● 清渓セミナーの議員研修に参加(実姉の葬儀欠席)

   ◆ 清渓セミナー(地方議員を対象とするセミナー)に参加しするも、

  ◆ 実姉の葬儀にしなかった私の立場を再現

 平成11年9月の更新記事で案内しました、清渓セミナー(地方議員を対象とする「超党派の議員セミナー」)が、11月24日−26日の間、日本青年間で開催され、私も参加しました。参加されている地方議員の意識は高く、さらにこの会の参加議員で自治体首長も幾人も誕生していました。びっしり詰まったシンポジウム日程は、話のテーマが今日的であり、また内容も充実していました。私は24−25日の全日程に出席することとし、翌26日は議会改革特別委員会が招集されていましたので、市議会の委員会に出席しました。

◆ 会場でのスナップ写真は、ここをクリックして下さい。

 @ 第4回清渓セミナー開会挨拶 阿部新咲実行委員長(国東町議会議員)

 A 情報公開分科会(中央は、進行役の瀬田川栄一秋田市議会議員、吉田は右側)

 B 講師の話に熱心に耳を傾ける(中央は吉田、その前は海東英和新旭町長)

 一方で、11月23日の夜の連絡で、同日、大分市に住む実姉が亡くなったと知りました。清渓セミナーの参加は以前から約束であり、「アドバイザー」という役割で参加を要請されていましたので、そちらを優先しました。結果的に、12月に入るも大分市に出向けないでいます。正直なところ、身内の葬儀を無視した状況にあり、12月議会が始まった以降、平成11年12月9日に至るも、我が心は、精神的に落ち着きません。

 

 「清渓セミナー」の開催状況

  1 参加したプログラムの中身の概略

  2 参加メンバーについての印象

  3 志ある人たち

  4 来年は、友人を誘うように注文を受けました

 

◎ 参加したプログラムの中身の概略

  ◇ 基調講演  「新地方自治法と自治体」 講師 松下圭一 (法政大学教授)

 これからの地方自治体のあり方を学びました。国会議員の活動に比べると、地味な感じがするの地方議員の仕事ですが、地方自治法の改正で地方自治の役割が大きくなり、議会と議員の責任も増してきそうです。自分にとっては、仕事の分野が拡大することは好ましいことです。(大きな政府の意味でありません)

 特に、松下圭一教授の話は、体制的な立場でなく、どちらかと言えば、市民型・住民型の見地という印象を受けました。

 

   ◇ 現場報告 「介護保険制度と我がマチの対応」

                          報告 海東英和 (滋賀県新旭町長)

                              中村時広 (愛媛県松山市長)

                              井伊敏郎 (愛媛県三瓶町長)

 この会とご縁が深い自治体首長の報告でした。特に、海東新旭町町長は、スタート直後の町政を介護保険の進行状況話してくれ、助役も置かない体制下で新施策を打ち出す意欲を感じました。自治体故に、地元での対応、政府機関との交渉時間の関係で、一部講師の入れ替えがありました。

 

  ◇ 課題別ディスカッション  @「情報公開制度」  A「市町村合併」

 二つのテーマを設定し、参加議員をそれぞれに分けました。町村議員の参加が多いこともあり、参加者の半数以上は、市町村合併の分科会に参加されました。私は、アドバイザーなる立場で出席を依頼されていましたが、森高愛媛県会議員からのお誘いであり、一般参加で申し込んでいた次第です。

 各地からの報告がありましたが、ここ数年以内に大半の自治体が、情報公開制度を揃えそうな気配です。ここでは、町田市の情報公開制度は先進的と見なされていました。それに対して、私は、「制度は立派な面があるが、インターネット導入の遅れや、議会のテレビ中継導入もなく、実際の情報公開は不十分な状況です」と、報告しました。

 全国の自治体議会では、第3セクターの情報公開が大きなテーマになりそうです。

 

  ◇ 海外報告   「ドイツに見る地方自治と日本」 講師 篠藤明徳                               (別府大学短期大学部教授)

 ドイツの地方都市での状況をもとに、講演されました。言うまでもなく、ドイツは連邦制をしいており、それぞれの独立性が発揮されている様子も教えていただきました。特に、ハノーバー市の市民提言制度が興味有るものでした。交通手段の改革の為の市民提言を作成するプログラムの手順が紹介されました。@無作為で住民を抽出、様々の職業の18−81歳までの市民294人を選び出すA4日間の有償B小グループで意見交換、特定の人間の影響を避ける手段として、コマ割りを小さくし、全部に影響を及ばせないC専門的コーディネィターの存在D4つのテーマごとに、4日間のカリキュラムE市民提言集を作成し、提出。F市民提言後、参加者の約100人がボランティア組織、「市民による現実化のための会」を結成し、9ケ月間、延べ70日間、夕方2時間のボランティアを続ける。と言う。

  ◇ 特別フォーラム  「わがマチの経営戦略」 

                      パネリスト 逢坂誠二 (北海道ニセコ町長)

                             宮越 馨  (新潟県上越市長)

                    コーディネイト 福岡政行 (白鴎大学教授)

 お二人とも、かなり有名な首長さんです。話を聞いていると、トップダウンの典型みたいな人に見えました。なるほど、東京でも、石原慎太郎都知事が誕生したはずです。縮こまった地方自治体の現状に対して、大胆に方向性を示して、「俺についてこい」の言葉が住民をして安心させるのですね。

 とにかく、改革をぶち上げるのが特徴ですが、<一般職員の行政常識を一瞬にして破壊する>が基本戦略と見えます。上越市長は部長を廃止し、副市長を配置しました。降格人事もあるわけですが、一般職員には小気味いいのではないでしょうか。市民にも受けること間違い無しです。とにかく、激動の時代にはこのようなタイプの首長さんが相応しいのでしょう。 

 福岡政行さんの話のまとめ方に感心しました。前日、アメリカから帰ったばかりだそうですが、人の話を頭に入れ、整理して説明するのが、とにかく冴えていました。

 

  ◇ 記念講演   「21世紀、日本の進路」   講師 中坊公平 (弁護士)

 残念なことに、11月22日に入院されたという次第で、講演は無く、以前にビデオ収録したものが、会場で映されました。現場主義の徹底に感心しました。90分間のビデオ放映でしたが、参加者がスクリーンを見続けました。あくまで、ビデオでしたので、具体的な感想の記載は省略。

 

 ◇ 総括講演  「21世紀、政党政治の行方」   講師 福岡政行 (白鴎大学教授)

 以下、福岡先生の講演内容を私なりにまとめました。

 高齢化が大きな問題になるという事です。2010年の社会状況を予測されました。@人口の減少、高齢化指数20超A消費税10%、福祉目的税B国債残高1,000兆、国債費30兆、予算100兆Cアメリカのクラッシュ、米・欧・中・日の四極化DGDP700兆弱(成熟経済)、ビッグ2(大合併の時代)E燃料電池(水素電池)−第4の波(エネルギー革命)、環境の世紀Fライフスタイルり激変、汗をかかない時代(?)、バーチャルメカニックGファミコン・テレビ・マンガ・ナルシズム・カワイー→競争・個性(特化)・社会化(しつけ)・忍耐。

 政局も語っていただきました。メダマは、民主党の単独政権(共産党は、盗聴法案の改正で閣外協力といいます)その後、景気の回復失敗で国民の失望を買い、強いリーダーへの出現を待望する傾向などが予測されました。その他、自民党の地方議員として、ため息が出そうな予測がありました。しかし、中央の人たちの勝手さで、政治が混乱する事は避けがたいことなのでしょう。

 私としては、さらに、官僚の権威の低下し、政治の活性化は望むところです。NPOの強化で、政治のシステムに変化が起きることもこれまた歓迎です。ただし、一点質問したのですが、高齢化による介護保険が、政治の中心課題となるというのは、納得し得ない事柄でした。健康保険、年金の一部、つまり社会福祉政策の一課題であり、介護保険自体は、産業政策、外交・防衛政策などと同じレベルで考えるべきでは無いとおもいます。講師の福岡先生とは、またいずれお会いする場面があると思います。

 

 ◇ 特別セミナー  「21世紀のビジョンを語る」    講師 竹下 登 (元首相、衆議院議員)

 予測どうりではありましたが、入院中につき、竹下元総理は参加されませんでした。青年団活動に大きなかかわりを持ってこられた竹下元総理ですが、この会では特に、従来は記念講演があり、懇親会では親しくテーブル席で話す機会が持たれたと言います。初めて参加した私としては、元総理にお会いできず、残念な思いです。一刻も早く、全快されるよう、ご祈念申しあげたいと思います。

 

◇ 討論会  「テレビと若者を語る」  ゲスト  蓮舫  (テレビキャスター) 

                              テレビ朝日プロデューサー

                              TBSテレビディレクター 

 私は、町田市議会の特別委員会があり、参加できませんでしたので、内容は割愛いたします。

 

◎ 参加メンバーについての印象

 議員・首長の参加者は、全体で約80名と報告されましたが、講師兼任の福岡政行白鴎大学教授は、是非100名に達してほしいとの挨拶をされました。実行委員長 阿部新咲(大分県)国東町議会議員を初め、主力の参加者は、青年団活動(我が町田市では聞いたことがありませんでしたが、後で先輩の渋谷軍治議員<6期>に聞くと、以前には町田市にも青年団があって、ご本人も青年団の活動をなさっていたという次第です)を経た皆さんであり、その中心的な人物が議員として活動されている様子でした。

 ただし、そのゆう青年団活動出身議員に限らず、政治的には独立系の議員や、なんと公明党・共産党議員の参加もあり、まさに、超党派を名乗るに相応しいセミナーでした。首都圏の議員は、極めて少なかったのですが、地方からの参加者では、町村、一般都市、県庁所在都市と様々でした。特に、議員出身の首長(この会の所属メンバーが主でしたが)さんが、選挙での激戦を耐え抜き、幾人も参加されていました。前記のように、ニユークな会であります。おそらく、森高愛媛県会議員の「県議」レベルを超えた、幅広い人脈を母体にしているものなのでしょう。

 昨年のセミナーでは、情報公開の研究テーマで町田市を訪れられたということです。

 

◎ 志ある人たちによる、この清渓セミナー

 とかく私たちは、自分の自治体の中だけで考えたり、同じ政党の中だけで、いろいろ考えがちです。地方の自治体の視察に出かけても、議会事務局のお世話になるか、行政の担当職員の話を聞くだけで、そこの首長はどう考えているか、そこの議員がどう見ているかを知ることができません。

 このような、運営を議員自身が行っている議員セミナーに感心しました。また、極めて安い報酬で議員を務めておられる町村議会議員の皆さんが、一般都市の議員と同じ条件で、おつきあいされるのも意義あることです。また、これだけの労力をさかれて、全国の議員に呼びかけられている姿も感動的なことがらです。

 このような人物が、自治体議会のリーダーとなり、さらに、首長になることが地方自治の発展にもつながると思います。

 

◎ 来年は、友人を誘うように注文を受けました

 来年は、友人を誘う立場で、参加することにしたいと思います。私が参議院議員の秘書を務めていた時代に、優秀な秘書の一人であった、森高康行愛媛県会議員から、頼まれたことですので、非力ながら、誘いの輪を広げていきます。他の自治体議員の皆さん、関心をお持ちの方は、吉田勉宛にご照会下さい。      

  (清渓セミナーに参加した報告記事は、この行で終わります)