● インターン体験記録    町田市議会議員 吉田つとむ
作成〜慶応義塾大学 総合政策学部2年 山口絵理子〜

自己紹介
私は小学4年生から政治家を目指し続けている。
当時、なんのために生きるのか、生きる目的とはなんなのか、幼いながらも考えることが多かった。
自分が幸せになるためだろう。いや、でもお母さんにもお父さんにも幸せになってほしい。お姉ちゃんも弟も、隣に住むおばちゃんも、、、、と考えているうちに私は「一人での多くの人のために働きたい」と考えるようになった。
できすぎた理由だと思われるかもしれないが、この頃の思いは10年以上経った今での私の心の根底にある。
今は政治の勉強をする中で「何をやりたいか」ではなく、「やらなくてはならないこと」
が山積の日本に対して使命感を勝手に感じている毎日でそれが現状のモチベーションを維持させている。
そんな中、11月24日に吉田議員の「はげます会」に出席し、吉田議員の政策に惹かれ、インターン活動を行うことを決意しました。今後は全て吸収するつもりで町田市のため、吉田議員のため、自分のために頑張りたいと思う。

11月24日11月26日11月28日11月30日



11月24日 インターン生として紹介。
主要研究科目
吉田議員の「はげます会」に参加。
作成〜慶応義塾大学 総合政策学部2年 山口絵理子〜


コメント
この日、初めて町田駅に降り、成瀬駅におり、吉田議員と会った。国会議員の励ます会には参加したことがあるが、市議会議員のこのような会に参加したのも初めてだった。
印象は「住民との距離がやはり国政と比較にならない程近い」と今日だけの経験でも
感じた。住民とは当然全住民ではないが、恐らく吉田議員はあの会場にいた参加者の名前を8,9割言えるだろうと議員と参加者との対話から感じた。
住民との距離の近さはつまり、自分の政策が住民にとってどのような、どのくらいの利益となったのかが分かる容易さに比例していると思う。
したがって住民の要望を聞き、それを政策に変え、実行する責任は市政も国政も変わらないが、住民の反応や評価がリアルタイムで分かるために当然厳しい状況にあるのは市議会議員であるということを覚悟した上で、政冶を担っていくことはある意味で国政よりも大変だと思った。
そういったことから、「市」というコミュニティの基盤で働く吉田議員から国政を目指す私が学びたいことは山積だ。頑張ろう。

● 吉田
 吉田つとむはインターネットを武器にする!――以前からの閲覧者は、ご存知のように、私のHPのタイトルです。私のこのHPを見て、吉田のインターン生になってみよう!と考えたのが、新人の山口絵理子さんです。
通常は、I−CASというグループを経由して、インターン生を募っているす。しかし、私のホームページを見て、インターン生になりたいとする政治家希望の山口絵理子さんは、ダイレクトにインターン生としました。本人の考えでは、一時的にインターンをやるのでなく、長期間のインターン研修を希望したためです。
さて当日、山口さんは、学校帰りに会場に到着するや否や、私の励ます会の進行を見つづけたのですが、「自治体議員とその集会参加者の関係」に注目しました。国会議員と自治体議員の、その住民に対する密着度を比較して見せてくれました。正直に言いまして、新人インターン生の山口さんが考えたほど、住民の皆さんとの付き合いを獲得していないでしょう。ですが、それほど議員と住民が近しく感じあっても、不思議でないのが、自治体議員の特徴ではないでしょうか。今後、どのような点に注目をしてくれるか、楽しみです。
山口さんのこのレポートが、「吉田つとむを励ます会」の最初の記事となりました。



11月26日、町田市役所にて議院運営委員会を傍聴
 
主要研究科目 議会運営委員会傍聴
作成〜慶応義塾大学 総合政策学部2年 山口絵理子〜

コメント
初めて、議院運営委員会(以下、議運)を約2時間傍聴した。
今回私が感じた、最大の疑問、驚きは議案がこんなにも簡単に「次回へ申し送り」(先送り)になることである。しかも議案のコンセンサスや一致を図ろうとする気配をも感じさせなかった。
市議会にも会期不継続、全会一致等の慣習があるにはあるらしく(議事課長談)、そういった意味では委員会のViscosity(議案を拒否する能力)は強いと思うが、廃案にすることもなく、議案はその場の「雰囲気」によって「先送り」されていたように思う。永遠に先送りにされる案なら提出された段階で潰すべきだと思う。また積極的に実行されるべき案は、提出の段階である程度の時間的「めど」を立てておくべきだと思う。
所詮、実行されない案を毎回の委員会で審議するほど、非効率なことはないだろう。
非効率なことを排除していけば、議員がやるべき仕事が小さく固まって、洗練され、よりよいサービスの提供につながるのではないだろうか。
理想論といわれればそうかもしれないが、私は理想論を主張し続けたいと思う。
● 吉田
 初めて市議会の運営委員会の会議を見て、山口さんがその印象を書きました。委員会をはじめて見たインターン生には、議員とは、まるで、なんでも結論を渋る、決断力のない人種の集まりのように感じたようです。
 私は山口さんに何の説明をせずに、今日の会議に立ち合わせました。実際には、この「行政視察後の協議事項について」は何件も検討事項があり、過去に何回も協議してきました。既に決着をみた事項もあるのですが、今日は審議事項としては、なかなか結論を見出しにくい事柄が、最終決着の可否を含めて、今日まで結論を出せなかった内容部分でした。
 このことは、先に議事録(議会運営委員会のみは、全文記録でなく、要点記録)に掲載されますので、それを見るとまた違った印象をあったことと思います。何も私が結論付けることではありませんので、山口さんには、また別の会議を見て、再度見解を書いてもらいます。
 
 議員として、書き添えます。山口さんが傍聴したのは、町田市議会の運営委員会です。町田市の場合、市議会が市庁舎の5階にあり、そのつくりも存在も、何か市役所の一部のようです。市議会の看板もどこにあるか分からない状態ですので、全部が「市役所」と感じさせた現状に問題あるといえます。
● インターン体験記録 1、一般質問についての事前聴取
〜慶応義塾大学 総合政策学部2年 山口絵理子〜

11月28日(木)
主要研究科目
1、一般質問についての事前聴取
・IT講習会について  ・測量業者委託入札の件について

内容
<IT講習会について>
吉田議員の質問内容 ・・・中央の実施したIT講習会の経過、実績、今後の計画
国が行うIT講習会は13年度で打ち切りになり、14年度の方向性としては、パソコン使用者に対して使用時に何か不明な点があれば電話にてアドバイスできるボランティア等を採用すること。また各自治体に対しては今後も講習会等を続行したい意志がある地域は認め、援助することとなっている。
議員、行政の方共にこのことについての懸念は、1、そういって採用されたボランティアがどこまで顧客の質問、要望に応えられるのか。2、民間の方がそういったサポート体制は充実しているので、参考にすべきではないか等である。
議員の講習会に実績についての疑問点は、「講習を受けた人たちがどのように社会に講習会で養った知識を活用し、活動できているのか」ということ。これについての行政側の実績調査は行っていないために、講習後の参加者の動向は知ることが出来ない。
● 吉田
 今回は、質問項目を提出した後に、役所がヒヤリングに来るところを見てもらいました。実は、この質問については、坂本さんがその質問文を書いてくれています。実際には、質問時に原稿を持ちませんので、その趣旨を生かすということになります。
 IT講習会の質問は、「森内閣」の目玉であった「IT化」が現実生活にどのように普及していくか、見守りたかった次第です。

<測量業者委託の入札について>
吉田議員の質問内容 ・・・業者選定は健全に行われているか、また問題点があるとすれば改善の意志はあるのか
町田市が行う測量業務について企業に業務を委託するために測量業者の入札を行ったが、その選定過程に吉田議員は一貫して疑問をもっており、行政側の過程や、選定基準等を説明してほしいとのこと。
● 吉田
 今回は、3項目の質問を予定していますが、その一番の質問はこの入札問題です。

コメント 山口さん
菅直人と厚生省のやり取りは、誰でも記憶に残っているのではないだろうか。大臣として果敢に行政に立ち向かった業績を私はとても尊敬する。そんなことを今日の吉田議員の姿を見て思い出した。一人の政治家としての曲げられない信念を垣間見れた瞬間であり、私はとても感動した。
入札の件はインターンという身分からはあまり知れない部分が多い。しかしながら行政と業者の関係、行政と議員の関係というものを実感として知れたことは大変貴重であり、今日の経験は政治家になっても忘れないと思う。
入札や業者の選定といったことは、どこの地方も非常に不透明な点があるのではないかと思うが、政治不信な現在、市民にとって特に透明性を確保しなければならない点でもあると思う。そういった問題に対して、さすが情報公開のエキスパートと自称する議員だけに見逃してはならない意地の張りどころなのだろう。政治家にとって行政は敵ではない。指導し、力を借りるべきことも当然あるだろうと思う。しかし自分の理念や信念に触れる部分はしっかりと貫きとおす、そんな強さは当選を何回したって持っていてほしい。いつも親しみやすい笑顔の吉田議員だが、今日はとても「政治家」らしかった。
● 吉田
 菅直人さんと比されると、どう応えて良いのか、即答しかねます。時々に瞬間的ですが、お互いによく知った仲でした。
阪神大震災の後、被災地の神戸市の西神第七仮設住宅に、菅直人さんが厚生大臣としてこられた時、集会所の中で挨拶され、順に「名刺」を渡されました。後ろのほうに隠れていたのですが、私にまで名刺を手渡されたために、受け取りを辞退すると、「吉田さん、何であなたがこんなところにいるの?」と、私の存在に驚かれたことが、忘れえぬ記憶の一つです。
 さて、今回の問題は、私が入札直前に「入札参加業者名と落札業者は、こういう会社に決まっているようだ」と、担当部署に電話したことから始まったものです。その後のことについては、何度もメルマガや一般記事して、ネット上に公開してきました。
その経過に納得できず、議会の一般質問でその内容を再度、質します。昨日、質問項目を出し、今日は行政からのヒヤリング日になりました。それは、市議会の会派室で行った「やり取り」であり、公開の場ではありませんので、まだまだ、行政の考えとスタンスがどのようなものか、それがわかるのはこれからです。最初の答弁書は、担当職員が書くのでしょうが、実際に答弁するのは市長か、助役の理事者です。第一回目の答弁でも、内容的に、まるまる答弁書を読み上げるということはないでしょう。ましてや、再答弁の場合は、理事者が直に応えるのが、町田市議会の方式です。
 続いて、質問内容でなく、私の外見的なことです。当日の、行政ヒヤリングの時、横から、話の内容を聞き取りながら、私の顔を見取っていたわけですね。議員インターン生がやることとして、その会話を聞くだけでなく、両者の表情まで観察するケースもあるという、見本を書いてくれました。
山口さんにとって「政治家らしさ」というのは、親しみやすい笑顔でなく、自分の理念や信念に触れる部分を貫き通すと態度だということが理解できて、大変参考になりました。

コメント 山口さん
IT講習の件については、私は全く国の無駄使いだと思う。多額の予算を使ってIT講習会を行うことを決定したが、実際は始めてコンピューターに触れた人が何日か教わったくらいでは使いこなせることは困難で、その場限りの「いい経験」に終わってしまったのではないだろうか。「ダブルクリック」を高齢者の方々に教えるのに数時間かかったという。そんな笑えない話も聞いた。
この講習会のそもそもの目的は「IT立国」である。つまりは「情報化社会」。どこでも誰でも知りたい情報をキャッチでき、情報を使いこなせる、そんな社会をめざそうということだ。しかしその手段としての「IT講習会」は適当でないことは誰でもわかると思う。そんなことよりも高齢者やコンピューターを持っていない方々がパソコンを買わなくても、使わなくても、情報が入手できる仕組み、サービスを提供すべきなのだ。
情報提供サービスの充実の方が遥かに有効な手段ではないだろうか。講習会で習わなければ情報は入手できないなら、そんなのは誰でもどこでの情報を入手できる、真のIT立国ではない。国は政策の目的と手段を体系的に示してほしい。そしてその手段にかかる経費を誰でも容易に入手でき、理解できるように、提示してほしい。まずそこから情報化社会への道は始まるのではないだろうか。
● 吉田
 手厳しい評価の、インターン生の山口絵理子さんです。質問のヒヤリングに来た行政職員の説明を聞いていました。山口さんは、上記の評価をしていますので、この課題で質問すること自体が、無駄と言う評価を受けそうです。まずは、質問をやってみましょう。

11月30日 議員インターン 町内挨拶回り
〜慶応義塾大学 総合政策学部2年 山口絵理子〜

主要研究科目
町内挨拶回り

内容
最初、町田市駅周辺を回り、選挙地盤の強いところ、弱いところを見て回る。
最後はいつも議員が演説しているつくし野駅を見学し、終了。

<山口さん コメント>
疲れた。一軒一軒挨拶をして回るのだが、寒くて、個人的な理由だが前日あまり寝ていなかったためにしんどかった。
町内回りや支持者回りなどと言うと、政治家の「本業」と揶揄して受け取るが、本業も楽じゃないなあと感じた。好かれなきゃいけないのだから、我を殺して接しなければならない。私はそんな政治家に理念を持て、なんて無理な話だと思った。政治家としているためには我を捨て、いい顔をして、票を獲得しなければならない。そんな生活がまた政治家に理念を失わせるのだろう。
そもそも選挙活動たるものは、政策作りに7,8割費やすべきだと思うのだ。もし当選したら絶対に実現するという公約をパッケージにして国民に示すべきだと。しかし残念なことに議員の口から政策や公約という言葉はまだ聞かれない。公約として議員のパンフレットがあるのなら、それは数ページではとても納まらないと思う。前期の評価も載せるべきだろう。もちろん資金はかかるが、政策パッケージにこそお金をかけるべきだと思う。充分な政策が示せたのならば、あとは国民の判断に委ねればいいことで、町内回りなんて本当に必要なことなのか、疑問だ。もし町内回りをするならば、その時こそ国民、市民の本当の「声」を聞くべきで、アンケート票くらい持って回ればいいのに、と思った。
議員はこんな私の気持ちをどのように受け取るだろうか。
● 吉田
 政治家の役割には、国民や住民に対し、これからの指針を示すべく、政策や公約の発表することがあると思います。しかし、一方で、政治家の役割の重要な半分は、国民や住民の声を聞き取り、それを議会に反映することだと考えています。これは、国会議員も自治体議員も共通のことと思います。
 政治家は、新聞社やTVの中に国民や住民の声を見出すのでなく、自分自身で直接確かめるべきものでしょう。なぜならば、政治家はその判断に対して、自分以外に責任を負えず、何かの時にマスメディアの主張のせいにすることは許されません。

 さて、山口さんが言うように、確かに当日は寒い日でした。少し無理をさせたかも知れません。しかし、政治家にとって、支持者周りは、住民意見を聞き出すもっとも効率的な手法です。また、支持者周りは、政治家の情報発信を、もっとも波及させる可能性があるものです。山口さんは、そもそも政治家というものが、なかなか国民や住民に信頼されがたい仕事だということは、理解できるでしょうか。私たちの国民や住民に対する対応に間違いがあるのか、それとも歴代の政治家の歴史がそうさせたのか、いずれにしても、「私を信用して!」と言っても、なかなかその言葉を額面どおりにとられることはありません。政治家に国民や住民が胸襟を開いてくれる、政治家も自分の政策課題を素直にぶつけることができる。そうしたことができるまでに、政治家に限らず、どの仕事においても、どれだけの積み重ねが必要とされるではないしょうか。

 地域周りは、地域の最新情報、住民の生の声を確認する過程と考えてください。ちゃんとした支持者は、政治家にいち早く、政治課題を伝えてくれる見張り番をしてくれます。
アンケートを用意することを、山口さんは提案しました。○か、×かの意見を求めるならば、その方法も適当でしょうが、一人一人に出会いながら、オーダーメイドの会話を繰り広げていく。そのことを、ずっと4年間積み重ねていきます。例えて言うなら、オリンピック出場の選手がキャンプを張り、インターバルトレーニングをやっている、と考えてはどうでしょうか。インターン生の一日同行は、ましてや数時間の同行は、ほんの上澄みの世界です。この日の日程は、そうしたものだと解釈してみてはどうでしょうか。これは、あくまで私の提案ですので、様々のケースを見聞きして、政治家の実像を捕らえてみてください。ある時は、別の議員の意見を、ある時は行政職員の、そうしてインターン生自らが、住民の考えを聞いてみることが必要でしょう。
私の場合、議会レポートを年に4回発行し、4年間で16回の発行となります。今回のように、別途に「総集版=政策パンフレット」を用意しました。あわせて、早朝は駅頭で、議会で起きたこと、自分が取り組んでいること、そうしたことを成瀬駅だけでも、毎週1回で、月に4回、年に48回、4年間で192回の演説になります。山口さんが見た、「つくし野駅」での街頭演説は、その半分くらいの回数でしょうか。
 インターン生には、「内在的観察してほしい」とお願いしています。良くも悪くも、議員の行動を体験してみる。時々の感想はあるでしょうが、その背景も見つめることにも、関心を示してもらいたいと思っています。もちろん、「議員の批判をするな」とか、間違っても主張しません!
 では、最後に、吉田の山口さんへの宿題を一つ。
1 町内を回っただけで、なぜ、政治家は票集めになると判断するのでしょうか。その根拠を書いてみてください。
 では、金曜日の一般質問でお会いしましょう。 

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