インターン記録レポート 「酒と思惑」   町田市議会議員 吉田勉

学生氏名 坂本修司        H13年11月25日
主要研究項目
  「吉田つとむを励ます会」に参加
記 事
「酒と思惑」

坂本コメント
「それはなぁ〜(ウッ)、人が好きだからだよ。」
 「儲からないなんて言ってちゃーぁ、いけないんだよ〜、本当はねぇ(ヒック)、議員が周りの人にほどこさなくちゃーぁ、いけないんだよ〜(ヒック)。」
 「ここに来ている方々と、こうして会えるのが醍醐味なんですよ。」
 これらは、吉田勉を励ます会(以下、励ます会)の中で私が投げかけた疑問「議員なんてぜんぜん儲からないのに、何故吉田さんは続けているのだろうか?」についてご来場の方々から頂いた答えだ。
上の二つが、招かれた方の発言で、一番下にあるのが招いた方の発言であるのはすぐわかる。また、上の二つが、励ます会の後で行われた「懇親会(来ている方はたいてい仲のよい方々のようで、懇親会と言うよりは、普通の飲み会のようだった)」での発言で、3つ目は励ます会のステージ上での発言である。
● 吉田
 なぜか、本音は議員本人に伝われなくて、「議員の妻」や「後援会のトップ」にしか伝わらない。特に、吉田の場合はそうであるようだ。最近は、インターン生が誕生したためか、インターン生に本音を愚痴る後援会員?がたまにいるということになろう。
 今回の集合スタイルは、演説会の開催(参加費無料)後、事前に申し込んだ希望者にみが、有料で懇親会(3,000円)に参加するものであった。演説会が公共の建物で飲食が出来ないため、吉田が拠点とする成瀬が丘商店街の居酒屋で会食をするもので、その懇親会場はおのずと複数の店舗を貸しきった。本来、もっと力を持てば、町内全店の店舗を貸しきり、盛大に開催したいのが、政治家としての願望である。(最も、町内の飲食店を貸しきれば、何人となろうか?500名は下るまい)
今回の懇親会の参加者は、約100名強で、演説会の参加者は全数で160名強+関係者であった。通常の新年企画に比べると、人数が若干少なくなるが、「市内中心部であれば行くが、成瀬であれば面倒だ」という人もいよう。吉田は、自民党議員の中では、広域地盤に立脚するタイプに相当する。
 

坂本コメント
 酔っ払った人の話だから、と言ってしまえばそれまでだが、なかなか興味深い。発言は「吉田さんが議員を続けているワケ」への答えであるが、これを吉田議員への想いと捉えると面白いのではないか。吉田議員の人柄、姿勢を気に入っている、自分達への見返りにはやや不満がある、ということになる。それに対して、吉田議員は支持者の人たちとの出会いが何よりのやりがいだ、と答えている。この両者の関係が真っ直ぐにつながっているのか、少しズレを抱えながら並列しているのか、難しいところだと感じる。
 何はともあれ、吉田議員を励ます会という名目で、普段は改まって酒を飲む事のない人達がこんなに楽しそうに席を囲んでいるのなら、それはそれで素晴らしいのではないか、なんて思ったりもするが…
● 吉田
 政治家と後援者!難しい関係である。吉田は、2回の当選を果たしてきた。その都度、主力後援者の一部が交代している。主力後援者の一部メンバーは知っているが、その問題がいつも起きては消え、起きては消えしている。これまでに、そうしたタイプの応援を断ってきたのが、経過である。この種の話は、最終的に「幾ばくかの物品を提供するか」、「応援を断るか」の決断を強いられる。「悪貨は良貨を駆逐する」の例えがあり、後援者のメンバーを減らしてでも、「政治の純潔性」を確保しないと、底なし沼に引きずり込まれてしまおうということに至る。
 議員として、どちらを選択すべきか、明白である。
 
最後に――― 励ます会にあんなに多くの人手があるとは思わなかった(失礼か?)。私はインターン中には、吉田議員と二人きりで作業をする事が多かったため、とても意外であった。イチ市議会議員のためにこんなに多くの方がやってくるとは!!(間違いなく失礼だな。)自分のためにやってきた人で会場が満員になることは、確かに大きな原動力になるだろう。
● 吉田
 坂本さんは、夏休みにインターンをしていた。現在の吉田は、自分の行事を秋に集中しており、後援者が集う場面を見る機会を得なかった。会合を開くと、参加者名を把握する意味で、受付人員も必要であり、会場整理の担当者も必要となる。来場者の顔がわかる人も必要である。その他に、備品をそろえる人、それに何より、自分の知人を誘う人が最も必要である。
 ただし、町田市の自民党議員の中で、吉田はもっとも「会合動員力」の低いタイプに相当する。吉田の動員力を主力とするのでなく、自分が出向く(街頭演説、議会レポート配布、地域の行事参加)活動に重点を置いている。
 会合を開く際には、会場のイスを埋める人を確保する!このことが、吉田にとっては最優先課題となる。それが、自分自身の力量把握のメジャーとなる。

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