都議選候補者の事務所まわり同行(通算4回)
東京都議会議員選挙の当・落選結果を見ての感想

                                     インターン記録レポート     町田市議会委員・吉田勉

学生氏名  村上直子             年月日  ('01年 06月 26日)
主要研究項目  06月 24 日 日曜日


東京都議会議員選挙の当・落選結果を見ての感想

1  吉田の前書き
2 東京都議会議員選挙の当・落選結果を見ての感想(村上直子さん)
3 吉田のコメントとまとめ
4 当選写真 <町田市 吉原修さん(新人)事務所、多摩市 小磯明議員(現職)と記念写真>
   (撮影は、村上直子さん)

 1  吉田の前書き

 台風のような都議会議員選挙が、この6月24日に終了しました。その選挙の前後に、吉田は、友人の議員・候補者の事務所を訪問しましたが、それの同行した、村上さんの、都議選レポートの最終回です。
 ことの性質上、訪問した事務所当事者の氏名は、村上さん自身のメモの段階で、割愛するようにお願いしました。さらに、吉田自身が村上さんに予見を与え過ぎないように、村上さんの正確な予想を聞いていません。閲覧者には、そのことをまずご理解下さい。

 さて、選挙には、当選もあれば落選もあります。選挙の候補者の中には、「落選」と言うことを経験することがなく、毎回当選と言う人もいれば、何度も「落選」のした候補者もいます。現に、この吉田つとむは、「国政・自治体選挙で、4度の落選」の経験を持っています。  
 従来は、自分だけでが友人の事務所を回りました。あるいは、統一地方選では、同じレベルの選挙と言うこともあり、インターン生の同行がありましたが、レポートの作成はお願いしませんでした。さらに、後援者の人に代理で事務所訪問をお願いしてきました。
 今回のように、「都議選候補者の事務所まわり」に、随行記者?をともなって行動し、レポートまで完成した経緯ははじめてです。半年後に自分自身の市議会改選を控えた吉田が、選挙の事務所をどうするべきか、どうあってほしいかを形成するための参考としたいと考えています。

2 東京都議会議員選挙の当・落選結果を見ての感想(村上直子さん)

 2001年06月24日日曜日東京都議選が行われた。即日開票され、その結果、自民党が順調に当選者を増やし、53人が当選を果たした。これは小泉政権が誕生したことに大きく関係している結果と言ってよいだろう。しかしこのような選挙結果の分析は、多くの専門家や、マスメディアに任せ、私は、事前にたくさんの選挙事務所を訪れてそれぞれ比較分析した結果を基に今回の選挙結果を照らし合わせ、このレポートに感想と考えを述べていこうと思う。
 私は、選挙が行われる前に、吉田さんに同行し、事務所、選挙事務所を合わせ、11人の所を訪れた。そのうち7人が当選した。事前に私が、候補者に会ったり、事務所の雰囲気から感じたりして結果予想し、当選するだろうと思ったのは、8人である。私の予測と、当落選結果がピタリと一致したのは6人だった。つまり、的中率は6/11で、54,5%だった。多くの事務所を比較した結果にしては、あまり良い成績ではない。では、なぜ予測は外れてしまったのだろうか。その理由は、本人の態度と事務所の雰囲気に騙されたということが考えられる。

 本人の態度に騙されたという点では、候補者本人の余裕と選挙結果に対する自信に大きく関係している。選挙事務所を訪れた際、候補者本人が、吉田さんと私の対応をしてくれ、また、本人が自らコップを用意し、飲み物を私たちに出してくれたことがあった。また彼女は、一緒に写真に写ってくれたり、事務所内を撮影したりすることも許してくれた。私は、この態度を彼女の精神的余裕と選挙に対しての自信だと感じ、当選は確実だろうと思った。しかし、予測は外れた。このことから、私は、本当の状況はどうであれ、応援してくれる人に対し、候補者自身は余裕と自信を見せるべきだと思った。なぜなら、自らの余裕の態度と自信で、有権者を良い意味で騙すことが出来たなら、それは、良い結果を導く可能性につながるだろうと感じたからだ。

 これは、もうひとつの例からも裏付けられる。ある候補者を訪ねていったとき、彼は、体調を崩していた。見るからに、体力的に弱っている様子が窺えた。私は、これを見た瞬間、彼はこの選挙戦は危ないのではないかと感じた。私の予測は的中であった。候補者は自分の弱っている面を周りに見せてよいのだろうか。いや、絶対に見せるべきではないと思う。私は、彼自身が、風邪気味だといっていたから弱っている理由がわかったが、何も知らない人が、彼を見たら、どう思うだろう。きっと、選挙戦で精神的に参っているのだろうと思うに違いない。自分の弱さを見せてしまうのは、候補者にとって致命的といえるだろう。なぜなら、事務所スタッフや後援者に不安感を与え、それが有権者に対する態度に表れ、結果的に良くない影響を与えると考えられるからである。誰だって、不安定な候補者には当選してほしいとは思わないだろう。選挙中は、候補者自身、いくら弱っていても弱音を吐いてはいけない。そういう意味で、候補者は周りの人を騙さなくてはならない。選挙とは、本当に大変なものだと感じた。

 また、事務所の雰囲気に騙されたという例として、候補者本人に直接お会いできなかったことがあったのをひとつの理由としたい。以前のレポートで述べたように、吉田さんが怒り狂うほど、事務所スタッフの対応があやふやなところがあった。私は、スタッフがこのような状況では、本人もあやふやな立場で、この選挙も危ない状況だろうと感じた。しかしこの候補者は確かに当選した。吉田さんは、この候補者が当選できるとはっきりとわかっていたようである。なぜなら、この候補者は、スタッフのミスや、本人のスキャンダルの穴を埋めることの出来るほど、魅力的な人だからだそうだ。このことから、当落の結果は、スタッフや事務所の雰囲気だけではなく、やはり肝心なのは、候補者本人の魅力だということを理解した。後援者をひきつける魅力とは、どのようなものか、私はこの候補者本人に直接お会いしたことがないのでわからない。それをとても残念に感じた。

 わたしの予測結果と、その結果に対する感想は以上である。気になるのは、吉田さんの予測結果の的中率だ。吉田さんは、今回訪れた候補者の友人または、知り合いである。私よりも選挙を目にする経験も多く、自身も候補者として経験がある。吉田さんが何を見て、どのように感じたのか、そして、これから、自身の選挙活動ににどう生かしてゆくのか、とても興味深い。

3 吉田のコメントとまとめ

 「前書き」に書いたように、選挙には「当選」もあれば、「落選」もあります。「勝つ見こみがない選挙は戦うべきでない」と言う意見がありますが、「立候補」に至った友人には、陣中見舞いを贈り、訪問して激励をするのが、吉田つとむの流儀です。少々の考えの違いは無視して、「たのまれれば、自分ができる協力はする」――――これまた、吉田つとむの流儀です。ただし、以前はよけいな口まで挟みましたが、最近では自分以外の選挙に関して、出すぎた真似はしなくなりました。そのことが、ほんとに相手のことを思ってか、単に吉田がずるくなったのか自分でも不明です。

 さて、村上さんのレポートには、ずいぶんとリアルな感想が書いてあります。相手の関係者がこの記事を見たら、「これは、自分の所のことだ」と思い当たるでしょう。候補者本人には告げていないことなので、「悪い話」を含めて、風のうわさで伝われば幸いです。そのことで、選挙の候補者にインターネット時代を感じさせれば、これまた、吉田の目的に添った出来事となります。

 さー、村上さんは、訪問した選挙候補者の当落予想をしました。このレポートに記すように、11名の事務所を尋ねて、幾人かは候補者に会い、8名の当選を予測したが、実際には6名の当落があたったと書いており、自分の的中率が低いことを心配しています。気にすることはありません。落選した友人には気の毒ですが、村上さんが気にすることはありません。村上さんが当選を予測し、実際には落選した人は、「市・区議の現職議員で、落選を知らない人」だと思います。(現に、今回の訪問者で、落選の経験を持つ候補者は2名のみでした)落選した候補者は、全員が若い年齢であり、今回の落選をばねに、次の事態に備えることでしょう。それが、政治家の宿命であり、そうであければ引退です。

 また、村上さんは、吉田の当落的中率を気にしています。吉田にも、幾人かの見こみ違いがありましたが、それは「自分がこうあってほしい」と言う気持ちが強すぎたためであり、「思いもかけない落選」は、無かったと思います。
「運がついて、当選する」ことがあるといわれています。しかし、残酷なことですが、落選には、落選するだけの理由があります。

 吉田がめざしたいのは、

1 どんなに「選挙の風」が吹かなくとも、風に頼らないで選挙戦をする。
    第1回目の当選時(自民党は野党時代で、公認は吉田をいれて4名のみ)
    第2回目の当選時(地元地区で、ライバル陣営に菅直人氏のような大物まで動員)

2 自分のスタンスに反対者がでても、それを乗り越える活動をする。
    マンション建設反対運動には賛成できずに近隣の支持を得られないでうるが、
    もっと大勢の人に自分の見解をアッピールしている。

3 後援者とのトラブルが起きた程度では、動じない支援のネットワークを作る。
    後援会幹部が、離反したり、支援を断ったりしてきた経過がある。

4 組織の支持を排して、自分の考えと行動を支持する個人参加の後援会とする。
    団体の支持を、自分から断った。組織に変な拘束を受けたくない。

5 インターネットの効用を限りなく信用した政治活動をやり遂げる。
    ホームページにこまめに記事を書き、インターネットを携帯電話対応とする。

6 事務所は、みすぼらしくなく、それなりの体制を形作る。
    お客を歓迎して向かえる体制を整え、合理的な事務整理が可能な事務所を作る。

7 なによりも、住民からの信頼を第一の支持基盤とする。
    地域は、自分の足で歩き、自分が作成したビラを配り、街頭では欠かさずに演説を続け、一人の相談にも丁寧に応じた活動をする。

■ <行動の結論>

 活動の積み重ねと、その結果については、
1 目標の7割の項目を達成し、その個別の成果がその7割であっても、当選する。
  つまり、総合目標の半分以下の結果でも、「最終目標」に到達する。

2 途中で少々の失敗があっても、それを上回る活動を全体を通じて展開する。