インターン記録レポート 川戸 裕美子 第11日目
町田市議会議員 吉田つとむ    2003/8/29 作成
 川戸 裕美子 3年 2003/8/27 到着
主要研究項目
 インターン感想文 (平成15年8月28日)
  記 事 

<見だし>
● 川戸裕美子さんのレポート
● 吉田つとむの回答

インターンシップ 第11日目(H15 8.28)レポート
                        川戸 裕美子

川戸さん
 今日は、到着するなり慌しいような雰囲気が漂っていて、いつもの市議会とは違った環境にいるようでした。この日は議会運営委員会が開催されるとあって、通常より多くの議員さんがいましたし、直前まで会派内で打ち合わせをしているようでした。私は議会事務局で傍聴券をもらい、委員会室の後方にある傍聴席で議運が始まるのを待っていました。議運の傍聴はこの日が初めてで、前方には大勢の議員さんと事務局の方々、後方の傍聴席にポツンと一人、というなんとなく落ち着かないなかで議運が始まりました。
● 吉田
 地方自治体の議会は、年に4回(春夏秋冬)の定例会を開いています。その定例会時期に向けて、首長は条例や予算案を提出してきます。一方の議員は、首長に質問する事項を定めてきます。

それらを順序良く進行するにはどのようにしていくか、行政と議会にはそれぞれの役割があります。また、議員の中では、自分をどのようにアッピールしていくか、それぞれに考えるところでしょう。

 それらの全部の利害を調整する立場として、議会運営委員会は存在します。そこでの決定は、議員の発言方法にも及びますので、議会運営委員は、自分の考えだけではなくて、自分が所属する会派(議会における、政治的なスタンスが同一の議員グループのことです)の意向にそって、それぞれに意見をいいます。

 物事によっては、先日の議運の会議のように、多数決で決することがあります。また、おおよその合意が成り立ちそうなものは、その決を採らずに、物事を決することがあります。最初の協議事項では、そうした議論の決着で見本のような事例をみせることが出来ました。川戸さんがその場で見たように、議運の進行自体は、型にはまっている部分と、そうでないときがありますので、その両方が見て取れたということです。

 定例会の次第のように、議長案がある場合は、それを事務局長(あるいは、次長)が、その説明をします。一度、質疑はありませんか」と聞きます。(手元の次第では、質疑を許します、と表記されています)

 手が挙がらないときは、次のような進行をします。

議運委員長::「他に質疑は、ありませんか」

委員::「なし」

議運委員長::「ないようでありますので、議長案のとおり承認したいと思います。これにご異議ございませんか」

委員::「(異議)なし」

議運委員長::「ご異議と認め、○○につきましては議長案のとおり承認いたします。

議運委員長::「次の議題に入ります。・・・」あるいは、「ここで休憩します。再開は、○○分後です」と続けます。


川戸さん
 吉田さんは議運の委員長を務めていたので、私の対極の位置に座り、議事を進行していました。議運は予定表に書かれたとおりに議事が進められました。傍聴席にも関連の資料が一通り閉じられたファイルが用意されており、それを見ながらの傍聴となりました。それぞれの事項に対する会派の意見をうまく集約しながら進行を務めている吉田さんに、議員のなかでもまた新たな顔を発見したような気がしました。
● 吉田
 今日は、意見が分けれている分を終結し、結論を出すことにしていました。そうした時、あい反対する結論の立場が解っていると、緊張感を持って望みます。それが、委員長の務めだと理解しています。逆に、全員が「異議なし」だと、自分は気が楽に収まっています。

 つまり、「多数決で物事を決着をつける」という最終判断を、委員長は行います。そうした中でも、私は、少数派の皆さんに、会議で議論を十分尽くした、と言う同意を得たいと思っています。


川戸さん
 私が一番興味深かった協議事項は、議会の一般質問における「一問一答方式の正式導入」についてでした。市民の声を反映させ、提案をしていく議員さんにとって、議会での質問方式には各々こだわりを持っていることが見受けられました。結局、「一問一答方式の正式導入」については各会派で持ち帰り、後日の議運で話しあわれることになりました。
● 吉田
 これは、議会の本会議に置ける質問をどのように行うのか、その方法を問題として取り上げています。

 一般に、議員には質問を小刻みにして、首長とのやり取りで優位に立とうとします。あまりに小刻みにやられると、時間がかかってしまいます。議長はそれをあまりに意識的にやられると、進行がスムーズに行かないということになります。


川戸さん
 議運が終わった後、今日の資料をもらうことはできないのか吉田さんに尋ねました。(「傍聴席の資料は持ち帰らないでください」、とファイルに書かれていたので。)資料が欲しい場合にはコピーをとらせてもらえるようですが、基本的に議運は話し合う側が主役なのでそのようになっているそうです。
● 吉田
 以前は、議会の会議で傍聴者用には資料が議場(会議室)内に置いてありませんでした。それを、閲覧者の情報提供の場を広げようと言うことで、それを置くことにしました。些細なことですが、そのことは、私が委員として務めていた前期の議会運営委員会で、私たちの会派で提案したことです。町田市議会でそのことを実行して、まだ4年目です。他の自治体では、そうしたことをやっていない自治体も数多くあります。

川戸さん
会議を円滑に進められるのも、こうした事前の話し合いがなされているからなのですね。本会議までの一連の過程を間近で見ることができるのは、本当に貴重な体験だと思います。
● 吉田
 議会運営委員には、各会派からその委員が選出されてきます。会議のあり方では、最終的に多数決で決することもあるので、その場で議会のルールブックをそれぞれに作っていく様子を、1カットのみですが、見ていただいた次第です。
 もっとも、会議を開いて、なにも決しないということも、何度もあります。

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