□ 開かれた議会と議員の活動

● 町田市議会の会議スタイルとその公開形式

   「もっと開かれた議会を目指しての考え」を掲載(H11/5/5)

● 私製・視察報告(追加)

「議員の視察にも「説明責任」があると考え、私製・視察報告を掲載。
但し書き:町田市は、「会派視察報告書」には「所感」を掲載することを想定しているが、常任委員会には委員の所感の掲載を想定していない。
(H11/6/15)----記事内容は二番目の項目ですので、ずっと画面をスクロールしてご覧下さい。

(平成11年5月5日作成)

 <町田市議会は比較的に開かれた議会である>−吉田つとむのこれが判断です。もちろん、どの自治体と比較するか、どのような尺度で議会の「公開度」を測るかによりますが、以下は、吉田が町田市自体の議会の開催状況と公開度合いを調査整理したもので、まずはこの内容をご判断頂きたい。
 私自身は議会が住民に役立つため、より町田市議会をよりオープンにして行きたいと考えています。閲覧者に下記の協力を仰ぎたい。

  *町田市の住民には、もっともっと町田市議会が身近になるにはどうしたらよいかを考えてほしい。
  *他の自治体の皆さんには、自分の市区町村はこんなに議会と住民が身近だという事例を教えてもらいたい。


 ○ 町田市議会の会議スタイルとその公開形式

 (平成11年5月5日作成)

  1 会議・議事録の公開と市民に対する案内について
  2 会議の開催状況
  3 視察の内容とその報告形式

1 会議の公開と市民に対する案内について     ○ OK  × 不許可・禁止もしくは取り上げず ● 存在せず

 会議の公開(本会議・委員会)

議場傍聴

議事録

TVカメラ

CATV

ホームページ

 (委員会は総務、文教、・環境・企業、建設の4常任委員会及び議会運営委員会と他の特別委員会を含む)

 会議の公開(全員協議会)

議場傍聴

議事録

TVカメラ

CATV

ホームページ

 (行政の報告に対し、質疑のみを行う場合)

 説明会の公開(議員対象の議案説明会−平成11年12月より一般傍聴開始)

傍聴

議事録

TVカメラ

CATV

ホームページ

 (議案の提案後に開かれる提案内容の説明会、ただし質疑は行わず)

 議事録の種別と閲覧手段(本会議とも委員会共通)

文書閲覧

紙コピー

磁気媒体記録の閲覧

磁気媒体記録のコピー

インターネット検索

 

×

 
 (本会議は削除部分や発言訂正部分を修正した公開用議事録を作成し各所に配布、委員会記録は原本のみ保管し、コンピューターに公開用議事録を登録)

 会議の案内 

定例会

市の広報

ホームページ

入口看板

議会便り

他の手段

 

委員会

市の広報

ホームページ

入口看板

議会便り

他の手段

 

×

 (委員会は定例会以外の時期に開催される委員会の案内のこと、議会便りは定例会終了後に作成。他の手段とは広報車の使用、防災無線の利用などを含めて一切無し)

2 会議の開催状況
   ○ 有る ×無し

 本会議の運営

会派代表質問

一般質問

議案質疑

委員会付託

委員会報告と質疑

討論及び採決

×

 (議員提案案件を含めて、一部本会議即決方式)

 委員会の運営

付託議案の説明

議案質疑

討論

採決

本会議での報告

 (予算・条例とも4常任委員会に分割、質疑時間の制限は無い。また、決算は別途選出した決算委員が審査)

 本会議における一般質問及び質疑の内容
 本会議の一般質問(定例議会は年に4回開かれ、3・6・9・12月開催)

発言回数

発言人数

所要日数

発言時間

答弁時間

1日当たり

年に4回

制限無し

4日間程度

1人40分

制限無し

原則6人

 (質問は毎定例会ごとに出来る。質問議員比率は、毎回7割前後にのぼる)

 一般質問の提起

質問通告〆切

通告内容

行政ヒアリング

質問スタイル

質問回数

定例会開催日より前に設定

質問項目及び

質問概要

左記に関するヒアリング

全項目を一括質問

特に制限無し

(質問項目の概要は通常、簡単な範囲。質問通告書を作成し、傍聴者にも配布)

 3 議会視察の内容とその報告形式

    ◎ 有り ○ 一部あり ● 存在せず × 公開せず △ 任意
 視察の制度・実施状況

対象委員会

常任委員会

特別委員会

議会会派

個人

議員研究会

制度の状況

上記の説明

年に1回

実例少ない

調査費用内

制度無し

公用バス

    ◎全面作成 ○一部作成 ●存在せず ×非公開 △その他
 視察報告書の作成状況・公開状況

対象委員会

常任委員会

特別委員会

議会会派

個人

議員研究会

制度の状況

公開の状況

報告書のマニュアルは存在するが、形式は特別に指示はなく、会派視察報告書の内容とボリュームは各派の意志に任される。自由民主党会派では吉田勉が撮影編集した視察記録ビデオを添付した例がある。

 委員会視察
 年間予算の範囲で視察を行うが、実質的には毎年、2泊3日の日程で他都市の視察を行っている。報告書は、@日程とA事前に相手先に要求した項目とB視察先説明資料料の集積の範囲に留まる。
 他市では、視察報告会が開催される自治体や議員が所感を記した報告書が作成されているという。
 特別委員会の場合、視察の例を見ていない。吉田は平成10年3月より災害対策特別委員会委員(常任委員会委員長としての職)。同じく、平成11年3月より議会改革特別委員会委員(会派枠で希望して)に就任。

会派視察
 会派の調査研究のために支出される費用があり、議員一人当たり月額5万5千円の基準で会派に一括支出(年に2回の分割)される。現在、いずれの会派もその会派調査研究費を用いて視察を行っている。*会派に所属しない議員も(1人)会派名を名乗り、会派同様の扱いを受けている。
 旅費基準の範囲でこの研究費支出が認められ、視察申請書を議長に退出し、事後に視察報告書(視察概要・所感・行程表)を添付する。視察中、公務災害災害制度の適用は無いという。
 参考:会派調査研究費の支出は、項目ごとに領収書の写しを添付し、年に一回報告する。上記の用に、視察に関しては上記の視察報告書を別途添付する。全部が情報公開の対象とされ、現に閲覧などの公開請求が行われている。

海外視察制度
 町田市議会では実施されていない。従来は実施されていたようだが、近年は例を見ないし、復活する話も無い。海外視察を行うとすれば、会派調査研究費を用いた視察となり、旅費基準の範囲で研究費支出が認められ、視察申請書を議長に退出し、事後に視察報告書(視察概要・所感・行程表)を添付する。その他も通常の会派視察に同様の扱いになる。

個人視察制度
 関西方面で取り入れられているようだが、町田市議会には無い。委員会視察は全員参加が原則。個人に議会や委員会が視察を要請したり、個人が申請する形式も制度化されておらず、会派内のこととなる。
*問題点* 議員個人としての視察は考慮されていない。議会に議員が個人として行う一般質問制度があるのに、この制度がないのはなぜか疑問である。

その他の視察
 町田市議会内に、議員が自主的に研究会を組織しているものである。視察に関して公用バスの提供がなされているが、もちろん近隣地のみが対象とされている。当然のことであるが、他に出張日当などの支出はされない。

● 私製版・視察報告

 「行動の説明責任を果たしたい」―――議員として視察をしたことがらは、自己の責任において書きとどめていたいという考えでまとめました「私製」の視察報告書です。現状では「常任委員会の視察報告」をこのような形式でまとめる方式はとられていませんので、スタイルを含めて「仮の文書」として作成したものです。(本文は、平成10年10月14日に記したもの)


平成10年10月14日書き起こし
平成10年総務常任委員会視察報告添え書き

              報告者 総務常任委員会 委員長 吉田 勉

■ 前文

 町田市議会総務常任委員の内8名、委員会担当の職員1名で、9月議会の終了後、平成10年10月6日より8日までの日程で、広島県福山市(市庁舎建設、駐車場建設)・兵庫県西宮市(震災後の対策)・大阪府八尾市(市庁舎建設)の行政視察を実施しました。
 各市議会事務局及び担当部局のお計らいで、所期の目的を達しましたので、その概要を報告致します。なお視察先の各市で参考となる資料の提供を受けており、報告に必要なものは報告書本文に添付しています。そこでこの添え書きの中では、視察施設の名称・仕様・運用などで重複する部分は割愛することとし、特に印象深い事項、特記すべき事項を記載しました。

■ 趣旨

1) 広島県福山市(市庁舎建設、駐車場建設) 平成10年10月6日視察
*福山市は市制施行81年という伝統を持つ、中国地方でも有数規模の都市であります。なお、今回視察した新市庁舎は平成4年2月に竣工しています。

@
市庁舎の造りは行政棟と議会棟に分離しており、間に吹き抜けのホールが作られていました。そのガラス張りのホールにおいては、市民向けの行事などが可能で、市民を対象とした各種の行事に使われと聞きました。私が観察するに、十分にその目的が達成できるスペースです。さらに、1、2階は行政棟部分となっていますが、端の方に会議棟が構成されています。さらに、会議室・食堂などを収容する東棟も併せ持っています。
建物の構造は、コンピューター通信ネットワークを構築できるように対応していると聞きました。

A
1階部分には、市民部(市民生活課・年金課)、福祉事務所(福祉課・高齢者福祉課・保護課)、出納室などをもうけ、一般市民や福祉重視の市政と感じます。地上階は13階までが行政の各部署が入所しており、最上部は機械室となっています。
地下は防災センターや機械室となっており、阪神・淡路大震災前の対応レベルでありますが、災害時に指令部門が対応できるように機能的に構成されていました。

B
議会については、議会棟を行政棟とは別途の建物としており、入り口も別々でした。議会の独自性を考えると当然のことでしょうが、「町田市側」から見ると新鮮さを感じました。
追記:議場にはモニターカメラが設置されており、議事風景を市民がいつでも見ることが出来るとのことでした。議場で説明を受けただけであり、これ以上の事柄に関する言及は議会運営委員会の所管と考えます。

C
駐車場に関しては、周囲を公園化していることもあり、地下部分が公用車の駐車場となっていました。議会用には十数台分が確保され、議員が市民ニーズに対応しやすくできています。なお、町田市の場合は、市民優先をはき違えているのか、議会用駐車場は遙か遠くに設定されているのは自明のことであります。また、この市役所のすぐ近くには公用車駐車場と一体式の来訪者駐車場があり、市役所に用件がある人は、1時間までは無料で利用できるということであります。

D
市庁舎の建設計画については、(どの都市にでもあろうことでありますが)資料に記載してあるように、長い間紆余曲折があっということです。
特記すべきは、地元にある大手運送会社のオーナーが「100億円を提供するので別の場所に計画してもらいたい」という申し出があったと聞かされたことでした。二転三転した後の事だったため、申し出を断ったという事ですが、政治にもしは無いのでしょうが…・このことが実現していたら、どのような庁舎となっていたのでしょうか。また、町田市の場合、今後そのような篤志家が出てくる可能性はありましょうか。

2) 大阪府八尾市(市庁舎建設)平成10年10月8日視察
*八尾市は市制施行満50年を迎えた都市で、大阪府下の衛星都市の一市であります。5か町村が合併して出来た経緯も含めて、町田市ときわめて類似性の高い都市です。なお、今回視察した市庁舎は平成6年3月に竣工しています。 

@
市庁舎の造りは1、2階部分がエスカレーターでつながれていることです。高さは地上10階建てで、議場は円形をした最上階にあります。議会部分は9階にありますが、行政と議会の機能分離が議場の形態にも現れています。事務部門の階の構成では、各フロアーごとに建物の両端にリフレッシュコーナーがあり、片側は禁煙、片側は喫煙可となっており、休息コーナー室としての機能を発揮しています。

A
旧庁舎敷地の現地立て替えのため、十分な延べ床面積を確保できなかったという反省を聞きました。このことは参考ですが、事前に送付している調査事項文書に対する、八尾市の回答文書の回答部分にも記載されています。先輩市としてのご配慮と感じました。
現に、すでに会議室をつぶして、執務室に使用している現状と言い、その反省では1、2フロアーを将来のために空けておくことが必要とまで指摘をされています。

B
議会については、議場の傍聴席が2層に分かれており、下段の記者席出入り口のところに、車椅子が入れるようになっています。
なお、円形議場の上は、当初ヘリポートが設置される予定とのことでしたが、近隣にコミューター空港施設があり、設置されなかったという次第です。
追記:議場には福山市と同様にモニターカメラが設置されており、議事風景を市民がいつでも見ることが出来るとのことでした。以下、福山の記載部分と同様です。

C
駐車場に関しては、地下に3層の階に設置されています。また、駐輪施設では、建物の容積率を確保するため、屋根なしにしたということでした。

D
市庁舎の施設に関して、委員より雨水利用の質疑がありました。答弁では、貯留施設を備えているが、近年の大雨の際には排水能力を超えるもののため、施設の一部が浸水したとのことであります。雨水利用施設では広大なものを備える必要を感じたとのことでした。
なお、市庁舎建設位置決定に関して、やはり二転三転したとのことですが、議会で全員一致の結論に至ったと言うことでした。

3) 兵庫県西宮市(震災後の対策) 平成10年10月7日視察
*西宮市は40万5千人以上の人口を有する大阪・神戸間に位置する、関西圏では有数の大規模都市であります。

@
平成10年度においても、震災復興事業が最大の事業とのことであります。災害公営住宅の供給。被災者への住宅資金融資あっせん特例制度。仮設住宅用地の現状復旧。等々。一般事業名となっているものでも住宅供給事業や土地区画整理事業のように、震災対策であるものも多数あるとの事です。

A
他、震災に伴う消防・防火活動、災害救助作業の丁寧な説明を頂きました。また、防災対策として設置されている、防災備品倉庫の現地視察をやっていただきました。消防・救助活動に関して、各部署が応援機関といかに適切な連絡をとり、状況把握が出来るかが特に重要だということを再認識いたしました。防災備品及び防災備品倉庫に関しては、特記すべきものはありません。

 

B
委員より、夜間の防災訓練の実施に関して質問が有りましたが、実施していないとの事です。察するに、災害の復旧が今も課題であり、防災体制の充実まで至っていないのでないかと思います。他の質問では歩道橋・体育館の被害状況を尋ねるものがありましたが、歩道橋の落橋は無し、体育館の被害はほとんど無しと答弁が有りました。
追記:私自身、震災以降十数回にわたって、かつ様々のところに現地を訪れていますが、答弁者の言われる通りの認識を持ってきました。

C
被災者の住宅問題では、仮設住宅の居住期限が来ているが、震災復旧事業の公営住宅が完備していないことなどで、未だ2割のひとが仮設住宅にいるとのことです。平成10年末に仮設の統廃合を予定しているが、困難な状況にあるとも聞きました。

D
商工業者の事業復興に関する質問がありましたが、資料・答弁とも内容把握に至るものでは無い印象を持ちました。未だ震災前の人口に復活せず、ようやく40万人に達した段階と聞きましたが、この種の調査資料に関しては別途のものが必要でしよう。

E
われわれの「震災後の対策」という問題意識と、受け入れ側の説明事項に少なからぬ差異がありました。より有効な視察にするために、相手側には大変かもしれないが、次のような質問と資料の準備を行うべきでありました。
人口減少の回復見込みはどうか?公営の恒久住宅に越した人たちの生活・就労状況はどうか?被災地の都市計画事業の進展にどのような困難が生じているか?商工業者の再起状況は、震災三年経過後どうなのか?さらに、復興事業に関して地元業者の復興状況はどうあるのか?等々の資料のあるなしをまず確認するべきでありました。

■ 総括

@
2泊3日の日程で3自治体を訪れ、3項目のテーマで調査を行いましたが、市庁舎建設問題では、現在地の高層施設のみを視察したせいか、位置を移転した都市も見れれば良かったと思います。
建物で言うと、住民サービスと効率性。特に駐車場・駐輪場は言うに及ばず、交通機関の利便性も重要視すべきものです。現在地が交通機関からみてどの程度の利便性を有しているのかがポイントでしよう。また、市街に建設するのであれば、建物の高層化は必須課題であります。また、今回の二つの施設に共通しているのは、ホールで余裕空間をつくるか、周辺の公園化でゆとりを作るかが重要視されていることです。有効スペースの全部を駐車場化するのは考え物であります。

A
災害後の対策視察内容は、物足りなさを感じました。行政と住民のぶつかり合いが多々生じているはずですが、災害復旧の緊急対策に説明が費やされました。もちろん質問者は、最近の復興事業を尋ねる内容も有りましたが、答弁者の部署が異なっているようでした。質問事項をもっと絞り込んで視察を申し入れる必要性を感じました。

■ 上記の文全体の追記

●従来の委員会視察において、その視察成果は今後の委員会審査、及び個々の議員の質問などに生かされている思います。ただし今回の視察では、上記の報告添え書きを残しますことに致しました。その目的は、当事者以外の議員や市民に視察内容の目安を示すためであり、何かの点で参考になるものと信じます。
 もちろん内容把握に批判が有れば、それもまた視察の報告としての意義が生じることであり、歓迎すべきものであります。記載した内容は、委員全員で協議して作成したものでなく、あくまで個人のレベルで作成したものですので、記載に問題点があれば、それは報告者個人の責であります。

その他に報告したい事項
●町田市議会議員の報酬が、同等他市に比べ著しく劣っている点は報告するまでも無いことですが、視察先の複数都市の例ですが、行政視察の内訳に「常任委員会」、「特別委員会」、「個人」とあることです。所属委員全員で、同一の調査事項を視察することも意義がありますが、多様な市民生活のあり方を考えると、これらの都市で行われている「個人視察」の制度を町田市議会でも取り入れ、議会の質問に生かすことが必要だと考えます。
(以上で、この項は終わり)