インターン記録レポート 『オレンジ』 
  町田市議会議員 吉田つとむ    2002/2/13 
明治大学政治経済学部二年  宇都宮 秀男

◎ 宇都宮さん
 まだ暗い空に、オレンジ色の染料が流し込まれる。
東京の夜明けも案外わるくない。 4時に寝て、12時に起きる習慣のあった僕がこんなに早く起きるのは珍しい。 
山口拓(世田谷区議員)さんのところでインターンをしているのだが、今回はお手伝いということで選挙前の吉田勉さんのところにいくことになったため、今日は早く起きたのだ。 久々に通勤ラッシュの京王線に乗る。もうオシャレということを忘れてしまった、中年サラリーマンの寝癖が僕の頬をくすぐる。 嗚呼、ずっと学生でいたい・・・。
 下北沢から町田まで僕を車で運んでくれたのは、議員秘書兼僕の専用ドライバー(?)でもある井筒さん。彼に、こんなことを聞いた。「政治の仕事って楽しいですか?」 この素朴な僕の質問に対して、間髪いれずに「自分で、楽しくしていくんだよ」と言った。 思わず、ふりかえってみると彼の目は輝いていた。 僕はこの名言をメモっておこうと思ったが
ペンを忘れていたのでやめた。 
● 吉田
 またまた、他の街のインターン生がフィールドワークで来てくれました。今回は、世田谷区議会の山口拓議員のインターン生の宇都宮秀男さんでした。春休み期間、せっかくのお休みタイムを潰し、町田まで来ていただきました。いろんなインターン生の登場で、私も楽しみが増えました。ここまで来るのに、井筒さんは運転手役をしてくれているんですね。

◎ 宇都宮さん
 吉田さんの事務所は元チャーチ。 こじゃれた事務所だ。
なかなか雰囲気もよく、僕はもくもくと雑務をこなしていると吉田さんが現れた。 第一印象は、小学校の時の体育の先生だった。 やさしそうで厳しそうで体格がいいから。 というよりも、ただ単に昔の体育の先生に顔がそっくりだったからである。 僕は、吉田さんに連れられて「ポスターはがし」を手伝った。 「今日はこればっかりなんだ、単調な作業で悪いね」と気を遣ってくれた。 その時僕は朝の名言を思い出した。 「どんな仕事も、自分で楽しくするんだよ」って。 僕は、「ポスターはがし」という単調な仕事を通して、どれだけ多くのことを学べるか。 これを、今日のテーマとした。
実際、いろんな家を車でまわりあいさつをしてはポスターをはがして行く。
こんな事は、わざわざ議員さんがやらなくてもインターンにやらせればいいと内心思っていたが、ひとりひとりにお礼を言いながら剥がして行く事で、直に感謝の気持ちを伝えたいという吉田さんの意志がそこにはあった。 なるほどこういう地道な努力で吉田さんの今日があるんだな・・と感じた。 華やかな人ほど、その裏の努力がすごいとはこのことである。 実際、いろんな家のかたとお話をして、いろんな家の顔をみた。 長々と立ち話をせまる奥さん、なぜか「もっとポスター貼っておけよ」とせまるおじいちゃん、バレンタインデーのチョコを渡したがるおばちゃん、「週休二日制になると塾に行く時間が増え、子どもの時間のゆとりもなくなるし、私の財布のゆとりもなくなるわ」などと上手い風刺を言ってみせる奥さんもいた。 ほんと、何が「ゆとり教育」だ。 ゆとりを得られるのは学校教師のプライベートと塾教師の財布くらいである。 おっ、我ながら上手いじゃないか。そんなことを考え一人でニヤニヤしながらポスターを剥がしていたら、名言製造機の井筒さんから電話が。 「ひで、ちゃんと自分の名刺を吉田さんに渡したか?せっかく作ってやったんだから、こういう時に使わなきゃ。」 と言われる。 あんまり、名刺交換は好きではない。 たかがインターン生のくせに、政治家と名刺交換しても恥ずかしいだけである。 でも名刺交換は社会人のルール。 今のうちから慣れておくのも悪くない。 「どうぞ、これ受け取ってください」と、バレンタインチョコを渡す女の子の気持ちに共感しながら渡すと「ありがとう。 だが、僕は自分の名刺は持たない主義だから」と言われる。あれ? 井筒さーーん! 聞いてないよ〜。 政治家なのに名刺を持たない。 かっこよすぎじゃないか。 僕が政治家なら間違いなく「町田市市議会議員」という肩書きを大文字でかいて、金パクにして強調し町じゅうに配るに違いない。
● 吉田
 事務所の場所のことですが、なにも宗教的な意味合いがあって、このようなところを事務所にしたわけではありません。
 ただし、せっかくなら、あの「町田市の大きな絵」のことを書いて欲しかったですね。自信さくです。(なにも、吉田が書いたわけではないだろう!と聞こえてきます)
 <山口議員がいくら吉田の後輩としても、インターン生までこんなに長時間拘束して申し訳ないなと思います> ですが、そんな余裕もありませんので、宇都宮さんに、とにかく今日の仕事を手伝ってもらいました。その時に言ったように、実に単調な仕事だってでしょう。ですが、ポスターを貼って頂いていたお宅の皆さんにお礼を述べていくことで、その単調性が随分と解消されたのではないでしょうか。もっとも、大半は私がお礼の挨拶を述べ,その間に宇都宮さんにポスター剥がしをやってもらいました。
 さらに、宇都宮さんから名刺をいただきました。「山口拓議員のインターン」である、宇都宮さんには、私のところのインターン生にように、働いてもらいました。その宇都宮さんの名刺をもらうことになったのですが,私が名刺を渡せなくて失礼しましたね。名刺無しで行動する、せっかく2年間もそうしてきました。もうしばらく、名刺無しの生活を送ってみましょう。

◎ 宇都宮さん
「ポスターはがし」を配り終えたのは、青い空にオレンジ色の染料が流し込まれる頃だった。
今日のテーマを忘れるほど、素直に楽しめていた自分に気づく。 いつのまにかこじゃれた事務所に愛着が湧く。
奥さんも、後援会のひとも、みんな優しい。 その笑顔に「ゆとり」を感じた。 嗚呼、多くの受験生よ。 机にしがみついてないで、たまには色んな場所に足を運んでごらんよ。 はっはっは。 などと、粋がっている自分がいる。 
吉田さんに食事に連れて行ってもらう。 なじみの定食屋。 とにかく顔が広いし、市民に愛されてるなぁ、とつくづく吉田さんには感心する。 政治家と一緒に夕飯を食う。 なんて素敵な響きなんでしょう。 嗚呼、俺も出世したもんだ・・。 親が聞いたら泣いて喜ぶに違いない。 店内にあるTVのニュースで、豊島区の自転車放置税が報道される。 
普段なら、「ふーん」と友達と流すところだが、そこにいるのは政治家さん。 さりげなく意見をのべる彼の瞳は輝いていた。
貴重な経験と天ぷら定食、ごちそうさま。
● 吉田
 そうか、これが「オレンジ色」なにか、吉田にとっては、暗くなったので行動しにくい。そんな考えしか沸き起こってきません。実に文学的な表現だなー。さて、豊島区の「自転車放置税」に、私はなんと言う考えをいいはなったのでしょうか?その内容をまったく忘れてしまいました!
夕食は定食屋さん、ここの定食は吉田のインターン生にとって、定番です。なお、吉田は塩分減少が特徴です。サラダは、ドレッシングも、塩もソースも一切使わないので知られています。吉田つとむ「通」ならば、知っています。

◎ 宇都宮さん
さて、もう夜の9時になる。 よく、頑張った。 自分で自分を誉めてやりたい。 
全然、疲れてない。 サラリーマン中年の寝癖を思い出す。 彼は、今ごろ何をしているのだろう? 
そんなどうでもいいことを考えてしまう。 吉田さんも、今日はひたすら動きまわったのにまだ元気に井筒さんと喋っている。
僕は、朝はやく起きてよかったと思った。
 ありがとう、町田市のみなさん。 ありがとう、吉田さん。ありがとう、事務所のみなさん。
自分で、楽しく仕事させていただきましたよ、井筒さん。  事務所においてある甘いオレンジを食べて
僕は町田市を後にした・
                                                             『オレンジ』  完
                     
● 吉田
 もう、こんな時間になるー!吉田は自分のことしか考えていませんでした。「今日は、遠方より友来る」、午後の7時頃、富山県小矢部市の中村議員が事務所訪問をしてくれました。その中村議員は、インターネットを通じて知り合った仲ですが,宇都宮さんに、記念撮影をしてもらいました。近々、アップしましょうね.

        P.S 今日会えなかった、吉田さんトコのインターンの皆さん頑張ってくださいね。 
            機会があれば、また応援にきます。
● 吉田
 そうです、今日はインターン生が来ない日なのです。またの機会をお楽しみに。