□ 議会の主な論点と課題

   時々の議会で問題になった論点と、町田市でテーマになった課題を掲載する。
自分の発言の有無に係わらず掲載することとし、自分が全く、若しくはほとんど発現しなかった場合は、その理由と考えを掲載する。



● 平成11年6月議会関係

◎ 市庁舎建設用地に取得に関する議会(総務委員会)の対応

(経過の要約)
 今議会のハイライトは、総務常任委員会が所管する総務費の中の市庁舎建設用地購入費と、分庁舎購入・建設費の予算審議でした。今回の総務常任委員会の審議は、<議会は行政のチェック機関である>という役割を担っての展開であったと思います。
 問題点を指摘しつつ、行政に今後の対応において改善点を提案する。この観点から、自由民主党会派議員を始め与党会派委員のそれぞれの発言に現れました。
 これらの予算総額は、合計で52億5千5百5十2万円にも達しました。それぞれに予算名は、公共公益用地購入費(48億円)と、(仮称)木曽森野分庁舎用地購入費(3億6千9百5十2万円)、及び同建設費(1億5千6百万円、ただし今年度分のみ、平成12年度までの債務負担行為として合計3億6千万円を計上しています)となっていました。
 公共公益用地購入費(48億円)予算が、特に大きな議論となった理由は、直近の平成11年2月まで、<市庁舎建設用地は現市庁舎の敷地内に立て替え>となっていました。その間、現地立て替え、移転立て替えと議会に特別委員会を設置してまでの議論があり、財政状況との関係で新築計画の繰り延べがあり、さらに現地立て替えの本設計直前に阪神大震災があって、耐震・免震対策が新たな課題となってきた背景がありました。議会には、昨年暮れの決算委員会審議中に、基本設計の模様が資料で配付される状況でした。
 こうした経過から、この予算が計上されるや、予算上程後に別途開かれた全員協議会で質疑する者、予算審議に先立つ一般質問で市庁舎建設の問題を問う者、本会議で予算質疑を行う者、それぞれ多方面から質疑を重ね、担当委員会である総務常任委員会の審議となりました。
 委員会の採決結果は、それぞれの委員が質疑の中で下記のような疑問点を指摘しつつ、共産党を除いて全員賛成となりました。(本会議も同様)
 特に総務常任委員会で委員が指摘した大きな問題点は、市庁舎建設用地購入の買収交渉の経緯と、相手と結んだ確認書の期限切れに関する記載内容でした。具体的には、@買収交渉時期は何時始まったのか、A買収交渉確認書の約束期限が過ぎた状態で、当初の約束内容が確実に果たされるのか、の2点を特に強く委員より指摘があったため、最終本会議の委員長報告において、そのことを織り込みました。
 他に、(仮称)木曽森野分庁舎用地購入費、及び同建設費予算も大きな議論となりました。
(以下、委員会の主な論議点を記載します。ご興味がある方は、下記をご欄下さい)

○ 市庁舎建設用地に取得交渉に支障はないか?(委員会審議)

  <委員会での発言の内、関係する部分の主な質疑と答弁>
問い、
 この用地の購入話がふったのは、「何時か」
答弁、
 最初の接触は2月、日にちは失念した。
問い、
 どのような契約を結んでいるか。
答弁、
 相手より、予約契約を結んでほしいという依頼があるが、金額を入れる必要があり、まだ結んでいない。3月4日に、確認書を取り交わした。
問い、
 この用地が競売にかけられるリミットはいつか。
答弁、
 最終的な意志表示をお願いしたという文面が入っており、その期日は3月25日となっている。
 ただし、競売については、抵当権者である金融機関から、そういう手段はとらないと言う話をもらっている。
問い、
 確認書に、「本件に関する協議期間は、本年3月25日までとし、協議不成立の場合、町田市は本物件に関する一切の権利を放棄するものとする。」とあるが、新たな取り交わしをしていないのか。
答弁、
 現時点まで、継続した状況にあるということを、相手方と市とでも再確認している。書面では結んでいない。
問い、
 打ち合わせ議事録を確認して、そこでサインをするのが当然ではないか。今後は絶対に改めるべきである。
答弁、
 慎重に対応する責務がある。十分に注意し、確実に記録として残る交渉にしていきたい。
問い、
 48億円の積算根拠は。
答弁、
 50億円を下回る額という数字が出て、二者鑑定を行った鑑定結果でもほぼ同様な金額となっている。
問い、
 あの土地は、工場用地であったが、地質調査はしないのか。
答弁、
 東京都の基準で、土壌調査をやってもらう考えである。相手側で十分調査をし、安全な状態で引き取りたい。
問い、
 契約を結ぶとき、土壌調査などの正常の状況でない結論が出た時、どうするかも含んだ契約書を検討するべきである。(質疑中の意見)
          (以下、質疑・答弁の記載を省略)

<委員会の役割と成果>
@相手と交わした確認書の所在を明らかにしたこと。
Aその内容を委員会に文書の写しをださせたこと。
B今後の交渉では、口頭での約束に終わらせず、文書確認を果たすこと。

<委員会の審議で不十分であった可能性>
@買収交渉の開始時期を特定させなかったこと。

<結論> @市長の決断を大半の会派がすでに了承する立場あり、「確実に用地購入に至ることが出来るのかどうか」を、議会としては注目しています。
A予算案として出された以上の金額で、市が買う事態が発生した場合は、議会はどのように対応するのか不明であり、そのような事態になれば、再度チェック機関の役割が問われます。
 (この項は、以上で終わりです)