● インターン学生の新鮮な疑問と、私の答え

◎ この記事の主旨

 私は議員インターンシップとして、小泉裕美さん(東京女子大3年)、大里亨くん(中央大学3年)、村上直子さん(中央大学1年)の3名の学生に研修に来てもらっています。

 議会の本会議・委員会の傍聴、私の質問作りや議会レポートの資料収集・原稿作成の手伝い、議員としての議会外活動への同行等をやっていただきます。

 とりあえず、インターン体験記録のレポートを作ってもらうことにしたのですが、次々と新鮮な質問が飛び出します。レポート全体の掲載はいずれのこととして、村上直子さんが書いたレポートにある質問の内容と、私の答えをいくつか掲載することにしました。

◎ この記事の見出し

  1 最初の感想・疑問(委員会傍聴)と吉田の答え

  2 二日目の疑問と吉田の答え

  3 三日目の疑問と吉田の答え

  4 吉田からの希望

  5 他のインターンの皆さんへ

  6 書き漏らしの補遺

 

1 村上さんの最初の感想・疑問(委員会傍聴)と吉田の答え

 インターン研修生の村上直子さんは、議会に対してなんの予備知識が無くて、到着するやいきなり委員会室の傍聴席に着きました。場所と日時は、平成12年1月27日の午前10時です。私が委員長を務める総務常任委員会の傍聴です。この日は、1月臨時議会の総務常任委員会付託案件の審査を行いました。付託案件は、4件ありました。 

  <感想と疑問の抜き書き>

 質疑、討論において、発言する方も、ほぼ毎回同じで、何か、原稿どおりに進んでいるといった感じがしました。討論では、反対意見を述べても、賛成意見の発言がありませんでした。反対意見を聞き、考える時間もなく、すぐに採決を取る。これで一体、討論と言えるのかと思いました。結果はわかっているからだとは思いますが、少しは考慮もするべきだと思いました。それから、各議案について、細かい質疑をすることは重要だとわかっていますが、各部の人がいじめられているようにも思えました。

感想A  

 質疑、討論において、発言する方も、ほぼ毎回同じで、何か、原稿どおりに進んでいる

答えA

 4件の条例案を審議したのですが、第1号と第4号議案に関して、委員が共通の問題点をあけで、質議が行ったために、毎回同じに思われたのだろうと思います。第2号と第4号議案共に、同じ分野の条例改正案であり、同様な感じがしたのでしょう。

 討論では、共産党の委員が、第1号と第4号議案に関して、同様な見地から反対意見を述べたため、原稿通りに進んでいると感じられたのでしょう。他の委員は、全員賛成でした。

感想B  

 討論では、反対意見を述べても、賛成意見の発言がありませんでした。反対意見を聞き、考える時間もなく、すぐに採決を取る。これで一体、討論と言えるのかと思いました。結果はわかっているからだとは思いますが、少しは考慮もするべきだと思いました。そ

答えB

 まず、条例等の審査の手順を説明します。町田市議会では、次のような次第で進行します。本会議に条例案が提案され、理事者の提案理由説明が行われます。次に、(非公式なものですが)議案説明会があり、各担当部長が全部の議員に説明します。本会議で、関係する議案を委員会で審査する委員を除いた議員が質議し、全員がそれを聞いています。それが終わると、担当委員会に付託し、今回のように委員会で審査しているわけです。

 つまり、各委員は、かなりの程度に議案内容を知っており、委員会では問題点の指摘や、解明を目的に質議を行っているわけです。−−−(全部が全部の内容を、委員がそこまで把握していると言いません)しかし、反対討論の内容も理解しています。他の委員は、行制提案に反対する理由はなく、かとっいて、賛成意見を述べて他の委員に働きかけをする内容でも無いと判断したのでしょう。

 討論、裁決の時間が少なすぎると言う考えについては、常識的なものかどうか判りませんが、私は十分な時間だと思っています。もう少し、委員会審査を見てから、再度同じ疑問が残っていれば、詳しい説明をしてみたいと思います。

感想C

 各議案について、細かい質疑をすることは重要だとわかっていますが、各部の人がいじめられているようにも思えました。

答えC

 本会議で、所管委員以外の議員が不明点などを質議します。関係する委員会で細かいことを聞かないと、どんな内容の議案か判らないままに、最終的な本会議で裁決することになります。委員会の審査は、市民の目の代わりをしていると思って下さい。この段階を通過すると、(通常)数日後には本会議の最終日の裁決が待っています。議案のYES NOが、一瞬のうちに問われるわけです。委員会の場で、行政の担当者にその内容を明らかにさせておかないと、実際に条例を適応する段階で、市民も市の職員もこまることになります。議論の内容として、平成12年1月版の、「子どもセンター条例の改正案が、修正案の多数可決に至った経過」を参照して下さい。

疑問1

 (条例の提案に際してなぜ、)各部二人ずつで説明するのでしょうか。主に部長しか発言しないのに、二人いる必要性があるのかと思いました。−−−(かっこ部分は、吉田の書き込みです)

疑問1への答え

 通常は部長さんが1名で、他に提案に関係する課長さんが何人も並びます。課長さん達は、自分に関わる部分の審査が終了すると、席を立ちます。町田市では、一般に部長が、提案する議案の説明を行っていますが、内容に寄って、課長が説明することもあります。委員と課長が何度もやりとりするケースも出てきます。3月の定例議会の審査を見て下さい。追加記事:村上さんが傍聴していて見たように、2月8日に行われた臨時議会では、総務常任委員会では所管の契約案件を審議しましたが、委員の質問に答えるため、所管の総務部長及び管財課長以外に、教育部長及び担当課長、さらに建設部長及び建設工事課長などが、委員会の途中で入りました。

疑問2

 二つ目の疑問は、なぜ速記の方がいるのかということです。録音するだけではだめなのでしょうか。

疑問2への答え

 録音だけに変更することは、可能だと思います。専門の速記者を入れず、担当職員が要点筆記をしている自治体もあります。議論の正確性を問うならば、要点筆記でなく、全文記録が必要です。また、テープを止めて、(休憩中に)質議や意見の整理を行うこともあり、速記者がテープを回すのを止めるのですが、全体として速記者が入っているほうが、会議の進行もスムーズに流れていくと思います。録音したテープを、その場に居合わせない人が筆耕するのも大変だと思います。速記者を入れるというのは、大きな経費がかかることでもあり、コスト削減の見地からは、別の方法もあるかもしれませんが、きちんとした議会の論議記録を作成することは、政治のコストとして必要不可欠なことだと思います。ただし、議会のテレビ放映が実現された場合、保存用のビデオを残す方法もあり、速記者が現場に居合わす必要はなくなるのかもしれません。

疑問3

 三つ目は、委員会室右手に控えている二人の市役所の方は、何をしているのでしょうか。本を見たり、メモをとったりしていました。

疑問3への答え

 議会事務局の担当者です。無言ですが、審査手順等に問題が無いか、チェックも入れてくれています。時間の記録もまとめてくれていますが、議員がスーパーマン的な能力を持っていれば、必要無しという結果になるかもしれません。議会事務局の担当者本人にきくのもいいでしょう。

 議会の委員会審査は、あくまで市民の目として機能しているものと思います。一人一人の発言は全て的確なもの者でなくとも、委員会審査の全体を通じて、「厳しく行政の提案をチェックする」と、言う議会の機能は他に代え難いと思います。議員は、審議の論議内容に専念する意味から、担当職員の配置も必要不可欠なことでしょう。

疑問4

 最後に、なぜ、手を挙げずに発言する方がいるのでしょうか。あまり、「感情が高まってしまって、つい…。」と言うようには思えませんでした。

疑問4への答え

 あれは、ルール違反なのです。速記の整理上は、一つの質問にまとめるとか、途中に委員長が質疑応答の進行をしたようにするほかありません。委員会議事録の作成段階で、字句の訂正という方法を用いて、そのことの整理も行います。私は、委員の不規則発言中に、敢えて指名することもやりました。今回は、議案も少なく、少々甘くしてしていたようです。追記:2月8日の委員会では、村上さんも見ていてくれていたので、気がつかれたかもしれませんが、「委員の不規則発言中に、敢えて指名」と言う方法を、若干行いました。 

2 二日目の感想・疑問と吉田の答え

感想A

 この前とは違い、吉田議員はスーツではなく、割とラフな格好で現れたので、少し驚きました。今日は、委員会がないからだということに気づきました。

感想Aへの答え

 吉田はラフな格好をする場合が、かなりあります。本会議や委員会はスーツを来ていますが、議員バッチをつけていません。町田市議会では、議員バッチの着用は義務でなく、つけていない議員も数名います。また、本会議や委員会以外の場合、つまり議会の会議でない時など、吉田つとむは、議会フロアーや市役所内でもセーターやジャンパー姿も珍しくありません。いわゆるジーパン議員ではありませんが、ジーパンも多用しています。ちなみに、10年前の衆議院選挙に立候補したとき、ジーパンにランニング姿をしていました。サラリーマンや秘書の時代は、大半がスーツ姿でした。

 (追記)町田市総合体育館で行われた今年の成人式には、吉田つとむはセーターとジーパン姿で訪れました。町田市は今年の成人式では、会場内に席を置かずに、成人に立ったままで出身(中学)校別にエリア集合する形式に変更しました。そこで、議員等の紹介はせず、来賓席の設置も省く形式となり、議員は(好きに)地元成人と交流してもらいたいとの方針になったためです。さすがにノーネクタイ姿は吉田のみでしたが、今年は欠席する議員が半数以上でした。 

疑問1

 (消費生活センター運営協議会の会合の会議を傍聴)消費者と行政の立場で、運営について話し合う会合でした。@圧倒的に女性が多いのに驚きました。A討論もかなり行われていましたが、吉田議員は、私が見たところは、発言しませんでした。B吉田議員は、なぜこの協議会に入っているのでしょうか。どのようなきっかけで入ることになったのでしょうか。Cまた、吉田議員は、行政の立場で運営に関わっているのか、または、市民の立場で関わっているのか、どちらでしょうか。最後まで居ることができなかったため、疑問点が残りました。(冒頭のかっこ書きと、○の番号は吉田が書き込み)

疑問1への答え

 最後までいたら、もっと判らなかったかもしれません。

 @消費者と言えば、以前は女性が前提のように思われていましたが、これでも退職した人を主体に男性が増えてきているのですが、まだまだ消費者問題に男性の参加は少ないようです。Aここでは、吉田つとむはほとんど発言していません。この日はまったく発言しなかった気がします。ただし、一人一人の見解を求められた時は意見を述べます。吉田つとむは市民として参加するのですが、ここでは他の市民の方の意見をじっくり聞く場としたいと思っています。私が議員と知っている人は、むしろそのやり方を理解してくれているようです。B吉田つとむは、一般の団体の役員などにほとんどなっていません。市民の方の様々の意見を受けとめる場になればと考えているためです。結構、ここの委員のメンバーさんは議員に対して厳しい考えを持っています。この協議会に個人として参加しているわけですが、参加して丸5年となりました。入ったきっかけははっきり思い出せません。個人が自由に入れる協議会のあり方が珍しく、興味がわき、入ったのではないかと思います。C先に書きましたように、市民の立場での参加です。議員は、行政とは全く異なる存在であることは、別の機会に詳述します。

 町田市の消費生活センターは、全国にも例を見ない形態を持っています。それ自体の意義、役割に関することについては、後日、別途その該当項目欄に詳しく記載します。

3 三日目の感想・疑問と吉田の答え

感想A

 吉田議員は時々、「先生」と呼ばれていました。議員さんはやはり、みな、先生と呼ばれているのでしょうか。前回のインターンの方で、男の人も、吉田さんのことを「先生」とレポート(インターネットの記事)に書いていました。失礼な事かもしれませんが、私には、吉田さんは、政治家の先生というよりも、市民の、地元の人たちの代表であり、見方であるといった感じが強くします。今日、地元の人たちとの会話を聞いていて、改めてそう思いました

感想への答え

 吉田つとむは、「先生」とよばれるとちょっと照れます。言いにくいことですが、大人で魂胆がある人から「先生」と言われるケースもあります。議会ではどう呼ぶのでしょうか?町田市議会本会議は、吉田つとむは吉田(勉)議員と呼ばれます。各委員会では、○○委員と呼んでいます。役職で呼ばれることもあります。吉田勉総務常任委員長−平成12年2月5日に開催された「テクノフェアー」ではその呼称で呼ばれ、議長の替わりに挨拶を行いました。全国の地方議員が、インターネットをどの程度利用しているかや、自前のホームページをどの程度作成しているか等について述べました。

 前回のインターンの出雲くんは、「先生」と呼んでいました。吉田つとむからは、「さん」か「議員」と呼んでほしいと希望していたのですが・・・。全体的には、「吉田さん」と呼ばれることが多いようです。近所の小学生では、「吉田さん」や「つとむさん」と呼んでくれます。「ちか」さんと小1生は、すぐ近くに住んでいますが、「つとむ先生」と、遠くから呼ぶこともあります。だれがそんな言葉を教えたのでしょうね。町内を演説していると、自転車でついてくることもあり、私が話し出すと、ちかさんたち小学生が、数人で道路の反対側に並びこともあります。歌手の親衛隊の雰囲気のようです。

4 吉田からの希望

 疑問はささいなことでもかまいません。質問が間違っていてもなんの問題もありません。改めて考えると、吉田つとむも「議会の常識=世間の非常識に染まっているかもしれません。

 また、なんの偏見も無い立場から見た政治への疑問を出してもらうことが、私へのいい提案になる可能性もあります。

 インターンレポートにどしどし、書き込んで下さい。

5 他のインターンの皆さんへ

 今回は、3年生と1年生を迎えます。政治希望であっても無くても、地方議員を活動を通じて、行政や市民生活、企業人やその他の人々とふれあってもらいます。3年生は、今年は就職活動の時期にありますので、人に会う場合に、面接のつもりで出合ってもらうことにしましょう。

 今は、議員インターンとして誰にでも会えます。その機会を大事にして下さい。それらの体験を通じて、卒論のテーマになるものが見つかれば、吉田つとむとしては最高の喜びです。そんな大げさなことでなくても、ささいなことに興味をもっていただいてもかまいません。

 むしろ、この期間は、延び延びの振る舞ってもらうことが大切なのかもしれません。少々の失敗は気にしません。

6 書き漏らしの補遺

 議員インターンシップは、スタートしたばかりです。無理をせず、この2ヶ月間を大事にして行きたいと思います。皆さんのレポートも何かの形で活かして行きたいと考えています。他の学生にとっても、これからの学生にとっても、このインターンシップは貴重な体験です。

 私たち議員にとっても、すぐ側に自分をいつも見つめる人がいる訳ですので、常に緊張感を持って行動することになります。この緊張感を持った時間を大切にしたいと思います。

( f51202151 「インターン学生の新鮮な疑問と、私の答え」の記事は、この行で終わります)