インターン記録レポート(18) 桜井 大智「政治家の判断と決断」

町田市議会議員 吉田つとむ    2005/12 /31 作成 
 
主要研究項目 「政治家の判断と決断、孤立の選択肢」

2005年12月17日作成
インターンシップレポート(18)  桜井 大智(大学3年)
(2005年12月15日)

 本日を以て議員インターンシップは終了となる。
二ヵ月半、17日分の研修は長かったようでもあり、短かったようでもある。
第20期インターン生最後の感想は、僭越ながら「町田と研修生活」について
少し述べたい。
 町田の第4回定例会は22日で閉会する。22日には確か廃プラ関連の
請願について、採決が予定されている。吉田さんがこれにどう対応するのか、
拝見することが出来ず残念である。ご本人曰く、賛成か反対か、或いは
「腹痛」か。どんな決断を下されたのであろうか?
 二ヶ月半で色んな町田を見た。廃プラだけでなく、マンション建設をめぐる
運動やゴミの収集の不平等、世間を騒がせた高校生の刑事事件まで。
 無論こればかりでない。町田の優れている所を見聞する機会は何度も
あった。市の取り組んだ「中学生の就業体験」はNHKに取材されているし、
他にも先取的施策を打ち出している。だが何よりも、住民の皆さんが何処の
馬の骨とも分からぬインターン生にとても親しく接してくれた、この事が町田の
素晴らしい財産の一つであろうと思う。
 自分が町田に来る機会は減るだろう、政治家になることもないだろう。
しかし実家の自治体は町田と似通った課題を抱えている。自分が有権者である
のに変わりはない。研修で得た知識と経験は、かかる自治体を正しく評価す
るのに役立つはずであり、ひいては社会人としての見識に供することだろう。
 これこそが研修の趣旨であり、吉田さんの本懐とされる所でもある。

 未熟者の生硬な文章を温かい目で見守り、時にご批判を教授くださった
吉田さんと閲覧者の皆さんに感謝申し上げる次第である。

● 吉田 つとむ
 桜井大智さんは、この間のインターンシップで言うなら、最大のメーンイベントを見逃してしまいました。市議会最終日、本会議採決を傍聴席で見ていたら、本会議場以上に逼迫した場面があり、そこに座っている自分が疎外感を感じたことでしょう。いや、サルトルかカミュの世界に入り込んでしまった感がしたかもしれません。それは、インターネット中継に映る場面は、単に議長が次第を読み上げ、議場全景が映るに過ぎません。これが、メディアの中継TVであれば、5度の廃プラ関係の採決で、一度も立ち上がらなかった光景をカメラはとらえるでしょう。議会のTVカメラでは、そうした臨場感を持たせる考えはありません。

 なお、ここにある「腹痛」というのは、本会議の採決時に危険をするのでなく、生理現象で議場を退場するたとえを言うものです。議員に言わせれば、本当は反対であったが、突然起きた腹痛に耐えられずにそのときに議場を出てしまった、と言おうものです。私は過去、議員になって一度も会議の採決時に欠席したことも、退席したこともありません。これからも、採決で賛否を示すのが議員の仕事と割り切っていこうとしていますが、様々の利害関係も重なって、自分本人が賛否の判断不能に墜ちるかもしれませんし、議会全体の流れから欠席戦術を採用するときがあるかもしれません。あるいは、議会全体や会派の中での孤立をされる意味で、そうした退席をするかもしれない可能性を示唆していた訳です。

 結果は、すぐにブログなどに書いたように、この廃プラスチック中間処理施設建設に反対、見直しを求める請願にはどれも賛成しませんでした。傍聴席が満員となり、その全員が請願の全員一致で採択を期待する中で、議場内でただ一人それに反対するのは、精神的にも重たいことです。さらに今回は、その請願が5本に分かれ、それぞれの団体やグループから出されており、合計5回も採決がありました。その採決で、私の除いた全員が賛成し、結果として、私はその5回全部に座っていました。その気分というのは、まるで頭の後ろから強力な青色レーザー光線を浴びせられている感じがしていました。

 桜井さんが、その傍聴席にいたら、どんな雰囲気を持ってそこに潜んでいたことでしょう。

 その他では、私が関心を持って質問した事項、あるいは町田市で話題になっていることにそれぞれ興味を持って考えてくれました。こうし問題の時に自分を置き換えてみる、そうしたチャンスになったもの思います。桜井さんが、政治家になることはなかろうとすいそくしています。私の行動やその時々の考えを聞いたら、よけいに政治家への考えから遠のいたことでしょう。桜井さんが例えどのような職業につこうとも、インターン時代に対応した大人の人たちとの会話や交わりは、直接的に間接的に必ずや役に立つでしょう。

 桜井大智さんには、「しっかり相手を見つめて話こと」を心がけてもらいました。少しは役にたったでしょうか。話し方教室ではありませんので、すぐにうまくなれなくとも、自分の思いをきっちりと伝えることは、ささやかながら貢献できたと思っています。どうか、もっともっと様々の体験を積み重ねて、自分にふさわしい仕事を見つけてください。

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