インターン記録レポート 選挙運動の下準備(続き)
   町田市議会議員 吉田つとむ   
中央大学法学部二年  前場俊文  2002/2/4  
主要研究項目
選挙運動の下準備
 記 事

◎前場さんコメント
今日は午前中は選挙出願?のための書類作りなんかをやった。といっても、自分はちょっとコピーを取ってきたりしただけだが。事務所開きのときに初めて会った、井筒さんという吉田さんの秘書さんに、いきなり「コレちょっとコピーとってきて」と言われたとき、少々狼狽してしまった。一瞬インターンの役割というものに疑問符を投げかけてしまったが、そんな細かいことに文句を言うほど自分の度胸は大きくない。これも役割の一つなのだろうと割り切ってコピーを取りに行った。なんにしても雑務がかなり多い。
● 吉田
 前場さんは、せっかく選挙の時期にインターンにきたわけですので、選挙に関わることは何でもやってみてください。選挙は、書類を届けて初めて候補者です。その前場さんが作成してくれた書類を、吉田は毎日自宅の枕もとに持ち帰ることになります。コンピューターも本体を夜は自宅に持ち帰り、皆さんに笑われました。そんなに大事にしているんですよ。

◎ 前場さん
昼は吉田さんとともに、団地にビラ(議会報告)を配りにいった。まぁ特別大変な作業でもないのだが、集合ポストとはいえ、全部のポストにそいつを入れるのにはかなり手間がかかる。中には「チラシお断り!」と書いてあるポストもあったりして、これは入れるべきか入れざるべきか…、などと悩んでみたり。やはり吉田さんが言うように、「これはチラシではない!」と信じ込んで全てのポストに投入するのが最も手っ取り早い。ただ、「『チラシお断り』って書いてあるのに、入れてくるなんて、この吉田って人はなんて無礼なんだ!」とか思われないのかなぁ、と思ったりもした。どーなんですかね?
● 吉田
 はたして、どうなんでしょうか。だって、私に議会レポートは大事な記事が書いてあり、「インターン体験記」だけでも貴重なものと思いませんか。

◎ 前場さん
一般のサラリーマンとかに比べると、かなり時間の自由がきく仕事ではあるけど、反面手間のかかる仕事も多いと感じた一日だった。
● 吉田
 その通りです。議員の場合は、全部が自由時間です。議会に出て、会あ議に出席すればその任はたりるのですが、自分を選出してくれた住民の皆さんに、自分の活動報告をする。そうして、議会への要望を聞く。「こんな話があるんだが、・・・・」と言う地域要望に出くわしたり、役所のこんなとこをどうにかしてほっしなー」と言われだすと、その活動自体が楽しくなってきます。



インターン記録レポート やはり下準備
   町田市議会議員 吉田つとむ     
中央大学法学部二年  前場俊文  2002/2/8
主要研究項目
やはり下準備
 記 事

◎前場さん コメント
やはり下準備だったが、この日は多少趣が違った。午前中は選挙中に回る遊説コースの下見に行ったのである。聞けば、選挙中はこのコースにしたがって毎日演説をするのだという。…が、成瀬の地理に明るくない自分にとっては、道が全然わからず、地図に印を入れていくだけにとどまってしまった。おまけにずっと車の中で下を向いて地図を見ていたので、車酔いしてしまった。でも事務所の中でひたすら事務作業をやっているよりは全然良い。
● 吉田
 いよいよ選挙まで残り10日間の日程となりました。同じ政党の議員が今期で引退となり、その方面に今後は進出するのが目的です。必ずしも、選挙の遊説コース作成ばかりが目的でないのですが、わたしを含めて十分な地の利を承知していない!ため、街頭区域の住宅街を見てまわった次第です。

◎前場さん コメント
昼ご飯は、井筒さんになんと回転寿司に連れていってもらった。いくら回転とはいえ、お昼から寿司なんか食っちゃってもいいのかしらん、などと思いながらのれんをくぐると…そこは、回転していなかった。いや、回転する台?はあるのだ。ただその台が止められていて、「ただ今のお時間注文してください」だかの張り紙がしてある。一瞬、「回転寿司なのに、回転してないじゃん!」誰もが心の中で叫ぶことだろう。現に、その事を店のオヤジに問うているおっさんもいたが、その問いに対する店のオヤジの返答はこうであった。「人間が回りゃ、いいんだよ」 …ダメだこりゃ。井筒さんも大いに不満であったようだ。
● 吉田
 私は、その店には一度も入ったことが無いんですよ。

◎前場さん コメント
午後は井筒さんと、各家にビラを配りにいった。一軒一軒回るのだという。最初、井筒さんがお手本を見せてくれて、「ホラ、こうやるんだよ」と。そして「ここ、やってみ?」え…、いや、だって全く知らない人の家にいきなり押しかけてって、挨拶するんですよね?そんな度胸はないッスよ。せめて心の準備を…。言う間もなく、とりあえずベルを押す。「ピンポーン」…「ハイ」「あっ、こちら市議会議員吉田つとむ事務所の者です。議会報告入れておきますので、よろしかったら後でお読みになってみてください」「ご苦労様です」 ふぅ、できた。慣れてきたら次々いける。ただ、中には「そんなこといちいち言わなくても、ポストに入れといてくれりゃいーよ」とかと言う人もいる。確かに一般人からしたら、気分的にはそんな感じなんだろうな、と思った。まぁ何はともあれ、自分的にはそんなところに踏み込んでいく度胸のようなものも得れて、いい体験だった。
● 吉田
 「議会レポート」は、毎回(年に4回)作成しているものです。せっかく作れば、大勢の人に見てもらうのが目標です。初当選時には、その配布を手伝っていただく方がありましたが、3期目の当選となると、逆に自前の配布体制が基本になるのでしょう。
 よく、インターン生として、頑張ってくれたようです。本当は、私と一緒に活動するべきなのでしょうが、この時期になると、自分も忙しくなり、追いつけない状況でした。

◎前場さん コメント
事務所に戻ってからは、事務所の壁紙を張ったり、インターネットを見るための説明書きのようなものを作ったりして、終わった。
そういえば名刺も取りにいったが、吉田さんは「名刺を持たない!」といっていたが、やはり持つようだ。「携帯電話も持たない!」と言っていたのに、持つようにもなったし。便利だから仕方ないのかもしれないが。まぁ特に選挙ともなると、人は変わるものだ。ただ、挑戦する心、いや心だけではなく行動を伴う挑戦は、いつまでも続けて欲しいと思います。人間歳と共に、無難な道、安易な道に進みがちになると思うので。
● 吉田
 「おい、おい!前場さん」名刺はだれの名刺だったか、よく見てください。後援会の役員さんが、「自分の役職名刺が無いとやりにくい」とおっしゃったので作成したのです。吉田は名刺をその後も作っていませんよ。前場さんの勘違いです。
 携帯電話の件は、言い訳できませんね。特別秘書の井筒さんが、「自分との連絡で、携帯電話を持ってくれ!」と言い出したのがきっかけですが、こちらは自分でも使用しだしました。前場さんにも、携帯電話で話をするようになりました。しかし、今日現在、登録に手間取り、その操作は省略しています。
 


インターン記録レポート もう一人のインターン生
   町田市議会議員 吉田つとむ     
中央大学法学部二年  前場俊文  2002/2/12
主要研究項目
 記 事

◎前場さん コメント
山梨さんというもう一人の、吉田さんのインターンの人に初めて会った。同じインターンなのに、初顔合わせはかなり遅い。また、山口拓さんのとこのインターン、大澤さんという人にもあった。
● 吉田
 そうですね、2人をインターンとして採用したのですが、来てくれる日にずれがあり、今日が初顔合わせとなりました。
 せっかくだから、なにかコメントを書いてくれ。

◎前場さん コメント
作業としてはまぁいつものごとくというか、事務的作業だった。午前中はポスターを剥がすために各所をまわり、吉田さんがお礼の挨拶をしている隙にポスターをバリバリと剥がす、またときには針金をブチブチと切ってしまおうという寸法だった。作戦は非常にうまくいった。
今日の昼は、ラーメンをごちそうになった。「白しょうゆ」というのがうまいという話だったので、たのんだ。果たしてどんなラーメンなのか、まぁ白しょうゆというくらいなんだから、白くにごっているんだろうななどと考えていたら、出てきたラーメンは…澄んでいた。透明なのである。まるで塩ラーメンかのごとく。ぐはぁ、そういう「白」か!しょうゆのくせに透明とは、なかなかやってくれるではないか!などと思いながら口にすると、…う、うまい。しかも味もしっかりとしょうゆだ。どういう手法でそんなしょうゆが作れるのかはさっぱりわからないが、うまいのでよしとしましょう。山梨さんは、チャーハンにごまをかけまくっていた。
事務所に帰ってからは、ひたすらにパソコンの前に座り込み、文書を作成した。ちょっとした名簿だったが、そんなものを作るのにひたすら時間を費やし、その日はそれで終わってしまった。
すいません、食事の部分が一番大きく占めてしまっているのは、インターンレポートとしてどうだろ、というような声もあるかと思いますが、勘弁しておいてやって下さい。特別コレというようなこともなかったんで。
● 吉田
 その「白しょうゆ」のラーメン屋さんは、吉田事務所では地区内一番の評判となっています。吉田は自分が住んでいる「成瀬が丘」で食事をすることが多いのですが、スタッフやインターン生には、「成瀬駅」の反対側にあるこのラーメン店の方は評判が高いようです。
 前場さんが作業をした、「政党ポスター剥がし」は、期限を切った忙しい仕事です。大半は自分でやっているのですが、こうして一緒の時は、私がお礼を行っている間に、そのポスターを剥がしてします。そうして、一気にスピードを上げた日程が組めました。



インターン記録レポート ポスター剥がしは自分の仕事
   町田市議会議員 吉田つとむ     
中央大学法学部二年  前場俊文  2002/2/15
主要研究項目

 記 事

◎前場さん コメント
ポスター剥がしだった。朝から夕方までポスター剥がしだった。なにしろこのポスターというやつは、各所に点在しているのだから、全部剥がすのにはかなりの時間を要するのだろう。しかも吉田さんの場合、一枚一枚本人が挨拶しながら剥がしてゆくのだから。自分はそもそも、あんなポスターなんて適当に貼られているんだとばかり思っていた。そこで、吉田さんに「貼ったポスターの場所ってのは、全部覚えてるものなんですか?」と尋ねてみた。回答はこうだった。「400枚あれば、390枚は覚えている」と。へぇ、そんなに覚えているもんなのか、と思った。適当に貼っているわけではないばかりか、張った場所までそんなに覚えているという事実に、少々脱帽。さらに吉田さんは、人のポスターがどこに貼られているかまでも覚えているのだから、驚きである。いちいち市長候補のところに電話して、「あなたのところのポスターがなくなっていますよ」と教えてあげていた。普通ポスターというのは、公示前日なんかに、事務所、後援会を動員して一気に剥がすものらしい。で、前日でもないのにポスターがなくなっているというのを不思議に思って、電話してあげたというわけだ。(結局それは、自民党の担当者が剥がしていたらしいのだが)まったく、議員ってのは、みんなそんな事を覚えているものなのだろうか。それとも吉田さんがポスターマニアなだけか?
そもそも、この結構前からポスターを剥がすというやり方は、吉田流なのだそうだ。ポスターを貼ってくれていた家々にお礼を言うことにより、お願いも兼ねてしまおうという作戦らしい。もうこの時期になると、新しい支援者というのは増やしにくいので、無駄に動き回るよりは、足元を固めるという意味合いの強いこの作業をやるのだという。確かに。的を射た考え方だ。あっ、ここに書いてしまったら、真似をする議員も増えてしまうのだろうか。不都合であれば、削除しても構いません。
● 吉田
 自分が貼った政党ポスターを剥がしてまわる。選挙が始まる日には、そうしたポスター1枚も無いのが基本です。結果的に見ると、選挙に入ってもそのままポスターを放置した陣営の候補者は、落選者が多く出ています。
 その理由は、そうした「やりっぱなし」のタイプには、評価が厳しいのかも知れません。もう一つ重要なことは、ものを「片付ける能力、整理する組織力」が見られているのでしょう。選挙の候補者が若ければ、ポスターを何時までも放置する、許可も無く貼りっぱなしにする。そんなことが見逃されるかも知れませんが、何回か当選を重ねると、住民の皆さんの目が厳しきなってきます。議員の当選回数を、そうした面で見てみるとまた政治家の別の姿がみえてくるのではないでしょうか。
 また、吉田の場合は、たしかに「ポスターマニア」の一面があります。自分でポスターを貼り、自分で剥がす。それをできるだけ、広範囲の地区でやる。つまり、住民の皆さんとの接触をそうした行動を通じておこなう、とういうのが基本です。選挙投票の「お願い」はせず、政党ポスターを貼っていただいた「お礼」を言ってまわる。
それで、果たして選挙ができるのか?今回は、3回目の当選をめざした選挙です。

◎前場さん コメント
僕はポスターというのは厳密なもので、選挙中は特定の掲示板以外には絶対禁止なのかと思っていた。頭のほうに書いた「適当に貼られるものと思っていた」という記述とは矛盾するが、とにかくそう思っていたのだ。だが実際にはそれほど厳しくなく、数枚剥がし忘れたものなんかはちょっと注意を受ける程度で済むらしい。知らなかった。確かに公職選挙法をパラパラと見てみると、そのことに関して罰則規定は特に無いようだ。
● 吉田
 この段の記述は、厳密には違っています。ポスター貼りの規定は厳密です。ですが、「組織的、意図的なもの」が取り締まりの対象になっているようです。ポスターを剥がし忘れて、全く問題がない、というものでもありません。前場さんが書いているように、「選挙管理委員会」から注意を受ける、程度で終わっているのが現状でしょう。こうしたことは、地域によって、取り締まりや注意の内容が大きく異なっているようです。本来、日本は単独の法律で選挙運動の方法が決められているのですが、適用に地域性が出てくるのでしょう.法学部学生としては、どんな感じを持っているのでしょうか。

◎前場さん コメント
吉田さんの手伝いをしている山路さん(字が違ったらごめんなさい)がバイトをしているという喫茶店でコーヒーをいただいた。自分は今まであんな喫茶店には入ったことがなかったので、まずコーヒーを選ぶので苦戦し、さらにカップを選べと言われたときは、内心どうしようかと思ってしまった。もちろんコーヒーはおいしかった。で、これまでの電車賃をまとめて請求して、この日は帰った。
● 吉田
 議員インターンシップのインターン生には、食事と交通費支給が原則です。給与・バイト代はありません。その代わり、インターン生が持つ疑問には、できる限り答えていく。これが、対価だと考えてください。