● 清渓セミナーに参加して

 地方議員・首長を対象とする「超党派の議員セミナー」で、議員・首長自身が運営・参加をする自主的な研修セミナーです。今回の開催が第5回目となるものですが、平成12年11月20−22日、3日間の研修セミナーでした。

 来年は第6回セミナーを、11月19日(月)・20日(火)・21日(水)の3日間、「東京・神宮外苑 日本青年館」で行ないます。関係者の参加を呼びかけます。

◎ 見出し

   1 私が講演で学んだこと

  2 私が分科会で学んだこと

  3 私がテーマ別交流会で学んだこと

  4 特別講師の福岡政行教授と身近に接する機会を得る

  5 その他に学んだ点

 

1 私が講演で学んだこと
 

 首長さん、お三方の講演を聴きました。北川 正恭(三重県知事)氏、清水 聖義(群馬県太田市長)氏、逢坂 誠二(北海道ニセコ町長)氏のお三方です。

 それぞれの出身や当選経緯は異なりますが、皆さん自信を持った説明をなされました。三者に共通していることは、「経営感覚」を導入した自治体運営と思いました。もちろん、民間企業と同じというわけには行かないでしょうが、あらゆる場面でその経営感覚を活かした、自治体づくりがなされていると思って過言ではありません。このような自治体に置いて、議会や議員の役割はどのようになっているのか、大変興味があるところです。

 またこれらの首長さんは、前任者の意志を自動的には踏襲しないと言うのも、この三者に共通していることです。選挙に置いては、政党の支援は果たして有効かどうか、はなはだ疑問の点も出てきていますが、政党の支援が全くない中での当選も出ています。ただし、これらの自治体に置いては、通常の議会の運営において、「与党」、「野党」の関係がどのようになっているか、たいへん興味深いものがあります。


2 私が分科会で学んだこと

 「地方交付税」のテーマの分科会に参加しました。滋賀県新旭町の海東英和町長さんと一緒に司会を担当しましたが、正直に言って面食らう内容でした。その理由は、全国の大半の自治体が地方交付税をもらっていますが、町田市はその不交付団体です。この分科会に参加する議員は、その大半がその交付団体自治体議員でありました。
 議員になって以来、私は、自分の自治体に適用されないものを勉強しても意味がないと考え、この地方交付税に関して、一度も勉強したことがありませんでした。この場の話を聞いていると、地方の自治体の場合、いかにその地方交付税を地元の活性化につなげるかが、政治家の役割のようでもありました。首都圏都市部の地方交付税不交付団体自治体議員としては、その制度になじみにくい制度であり、「税収アップにつなげても、放置していても、結局は<国の税金>で平準化されるか」、という思いをいだくのが普通です。
 実際には、日本の国内で、均質的に政治の恩恵に浴するように取り組まれているのでしょうが、その著しい不均質さや、税の支出効果の不明瞭さを持って、地方交付税の支出が減少傾向にあると言います。そのため、その役割が見直されることは必定です。そうした経緯の中で、このセミナー参加者にとっては、「自分の街の将来」を危惧する考えが、あるいは、現状を見つめ直そうとする考えが多くを占めていました。


3 私がテーマ別交流会で学んだこと

 この場では、「インターネットを活用した政治活動」とテーマした、懇談を行いました。吉田が全体の司会進行を担当しましたが、特別の準備もせず、ノートパソコンを使用し、インターネット上のホームページ画面を次々にネットサーフィンしながら、そのテーマについて話し合いました。
 この交流会に参加したホームページを持つ議員は、概して、インターネットの有効性を確信しているようでした。その他の参加者にとっては、インターネットの活用が、「どの程度に政治活動として、有効なのか」という意見が、それに参加した気持ちであるようでした。誰からも発される質問は、そのホームページの「アクセス件数は、どの程度あるのか」ということであります。特に、この間に、加藤紘一元自民党幹事長の騒ぎがありました。新聞では、加藤紘一さんのホームページに対するアクセス件数が、1日に10万件に達したとか、激励のメールが数千件も寄せられている、とか言う情報も出ていました。しかし、ご本人は、その流れにのらず、<野党の提出した不信任案裁決には欠席する>という判断を下しました。 

 私は、現状の説明として、「インターネットに関して、一方でこのような派手なマスコミ情報が流れても、他方で、地方議員の場合には地道なホームページの書き換えを行っても、ほとんど注目されることもない」と実状の説明を行いました。続けて、「ただし、次の統一地方選挙の時点で、地方議員のホームページによる情報発信は、極めて当然のこととなり、住民が、それぞれの議員のホームページを見比べる時代が来るのではないか」と、述べました。
 私自身は、その有効性の実験を行う考えを示しました。そりために、自分のインターネット活用の具体的な成果を、様々の機会に示していきたいと思っています。


4 特別講師の福岡政行教授と身近に接する機会を得る

 テレビの政治・選挙解説でおなじみの、福岡 政行(白鴎大学教授)氏の講演を、司会することになりました。福岡教授ご本人が、この会の常任講師を務められている関係です。当初から予定されていたようですが、たまたま他に担当する部門があり、何の打ち合わせも無く、講演の開始となった次第です。

 全日の夕方に開催のレセプションに、教授は参加の予定でしたが、国会の加藤紘一元自民党幹事長の政変で大忙しの状況でした。ほとんど眠っていないとのことでした。そのこと自体が、セミナーの参加者にとって、緊迫した政治状況を身近に伺い知るところでした。次々と、日程がつまり、吉田自身は、教授と何も会話をすることなく、お別れした次第です。

 来年の打ち合わせ、あるいは、来年の会でお目にかかることになります。改めて考えると、このようなホジションにつくと、なにも話をしない結果もあり得るのだと再認識いたしました。、

5 その他に学んだ点

 他に、紺谷 典子(日本証券経済研究所主任研究員)氏の講演では、専門分野の話でなく、政局がらみで、「加藤沈没」の大胆予測を伺いました。評論家は、このような大胆予測をすることで、評判になることも有るものだと思いました。

 大西 秀人(島根県総務部長)氏の講演では、今日の地方自治体の財政的な厳しさを再認識いたしました。

g41212102 「清渓セミナーの(自治体議員の自主的なセミナー)の成果の記事は、この行で終わります」