり、これまた、不信任とはいかないまでも嘲弄の対象となります。

村上さんの疑問とコメント
 午後から再開するとき、午前の休憩の前に話している事と、別の事から始まったように思います。質疑を採るところで終わったのに、文教社会常任委員会の委員長報告から始まりました。どうしてでしょうか。
● 吉田の答え
 傍聴者は、議案について十分な情報を持っていません。午前の議事は、「議会改革特別委員会」の委員長報告があり、委員会での少数意見の留保があった分の意見が発表され、議員より質議が出ました。その後に、関係する請願2件の裁決を行いました。
 その他に、その特別委員会の中間報告をやり、質議はありませんでした。その後、「行財政改革特別委員会」の中間報告があり、質議を問いましたが、無かったという次第です。委員会の中間報告というのは、聞き終えてその内容の是非を問うたり、報告事項の中身の賛否を問うということがありません。そのために、村上さんのように傍聴者側から見ると、結末がついていないように見えたのです。午前の会議はそこで、休憩となりました。

村上さんの疑問とコメント
 また、議長が、「本会議場が暑かったら、上着を脱いでもよろしいです。」と言いました。議長の許可がないと脱いではだめなのでしょうか。不思議に思いました。
●吉田の答え
 議会と言うところは、不思議な決まりがあるのですね。本議場では、議長が絶対的な権限を持たされています。他方、委員会ではなにも聞かずに上着を脱ぐ人もいます。私が委員長を務めていた総務常任委員会の審議ではそんなことはまったく気にしませんでした。
 エネルギー軽減のためには、なるべく冷暖房を加減し、衣服で調整するのが良いことでしょう。いずれ夏などはノーネクタイの時代がくるでしょう。格式張ったところで、議論の中身の方が大切と思います。 

村上さんの疑問とコメント
 暫時休憩後、議長の辞職がありました。その時議長席にいた人は一体誰なのでしょうか。急に変わったので驚きました。
● 吉田の答え
 休憩後、議長席に座ったのは副議長です。副議長が議長の辞職願いを発表し、議事日程に載せることを求めたものです。
  議長の辞職を全議員が異議なしとし、その後休憩としたわけです。

村上さんの疑問とコメント
 選挙をするところは見られませんでした。議長は立候補ではなく、暗黙のうちに大体決まってしまっているというのが不思議です。どうして立候補制にしないのでしょうか。立候補のほうが、やる気がある人を議長に立てられるので、良いと思います。
● 吉田の答え
 議長の立候補問題について! 4年前だった思いますが、議長は立候補で決めるべきだと言う意見が議員から発せられ、新聞でも話題になりました。12月に辞職された片山光代議員がその人でした。新聞では話題になりましたが、議会では対して話題となりませんでした。事務局の人に聞くと、当時の資料があると思います。片山議員のホームページは、吉田のリンクに入れています。当時は、資料も記事として入れてありましたので、見てみて下さい。

  <注記>議長が暗黙で決まるというのは誤解です。議長の選出は大事なことで、議長選の時は、各会派で対応を決め、自派が議長候補を出す時は、他の会派に挨拶まわりを行います。その後行われる副議長選挙も同様で、熾烈な闘争を会派間で行っています。
 受験勉強と一緒で、他人にはあまり一生懸命にやっているふりはしませんが、見えないところで、自分を売り込んだり、他の会派の様子を伺ったり、それは大変忙しい季節なのです。一巡したら、説明します。<注記: 今度の議長選は、大きな攻防と成りました・・・・別途、記事を用意します>

2 初めて一般質問を見ての疑問とコメント
       (コメントしているのは、村上直子さんです)

村上さんの疑問とコメント
 本議会の一般質問を見るのは初めてでした。今日は、午前中1人、午後から5人の質問がありました。 
午前中は、1時間30分近く一人の議員のみの質問でしたので、一日で終わるのか不安に思いました。しかし、一応は、議員の質問できる持ち時間は40分と決められていることが分かりました。タイマーがついていて、5分前になるとブザーが鳴って知らせてくれ、時間がなくなると、またブザーが鳴りました。鳴ると、強制的に質問を終わらされました。「やめさせろ!」と野次が飛び、議長も話の途中でも終わりだと告げました。その人の質問時間が長すぎるせいだとは思いますが、途中で切り上げなければならないのはつらいと思います。今まで調べてきた内容が水の泡になってしまうと思います。だから、時間配分のことも考慮して質問内容を考えなければならないという事が分かりました。
● 吉田の答え
 その通りですね。タイマーがあるので、時間配分は自己責任です。しかも、自分が質問するだけで、40分と言う時間ですので、けっこう長いですよ。 

村上さんの疑問とコメント
 傍聴人は、いつもの本会議や委員会よりも多くいました。しかし、最初から最後までいる人は少ないように思います。興味のある質問内容や、応援している議員さんの質問の時だけ聞きにくるといった人が多いのだと思います。しかし、一応の質問の順番は決まっているにもかかわらず、はっきりした時間のスケジュールは決まっていません。これでは、傍聴する人は、いつ頃自分の聴きたい質問の時間なのかがわからないので、不便だと思います。
● 吉田の答え
 これも、その通りですね。事前に順が決まっているわけですから、遅れた場合は順送する以外にないのでしょうね。 
 早く、議会のテレビ中継をすることが、一番の解決法です。

村上さんの疑問とコメント
 今日は、市長に質問している議員の発言に対して、道議がありました。いきなり他の議員が手を挙げて発言を求めたので、何事かと思いました。質問している議員の発言内容に、気に入らないことがあったようです。議長はその道議を採択し、本議会は休憩になりました。吉田さんに聞いたところ、その間、その二人の議員の間で話し合いによる調整がされるようです。そして、議会運営委員会が行われます。これには、張本人の2人は参加できません。その委員会では、経過の説明がありました。この後の本議会でどのようにするかの台本を委員の人に知らせているようなものだと感じました。その後、本議会が、道義をされた議員が、その言葉の趣旨を説明し、相手の議員が納得したという発言をして、そして、市長の答弁から始められました。あれだけごたごたしていたのに、何事もなかったように市長の答弁が始められたので、なにか、間の抜けた感じがしました。
● 吉田の答え
 「道議」とあるのは、「動議」と書きます。この動議というのは、議会だけでなく、一般の会議でも同じことですが、他の議事に優先して取り扱います。議員の発言中に重大な間違いがあったり、ウソがあったりした場合に、他の議員が「議長!動議」と声を上げ、議長からの指名と発言の同意を求めます。その議員は、議長から指名をもらうと、自分の席で、「○○議員の発言中、××という発言がありましたが、その内容は事実と違っており、重大な問題であります。よって、該当部分の発言の取り消しを求めます」等と一気にまくし立てます。その事態になると、議会が緊張するのがわかるでしょう。

 久しぶりの「動議」でしたが、この動議というのは、それをかける側も、かけられだ側も、発言の真偽の問題となる訳ですから、真剣です。市議会は、「記録」が文書で残していますので、このようなことは「記録」の中で異常な出来事があったことがわかります。事態によっては、自分の発言を訂正したり、取り消すことも起きます。私自身、総務常任委員長の時を除いて、自分が動議をかけたり、かけられたり、本会議の中で騒擾の当事者となることが何度かありました。

村上さんの疑問とコメント
 私は時間の関係で5人目の質問で帰る事になりましたが、まだまだ時間がかかりそうな雰囲気でした。一日中同じような言葉の繰り返しを見ているのはつらいことだと思います。自分の興味のあることならよいですが、そうではないなら、この会議を見ているのは大変です。全てを聞いているのは知識を得るため、市長の考えを知るためにはよいですが、議員の方が眠くなったり、野次を飛ばしたくなったりする気持ちもわかりました。私自身が傍聴していて初めて議員の大変さが理解できたように思います。
● 吉田の答え
 「野次を飛ばす気持ちがわかってくれましたか」、それでも、他人の意見をじっくりと聞くべきなのでしょうが。それでも、これからの議員は他の発言者の発言は静かに聞いてあげるべきなのでしょう。

村上さんの疑問とコメント
 疑問に思うことが多くありました。まず、今回、議員40人のうち、質問する議員は26人です。それ以外の人は何をしているのでしょうか。 
●吉田の答え
 ひたすら聞くだけになります!

村上さんの疑問とコメント
 また、質問する順番はどのように決められるのでしょうか、そしてその順番によって有利、不利は出てくるのでしょうか。
● 吉田の答え
 町田市議会では、会派ごとに代表者がくじを引いてきます。自民党のように人数が多いと早い順の人も、遅い順の人もいます。吉田は毎回質問をしますので、発言順に対しての希望は出さず、順番はいつも空いたところにしてもらいます。そういえば、一番に質問したことは無い気がします。

村上さんの疑問とコメント
 さらに、どうして議員は全員参加なのでしょうか。自分の興味のある質問だけ聞くというのはやはりだめなのでしょうか。議員が市長に対する質問は、いわば、個人的な興味の内容です。大して聞きたくもない質問と、それに対する答弁がある時もあると思います。
 議場で寝ているのなら、いっそ、退場して、自分の興味のあることに一生懸命になったほうが効率がいいように思うのですが、これは自己中心的な考えでしょうか。
●吉田の答え
 単位を取る範囲で授業に出るのでなく、住民の代表として議会に出ているわけです。結果的につまらないと思っても、様々の意見を耳に入れるのです。寝ているように見えても、けっして眠ってしまうようなへまをする人はまずいません。人の発言にミスなどあると、すぐ指摘するのが、議員の特徴でしょうか、才能なのでしょうか。
 合わせて、この一般質問というのは、議員にとってもっとも大事な仕事です。市長や教育委員長などに、どんなささいなことでも聞いて良いことになっています。住民の考えや意見を代弁するのが一般質問ですので、価値観の多彩さと考えて下さい。
 また、この本会議は過半数の議員がいないと成立しません。議員数が不足すると、流会となり、審議内容が全部パーになります。今日の議会は、午後7時30分までありました。

村上さんの疑問とコメント
 今日は、珍しいところを見ることができて勉強になりました。やはり、議会の傍聴など、なんでも経験してみることは、物事を知る一番効率がよい方法だということがわかりました。
●吉田の答え
 議員の発言に動議がかかることは、大変珍しいことです。しかし、決して無いことではありません。議員の発言は、他の議員から常に、そのような対象と見られているわけです。また、委員会の中などで、委員の中で不適切な発言をされたこともありますが、動議かかかる以前にご自身で訂正すると、委員長が「職権」で議事録から削除した例もあります。私が総務常任委員長を務めた時にも、そういう処置をした記憶があります。

3 他の議員の質問や、吉田と他の議員のやりとりについて

(コメントしているのは、村上直子さんです)

村上さんの疑問とコメント
 昨日と同じく、今日も本議会、一般質問を傍聴しました。
 各議員によっていろいろと質問の形式が違うことがわかりました。40分いっぱいを壇上の質問で使う人もいるし、再質問を何度もする人、自分の意見を述べるだけで、市長の答弁を求めない人もいました。

 驚いたのは、古宮議員の質問の仕方です。マイクもいらないほど大きな声で発言し、写真や資料を示して質問を強めていました。まるでパフォーマンスのようでした。しかし、市長はといえば、示した資料もじっくりと見ようもせず、「ああ、またやっているよ・・・。」といいたそうな顔をしているように見えました。確かにその議員の質問の内容は、他の議員の、小難しい言葉の質問よりもわかりやすかったです。これが、その議員が市民に人気がある秘訣でしょうか。
● 吉田の答え
 その通りです。あのお年、あの声、あのパフォーマンスにはだれもついていけません。あのおじいちゃんは、4回の連続トップ当選が自慢で、吉田つとむの2倍以上の得票を得ています。前には、私の3倍も得票していたことで明らかなように、住民にはたいそうな人気を博しています。

村上さんの疑問とコメント

 吉田さんは、以前、事前に議員の質問に対する市長の答弁は、あらかじめ台本のようなものが作ってあると言いました。では、再質問に対しては、どうなのでしょうか。再質問の内容までは予測がつけられないと思います。市長は、再質問に対して臨機応変に自分の言葉で答弁しているのでしょうか。
● 吉田の答え
 その通りです。市長は台本を持って壇上に出て来ますが、しかし、自分の考えを特に出したい場合は台本に束縛されずに、かなり自分のペースで答えている感じです。再質問に対しての答弁書は無いので、当然のこととして、寺田市長は、臨機応変に対応しなければいけません。

 それは、再質問も同様です。まさか、予測通りに答弁があるかどうか、わかりません。市長は、質問に答える形式で、実は質問に答えているのではなく、自身自身の考えを述べている時もあるわけです。一般質問は、議員と市長の試合のようなものです。

 追加記事: 今度の議会では、一人の質問に市長が答弁し、同様な答弁内容を助役が「補足」するという、重複した行為が何度もありました。議員には、大変不評で、何度かヤジが入りました。

村上さんの疑問とコメント
 昼食時、他の議員の人が、吉田さんの車の看板に対して、'リアルタイムで議会がわかる'というのは、本当にすぐに分かるのではないのだからだめだよと言ってきました。笑いながら冗談のように言っていましたが、結構きついこというなぁと思い、やはり、議員の人は、ちくりといやみを言うのがうまいと感じました。
● 吉田の答え
 あの議員も、高い得票を取る議員です。自分の名前を大きく書いた宣伝カー(そのまま選挙カーに乗っているようだ)に乗っています。自分の名前を一切書いていない、吉田つとむの車のことが気になるのでしょう。
 インターネットをやってみて、この文が記事になるところを見たらもっとビックリされるでしょう。大西議員は、インターネットとは無縁のようです。追加記事: その大西議員は、珍しく今議会の一般質問を休まれました。風邪を引いて欠席となったためで、まさに鬼の霍乱と言えるものでした。お大事に!

村上さんの疑問とコメント
 午後からは、議長が変わっていました。どうしてでしょう。議長席に座っていた人は誰なのでしょうか。
● 吉田の答え
 あの人は伊藤副議長さんです。議長さんが用件がある時は、あのように交替して議長席に座ります。私たちが、替わりに座ることは許されません。

村上さんの疑問とコメント
 また、私が手にした一般質問通告書にある発言順位が、今日、実際に行われたものと違っていたのはなぜでしょうか。私が聞き逃しただけかもしれませんが、その事に関して、何か説明はありましたか。
● 吉田の答え
 実は、発言順が替わるという説明がありました。眠っているようで、しっかり聞いているでしょう。

● その他の事件
 村上さんが帰った後、本会議は延々と続きました。市行政の職務で、大きな問題が発生していることが明らかになったため、市長がその内容を本会議場で説明し、それぞれ議員が質議を行うことになりました。終了時間は10時近かったと思います。
 その間、私たちは休憩時間に、部屋でカップラーメンを食べただけです。

( f51204201 「第三回 インターン学生の新鮮な疑問と、私の答え」の記事は、この行で終わります)