□ 現場に学び、自分の仮説を検証する姿勢をとる

(従来のものを現況に合わせて、平成11年5月20日一部改定)

 私の政治スタンスである「政治の基本を現場に求める」の実践として、<ごみ収集体験>を実行しています。体験方法は、終日収集車に乗務し、作業員として収集を行うこととし、すでに、ごみ収集体験は7回目を超えました。
 その後も続ける考えでしたが、当時の担当管理職によって乗車を拒否されました。まだ、やっていないことが沢山あります。<大雨の日に収集する><粗大物の収集><ビン・カンの収集を含む、民間企業の収集車に同乗すること>等など。さらに、町田市は平成11年4月より一部地域で、プラスチックの分別収集実験も開始。これを機会に、もっと「町田市」に限らず多面的に現場経験を重ねるべきだと考えています。
(私の願い−子供たちに笑顔で現場を語りたい)

● ごみ収集体験を広げて行きます!

過去の収集体験日程ですが、全日とも終日の参加です。

1回目、H8年、分別収集の実験下の紙資源収集
2回目、H8年、気温40度下の可燃(生)ごみ収集
3回目、H8年、福祉団体の紙資源収集
4回目、H8年、年末最終日、最大量の日に収集
5回目、H9年、小雨まじりの天気の日に収集
6回目、H9年、真夏に不燃物ごみを収集
7回目、H9年、普通の天候下に収集
この後、町田市の当時の担当部長より乗車拒否されて続行できず。
ただし、今後も現場から見続けます!
(後段に私の特別手記を公開掲載<私のごみ収集体験希望は断られた>−平成10年12月30日配布)

(以下、詳細が必要な方のために、参考として体験記の一部を紹介)

○ 体験記:気温40度の下でゴミ収集体験

1、
ゴミ収集車に乗せてもらい、収集職員の皆さんと一緒に収集体験をしています。まずは暑い、暑い真夏の体験から・・・。私は成瀬台、金井方面を主に一日4回出動。約100ヶ所を集積所のゴミを収集し、約4トンを持ち帰る。日ごろ体を使わない為か11時にはもう腹が空く。慣れぬ手つきの私に、ゴミを出す人から「新人さんですか、ご苦労様」の一言。
2、
この時期は、スイカ等の季節でゴミ袋の重みがズシリと来る中、積込中に腐った中身が「ほほ」にピシャリと来たり、紙オムツを入れた袋が弾け散った時にはこの「うんち爆弾」に内心絶句。九州男児はこれくらいで声を上げてはならじと、タオルで拭い、そしらぬ顔を決め込む。収集の最大の難敵は、紙パックに入った「廃食油」を被ることで、匂いが取れずに被服が一着パーになると聞く。また、腐った「寿司ネタ」なんかも強烈だと言う。
3、
最後の収集から戻ると各自、風呂に入るが、働く人にとっては「洗身」と言う言葉がピッタリの印象だ。平成8年8月15日、なんと史上最高の気温40度!の事でしたが、「市民の皆さん、水は絞りきって出して!」

○ 6回目の「ごみ収集」体験記

さて今回の収集体験では、「不燃ごみ」を収集することにしました。小雨混じりの天候でしたが、「体がむれ、仕事がしづらい」との忠告で、雨具をつけずに出発しました。
 不燃ごみを集めるはずですが、スプレーやコンロの残りガスによる、ガス爆発が収集車にとっては一番の敵になり、収集者にとっては、金属やガラスの破片が積み込み口から後方に飛び散る事が大敵といい、それらの破片が目や顔に刺さるという、大事故もあると聞きました。
さて、実際の積み込み作業では、出されている不燃ごみの袋を手で破り、雑多なごみの中から、スプレー缶や「個別回収」の乾電池を抜きだします。出されているごみは、壊れた家庭電化製品、机やイス類、油まみれのコンロ、子供のおもちゃ、プラスティク小物類、壊れた陶器類、レコード・カセット・CD類、ビデオ・テレビに、果てはコンピューターの部品関係、腐った鉄板に、壊れた自動車部品!や座椅子等々。社会の豊かさと、マナーの低さを両方感じました。
スプレー缶は種類も多岐なため、穴開け時に、ありとあらゆる臭いに包まれます。中身を体全体に被ることはたびたびです。
 「ごみの分別」の声は大きくとも、収集現場の実態はまた別物です。行政は収集職員の声を聞き、住民への啓発方法をもっと見直す必要があります。この悲惨な状況を地域のリーダー的な住民に、「実地に見てもらう」ことから始めるべきです。この気持ちを持って家路につきました。

○ 特別公開手記(平成9年12月30日配布)

<私のごみ収集体験希望は断られた>

本日、ごみ収集体験をさせてもらう予定でした。

 町田市住民のため、年末ぎりぎりまで仕事をされている環境部職員の皆様、大変ありがとうございます。わたしは、住民の皆さんが皆様のご努力で、すがすがしい正月を迎えることが出来るものと思っています。
 そこでわたしは、昨年同様に皆さんと一緒になり、本日(12月30日)、ごみ収集作業を行うつもりでした。なぜならば、わたしは市政の重要課題であります、ごみ問題を「ごみをとる」体験を通じて、じっくり考えようとしてきたからです。
しかし、残念ながらこの思いは絶たれました。

環境部長が、わたしの乗車希望を断ったのです。

 ご存知の方もあると思いますが、わたしは、町田市のごみ収集車に、昨年の夏以来、今まで合計6回の乗車をして来ましたが、未だ厳しい雨天や、積雪の日に収集したことはなく、種類別でも粗大ごみを扱った体験もありません。さらに、中心市街地をはじめとする道路事情が特に悪い地区や、山坂が特に多い地区を回ったことが未だ無い状況です。
 そこで、私は今後も現場に通い、「現場に立ち、ものごとを考える」視点で行動し、ごみ問題にも当たっていこうと思っています。
 そういう経過の中で、「せっかく収集に来るなら、忙しい時期の、年末年始や、お盆、年度替り時に来てもらいたい」との声を、現場職員の皆さんからも、職員幹部の皆さんからも聞いて来ました。
 今回も、収集作業に参加したい旨を部長に伝えたところ、なんと「NO」と言う返事が来ました。

 突然の拒否反応に対して、「その断る理由」を尋ねると、環境部長は、「12月30日は、忙しいので乗車されては困る」、「あなたは何度も来ているから、ごみ収集のことは十分に内容を知っているだろう」、「議員が乗車し、事故が起きた場合に損害賠償を問われる可能性がある」等など、どれが真の理由なのか判らない理由を並べられました。おそらく、わたしの乗車希望を只々断ろうと言う判断であり、失礼ながら環境部長の言葉は、「面倒なことはしたくない」と言う気持ちに聞こえて来ました。
 一方、議会の中でも、「議員がごみ収集車に乗り、事故にあったら場合どうするのか」、「市議会議員が、みんな乗りたいと言い出したら対応するのか」、「収集現場に迷惑をかけることになる」等など、仲間の議員の皆さんにまで、言われることもありました。
 しかし、私は環境企業常任委員会副委員長として、現場の声を聞かず、現場の体験せずに、清掃行政の浮沈にかかわる問題を議論することには、疑問を抱かざるを得ない次第です。

 さて、収集現場の皆様は、どのようにお考えでしょうか。

 機会があれば、また体験乗車をやらせて下さい。

 環境部長に乗車を拒否されため、私はごみ収集車に乗ることは出来ません。部長からは、「どうしても乗りたいのであれば、あなたが収集作業のアルバイトに応募してからにしてくれ!」と、言われています。
 まさか、アルバイトに採用され、議員報酬以外に二重のお金を頂くわけにはいけませんので、部長の気持ちが変わるのを待つほかありません。そういう機会が出来ましたら、また、皆さんとご一緒に是非、現場作業を体験させて頂きたいと思います。
 さて、本日はごみ収集日として、最後の日に当たります。職員の皆さんが無事故で一日を終えられるよう、心よりお祈り申し上げます。

今、ごみ収集部門は大変な状況下にさらされています。立場を異にすることもありますが、皆さんには一生懸命頑張っていただきたいと思います。

町田市議会議員・環境企業常任委員会副委員長 吉田 勉