インターン記録レポート(7) 東猴 史紘

町田市議会議員 吉田つとむ    2004/3 /16 作成
 東猴 史紘 3年生 2004/3/15 到着 
主要研究項目  議会の本会議を見て


インターンシップレポート(7)
                               東猴 史紘(とうこう ひろふみ)

● 東猴 史紘さん
  「人件費は最大の事業費である。」この発言は3月8日、この日行われた一般質
問の中で発せられた言葉である。就職活動の身である現在の私にとって耳が痛い言葉
であった。さてこの日の私の一連の行動の流れとしては、午前:一般質問聴講、午後
@:吉田議員の確定申告、午後U:一般質問聴講であった。一般質問、これは何かと
いうと、国会答弁の市議会バージョンである。議長が壇上で仕切り、その下の壇で議
員が答弁し、その下に速記がいる。そして壇上の両サイドには市長ならびに関係役員
の方々が議員の質問に答えるために控えている。一般質問を見ていて立場的には市
長、関係役員サイド>市会議員という構図なのかなと思った。これに市民を入れる
と、市長、関係役員>市会議員>市民であろうか。市民の怒り、要望を市会議員が代
弁し、最高権力の市長にぶつける。議員の方々が再三に渡って、市長にお願いしま
す、お願いしますと答弁している姿を見ていると、なるほど議員になっても全てを自
分で決定できるわけではないのだなと、就職活動でも感じていたが、改めて日本のた
て社会構図を感じた。
● 吉田 つとむ
 東猴 史紘さんは、町田市議会の一般質問を見て、市長と議員の相違を発見くれました。確かに、私たちの存在は、市長に比べるとずっと弱い存在です。議員にとって、よほどのことがないと市長の提案を蹴るということはなかなかできないことです。しかし、そうした中で、あまりにもずさんであったり、公平さを欠いたものは、例え市長の提案といえども、議会が排除することもあります。なかなか、そうした事例には遭遇できないかも知れません。
 「確定申告」のことが書かれていました。私に著書の印税が人生史上で初めて入ったため、その申告を議員報酬と合算して行うために、その内容を確認してもらうためのものでした。もちろん、寄付金控除も、一定額ありました。
 東猴さんの申告の相談に行ってもらっおかげで、印税収入には「最低経費の支出」の考え方があることを始めてしました。著作本は、決して頭の中だけで出来ないことを税務署は認知していると、私は理解できました。

● 東猴 史紘さん
 午前、午後と一般質問が行われていたわけであるが、その中で私が興味を持ったト
ピックがひとつあった。それは午前中に行われた佐藤議員の一般質問の中の項目「行
政評価制度」であった。行政評価という言葉には二つ意味がある、ひとつは行政を第
三者が評価する。もうひとつは行政が第三者を評価するというもの。佐藤議員の答弁
では両方の意味で使われていたが、どっちかというと前者の行政を第三者が評価する
意味で使われていたであろう。趣旨として90年代半ばから行政評価制度を導入する自
治体が増えてきたが、町田市は導入済みだが利用していない。利用しても有効活用し
ていない。よって情報公開が遅れ自治体が適切な予算配分をしているかを第三者が評
価できないので市民と行政の間が不透明であるのでもっと町田市は情報公開をして行
政評価制度を根付かせるべきだというものだった。
● 吉田 つとむ
 佐藤常雄議員は、数日前まで副議長をされていました。今回の交代(恒例)で、質問する立場に、2年ぶりとなった次第です。以前から、こうした行政のあり方に関心が深い議員で、私も注目していました。
 この行政評価制度を自治体として取り入れれば、その自治体の行政レベルは飛躍的に高まると考えられるが、それへの批判も強くなるでしょう。その兼ね合いを測ると、権力者は自らの評価を他者に譲る考えはしぼんでしまうのかも知れません。
 
● 東猴 史紘
 どうなのでしょうか?一般庶民の私から見て町田市議会は答弁の様子などHPから
映像で見ることができることもあり、かなり市民に対してクリアーな姿勢を見せてい
るように思えるのですが。私の地元のHPには市議会専用のHPがないどころかイン
ターネットで答弁の様子を見るシステムは存在していない。それに比べると町田市
は、市民が自分で市議会の様子、会議の内容を知ろうと思ったらかなりの面で調べる
ことができると思うのですが、どうなのでしょうか。やはりさらなるレベルの高い透
明性を要求されているのかなと答弁を聞いていて感じた。また佐藤議員の提案する第
三者評価、外部からの行政評価も私は賛同した。確かに第三者評価にしても完全な評
価は難しいかなとも思う、なぜならば第三者機関が全て善とは限らないからである。
米エンロン事件を見てもそれは明らかであり、第三者を監視する第三者、さらにその第三
者を監視する第三者が必要になるわけである。さらに何をもって良い行政なのかとい
う定義が不明瞭である。増税をしたら悪なのか、減税をしたから良い行政なのか。第
三者評価を根付かせても評価基準が不明瞭な状態ではまったく評価制度は機能しない
のではないか。しかしながら私の地元の悪口を言うようで嫌だが、一般市民に市議会
が何をしているのか、何を議論しているかを情報公開していない市は問題外である。
評価以前の問題である。全部を全部公開することを望むわけではない。一口に市民と
言っても学生、主婦、会社員、会計士、弁護士など様々である。さらにそのそれぞれ
の職種の人たちによっても知りたい情報は違ってくるし評価する切り口もそれぞれ違
う。市としてはそのそれぞれに対応できるような最低限の情報公開は必要ではないか
なと思う。どうなのでしょうか。そのそれぞれに対応し、利害調整をしていかなけれ
ばならない議員はインターンで側から見ていて、さらに確定申告をしていて思った
が、市会議員の給料はなんて少ないのだろうと思った。現在、「相当の対価」という
言葉がはやっているが、市会議員は果たして相当の対価をもらっているのだろうか。
そこから第三者評価を行わなければならない。
● 吉田つとむ
 町田市議会が、住民に広くその会議の様子を公開するのは伝統的なことです。行政の情報公開条例制定と、議会のそれは同時にスタートしていました。
 ただし、映像(TV放映)のよる情報提供の方法は、なぜか遅れていました。ある意味では、請願等の要求制度のあり方が充実しており、そうした市民には関心が深かったのですが、いわゆる一般の住民にはやや距離を置いた政治であったのかも知れません。
 そうした時代から、今はインターネットを通じて、誰にでも議会の情報をしようというスタンスの議員が誕生してきました。私はその中の一人でした。また、現在の議会本会議をインターネット中継するという考えは、偶然、私が富山県魚津市のHPで「議会中継」を発見したことが始まりです。この魚津市の今では古典的な「リアル中継のみのインターネット中継」こそが、町田市議会のネット中継の原点です。
 さらに、私が、議会運営委員会の皆さんに、2年前の5月に現地訪問の視察を提唱した北海道の室蘭市議会のインターネット中継が、町田市のインターネット中継の「産みの親」といえます。
 これらの情報は、インターネットHPの情報を通じて、全国各地の自治体議会に伝わり、それぞれの自治体議会で、インターネット(TV)中継の取り組みが出ています。そうしたことも、私にとっては意義深いことです。

<注: 東猴史紘さんは、始めて市議会の本会議質問を傍聴しました。本来は、自分がその質問内容の原稿作成に携わったのですから、私の一般質問日にその傍聴をしてほしかったのですが、日程の関係でしかただありません。しかし、他の議員の考えやスタイルを幅広く見るのも、きっと有益な大変となるでしょう>
 
 
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