□ 開かれた政治と自由民主党

 一般の人たちの政治認識では、「開かれた政治と自由民主党」ほどかけ離れたイメージのものは無い。自由民主党というのは、「国会で重要問題の審議を行うのではなく、料亭等に派閥の幹部政治家が集まり、野党対策を取り込んで密かに重要問題を決めてしまう」と言う風に考えられている。つまり、派閥と言えば自民党の代名詞であり、他の政党トップを呼び込むのは自民党が得意とするところであり、「密室政治こそ自民党の特徴」であるかのように語られている。
 自由民主党の末端組織の活動を担う立場、ないし自民党所属地方議員として、その考えは「とんでも無い見方」とは言いたいが、「全部ウソの話」と主張し得ないことは明らかである。自由民主党にとって、末端の意見や主張がどのように取り入れられ、また取り入れ損なっているか、私自身の体験を通じて明らかにしたい。

(5月13日)

●都知事選挙に見る、密室性と開放性

 まず、直近の例で東京都知事選挙の経過を通じて考えたい。人口が1千万人を越えた首都の知事となると、「東京」だけで決めることは自ずと出来ないことですが、いざ明石候補が落選となると、都知事の候補者は「(自民党)都連で決めたことだ」と言うことになり、都連の幹部に言わせると「都議会」で決めたこととなるらしい。少なくとも選挙が始まる頃までは、各種の会議で起こる党員の疑問にそれぞれの責任で語っていたものが、かくも変わるものだろうか。今回の都知事候補選定の経緯は、「密室の中で決められた」とだれもが思っているし、
 私としては、自分が出席した党の会議で、「不明な点は不明なこととして、質問として問い続ける」スタンスでいようと思います。党青年部でも、都連のでも、自分がその会合の参加資格があり、発言の時間が少しでもあれば、相手がだれであろうと、「直接会議の場で質問を発して、参加者全体に事態をわかりやすく、かつ明らかにする」のが、吉田つとむの役割と考えます。

 (参考記事−吉田つとむレポートVol.101)

都知事選敗北と言いにくい発言代行

★わが自由民主党推薦の明石康候補が都知事選挙で大敗しました。しかも主要な候補者中で第4位に位置するなど、選挙の一端を担った関係者としては驚愕する思いです。選挙戦では自分の後援者を募って有権者に投票依頼の電話をかけ、候補者の街頭演説では司会を務め、遊説では市内の道案内を行いました。候補者に身近に接した印象では、「候補者が悪い」とは感じられません。大敗の原因は、党本部の三役が国会対策優先の候補者選定を固持したことと、自立した都民の存在を無視した都連官僚の「頭の古さ」です。選挙の敗北後に、党の最高幹部が「候補者選考は東京都連で決定したことで党本部に責任が無い」とテレビで主張していましたが、末端で支持の拡大を呼びかけたわれわれは悲惨です。
★自民党町田支部の会議において、吉田は「党幹部がこんなに無責任な態度であるならば、今後の都知事選挙の候補者選考に党本部は関与してほしくない」と発言しました。同様の発言者が続き、その趣旨の決議を党本部に送付することに決まりました。実績として党本部の深谷総務会長や島村都連会長(辞表提出中)に会議の場で「言いにくいことを代わって発言」してきた姿が吉田の真骨頂だと考え、今後も機会をとらえて、「都民と市民に信頼される自民党」を提起していきます。