インターン記録レポート(10) 東猴 史紘

町田市議会議員 吉田つとむ    2004/3 /31 作成
 東猴 史紘 3年生 2004/3/31 到着 
主要研究項目  ノスタルジーと忘れ物


インターンシップレポート(10)
                               東猴 史紘(とうこう ひろふみ)

● 東猴 史紘さん
「ウズベキスタンは日本に片思いしている」ウズベキスタンにおいてイスラム過激派
による自爆テロがこの日(3月30日)に起こった。場所はカリモフ大統領官邸のあ
る首都タシケントである。
9・11テロ以来、あらゆるところで自爆テロが相次いでいる。しかしそれは中東、
ヨーロッパにおいて頻繁に起こっていた。今回はウズベキスタン、すなわち中央アジ
アである。なぜウズベキスタンにおいて自爆テロが起こったかはまだ明らかにされて
いない。犯行グループはイスラム過激派であるらしいとのことだ。
「あぁテロはいつもの事だ。」「遠い国で起こったことだから関係ない。」と最近で
はテロ事件が起こり新聞に載っても特に目に留まるものではなくなった。さらに今回
は我々に馴染みのない中央アジアでのことなのでなおさらである。
われわれ日本人の同国に対してもっている情報はとても少ない。この事件を新聞で目
にしたとき同国がどこにあるのか数秒考えてしまった人もいるのではないか。だが、
我々の同国に対する情報の密度の薄さとは裏腹に同国ウズベキスタンの歴史、現状は
とても密度が濃い。
ウズベキスタンは中国とローマを結ぶシルクロードの中心地であり、面積は日本の
1.2倍、人口は2400万人で、首都タシケントにおいては220万人も住んでい
る。飛行機もあり、地下鉄も二本、韓国は同国で自動車の合弁生産もしている。天然
資源も金の生産は旧ソ連の約45%に達し世界5位、綿花も世界4位でアメリカに次
ぐ世界2位の輸出国である。また石油・天然ガス・食料の自給体制も整っている。鉄
鉱石、石炭の埋蔵も確認されている。
だが重要なのはこれらの地理的な点ではなく、冒頭でも書いたように「ウズベキスタ
ンは日本に片思いしている」という点なのだ。現在同国は、経済の近代化、民主・自
由化、また貧富の格差を縮小して自由で人権を重視した民主国家を目指している。そ
の民主国家のモデルとして明治維新・戦後復興を経験した日本に片思いをし、現在同
国では本気で二本発展を研究し、100人以上の研究者を日本に送り込んでいる。ま
た驚くべきことに、300人以上の学生が日本語を勉強しているほどの熱の上がりよ
うなのだ。
そしてこのウズベキスタンの片思いに答えて1996年10月から旧大蔵省の北村歳
治財政金融研究所次長が同国の金融アカデミーの副学長となって同国に助け舟として
渡った。旧ソ連のウズベキスタン、トルクメニスタン、アフガニスタン、キルギスス
タン、カザフスタンをファイブ・スタンというが、その中でもウズベキスタンは経済
改革の成功例とされている。今後さらに経済改革を進めるにあたって、日本への思い
は強くなっていくことだろう。
さてこの日(3月30日)沖縄から北海道までの43都道府県のシルクロードの中心
地たる東京、その中心地である都庁に足を運んだ。その朝は就職活動の関係で実家の
愛知県におり朝8時に家を出て新幹線で品川に10時30分に着き新宿へ向かった。
計算どおり待ち合わせの11時に都庁についた。待ち合わせ場所の一階と二階とを間
違えたことさえなければ芸術であった。
この日は都庁の美しさに魅せられた日であった。都庁の39階(正確には覚えてな
い)で吉田氏の収支報告書記入をお手伝いしていたわけであるが、そこから見える絶
景は素晴らしいものであった。同時に去年の誕生日に都庁の裏にあるパークハイアッ
トホテル68階のニューヨークバーでのディナーを別れた恋人と共にした時を思い出
し、感傷に浸っていた。現在米国に特待生留学している元恋人を心の中で応援し、よ
し自分もがんばろうと目を窓から収支報告書に移した。
収支報告書記入が終わり、そのコピーを取るために都庁に隣接している都議会の自民
党議員を吉田氏が尋ねた。迎えられた部屋は町田市議会の自民党部屋とはまるで違
い、白で統一され清々しさを感じた。吉田氏がコピーを取る際、面会したのは自民党
都議会議員の吉原修氏であった。私も横にいたわけだが、吉原氏は非常に都庁勤務が
似合う人であった。髪の毛をオールバックにして、スマートな方であった。
この後、収支報告書を提出して本当は永田町にある議員会館に向かう予定だったが、
時間の関係で出版社に向かった。ここの出版社は吉田氏が著した本を出版したところ
である。この本のお陰で吉田氏は先日広島商工会議所で講演会を開くなど大忙しのよ
うである。出版社で地方議会の話が行われ、築地の19時から行われる勉強会に向かっ
た。
勉強会は太平洋セメント(株)で行われたわけであるが、内容が高度すぎ、今まで勉
強したことのない分野であったので理解ができなかった。勉強会後、江東区議員と中
目黒議員をはじめとする5人で食事を共にさせていただいた。中目黒の議員の方は去
年初当選したばかりの人で議員の行動の仕方などを吉田氏らから教えを請いていた。

この3月30日は朝から晩まで多様な人と出会った。その中で思ったのが、議員の形は
必ずしも一つではないということだった。当たり前といえば当たり前であるが、さま
ざまなタイプの議員がいた。本当に皆違い多様性に富んでいる。独自のカラーを出し
ていかないと生き残れない世界なのだろう。吉田氏はITというカラーを武器として町
田市行政と市民の間の透明性を追求している。この日お会いした議員一人一人も独自
のカラーを持っていた。
だがたまにある疑問を抱くときがある。それは「この人は政治の何に片思いをしたの
か」という疑問である。議員は皆がみな吉田氏の様に切磋琢磨しているわけではな
い。日本の将来、その地域の将来のために政治をすることを目的とするのではなく、
引き続き政治家になることが目的になっている人も少なくない。政治家にはもっと日
本の将来へ、日本のさらなる発展へ「片思い」していただきたい。「片思い」の思い
が強ければ強いほど、相思相愛になったときの喜びは大きいものではないだろうか。
● 吉田つとむ
 ウズベキスタンと言われて、一瞬思い浮かびませんでした。コーカサス山脈側の国々であれば、それらの諸国の国々名称を言い当てられますが、カザフ以南はとんと思い浮かばない地域です。そうした国の中で、自爆テロがあったとしても、残念ながら記憶に残ることがなかなかないでしょう。わずかに、世界遺産に出てくる、遥か以前の文化の面影を残すと言うサマルカンドの風景の方が、心に残っています。そうした国の皆さんが、遥かなる日本を目標にしていると聞くと、なにか申し訳ない心境に至る所です。

 この日は、東京都庁で待ち合わせをしましたが、東猴さんは、その日は名古屋から出てきていたのですね。さぞかし、1日が長い時間であったでしょう。出来あがっていない書類づくりを完成し、役所への提出に間に合わせるという、恒例のスケジュールをこなしました。従来から、この時期のインターン生は、毎度、都庁の39階にある選挙管理委員会に着ています。その中で、甘い感傷に浸れたのは、東猴さんくらいではないでしょうか。書類づくりは、日ごろからやっておれば、こんなにバタバタしなくて良いのに、と考えるのが通常のインターン生です。そのことを、はっきりとこのレポートに残した学生もいたくらいです。

 とにかく、おかげて、選挙管理委員会に提出する、政治団体の収支報告書は、ゆとりを持って間に合いました。また、都議会では、地元の吉原修都議会議員にも会えました。その自民党の部屋はとても立派で、東猴さんが驚くのも無理がありません。しかし、町田市の場合は、他市に比べて「議会」の存在があまりにみすぼらしくあることは間違いありません。同等都市では、市議会の建物、部屋がもっとしっかりしています。町田市議会では、物事を合理的に、シンプルにとらえる人が多かったからでしょう。

 次は、国会と言うところに行ってみようとしました。しかし、それには時間がなく、用件があった出版社に出向きました。その出版社(学陽書房)では、担当の宮川さんが、次の企画本を準備されていました。議会の関係であったので、その目次構成でたまたま感想を述べさせていただきました。自分がお世話になった、ささやかなお返しです。

 そうした中で、私は原稿が詰まったファイルをどこかに忘れたことに気付きました。もちろん、その原稿の原文はパソコンに入っているものが大半ですが、その中に書きこみのメモ部分があります。

 実際には、原稿を作るときに、そのメモのほうが、より重要な役割を果たします。さて、その書類や原稿を入れたファイルはどうなったでしょう。

 夜は、聖路加病院のタワー(都内では結構有名なビル)にある、太平洋セメントの本社内で、勉強会に参加しました。と言っても、これは自分が主催をしていたもので、「東京ねっとわーく」と言うグループで、ささやかな勉強会でした。幸い、前任の榎本雄一江東区議会議長が、事前の勉強をしていて刳れましたので、話題も進みました。当日は、エコセメント(焼却灰から、セメントを造る技術と、その普及状況に関する説明を聞く、勉強会でした)本来は、この日の勉強会の内容を、東猴さんに書いてもらいたいのですが、内容が技術的な分野の話が大半だったため、レポート作成とは行かない様でした。機会を見つけて、自前で作成しましょう。

 「政治への片思い」の件ですが、政治に志すものは、自分の考え、思想、理想を実現するために、選挙に当選し、議会の会派に所属して、その目標を目指していくものでしょう。それが、みんなのためとすると、そこにあいまいさ、自己責任の不明確さが出てくるのではないでしょうか。 
 
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