● 鶴川中学新築工事の落札業者の契約辞退と倒産

総務常任委員会審議の直後に、JVトップの会社が入札辞退−倒産
◎ 要旨
 平成11年12月に行われた鶴川中学校の移転新築工事入札は、各建設分野ごとに、町田市が指名した市内業者がそれぞれにグループをつくり、建設などの4分野で3JVの指名競争入札が行われました。内容については、報告したとおりです。建設分野では、落札したJVに、別件で指名停止中の会社が入っていたため、その会社を除いて各社へのJV発注となりました。
  今回、問題となった電気設備工事の発注で、受注したJV企業の頭になった企業が、正式契約直前に契約辞退となりました。その会社経営不振に陥ったもので、その後倒産する事態となりました。議会では入札契約の審議を行うため臨時議会が開かれ、その日の午前中に委員会で契約の可否を審議したのですが、落札企業にそんな問題が発生していようとはだれも気がつきませんでした。まさに、午前中に総務常任委員会の審査を終わり、本会議で裁決をした直後に、先の企業から入札辞退の話がでたということです。
 また、その会社から債権譲渡を受けたという会社が出てきて、入札契約の有効性まで、議題となったものです。当時、私は総務常任委員長を務めており、今回の問題が自分の任期満了後に、工事着工の直前に議会に明らかにされるという事態に対して、行政不信的なものを抱かざるを得ないものでした。先月の「総務常任委員長職を任期満了、二年間を自己採点する」において、私が自分を厳しく評価せざるを得ない内容になった最大の事件でした。
 この事例は、議会の行政への不信につながるもので、今後あってはならない事件として記録するため、全文記録としました。議会にとっても、不祥事による本会議への行政報告というのは、私が議員になって以来、初めてのケースです。 
 当日は、他の税金徴収に関する不手際の是正とあわせて、2件の問題で本会議への行政報告となりました。特に、この問題に関して全文記録をするものです。議会と行政の信頼回復を祈念して、全文掲載と致しました。
 質議した発言者は、高嶋均議員、吉田勉議員(本人)、井上正行議員、斎藤勇議員、金森貢議員、志村賢蔵議員、戸塚雅夫議員の7名で、特に志村賢蔵議員の質議に注目されたい。吉田つとむの発言は、主に自分が委員長の時代に、行政の議会無視の施策をされたことに対する「嘆きとその恨み節」です。以下、行政報告と質議ですが、大変に長いものです。内容的には、当時の総務委員である志村賢蔵議員の質議・答弁に最も充実したものが集約されています。
★ 以下、本会議の行政報告と、質議の全文ですが、会議議事録をOCR読み込みしたものです。町田市議会の会議録がインターネット上で見られるか、フロッピーディスクへのコピーが認められれば、こんなバカは方法は採らなくて済むのですが、いまだこんな方法を採用しています。ましてや、フロッピーディスクへのコピーはその装置を市議会内に配備していながら、未だその磁気媒体へのコピーを認めず、紙資源の無駄を続けています。
 
◎ 異例の、本会議への行政報告と質議の全文
(これ以前には、通常の一般質問が行われました)
              午後7時7分 再開
○議長(中里猪−) 再開いたします。
 ささの休憩中、議会運営委員会が開催されましので、協議の結果を委員長から報告願います。
 議会運営委員長 岩瀬雄二議員。
   〔議会運営委員長岩瀬堆二登壇〕
○議会運営委員長(岩瀬雄二) 休憩中に議会運営委員会を開催し、協議いたしましたので、その結果をご報告申し上げます。
 本日、市長から、鶴川中学校校舎移転電気設備工事請負契約について及び都市計画税課税誤りについて、行政報告の申し出がありますので、本日の日程第2の後に追加し、市長からの報告を行います。
 なお、質疑は無通告による質疑を行います。
 以上で報告を終わります。
○議長(中里猪−) 議会運営委員長の報告は終わりました。
 お諮りいたします。市長から、行政報告、鶴川中学校校舎移転電気設備工事請負契約について及び行政報告、都市計画税課税誤りについての申し出がありますので、この際、日程に追加し、議題といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(中里猪−) ご異議なしと認めます。よってこの際、行政報告を日程に追加し、議題とすることに決しました。
○議事日程追加の1 日程第1
○議長(中里洋一) 行政報告、鶴川中学校校舎移転電気設備工事請負契約についてを議題といたします。
 本件について、市長から、報告を求めます。
 市長 寺田和堆君。
   〔市長寺田和雄登壇〕
○市長(寺田和雄) 連続して本会議が続いている中で、大変お疲れのところをこのような特別報告の機会を持たせていただきました。大変恐縮に存じているところであります。
 本件2件が予定をされておりますが、最初の鶴川中学校移転新築の電気設備工事の契約についてご報告を申し上げます。
 鶴川中学校の建設につきましては、本件に限らず、過日、臨時市議会でご審議いただきましたように、建設本体の契約についてもいろいろと議会のご心配をいただいたところでありますが、その契約が行われた2月声日、その日、議会が終わってから、これからご報告します新たな問題といいますか、事態が判明をいたしまして、それについて早速対応をしたところであります。
 要するに、この工事の一部、電気設備工事を請け負うJVの中で1社が会社の事情により、このJVに加わることを辞退をしたい、こういう申し出がありましたので、それは一応認めた上で今日に及んでいるわけでありますが、事情につきましては高山助役からご報告をいたしますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
○議長(中里猪−) 助役 高山譲二君。
   〔助役高山譲二登壇〕
○助役(高山譲二) それでは、鶴川中学校の校舎移転電気設備工事請負契約について、ご報告をいたします。
 お手元に配付してございます資村に基づきまして、説明をさせていたださたいというふうに思っております。
1999年の11月29日、指名業者選定委員会を行いました。
12月2日、共同企業体結成にかかわる説明会を行いました。
12月7日、共同企業体結成届受付・資料の配布をいたしました。
12月27日、入札を行いました。入札の結果、大電・谷合・近藤・新日本建設共同企業体が落札をいたしました。
 それに基づきまして、1月20日に俊契約をし、本会議可決後、契約、こういう形の仮契約を結ばせていただいているところでございます。
 2月8日、平成12年第2回町田市議会臨時会・契約案件議決後、多分これは私の記憶ですと、1時10分か15分ぐらいに終わったと思いますけれども、午後1時30分、戻りましたら、書留内容証明による郵便局配達で大電工業株式会社のA社への債権譲渡通知ということを受理をいたしました。郵便局では12時から18時の間の消印もあるわけでございます。
 それに基づさまして、急速、私ども、大変な問題でございますので、午後3時ごろ、まず大電工業代表取締役より事情聴取を行いました。A社に負債があること、市及び共同企業体の構成員に迷惑をかけない方法をとることの確認を行いました。
 さらに、2月9日、商業登記簿の写しを取得し、2月8日付でB社への債権譲渡登記がなされていることも判明をいたしました。
 2月10日、谷合電機株式会社、株式会社近藤電気及び新日本電工株式会社の代表者らより事情聴取をし、大電工業が共同企業体から脱退しても施工能力に問題がないことを確認し、2月8日付で共同企業体変更届を受理しました。これに基づいて、これを承認いたしました。大電・谷合・近藤・新日本建設共同企業体から寄合・近藤・新日本建設共同企業体に変更の案件でございます。
 あわせて、事務所の変更もいたしております。構成員の変更並びに代表者も谷合電機株式会社、取引銀行、支出割合、支出割合につきましては従前、大電工業が40%、谷合電機が20%、株式会社近藤電気が20%、新日本電工株式会社が20%、変更後は谷合電機株式会社34%、株式会社近藤電気が33%、新日本電工株式会社が33%、こういうことの届けがございましたので、これを受理し、承認をいたしました。
 それに基づさまして、仮契約もしております。また、今後新たな債務やそういうことの発しないように、市の方といたしましては、この申請を速やかに受け付けをいたしまして、契約をさせていただいてきたということでございます。このことにつきまして、本日までご報告が、私どもの方といたしましては、緊急対応でこのようにさせていただいたことによって委員会への報告、こういうような形で考えておりました。また、工事着工ということもございまして、急遽させていただいたということで大変皆様に、重要性の認識、もっと早くやればよかったことですが、本日になったことに対しておわびをし、このような経過についてご報告をさせていただきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。    −
○議長(中里猪−) 市長の報告は終わりました。
 これより質疑に入ります。ただいまの行政報告に対する質疑を許します。
 2番 高嶋均議員。
   〔2番高嶋均登壇〕
○02番(高鳴均) 質疑をさせていただきます。
 鶴川中学の契約については、地元中小業者による仕事確保という立場から非常に注目もし、今後も進めていくべきだとは考えておりますが、先日の談合入札の問題を初め今回のこういう事態について非常に残念でもあります。
 そこで、質問をいたしますが、まず1つは、2月7日の時点で第1恒旧の不渡りが起さてか の間、1カ月り上も、先ほども助役の方からおわ びの言葉もなされたとは思いますが、なぜこれほど時間をかけなければならなかったのか。その報告がおくれた原因をお聞かせください。
 それから、12月の入札、そして1月の俊契約、この間、予想ですが、大電工業にしてみれば、手形の決済がなされるなされないの問題で非常に大変な状況にあったのではないかと思いますけれども、はかのJV業者がこの資金繰りも含めたこういう状況に気づかなかったのか。多分事情聴取をされているので、その点もお答えできるのではないかと思うんですけれども、他のJV業者たちが
 わからなかったのかというのは非常に旋問なものですから、その点もお聞かせ願いたいと思います。
 また、この大電工業が幹事会社になっているわけですけれども、先ほどの質問とも関連するんですけれども、こういう非常に資金繰りも厳しい状況の中で幹事会社になぜなれたのか、この点もわかればお聞かせください。
 それから、先ほどの助役の説明の中でも、文章の中にもあるんですが、「市及び共同企業体の構成員に迷惑を掛けない方法をとることを確認した」とありますけれども、倒産という状況になって、実際には例えば連帯保証人になっているだとか、手形の裏書きになっているなどの状況があるとするならば、迷惑をや、けないというわけにはいかないと思うんですけれども、そういう債権債務
の関係などもどうなっているのか、お聞かせください。
 あってはならないことでしょうけれども、はかの会社が連鎖的な倒産をするようなことはないとは思うんですが、その点はどのようにお調べなさつているのか、お聞かせください。
 それから、入札に当たって、業者を指名する段階で経営審査事項の調査をしていると思うんですけれども、その上で点数が市内でトップであったと聞いておりますが、審査内容をお聞かせください。
 以上です。
 ○議長(中里猪−)助役 高山譲二君。
    〔助役高山藻二登埋〕
 ○助役(布山諌ニ)おくれた原因、こういうことでございます。私ども、率直に申し上げまして、こういう契約案件が行われ、地元業者の形の中でこういう問題が起きた。起きたことに対しては、やっぱり完全に処理をしなければいけない。
 その処理をさせていただいた。そういう中で私ども、関連業者そのものも、こういうことについては、わかっていれば私どもに情報もいただけますし、要するに共同企業体というのは、お互いがつくって仕事の責任を負うわけですから、そういう点での中では情報がつかめなかった。私どもも、そういう実態でございます。
 そういう意味で、2月7日に不波りを出した。
 これすら私どもも把握できなかった。これも事実ですね。要するに、8日に初めてあった、こういうことですのでご理解いただきたい。市の方としては、実態として終了したために、委員会での報告をという形で、その辺のずれがあった、こういうことでおわびをさせていただきたい、こう思っております。
 さらに、幹事会社になれたのか、こういうことでございますけれども、今回の企業体をつくるに当たりましては、市内業者14社の中で1グループ3社以上、3グループ以上っくる。1つのグループ内には、経営総合審査830点以上のものが1名以上入る。こういう形の中で構成されている部分で話し合いで幹事会社になれた、こういうことでございます。
 さらに、経営審査というのは、そういう総合点の東京都の事項に基づいて入ってきている、このようにご理解をいただきたいと思います。
 さらに、債務の関係等につきましては、私どもも8日にわかり、町田市の中で公共事業で行われている部分を含めまして、収入役さんの方で調査をさせていただきました中で、市役所としてのそういう関係についてはない、このように確認をいたしたものでございます。
○議長仲里猪−) 2番 高嶋均議員。
○2番(高鳴均) おくれたことはおわびをいただいたわけなんですけれども、その中で幾つか疑問な点が残るんですけれども、債権関係で市との関係はないというのはわかったんですけれども、同じ業者間で、JVを組んでいる業者間で債権債務の関係等がもしあったような場合があれば、今回、倒産をしているわけですから、はかの業者に影響を及ぼすようなことがないのかという不安を抱くんですね。ですから、その点は万が一ほかの業者がこの影響で、また同じようなことが起きないためにも、その点は十分調べているのではないかなと思うんですけれども、ほかの業者さんたちも呼んで事情を聞いているということですから、その点はどうなのでしょうか。
 それから、経営審査事項ですか、この中での審査の中身というのはどういうものなのか、ご説明を願いたいと思います。
 ○議長(中里猪−) 助役 高山譲二君。
   〔助役高山譲二登埋〕
 ○助役(高山譲二) 他の業者の関係といいますのは、共同企業体3社のことだと思いますが、共同企業体3社につきましては確認をし、3社としては今回についてやっていく、こういう形で、その中身等の関係につきましては影響ないというように今の段階では考えております。(「審査の中身」「答弁していないじゃない」と呼ぶ者あり)
 失礼しました。経営審査、どういうことか、このことにつきましては総務部長から回答させていたださます。
 ○議長(中里猪−) 総務部長 本間静君。
 ○総務部長(本間静) 経営審査事項の関係ですけれども、これは東京都が評点をつけます。審査項目としましては、経営規模、技術力、社会性等その他の審査項目、経営状況、これらについて一定の基準の中で点数をつけまして、決算のときに、決算ごとに出すようになっておlります。年に1度受けなくてはいけないということになっておりまして、そういう中でつけられた評点というものが経営審査評点ということでございます。
 ○議長(中里猪一) 2番 高嶋均議員。
○02番(高嶋均) 先はどの他の業者との関係なんですけれども、私が心配しているのは、今回のことで他の業者がもし影響、あおりを食って同じような状況に  もちろんならないのが当然いいことなんですけれども、なるような可能性が起きるようなことがあっては大変だと思うので、その点も含めてちゃんと聞いているのかということなんです。
 ですから、例えば先はども言いましたけれども、連帯保証人になっているだとか、手形の裏書きをしているだとか、そういう状況も含めて多分聞かれていると思うんですけれども、そういう意味で大丈夫なのかという質問をしているんです。
○議長(中里猪一) 助役 高山譲二君。
   〔助役高山譲二登壇〕
○助役、(高山譲ニ) 私ども、3社につさまして、施工能力なども含めて、共同企業体として3社で対応していく、こういうことでございますので、私どもは3社の能力等を含めて大丈夫だというように思っております。(「質問に答えていないよJ「3社の中の…‥・」「それに答えなきゃだめだ。調べていないんだったら調べていないと言ったらいいじゃないか」「3社以外のことは調べる必要はない。3社の中で調べたことがあるのか」「そうだよ」と呼ぶ者あり)
 3社の中で、はかの人たちのところの影響、そういうところまでは調べておりません。
○議長(中里猪一)19番 吉田勉議員。
   〔19番吉田勉登壇〕
○19番(吉田勉) 今拭の件につさまして、私も議員の一員といたしまして、そしてこの件を審議をさせていただきました委員会の委員長として非常に残念なことであります。この審議が本会議に提案をされましたのは、ご存じのとおり、2月8日のことでございまして、先ほど時間経過がございましたが、午前中いっぱい委員の皆さんが熱心な質疑をされて、そして午後の本会議に結果の報告をさせていただいたところでございます。
 そして、先ほどの報告で、その後、直後、1時半というような時間を申されたと思いますけれども、何か余りにもタイミングがいいというような感じが私としてはいたしまして、再度この時間経過からしまして、その前にこの件に関する兆候というものは市の方で何かっかんでおらなかったのかどうか。具体的なものではないとしても、何らかの兆候というものを持っていなかったのかどうか、このことをお尋ねしたいと思います。
 そして、今日の時点まで発表がおくれたという経過というものが先はどまだ具体的ではなかったと思っております。担当部門でつかんだ時点が、理事者の方に伝わってきて、即座に伝わってきたのかどうか。そして、今まで発表されなかったのは、ひとえに理事者の判断であったのかどうか、その点をお答えいただきたいと思います。
 以上です。
○議長(中里猪一)助役 高山譲二君。
   〔助役高山譲二登壇〕
○助役(高山譲二)私ども、2月8日、席へ着いて報告を受けるまで全くわかりませんでした。また、そういう兆候も、私どもがわかっていれば、当然これだけの問題ですから、議会の前に報告して延ばして、その前に協議をしてもらう、こういうことの対応ができたと思います。いずれにしても、そういうことでございました。
 その報告がおくれた点につきましては、率直に申し上げまして、私ども、処理をした中でほっとしたということも1つありますけれども、そういう中で委員会に報告を、それは先ほど申し上げましたように、そういう点では担当助役として判断が甘かったということで認識をしております。いずれにしても、委員会に発表したい、このように思っておりました。そういう中で工事着工も日程が決まりまして、急遽させてもらったということでございますので、ご理解いただきたいと思います。
○議長(中里猪一)19番 吉田勉議員。
○19番(吉田勉)今、委員会に報告したいというお話があったわけでございますけれども、ご存じのとおり、今議会、3月で改選になっておりまして、ましてや名称も、所管部門が厳密に言うと変わっておることも両方あるわけでありまして、これは当然2月いっぱいの時点で十分な時間があったはずであります。この時間があったにもかかわらずやったというのは、やはり発表しない意図的なものがあったというふうに議会からとられてもしようがないのではないか、この点、再度お答えを願いたいと思います。
 それから、2月8日の債権譲渡通知書の受理なんですけれども、先ほどよく聞き取れなかった面があるんですが、この分を受け取ったということは、大電工業はその日の時点で辞退をするという意思があった、あるいは辞退の届けという文面があったのかどうか、その点を具体的にお答え願いたいと思います。
○議長(中里猪一) 助役 高山譲二君。
   〔助役高山譲二登壇〕
○助役(高山譲ニ)先はどから申し上げていますように、2月の委員会改選前にやれば、今になれば極めて反省をいたしております。意図は全くありません。
 それと2点日の問題でございますが、8日に大電工業から事情聴取をし、市及び共同企業体の構成員に迷惑をかけない方法をとる、こういう確約をいただきました。それに基づいて、その日におきまして、そういうことで確認をし、共同体の方々と、そういうものを最終的に共同企業体で受けて判断をした、こういうことでございます。
○議長(中里猪一)19番 吉田勉議員。
○19番(吉田勉) そうしますと、2月8日の時点では、文書という形式で辞退届というものは出ておらない。10日の時点で契約の変更ということで、2月8日付に出た書類があるだけだというふうに解釈をするのかどうか、その点をもう1度お答え願いたいと思います。
 それとあわせて、もうこれで質疑が最後になりますので、今回の事態というのは、議会の方は非常に不信感を持っ以外にないという事態が発生しておるというふうに私は考えております。このことをつけ加えておきます。
○議長(中里猪一) 助役 高山譲二君。
   〔助役高山譲二登壇〕
○助役(高山譲二) 書類関係につきましては、8日にそういう話の確認をとり、書類としては10日に2月8日付で変更届けがなされた、こういうことでございます。
○議長(中里猪一) 36番 井上正行議員。
   〔36番井上正行登壇〕
○36番(井上正行) 今の件について若干お伺いしますが、私は、まず行政は本件について非常に認識が甘いのではないかというふうに思うんですね。そもそもこの問題は、入札妨害事件がありまして、あのように二転三転をしてやっとの思いで、市長、やっとの思いで契約にこぎつけたわけですね。その経過を考えれば、これは大幅な契約内容の変更じゃありませんか。出資割合が変わる
んでしょう。ましてや幹事会社が変わるんでしょう。本来、その時点で議会に直ちに、2月9日、百歩譲って10日ですね。10日に、これを市も承認したわけですから、本来この時点で直ちに議会に報告するのが当たり前じゃありませんか。そうじゃないんですか。そのとさには総務常任委員会があるんですよ。とりあえず総務常任委員会に報告する。あるいはその間に何回も代表者会議があったわけでしょう。せめてその問の代表者会議にとりあえず報告する。そして、詳しいことは後でやるとか、いろんな方法があるじゃありませんか。私は、いかにもこれは認識が甘過ぎると思いますよ。以前、この件でさんざんあったわけですから、そのことを考えれば、当然のことじゃありませんか。
 しかも、もっと言えば、あさって起工式を目前にして、何となくこれは報告しないとまずいんじやないかということで、それで一昨日の全協でやるならまだしも、その後の代表者会議にわざわざやられたわけでしょう。そして、その結果が今回のこの本会議での報告になったわけですよ。だとすれば、もっと早い時点でやるべきではありませんか。その辺の認識を甘さを非常に私は感じます。
 もう1つは、お聞きしたいのは、もう仮契約しているわけですから、前途金はどうなっているのかということですね。前途金を渡しているのか渡していないのか。
 それと、先ほど来、東京都が一定の基準に基づいてランクを決定しているということがございましたが、これはいっ決定されているのか。年に1回だそうですが、いつ、そのランクといいますか、これを決定されたのかということ。
 それから、今後の対応ですね。この種の問題は、これに限らず、私が心配しているのは、もう1つ附帯工事、建設工事もありますから、これも今いろんなうわさが市中に飛び回っています。S社はもう手形が切れなくなったんじゃないかとか、いろんなうわさが、もう一般の人たちがうわさしていますよ。一般の主婦が。
 ですから、今後の対応、情報収集ですね。帝国データバンクと今、取引しているんでしょう。だとすれば、本件、8日にわかった時点で帝国データバンクと情報のやりとりがありましたか。帝国データバンクに聞けば、取引があるわけですから、業務委託をしているわけでしょう。そうしたら、逐一データ、そこから資料が入るわけなんですが、その辺も含めて今後の情報の収集も非常にこれは大事だと思うんですね。その辺の対応はこれからどうされようとしているのか。
 以上、お聞さしたいと思います。
○議長(中里猪一) 助役 高山譲二君。
   〔助役高山譲二登壇〕
○助役(高山譲ニ) 認識が甘過ぎるという指摘につきましては、私、そういう点、ご指摘のとおり、今考えれば深く反省をしなければいけないというように思っております。
 前途金の関係につきましては、新しい企業体になってから、今ちょっと手元に資料はないんですが、最近、2月、要するに10日以後、まだ本当に数日前という形で書類が整って支払いしております。期日は、済みません、今手元にないので……。(「調べろ、すぐ」と呼ぶ者あり)失礼いたしました。前払い金の、前途金の請求は、新しい共同企業体によりまして2月28日に請求が釆ております。(「払ったんですか」と呼ぶ者あり)はい、それに基づいて支払いをしております。
(「いつ払ったんですか」と呼ぶ者あり)それにつきましては後ほど調べて言います。
 それとデータバンクの関係でございますけれども、これは私どもも、税情報を含めまして庁内にとっております。できるだけそういう方には目を光らせております。今回の中でも、そういうものの情報も得た中で確認もしている。こういうことで、ここに出ること自体、載ること自体は本当に悪い状況の中だと。
 それと、失礼いたしました。前途金は2月28日に請求があって、支払いはまだしていない、こういうことで今確認させていただきましたので、先ほどの言葉を訂正をさせていただきたいと思います。(「問題だよ」と呼ぶ者あり)
 それと、ランクづけ、年何回か、細かいことについては担当部長から説明をさせます。
○議長く中里猪−) 総務部長 本間静君。
○総務部長(本間静) 2年に1度指名参加願が出されます。その中に東京都でつけた点数、それの評点の表をあわせて出していただくということで、4月1日付でランクづけをするという杉になります。(「いつの4月1日」と呼ぶ者あり)1年前です。
○議長(中里猪一) 36番 井上正行議員。
○36香(井上正行) 今のお答えのとおりですね。2年に1回で、昨年の4月1日でしょう。1年前ですよね。こういうふうな経済状況のときですから、それじゃ、私は不十分だと思いますよ。そのために、帝国データバンクとの業務委託で資料をとっているんじゃありませんか。それはただの資料ですよ。だとしたら、やはり指名入札、指名するときに、担当課が独自でデータをとるべきじゃありませんか。こういう経済不況で、先がどうなるかわからないんです。今までのいいときなら2年に1回でいいですよ。今は、あすをもわからないわけですよ。こういう事態がもう出ているわけですから。
 ですから、2年に1回lのだけではなしに、やはり独自にせっかくデータバンクと業務委託しているんですから、もう少し詳しいデータをとるべきではありませんか。そう思われませんか。そして、特に今後ですね。今後は、やはり市独自でもう少し情報収集体制を考えなくてはいけないんじゃないですか。管財。そうしないと、何回もこういうことが出てきますよ。その点をお答えください。
○議長(中里猪一) 助役 高山譲二君。
   〔助役高山譲二 登壇〕
○助役(高山譲ニ) 状況の把握ということにつきましては、現下の社会情勢を踏まえる中で、私どもも、冬期決算ごとに会社の決算書を出してもらうとか、あるいは定期的に登記所に登録されているところの会社の商業登記の写しなども鈷まえ、こういうものも把握をしながら、そういうところの中にいろいろな債務の発生などがあるかどうか、こういうことも公にできている部分の中で配慮をしていく。また、あらゆる神経を使って慎重に対応をする努力を今後していきたい。こう思っておりますので、ご指摘の点を始まえて庁内的にも、そういう体制を定期的に組めるように努力をしてまいります。
○議長(中里猪一) 36番 井上正行議員。
○36番(井上正行) 今、助役が答えられましたように、やっぱりこれからはもっともっとこうしたことが起こり得る可能怯があるわけですから、しっかりした対応をしていただきたい、このように思います。
 議会に対する認識の甘さ、全くそのとおりなんですよね。やはりあれだけいろいろ問題があって、やっとここまで釆たわけですから、私は、その辺についての認識についてぜひ市長から回答をいたださたい、このように思います。
○議長(中里猪一) 市長 寺田和雄君。
   〔市長寺田和雄 登壇〕
○市長(寺田和雄) 鶴川中学校の契約については、大変な現在の不況下の中で、地元企業に何としても受注の機会を与えていきたい。そのことによって地元企業はもとより、経済効果をこの町田市の中に及ぼしていきたい。そういう願望で4つの業種について地元の皆さんにJVを組んでいただいて、余り例のない思い切った措置として地元の皆さんにお願いをしたところであります。
 しかし、我々の志とは裏腹に、建設本体についても、今回の問題とは佐格が違いますけれども、いろいろ議会を含めて私どもも大きな衝撃を受けたわけでありますし、また今回、JVそのものは維持できたとしても、内容が著しく変わったということでありますので、そういう点について議会への対応の甘さ、これについては私も重々反省をしているところであります。もっともっと助役を初め担当の暇員の皆さんに厳しく対応を指示をすべきだったというふうに思っておりまして、今、議場で皆さん方の大変厳しいお話を承っておりま
して、この問題は最終的には市長である私が責任をとらなきゃいけない、このように考えているところであります。
 今回、このような問題については、目下非常に厳しい状況に民間企業があるということの、いわば現実的な現象であるわけでありますから、このことをしっかりと受けとめながら、これからの発注についてはぜひこういうことのないように徹底した調査を行い、間違いのない契約をしていく。しかし、そうはいっても、可能な限りの地元への発注は姿勢としてはこれからもとり続けていきたいというふうに思いますけれども、議会の皆さん方を初め各方面に大変ご不信やら、あるいはご心配をおかけをしているところでありまして、このことは先ほど代表者会議でも申し上げましたように、何らかの措置をとらせていただく、こういうつもりでありますので、最終的に申し上げようと思ったんですが、ただいまご質問いただきましたので、そのことを申し上げたところであります。
どうぞよろしくお願いをいたします。
○議長(中里渚一) 31番 斎藤勇議員。
   〔31番斎藤勇 登壇〕
○31番(斉藤勇) 私も、今回の出来事については本当に残念に思います。市内業者同士のJVを組んで、そして市の公共工事について市内業者にやってもらう、こういうことを私どもも主張してきただけに大変残念です。
 しかし、実はこの問題は、私は業者に責任があるということではないと思うんですよ。こういうようなことになった原因ですよ。これは市の側にあったんじゃないかというふうに私は思うんです。
 そこで、いろいろお聞さしたいんですが、まず大電工業の倒産という状況がわかったのは契約案件が決まった後だというんですが、大電工業自身は8日の前に既にもうおかしくなっているということはわかっていたんじゃないんですか。ここはどうですか。だって、大電工業は郵便で出したというんでしょう。だったら、もう大電工業自身は、つまり7日の時点での不渡りということになっているんですからね。だから、もう既に8日の以前におかしくなっているということを大電工業自身はわかっていたわけですよ。
 だったらば、なぜ大電工業は、契約が決まる、議決される前に、市に対して大電工業自身が報告する、こういうことができなかったんですか。つまり、そういうふうになっていなかったということでしょう。そういうふうに報告するというふうになっていなかったんじゃないですか。
 つまり、これは11月29日に指名業者選定委員会が開かれている。12月2日に説明会が開かれている。その時点で経営状態について非常に問題が起こったときにはきちっと報告する、こういうような説明をしていたのかどうか、これをまず1つお聞かせ願いたい。
 というのは、その業者の経営状態というものがどうなるかというのは、指名選定を市が考えた、その基準がもう1年前の話ですから、その1年間に変化が起こるということはあり得ることでしょう。ですから、そういう変化があったならば、報告するのが当然じゃないですか。報告しなければ、もし事態の変化が起こったときに報告しなければ、そのままこういう事態が起こっちゃうわけですから。今画起こったんですから。ですから、私は、それはちゃんと報告をさせるというのが筋ではないですか、そういう説明をしたかどうか、そのことをちょっとお尋ねをします。
 もう1つは、去年の4月1日の時点で東京都が決算に基づいて評価を下した、こういうことになるわけでしょう。だから、そういうことについて、その時点で町田市は、この会社の決算をとっていたかどうか。決算の資料をとって独自の調査をしたかどうか、これをちょっとお尋ねします。それから、帝国データに資料をとっているといいますが、この業者についてのデータを以前、前にいっとりましたか、それをお尋ねします。いつとりましたか。この業者についてのデータ、いつとりましたか、こういうことです。
 以上です。
○議長(中里猪一) 助役 高山譲二君。
   〔助役高山譲二登壇〕
○助役(高山譲ニ) わかっていたのではないかということです。先ほどから申し上げているように、私ども、率直に言ってわかりませんでした。また、市の方として、そういう状況の中で、当然なれば報告をするような、業者としてもそういうことを持たなければいけないと思います。しかし、現実的に説明の段階では、そういうことは行っておりません。
 それと、経営状態につきまして4月1日、東京都に提出した写しを町田市の方に添付をさせている、こういうことで、その資料の中に決算書などもついている、こういうことでございます。
(「データバンク」と呼ぶ者あり)
 失礼いたしました。データバンクにつきましては、私ども、2月15日のデータバンクのニュースで確認をいたしております。
○議長(中里猪一) 31番 斎藤勇議員。
○31番(斉藤勇)今の答弁で、私は非常に市に責任があるということがますますわかってきたんですが、つまり、大電工業からは倒産をしても−−一倒産というか、不波りが出たという事態が釆ても、市に大電工業から直接連絡が来ていなかったということになるわけですね。だから、事前にわからなかった、こういうことなんでしょうけれども、しかし、今度のことは事前にわからなかったということでは済まないんですよ。
 つまり、こういうことが起こってはいけないわけですから、事前にはわからない−わかっていれば、こんなことは当然是正されますよ。今回はわからなかったから、こういうことになっちゃったんですよ。問題は、なぜわからなかったのかということなんですよ。そのことを尋ねているんですよ。なぜこういう事態が起きるまでわからなかったのか。
 そこで、先ほど私は、12月2日の説明会のときに、そのことについてやったかと言ったら、やらなかったというわけです。つまり、こういうことですよ。やらなかったことがいけないんですよ。何でやらないんですよ。そういうことについて説明をしないんですか。ちゃんともうこれは規定でも決まっていることですからね。ちゃんとそういう経営状態その他についてきちっと審査をするということは、もう規定で決まっていることなんですから。ですから、そういうことについて状況の変化が起きたら、当然報告をさせるということは説明しなきゃいけないことじゃないですか。それをやらないから、こういう事態が起こるんですよ。だから、それは決して業者の責任じゃないん
です。わからなかったのでは済まないので、なぜわからなかったのかという、そこの問題を明らかにしてほしい、こう言っているわけです。
 それから、今のデータバンクの調査、2月15日、つまり、通常は調査していないんですか。データバンクからの資料を取り寄せることは通常やつていないんですか。これはどうですか。その以前、こういうことになる以前はやっていたのかいないのか、その点をひとつ明らかにしてください。
 以上。
○議長(中里猪一) 助役 高山譲二君。
  〔助投高山譲二 登壇〕
○助役(高山譲二) 私ども、事前にわからなかつた部分については、先ほどから申し上げているとおりでございます。これらにつきましては、私どもも、例えば経営分析については登録のとき、そういうものを含めて、その後は今回、入札された業者の方々に対する商業登録謄本などは全部とらせてもらいました。そういう努力は少なくともして、今後ともそういうことのないように徹底をしていく。
 それは今後とも、私どもも、こういう問題がある中で、どういう調査をしていくか。少なくともこういうデータニュースなどについては、定期講読の中で送ってきていただく中で分析もし、そういうものがあればすぐ、今回の中でも町田市D電気工事、名称はまだ、こういう段階において企業の中では、1回目の手形でどうなるかという部分がある中で、こういう中で私どもは調査をし、万全を期しながら早期に起さている問題を適切に処理していくということに全力を注いできた。
 また、今後は、こういうことのないように、先ほどからも情報収集をもっとしなさい、こういうことについてはより間違いのない方法を徹底をしてまいりたいというように思っております。そういう意味では耳を立てながら、いろいろな業界の情報を全暇員を挙げて、そういうことの把握にも努めていきたい、こういうふうに思っております。(「答えてないよ。データバンク、大電工業についてやったか。いっやったかと聞いている。この以前に」と呼ぶ者あり)
 今申し上げたとおり、大電工業につきましては、先ほど言いました2月15日のニュースの中で、それの確認をデータバンクの方に、D社だけじゃわかりませんから、その中身はどうですか、こういう確認はさせていただいています。
○議長(中里猪一) 31番 斎藤勇議員。
○31番(斎藤勇) つまり、わかってからそういう調査をやったって、ある意味では何の意味もないですよ。そうでしょう。2月15日なんですから、わかってから調査を、そんなことは当たり前の話で、問題は、こういうことが起さないようにするために、事前にきちっと調査が必要なわけで、結局、そういう調査をやっていなかったということじゃないですか。つまり、この問題はやっていなかった市の責任なんですよ。
 今度の問題は、契約案件は議会で議決しなければいけない、これはもう決まっているわけですから、法律でも決められている、そういう大事なことなんですから、その議決内容と違うことになってしまったという重大な事態なんですよ。市民が納めた税金の使い方にかかわることですからね。ですから、こういうことは起こってはいけないことなんです。起こってから、いろいろこれからは起こらないようにしましょうというのは当然の話ですよ。問題は、なぜ起さたか、なぜこういうことになってしまったかということを徹底的に明らかにしなければ、これは今後の対策だって立たないですよ。
 だから、その点で私は今聞いたんですよ。データバンクの調査を、この大電工業についてやったのは2月15日が初めてでしょう。それ以前はやっていないんでしょう。つまり、やっていないんですよ。やっていないということは、さっき一応言ったようなものですけれども。つまり、そこが問題なんですよ。そういう点では市の責任じゃないですか。今のような経済情勢の大きな変わる状況のもとでは、それはもう企業はいつどうなるかわからぬ、こういう事態が起こるんですから。ですから、そういうときにきちっとした調査を日常的
にやっていなければいけない。しかし、それはやっていなかったんでしょう。問題はそこなんですよ。
 だから、こういうことになったんですから、じゃ、一体その責任は、先ほど市長は責任をとると言いましたけれども、しかし、市長は最高責任者ですよ。こういうことについて、実際上、だれかが指示をしなければ仕事が進まないんでしょう。指示を具体的にする、そういうことの責任者は一体だれですか。それから、日常的にそういう指示をしていて、もしやらなかったとすれば、やらなかった職員の問題がありますけれども、そういう指示をすることについての責任は一体だれですか。それで、その責任は一体どうとるんですか。
○議長(中里猪一) 助役 高山譲二君。
   〔助役高山譲二 登壇〕
○助役(高山譲ニ) 私ども、このような形で、例えばデータバンクにおいても、情報の中で各企業の信用度や何かというものを、この中で変動がありますという、このニュースの中もありますように、まず1回目を出したから、こういう形で載っかってきている。こういうことで、その前に会社でどうですかという、どこの会社はおかしいですか、こういうことの確認をやること、そういうどうするかということは私どもも真剣に、各個人の信用度にかかわる部分ですから、そういう点に関しては行政側としても配慮しながら、いろいろな取引を含めて、市としては可能な限り、今ここで具体的に個人のプライバシーの調査をするわけですから、可能な調査、可能な努力を今後していきたいと思っています。
 この問題につきましては、私ども、契約をするに当たって、少なくとも実損のないように、また、共同企業体におかれましても、そういうことのないように対応、処理を早くする、的確にしていく、こういうことが大切で努力をしてまいりました。おくれた点については重々反省をいたしております。(「そんなものはプライバシーじゃないよ」「そうだよ」と呼ぶ者あり)
○議長(中里猪一) 33番 金森貢議員。
   〔33番金森貢 登壇〕
○33番(金森貢) 1点だけ、ちょっと私の方で地元のいろんな業者の情報を聞さますと、自己資本比率がはとんど低下していまして、建設、衛生設備及び空調業者が非常に危ないという情報が入っております。その面で、ぜひ今の契約した業者をもう1回調査を早急にしないと、前途金を渡す前に、やはりもう1回調査をすべきじゃないかと思いますが、その面のお考えをお聞さしたいと思
います。
○議長く中里猪一) 助役 高山譲二君。
  〔助役高山譲二 登壇〕
○助役(高山譲ニ) 今のご指摘の点の、この電気工事の関係につきましては、新しい共同企業体として新しくでさるわけですから、その会社の資金の充当しかしないということの確認もとりながら、より今ご指摘のいただきました内容を含めまして、さらに点検をしていきたい、こう思っております。
○議長(中里猪一) 33番 金森貢議員。
○33番(金森貢) 今の高山助役のお答えでは、今、契約している4つの企業体がありますね。で
すから、建設、衛生設備、空調、この業者ももう1回総点検すべきじゃないかということでござい
ますので、もう1点、その面をお答え願いたい。
○議長(中里猪一) 助役 高山頚二君。
   〔助役高山譲二 登壇〕
○助役(高山譲ニ) 私の言葉足らずで失礼いたしました。
 本体、電気、空調、あるいは衡生設備、これらを含めまして、さらに慎重に点検をして間違いのないように努力してまいります。
○議長(中里猪一) 32番 志村賢蔵議員。
   〔32番志村賢蔵 登壇〕
○32番(志村賢蔵) 各議員さんの本当に怒りに満ちたご質問が続いた後でございます。同感だな、こんな思いで答弁をお聞きしておりました。
 そこで、まず1点は、これは提言でございます。ご存じのように、各企業は年1回の決算がございます。所轄の税務署に決算書を提出いたします。それに基づさまして、法人住民税課税のために所轄の税務著に提出された決算書は当町田市役所にも来ておる、間違いございませんね。税務部長、いかがでしょうか。
 その決算書を見ますと、その中には当座比率、流動比率、固定比率、負債比率、分析する要素は多分にあるわけです。したがいまして、データバンクの情報よりは、自己の抱える情報の中で分析するものは十分資料としてあるではなかろうか、こう思うわけでございますので、その辺について努力をなさったかどうか、それが1点でございます。
 次に、この請負契約についてということの文書を見ますと「午後1時30分頃 大電工業鰍フA社への債権譲渡通知を受理した」、こうあります。その大電工業が持っている債権はどこの債権なのか。町田市以外の債権であるならば、何も町田市にA社へ債権を譲渡いたしましたという通知を出す必要はございません。町田市の債権だからゆえに、町田市にA社へこの債権を譲波いたしました
という通知を出したと読むのが当たり前じゃないでしょうか。
 ですから、大電工業さんからお尋ねをいたしました内容の中に「A社に負債があること」、次に「市及び共同企業体の構成員に迷惑を掛けない方法をとる」、こう言明されておるわけです。ということは、町田市に債権があって、それをA社に譲渡たけれども、町田市並びに共同企業体にはご迷惑をおかけしない、こういうことに考えるしかにこれは解釈のしようがないわけでございます。
 内容証明の内容を見ておりませんから、確定することはできませんが、もしそうでないであるならば、お尋ねしたいのは、町田市の仕事を安注した業者が途中で都合が悪くなって契約どおり履行することがでさないというときには、すべての業者がこういった文書を内容証明で町田市に届け出をしなければならないという定義があるのか。その定義があるのであれば教えていただきたい、こういうことでございます。
 それから、ここにいらっしゃる40人の議員さんは、この内容証明の内容を見ておりません。何が書かれているかわかりません。先はどからのご質問ですと、まだ前途金は渡していないということは、大電工業さんが持っている債権はどこの債権であり、その債権をA社に波したということは、町田市が調べる必要もないことでございますので、その辺のい毒さつについてお尋ねをしたい、こういうことでございます。
○議長(中里猪一) 助役 高山譲二君。
   〔助役高山譲二 登壇〕
○助役(高山譲二)1点目のより事故のないように、毎年申告する中での所得税務調査、これらについては今後、そういうものの徹底をし、分析をしていきたい、こう思っております。今までは東京都に提出したものに基づいてやっていた、こういうことでございます。
 債権譲渡の問題につきましては、私どもの方といたしましては、町田市の場合は先ほど申し上げましたけれども、会社から債権譲渡の問題、個人の問題を含めていろいろあります。そういう中で市として債権、工事関係はございません。今回のこれにつきましても、契約、工事着工、そういう出来高のないものについては、そういうことについてはないというように思っております。(「何だ、それじゃ答弁にならぬじゃないか」「答弁がはっきりしないな」「内容のことに触れているんだから」と呼ぶ者あり)
○議長(中里猪一) 32番 志村賢蔵(「答えになっていない」「もう1回やり直しだよ」「だめだ、だめだ」「もう1回、もう1回」「答弁になっていないよ」「町田市の債権をA社が持っていたのか、持っていなかったのかということを聞いているんですよ。ないならないでいいんですよ」「あえてここに書いたのはどういう意味なの」と呼ぶ者あり)
 助役 高山譲二君。
   〔助役高山譲二 登壇〕
○助役(高山譲二) 持っておりません。
○議長(中里猪一) 32番 志村賢戴議員。
○32番(志村賢蔵) であるならば、何のために大電工業から町田市に債権譲渡通知書というものを提出しなければならないでしょうか。しかも、昼の12時から8時の間という判こが押してあるわけですね。知るところによると、手形事故が発生したのは7日でございます。当然、受注をした業者で、しかも幹事会社でございますから、臨時議会でこの契約案件が審議されるという’ことは知らなかったとは言わせないと思いますがね。であるならば、電話でもいいから朝一番、我が社は今こういう状況でございますと連絡を入れるのが当たり前じゃないですか。それをわざわざ債権も町田市にないものを、A社へ債権譲渡をしましたという内容証明を送ってくるということ自体が何か仕組まれているんじゃないかなと。

 しかも、先はど壇上でお尋ねを申し上げましたように「@A社に負債があること A市及び共同企業体の構成員に迷惑を掛けない」、こういう約束をしておるんですね。私がここで問題にしたいのは、公式文書として町田市に債権がないものを町田市がとった場合、大電工業さん、これはA社ばっかりじゃないと思うんですよ。私も商売をやっておりますから、取引先、買掛金は20社にも30社にも及んでおります。善意に解釈して、当然、町田市が大電工業さんの持っている債権をA社に譲渡しますよという通知を受け解ったらば、A社に支払うことは了解しましたということになっちゃうんですよ。そうしたら、B社、C社、D社、いろんな取引をしているところから、町田市は民間の商業取引のものについて、A社に支払いますよという、こういう譲渡通知書を受け取って了解したということは、我々のはどうしてくれるんですかと、こういう異議申し立てが出てきたらどうしますか。これは出るおそれがあるんです。民間の債権債務の問題を町田市が認めたことになるんですから。それじゃ、内容証明の内容を見せてください。こう思うんですよ。いかがでしょうかね。
 だから、内容証明の中に大電工業さんが町田市に債権がないというのであれば、あくまでも大電工業さんが持っている資産をA社のみに譲波しますよという通知書を町田市がいただいて、ああ、そうでございますかといったら、もらえなかったところ、もっと詳しく説明しましょうか。わかりやすく申し上げれば、A社というところに自分のところの債権をかたどって全部片づけてしまって、あと会社を整理するという方法もあるんです。そうなった場合には、善良なはかの債権者は町田市に抗議を申し込んできますよ。その片棒を担いだことになる0だから、私はお尋ねしておるわけです。
○議長(中里猪一)助役 高山譲二君。
  〔助投高山譲二登壇〕
○助役(高山譲ニ)私どもも、本件、こういう対応をする中で、顧問弁護士の意見などもお聞きしながら、少なくとも当日の中で来ている部分等についての中ではない、こういう見解を持ってお りますし、また、要するに、債権のあれは、少なくとも工事になれば、工事着工とか出来高、そう いうものがない以上、そういうことができない以上、問題点はないというふうにいろいろな角度からお話も伺っております。
○議長(中里猪一)助役 牧田秀也君。
   .〔助役牧田秀也 登壇〕
○助役(牧田秀也)補足をさせていただきますが、通常、この種の内容につさましては、債権者が市に対して、債務者が町田市の工事などをやっていたときには、その工事代金を債権者が自分の会社に振り込んでくれというような形で、裁判所なんかを通じて文書が来るのが通常でございます。
 本会議が終わった後、債権譲渡通知書という形の内容証明の文書をいただきまして、通知人が大電工業なんですね。これは何なんだと、この文書は。ということで、本人に聞くことと、それからこの内容が法的にどういう行為を持っているのかということを早速、市の弁護士に調べてくれということで調査をしてもらったところでございます。
 その中で結果を聞く中では、大電さんは、いわゆる一般的というか、債権者の方でつくってある用紙だと思いますが、その用紙に内容については何も書いていない中で、判こを押して波しちゃったというようなことの答弁をいただきました。
 それといま1つ、譲渡債権の表示というのが書いてあるんですが、それは1つ、本日現在、貴殿に対する売掛代金の金額について未払い代金、これを譲渡したみたいなことが書いてあるんです
ね○それが市が、この大電工業に対して売掛代金があるかないか、未払い金があるかないかということも調べさせてもらいました。
 そういたしましたら、市が大電工業に対して未払い代金は一鋲もないということですから、債権譲疲される筋合いが町田市は何もないということになるわけですね0弁護士も、そのような説明でございました。そういうことで、この内容証明の通知については、通知はいただきましたけれども、結果的には私どもには何ら関係がない、ただ文書だった、このように理解をしておるところでございます。
 ○議長(中里猪一) 32番 志村賢蔵議員。
○32番(志村賢蔵) 説明ですから、説明どおりお聞きしておるわけですが、今のご説明どおりであるならば、受け取り責任、この内容証明を受け取った受け取り責任があるんですから、それに対する反論書を発行しなきゃいかぬですよ。その中に書かれているように、債権をそっちに譲疲するという意味であるならば、町田市には何らの債権はないよ、こういうものを大電工業あてに反論を出しておかなければおかしなことになるわけです。私は、そう思いますよね。
 ここで、議長、お願いでございますけれども、個人に迷惑がかかる社名等は消して結構でございますけれども、でき得れば内容証明の内容をご配付願いたい、このように要望しておきまして、その件については意見の留保をさせていただきます。よろしくお願いします。
○譲長(中里猪一) 助役 牧田秀也君。
   〔助役牧田秀也 登壇〕
○助役(牧田秀也) そのことについても心配でございまして、弁護士に聞いていただきました。その弁護士の見解といたしましては、いわゆる町田市が未払い代金がないんだから、この種のやつは返事もしなくても、何もしなくてもいいというような見解は承っておるところでございます。
 プライバシーと思われる部分については黒い紙を張ってコピーをさせていただいて、ご配付させていただこう、かように思います。
○議長(中里猪一) 資料は後ほど全員に配付、こういうことです。
17番 戸塚雅夫議員。
  〔17番戸塚雅夫 登壇〕
○17番(戸塚雅夫)確認の意味で1点だけお尋ねをいたします。
 今、志村議員の質疑の中で、債権譲渡通知にはそういうことがないということですが、2月9日の「商業登記簿写しを取得し、2月8日付でB社への債権譲渡登記がなされていることが判明した」、こう書いてありますが、これはどういう意味なのか、お答えをいただきたいと思います。
○議長(中里猪一) 助役 高山譲二君。
   〔助役高山譲二 登壇〕
○助役(高山譲二)資料につきましては今、取り寄せておりますので、具体的には登記所謄本の中に、要するに債権譲波という形で行われている、それはやっぱり現実の債権ですから、それなりのものが自分の方に奉るよ、こういう形の、あれと同じですね。大電工業に債権、2月8日にあつた、内容は必ずしもぴったりではございませんけれども、趣旨はそういう趣旨のものでございます。   ○議長(中里猪一) 17番 戸塚雅夫議員。
○17番(戸塚雅夫) 意味がわからないんですね。例えば、先ほどのように債権譲渡通知を受理した。この債権譲渡通知の内容の中に、町田市に対する債権はないと明言されて、それもコピーをいただける、こういうことでございますから。ただ、それと、ここに書いてあるから私は聞いているんですよ。債権譲波登記ですから、登記をするには登記をする裏づけがないと債権の登記ができないはずなんですよ。だから、この内容を私は聞いているんです。それが町田市に関係するものなのか、全く関係ないのか、そのことをお聞きしているので、お答え願いたいと思います。
 それで、もし関係がないというのであれば、この部分についてもコピーの資料の請求をお願いいたします。
○議長(中里猪一) 助役 高山譲二君。
   〔助役高山譲二 登壇〕
○助役(高山譲ニ)本件につきましても、顧問弁護士と相談をした上でやっておりますので、先ほどと同じように、町田市の中で問題はないというふうに理解をしております。
○議長(中里猪一)17番 戸塚雅夫議員。
○17番(戸塚雅夫) 関係ないと理解をしているとかということじゃなくて、関係ありませんとはっきり言ったらいいんじゃないですかね。
 それで、これについての資料はお願いできますか。それに対してお答えをいただきたいと思います。
○議長(中里猪一) 助役 高山譲二君。
   〔助役高山譲二 登壇〕
○助役(高山譲ニ) プライバシーにかかわる部分を除きまして、努力をいたします。
○議長(中里猪一) お聞き及びのとおりです。
 23番 佐藤常雄議員。
   〔23番佐藤常雄 登壇〕
○23番(佐藤常雄) 2月10日の記述の中に「施工能力に問題ないことを確認した」という一節が
ありますが、どういうことを確認した上でこのように断定されたのか、お尋ねいたします。
○議長(中里猪一) 助役 高山譲二君。
   〔助役高山譲二登埋〕
○助役(高山譲ニ) 1つには、私どもも、共同企業体をやっていく点におきまして、1グループ3社以上、その中で850点以上、こういうことの問題がない点が1つ。いま1つは、3社の中で自分たちの今までの実績を踏まえていく中で、こういう点はやっていさます、こういうことの関係でございます。
○議長(中里猪一) 23番 佐藤常雄議員。
○23番(佐藤常雄) 施工能力に問題ないことを確認したと大みえを切れるほどの確認事項なのかなというふうに一瞬思います。特に財務内容についての確認は万全であったかどうか、このことの後なんですから。設計屋さんがこれは必要だと指摘した材料を、資材を確保できる信用力があるのかどうか、この辺、確認しなければ、これは確認したとは言えないと思うんです。
 あわせて、前途金について、これは従来どおりなのか変更があるのか、この辺もあわせてご答弁願います。
○議長(中里猪一)助役 高山譲二君。
  〔助役高山譲二 登壇〕
○助役(高山譲ニ) 先はどから申し上げておりますように、私ども、今回のそういうことがあった中で、町田市の地元企業として数々の協議をやってくる中で、率直に申しまして、財務内容は従前の経営審査の内容でございます。
 それと前途金につきましては、従来どおりの額でございます。変更はしておりません。(「前途金」と呼ぶ者あり)前途金は、今申し上げましたように、金額は従前どおりの額で変更しておりません。
○議長(中里猪一) 資料配付のため、休憩をいたします。
             午後8時34分 休憩
           一−−く〉−−−−◇
             午後8時35分 再開
○議長(中里猪一) 再開いたします。
 先はど志村議員が質疑を留保しておりますが、その件について質問はございますか。
 32番 志村賢蔵議員。
○32番(志村賢蔵) ただいま内容証明のコピーを見させていただきました。
 この内容を見ますと「此度、当方の事情により、当方が貴殿に対して」、これは町田市を指しておるわけですね。「有する後記表示債権を左記譲受人に譲渡しましたので本通知が到着後は譲受人に直接お支払い下さい」、こうあるわけですね。「譲波債権の表示」というところで「本日現在、貴殿に対する売掛代金の全額にて未払い代金」、こう表示されております。町田市の弁護士に確認したところ、そんなものはないんだから返事を出す必要がない、こういう弁護士の見解だということでございます。
 しかしながら、公平なる裁判所に、恐れ多いですがということで訴訟を柏手が起こしていったときには裁判ざたになるんですよ。ないないと言っても、こちらはありませんということを相手に通告していないんですからね。だから、これはあるとしかとらえられないわけです。ないのであるならば、なぜこんなものはございませんという通知を相手にしないですか。(「弁護士、参考人だな」と呼ぶ者あり)
 私が仮に債務者でありましたら、町田市に未払い請求の請求書を出しますよ。そういうことになりますので、そういう債権というものはないということを町田市が明らかに表明しなければいけないわけなんですよ。弁護士がする必要がないからということでございますけれども、ちゃんとこういう郵便局が内容を証明した内容でございますからね。ここを見ると、恐らくどなたが見ても、すべて債権があるというとらえ方をするんですよ。しかも「売掛代金の全額にて未払い代金」と事細かく書いてあるんですからね。
 ですから、この今日の工事じゃなくしてほかのものがあるのか、もしほかの′ものがあるのであれば、それはそれとして正当な理由でございますから、それはそれで述べていただければ結構でございます。
○議長(中里猪一) 助役 牧用秀也君。
   〔助役牧田秀也 登壇〕
○助役(牧田秀也) 大変失礼いたしました。
 まず、未払い代金につきましては、町田市がこの大電工業に対して工事を行っていただいて、まだ代金の支払っていないというような部分については一切ないということは、代金については私どもが確認をしています。
 それと、この通知書に対する法的なことについては、そういう弁護士のお話だったわけでございますが、その後、債権譲渡通知撤回通知書というものを相手方からいただいております。(「それはないよ」と呼ぶ者あり)
○議長(中里猪一) 32番 志村賢蔵議員。
○32番(志村賢蔵) 仏の賢さんと言われておるんですが、いささか私もあきれて腹も立ちません。皮肉を申し上げているわけではございませんけれども、この時間まで40人の議員が真剣に討議しているものについて、後からぽろぽろぽろぽろ出るようだったら、これはもうどうしようもないですよ。なぜ意図的にそういう答弁をするんですか。それから、先はど税務署からこちらに転送される法人住民税の写し等々について、バランスシートがついてくるでしょうから、当座比率、流動比率、そういうものは全部調べることができると私は指摘しました。現実にそれはついてきていると私は認識しておりますが、どうでしょうか。それについても確認をしておきたい、そういうことでございますので、もうこれで終わると質問ができないから、的確な返事をしてくださいね。
○議長(中里猪一) 助役 牧田秀也君。
   〔助役牧田秀也 登壇〕
○助役(牧田秀也) 取り下げの通知について、本当に申しわけございませんでした。私が最初に答弁をしたとさに、そP書類が釆ていることについて、私が失念しておりまして、本当に済みませんでした。
○議長(中里猪一) 助役 高山譲二君。
   〔助役高山譲二 登壇〕
○助役(高山譲ニ) 済みません。今の問題は私に責任がございますので、担当助役として大変失礼いたしました。
 それと、法人決算期別、あるいは関係につきましては、ファイルされているので、今、検索できません。現在、オンラインシステムがとまっている関係がございますので……(「今出せとは言っていないよ」と呼ぶ者あり)はい、明日調べて報告をさせていただきます。(「そういう書類があるかないか」と呼ぶ者あり)確認をしてご連格させていただきます。(「税務部長、あるのかないのか言えばいいじゃない」と呼ぶ者あり)
○議長(中里猪一) 税務部長 大泉利彦君。
(「ないんであるならば、何をもって法人住民税を課税するか、それだけご答弁ください」と呼ぶ者あり)
○税務部長(大泉利彦) 法人税関係で、法人税の所得割関係が課税されるようであれば、税金がかかっていると思いますが、均等割関係で多分出ているのではないか。もし赤字でなければ、均等割関係で出ているだろう。まだ確認はできておりませんけれども、また後日、確認しておきたいと思います。
○議長(中里猪−) ほかにありませんか。

 〔「なし」と呼ぶものあり。
議長(中里猪一) これをもって質議を終結いたします。

(吉田勉 注: この後、「議事日程追加の1 日程第2 行政報告、都市計画税誤りについて」が続行し、議会は延々と続く。議会が無駄な会議をやっているかどうかは、これ記録をみてご判断いただきたい)

j11206081 <「鶴川中学新築工事の落札業者の契約辞退と倒産」の記事は、この行で終わります>


● 学校移転新築工事契約(指名停止問題!) 委員会審議の全文
◎ 前書き
 平成12年2月8日臨時議会が招集され、鶴川中学移転新築工事の請負契約案件が議会に提案されました。直ちに、総務常任委員会に付託され、下段の審議経過と結果になれのした。41億円もの工事契約金額であり、建築、設備、空調、電気工事の4部門に分けて、それぞれ入札が行われました。
 指名業者は、全て市内の会社とされ、工事の規模が大きいことから、それぞれ5社以上の企業でグループを組むことになり、指名業者数によって、3つのJVを組ませることになりました。建設工事の落札業者の中には、他の指名入札で談合疑惑問題をお越し、入札辞退の会社が出たり、電気工事の落札会社では、入札後に筆頭の幹事会社が倒産するなど、話題が多い工事契約となりました。
 なお、この契約を審査した2月8日の本会議終了後、上記の会社から工事契約辞退の通知が届くという、議員サイトから見ると極めてミステリーな経過でした。その間の問題については、その後の平成12年3月の議会で問題となり、本会議の中で特別報告を行い、議員が質議をする方法が採られました。私の発言もありますが、まだ、議事録が作られていないところです。議事録が出来た段階で、記事とする予定です。一連の続きの記事とご理解下さい。
◎ 総務常任委員会の全文(非常に長い、ものです)
 なお、吉田つとむが総務常任委員長を務めており、委員長とあるのは吉田の発言です。
 (この臨時議会を最後に、2年間の委員長職の任期を終えました。この3月議会より、都市環境常任委員を務める)
平成12年2月8日開催、
○委員長 ただいまから総務常任委員会を開会いたします。
 本臨時会におきまして、当委員会に付託されました案件について審査を行います。
 審査順序につきましては、お手元に配付してあります順序に従い進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
○第10号議案〜第13号議案
○委員長 第10号議案から第13号議案までを一括議題といたします。
 本案について、提案者の説明を求めます。
○総務部長 それでは、第10号議案から第13号議案まで一括してご説明申し上げます。
 先ほど本会議場で中身の問題については説明があったわけですので、私の方から契約に至る経過のお話をさせていただきたいと思います。
 鶴川中学校の移転に伴います工事につきまして、市内の経済状況が大変厳しいというようなことから、市内業者だけでできないだろうかということをいろいろ検討いたしました。そういう中で、市内業者のジョイントベンチャーならできるということで、11月29日に指名選定委員会を開催いたしました。
 その中では、建築工事につきましては17社を指名いたしまして、条件としまして1グループ5社以上で3グループを結成していたださたいということで17社を指名いたしました。また、術生設備工事につきましては15社を指名いたしまして、1グループ3社以上で3グループ以上つくっていただきたいということで、ジョイントを組んでいただきたいということでやっております。また、空気調和設備工事につきましては10社を指名いたしまして、1グループ3社以上で3グループ以上つくってほしい。電気設備工事につきましては14社を指名いたしまして、1グループ3社以上で3グループ以上つくっていたださたい。グループをつくっていただいて、そのグループの中で入札を執行していこうということでございます。12月7日に共同企業体の受け付けを行いまして、資料の配布を行いました。そして、12月27日に入札を行っております。この入札につさましては、この4つの工種ともに2回やったわけですが、いずれも落札に至らず、地方自治法第167条の規定に基づきまして、一番最低の札を入れたグ
ループと見積もり合わせを行い、その結果、下回ったグループについて落札ということにいたしました。その中で校舎の方の新築工事のグループにっきましては、了社のグループで落札という形になったわけですが、その後、1社から1月6日に建設共同企業体の脱退届が建設共同企業体に出されまして、企業体の中で検討していただいた結果、6社でやっていこうということで協定の変更届が出されております。
 そういう中で、まだ落札をして仮契約までいっていなかったわけですが、落札したときが7社であって途中で変更が出て契約−−議決を通って契約するわけですが、その途中で6社に変わるということから、要するに同じ企業体とみなされるの
かどうかということで東京都の方に確認いたしました。その結果、仮契約以前であるということで、当該共同企業体と正式な文書を交換していない段階なので法律的な問題は生じないということで、今回、建設工事につさましては6社のジョイントというような形で議案として送付をしたものであります。
 あと、この4つの工事につきましては、工期としましては先ほど本会議場でも言いましたように、14年4月までにはぜひ開校したいということでございますので、ぜひきょうの委員会での承認をいただきまして、今、議会での議決をぜひ、いただき工事に入っていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○委員長 これより一括して質疑を行います。
○殿村委員 まず初めに、ジョイントベンチャー方式の指名選定による入札方式についてですが、一般的な質問をしますけれども、こういった形態の入札を行う場合、いわゆるどの会社とどの会社がジョイントベンチャーを組むか。市の方からし
てみれば、こういう条件でグループ分けをしてくださいということになるわけですが、それらのどの会社とどの会社がグループを組むかということについては、現在の法のもとでどこまで認められている−ちょっと言い方があれですが、どういう形態がとられているのか。つまり、どのようにして、どの会社と組むということが行われて入札に至るのかということについてご説明いただけますか。
○総務部長 先ほどもちょっとお話ししましたように、市の方としましては、例えば建築工事については17社を指名しまして、その17社を集めましてジョイントを組んでほしい。条件はこうですということで、そこまででございまして、それから先については一切関与しておりません。そういう中で説明会が済んだ後、その17社の中で組み合わせができまして、市の方に届け出が出てくるということでございまして、その途中の経過というものが市の方では一切わかりません。また、関与すべきではないのではないかなというふうにも思っております。
○殿村委員 先ほど本会議で、いわゆる上請、丸投げ、建設業法で禁止されている問題についてですけれども、市としては、どういう形態、どういう内容が、つまり建設業法で禁止される丸投げに相当すると判断しているのか、まずその点につい
て見解をお聞かせください。
○総務部長 丸投げということでございますから、契約はして、そっくりそのまま自分では手をつけずにほかの人にやらせるというのが丸投げというふうに理解しております。当然、丸投げというよりも、1つの工事をやるときには、例えばその中に特許の部分があるとすれば、特定の会社しかできないとかいろいろあります。ですから、その部分は下請という形で使うだろうし、そういう意味でいえば、それは丸投げというふうには理解しておりません。一切自分で仕事をしない、契約だけはして自分では仕事をしないで、すべてをほかの人に任せるというのを丸投げというふうに理解しております。
○殿村委員 当然、地元中小企業の技術力のアップや仕事をふやすという観点からすれば、そうした一部特殊な技術は除いたにしても、かなりの部分を分量的にも技術的にも、地元が請け負っていくということが今回の目標であると思うんですけ
れども、今回の場合、つまり、いわゆる特殊技術と言われている部分で、部分的にではあるにせよ、まずゼネコン等への発注があるというふうに市の方で見ているのかどうか。
○総務部長 特殊技術があるかどうかというのは私もよくわかりません。先ほど一般的なお話をしたわけですが、今回の工事について、そういうものがあるのかどうか、ちょっと休憩していただいて、担当の職員を呼んで説明させていただければ
と思っています。
 基本的には、特許とか、そういうもの以外はまずあり得ないというふうに思っております。特殊な特許とか、そこの会社しかできないものとか、そういう特許的なもの以外は、まずあり得ないだろうというふうには思っております。
○委員長 休憩します。
             午前10時45分 休憩
            −−◇−−−◇
             午前10時46分 再開
○委員長 再開いたします。
 ほかの方、質疑はありますか。
○藤田委員 1つだけ確認させてください。全協等でも出ている問題でありますけれども、今回、4議案の総額が41億円だと思いますが、最終的に契約で出てきましたので、今回の鶴川中学に関しての総額、土地代あるいはその他も含めて幾らの
事業になるのか、最後に確認させていただきたいと思います。
○総務部長 ちょっと土地代は確認しておりませんので、それも担当部が釆た中でお答えさせていただければと思います。
○志村委員 基本的なことをちょっとお尋ねしておきたいんですが、町田市の要綱要領集の中に契約に関するランクの問題とか、いろいろと書かれております。
 まず1点は、17社を指名したということでございまして、これは建築の部分で17社を指名したということでございますが、町田市の要綱を見ますと、5億円以上の工事に携わる業者はAランクということになっているわけですね。町田市のAランク。したがって、この17社はすべてAランクであったのかどうなのか、その点が1点でございます。Aランクというのは、建築一式工事では1,250点以上でございますね。ですから、それを1つ確認したいということが1点でございます。
 それから、工事請負等入札参加者資格審査格付基準という中にあって、客観的審査というのが第7条にあります。客観的事項の審査は、建設業法(昭和24年法律第100号)第27条の23第1項の規定に基づく、建設大臣又は都道府県知事が行う経営に関する客観的事項の審査(以下「経審」と言う。)の結果の数値を採用する、こう述べられておるわけでございますが、この17杜の選定に対しては、ここに書かれているようなことが行われ、それぞれのものが適格者であったかどうか、差し
支えがなければ一覧表等をつくって出していただければ助かるわけでございますけれども、いかがでしょうか。
 その2点です。
○総務部長 町田市には工事請負入札参加者指名基準というのがございまして、ただいまお話がありましたように、建築工事につきましては5億円以上は10社以上というような形で、基本的にはAランクと言われているところでするわけでござい
ます。ただ、今回は、第8条の特別というのがございまして、その第4項、特に市長の認めたものということで、先ほどちょっとお話しいたしましたが、現在の厳しい市内の経済状況等を勘案して、できるだけ市内業者の中でやっていきたいということから、指名基準どおりではないわけですけれども、ジョイントであればできるのではないかということで、今回17社を指名いたしましてジョイントを組んでいただいたということです。
 この業者につきましては、市内業者はAランクは1社もございません。それは、いわゆる先ほどお話がありました経営事項審査制度という制度の中で点数がつくわけですが、建設大臣の認可を受けております会社は建設大臣が書類を提出させて
評点をつけます。それから、都知事認可の会社は都知事が診断点をつけて各会社に全部戻します。そういう経営審断点につきましては、うちの方は入札の指名参加願のとさに、それをつけて出していただく。その点数によって市独自の基準でAラ
ンク、Bランク、Cランク、Dランクというランクづけをしております。今回の工事につさましては、Aランクは1社も入っていないということでございます。
 先ほどお話がありましたランクづけの一覧表については早急にお出ししたいと思います。
○志村委員 もとより市内業者育成という基本的考え方があるから理解しないわけではございませんけれども、今ご答弁いただいた中にあって第8条、次の各号の一に該当する場合には、第3条から前条までの規定を適用しないことができるとい
うただし書きで特別ですね。(1)、特命随意契約に係るもの、(2)、特に緊急を要する工事、(3)、特別の技術を要する工事、(4)、工事の佐質又は目的により特に市長の認めたもの、多分これを適用されたと思うんですね。工事の性質又は目的によりという点をどう今回解釈されているのか。これは市民の税金を使ってやりますから、市内の業者に立派なものをつくっていたださたいという願望は全市民が持っておると思うわけでございますけれども、やはりいろんな見方をしますので、これの解釈を求められたときに、それなりの答弁をしていかなくてはなりませんので、あえてお尋ねしたわけでございますので、その辺についてお尋ねをしておきたいと思います。
 それから、客観的審査という状況について、国もしくは東京都が、いわゆる経営に関する事項の審査を行っておるわけで、指名願を出すときに、そういった添付書類を出されることは私も承知しております。昨今の経済状況の中にあって、今回いわゆる指名に指定された業者さんの指名参加願は咋年の1月だったですか、一昨年の1月だ つたですか、どちらでしょう。ということは、時間的経過がございますので、その辺をどう対応されたか。あくまでも一昨年のとさのものを基準にしたのか、去年のものを基準にしたのか、その辺、もう1点ですね。
○委員長 総務部長に先にちょっとお尋ねしますが、先ほど志村委員が資料請求したいとおっしゃった分はすぐそろいますか。
○志村委員 いやいや、それはもう今、言葉で出たから点数はいいです。
委員長 先ほどのリストの件がありました。よろしいですか。
○志村委員 17社が全部1,250点以上ですかと言つたら、そうじゃないと言うから、それは結構です。
○総務部長1点目の指名基準の第8条の関係でございますけれども、工事の性質または目的により云々ということで、工事の性質としましては学校の校舎ということであって、特別な技術というものもほとんど必要ないであろうというようなこと、また、工事の目的は、当然校舎をつくるわけですが、その目的を達成するために市内業者でやることのメリットといいますか、市内の業者に対する現下の厳しい状況の中で何とか市内業者にお願いしてやってもらうんだということでの市長の判断といいますか、そういうものがあって今回こういう形になったということでぜひご理解をお願いしたいと思います。
 それから、経営事項審査制度の関係ですけれども、経営事項審査の総合評点数につきましては、指名参加願が出されたときのものを現在使っております。
○志村委員 だから、それはいっですか。
○管財課長 昨年2月に指名業者の登録を受け付けまして、それに基づいて咋年4月から適用しているものです。それを基準に判定させていただいております。
○志村委員 咋年2月に指名願を出されるときに添付された経審の内容は、実質的には一昨年の1年間の実績と受けとめるわけでございまして、期間的経過でいうと2年経過しておるわけなんですね。そういった形の中で、それを適用するという
 ことになると、2年間の経過の中においての経営形態の違いというのは、やはり捕捉する必要もあったのではなかろうかと思うんですけれども、その辺についての配慮等はどうとらえていたのか、その辺だけ1点確認しておきます。
○総務部長 今のお話、大変難しいお話でして、市独自で調べるということが大変難しい問題です。したがって、市の方としては、建設大臣なり東京都知事が出した評点を信じる以外、今の段階ではそれ以外の方法がなかなか見つからないとい
う状況だと思っております。この経営審断点につきましては、基本的には会社の決算が終わるごとに受けなくてはいけないようになっておりまして、したがって、2年間の登録期間がありますので、当然途中で新しいものが出るはずなんですね。それについて今までは余り要求して出していただいていなかった部分もあったようです。今後は、できるだけその辺も最新のものをっけていさたいということで、これから各業者の方には徹底をしていきたいというふうに現在思っているところです。できるだけ最新のものにしていきたいということでございます。
○委員長 休憩します。
             午前10時59分 休憩
           −−−−◇−−−◇
             午前11時 再開
○委員長 再開いたします。
○殿村委員 本会議の質疑の中でも建設業法で丸投げはできない、これは明確に規定されているわけで、そういう答弁もあったわけですが、同時に、専門部分についてはあるんだという答弁でした。この専門部分ということについて具体的に説
明していただきたいと思います。 例えばよくあると思いますが、超高層ビルの超高層をつくる技術であるとか、これをゼネコンが持っているという場合がよくあるんですけれども、今拘の場合は、それぞれの契約についてどの契約の部分で具体的にどういった専門的な特殊技術を要するのか、要しないのか。それを請け負うとすれば、それを請け負うのはどういうところが
 請け負うのか。ゼネコンなのか、そうでないのか。また、請け負う場合、請け負うに当たって工事のそれぞれの金額、割合はどのぐらいになると見ているのか。とりあえず、その点について答えていただきたいと思います。
○学校施設担当参事 今拘の鶴川中学校の計画の中で、いわゆる専門といいますか、特許物件は特にありません。ただ、専門と特に言われますと、一部制震工法を採用しています。これは平面でもごらんのとおり、一部重層の部分があります。しかも最上階に重たいプールを載っけているということで、制震工法がなくても、現行の構造基準ではもちますけれども、より安全を期したということで制震工法を採用しています。これは構造、柱はりの間に制震部材というのを入れまして、全部
で40カ所、40ポイント入れていますけれども、大地震が来たとさに柱はりに地震力が入る前に、その制震部材がまず受け持っというふうなことになっています。
 これは制震という非常に高度な技術なものですから、いわゆる言われているような大手のゼネコンが開発した、ちょっと今、会社の数は忘れましたけれども、10社ぐらいは多分あると思いますけれども、そういったものを採用してもらうという
ことで、設計の段階では性能発注になっています。一定の条件をクリアするものを使ってくださいということで性能発注をしているわけですけれども、もう少し専門的な話になりますが、過去の大きな地震の波を一地震の揺れといいますか、一定のこういう地震のこういう波を入れてくださいということで、今回は性能発注で発注しています0そういう意味では、その部分が言われているような専門工事といいますか、そこに該当するのかな、こんなふうに思っています。
○委員長 割合とかまでわかりますか。
○学校施設担当参事 それに要する工事費、これはもう1億円以下です。○殿村委員 そうすると、確認しますと、今回の
4つの工事の契約に関しては、この制震工法の部分だけが、いわゆる特殊な工事手法ということであって、ほかにはそういう意味では部分的な、いわゆる上請等に当たるようなものは全くないというふうに断言できるかどうか。
○学校施設担当参事 上請云々という話は、私どもはちょっと想定はできませんが、少なくとも今までの過去の学校、いわゆるかまぼこ型みたいな従来の学校よりは設備の面も、一中、南中を含めて非常に多くなってきています。そういう意味で
は今までの学校とは違いますけれども、いわゆる高度な技術といいますか、そういう面で特に今まで一般の事務所ビルよりもちょっといろんなものも使っていますけれども、特にそういうものはないと私どもは考えています。
○殿村委員 そこのところをもう少し明確にお聞きしたいわけですが、つまり一番あってはならないことは、ゼネコン等に対する丸投げ、こういうことは明確に建設業法でも禁止されているわけですが、同時に、丸投げというふうな、いわゆる最
初に総務部長さんにお聞きした中では、全部任せることだというふうに言われましたけれども、全部でない場合、全部でなく、半分ぐらいなのか、かなりなのか、少しなのか、そういうことが仮に上請という形であるのかないのか。さっきお聞きしたら、これは特殊工法という点で1億円ぐらいの仕事はある。しかし、それは別にゼネコンに限ったことではないという答弁でし
たから、そうではなくて、いわゆる建設業法には触れないけれども、幾らかの割合でゼネコンに対する仕事の発注が、つまり元請から新たに、いわゆる普通でいえば下請ということになると思いますが、そういう形であるのかないのか。これが仮
にあるということになれば、当然どのぐらいということが問題になってくるし、地元業者の仕事の機会を拡大する。そして、技術も向上させるということが今回の契約の1つの目的ですから、やはりそこのところをよく見ておさたいと思いますの
で、お答えいただきたいと思います
○総務部長 普通でいきますと、まず契約が終わりましたらば工程表をつくりますね。そういう中でいっ、どういう工事をやる。それに伴って必要な下請については、こういうところを使いますというのが出てきます。それは契約が済んだ後、そ
の受けた業者が決める話であって、現在ここでまだそういうのが一切ない中で、使うのか使わないのか、どうなんだと言われても、それはちょっとお答えできない部分なんです。実際に契約が済んで、その後でないと施行工程等ができませんか
ら、そういう中でないと下請をどこに使うというのも出てこないということになっておりますので、そこまでいかないとちょっとわからない部分なんですね。
 事前にそれをどうのと言われても、業者の方にはゼネコンみたいなものを使うのではなくて、市内業者ででさるだけやるんだから、部材等についても全部市内で調達するようにということは言えますけれども、絶対にゼネコンみたいなところを
使っちゃだめだよというところまで指導でさるかどうか。それは言うことは言ったとしても、実際の工事をやる中で必要な部分は使わざるを得ない部分が出るかもしれませんし、それはちょっと今の段階ではわからないということだと思います。
○殿村委員 今の段階でわからないとおっしゃいますけれども、まず市の姿勢としてはそこのところはどうなんですか。言った上でどうなるかわからないということはあれですが、法的な拘束力がどこまで及ぶか、及ばないということはいろいろあると思いますけれども、あるいは今の時点では言えないという問題もあるかもしれませんが、今回の契約をするに当たっての市の姿勢、地元中小業者育成のためにということを最初に言われているわけですから、そういう上で、いわゆるゼネコン等に対する上請、これは丸投げでないにしても、そういう問題についてはどういう姿勢かということをお聞きしたいんです。
○総務部長 出発が市内業者の育成というか、市内の現在の経済状況が厳しい中で、ぜひ市内の業者でやっていただきたいということが出発点でございますから、姿勢としましては部材等についてもできるだけ市内の業者を使っていただきたいというふうな基本的な姿勢は持っております。
 ただ、それを業者の方にはもちろん伝えますけれども、実際に工事をやっていく中では、それでは間に合わないという部分が出るかもしれませんし、それはまだちょっとわからない部分があるわけですが、姿勢としてはできるだけ下請としても市内の業者を使ってほしい。部材等についても、市内の業者から買ってほしいということは伝えてはいきたいというふうに思います。
○殿村委員 契約の後、工事の報告書ですか、それを出す段階で、いわゆる下請だったり上請だったりという形でどうするかということが当然報告がなされるわけですね。今回の場合、趣旨がそういう中小業者優先という形ですから、当然割合と
いったところも、やはり一定の金額のめどとして判断されるべきではないかなと。その仕事の、つまり請け負う金額ですね。さっきから言っていますように、丸投げでないまでも、仮にゼネコン等にどうしてもその部分の仕事を必要とするといった場合に、その仕事の割合、請け負う金額、これが全体のどのぐらいを占めるかというあたりを当然見ていかなければならないと思うんですけれども、そのあたりも含めて契約後の段階でチェックしていく考えがあるかどうか。
○総務部長 1つの工事をやるときには、いろんな業者がいっぱい入ります。そういう中で必要ないものといいますか、特別にこれだけはこの業者でないとできないというものは、当然それは金額に関係なく出さざるを得ないと思うんですね。
 しかし、それ以外の部分については、極端な話、どこの人でもできるというようなものであれば、できるだけ市内を使ってほしいということは要望しますけれども、金額でどうのこうのという
話ではなくて、工事の内容での話になると思いますので、金額云々ということにはちょっとならないのではないかなというふうには思います。
○殿村委員 だから、その内容の結果が金額であって、こういう不況のもとで地元業者の仕事確保、機会を拡大するという目的のために、地元の業者にジョイントを組んでいただいて今回の仕事をやっていただくわけですから、当然その結果と
して仮に半分以上の内容がゼネコンでなければならないというようなことで、結果として契約した約数十億円のうちの半分がゼネコンに回るというようなことがあったのでは、これは地元業者育成ということには結果としてならないわけでしょ
う。そこのところをお聞きしているわけですよ。
○総務部長 先はど教育部の方からお答えがありましたように、特殊なものは制震構造、地震の関係で制震の部分については、金額的には約1億円弱ぐらいではないかというお話ですから、これは特殊な会社しかできないということですから、そ
れ以外の部分では今、殿村委員さんがおっしゃるようなことはまず考えられないと思います。市の方としても、そういうことのないようには十分注意をしていきたいというふうに思います。
○殿村委員 さっきの話と違うじゃないか。学校施設担当参事の答弁と違うじゃないか。
○委員長 休憩します。
             午前11時16分 休憩
            −−−◇−−−−◇
             午前11時17分 再開
○委員長 再開いたします。
○総務部長 先ほどの1億円弱というお話、5,000万円程度というふうに訂正させていただきます。
 ご存じのように、工事をやるとさには工種がいろいろ分かれます。くい打ちはくい打ち専門の業者とか、あるいは窓のサッシはサッシメーカーとか代理店、そういうような形で分かれます。したがって、おのおのの工程、あるいは部品の中で、例えばサッシですと、性能指定でこういうサッシとなったときに、日本軽金属とか大きい会社の製品を使うこともあるわけですから、そういうのは別に我々とすればゼネコンヘの依頼というふうには見ておりません。
 したがって、先ほどから言われておりますように、全体の工事の中の5割以上がゼネコンに行くのではないかみたいなお話はまずあり得ないというふうに思っておりますし、それは当然工事の監理をやる部分においても十分チェックしていきたいというふうに思います。できるだけ市内業者の育成になるような方法でやっていきたい、指導もしていきたいということでございます。
○殿村委員 製品や部品でそういうこともあり得るとは思いますけれども、あと、例えば人員というか、工事をされる方たち、あるいは監督をされる方だとか、つまりゼネコンから派遣されて実際にそこに入る。いわゆる元請業者の中に入ると
か、一緒に仕事をするとか、いろんな形態が−これはあくまで想定ですよ。実際問題、そういう形で、いわゆる上請というようなことがあり得るのではないかというふうに思うんですけれども、そういうことも基本的にはない方向で対応したいということで考えているのかどうか。また、それをどのように市として監督指導する体制をつくっていくかということについてお答えください。
○建築工事課長 今のご質問ですけれども、基本的に私どもとしては、入札した時点で共同企業が会社として1つ構成されますので、それに派遣される職員につきましては、私たちは主任技術者、現場監督員届等の書類で経歴も含めて一切提
出させますので、その辺の段階でチェックはできるというふうに考えております。
 
○殿村委員 最後にしますが、改めて事実上の上請というような形にならないように、これはやはり何段階かに分けてチェックしていただきたい。実際、こういう工事に限らず、その報告書と例えばいろんな道路の警備とか、実態が違っているケ
ースというのはよく聞く話なんですね。つまり、行政の目が及ばないところでいろんな不正なことが行われているのではないかというようなこともよく耳にします。ですから、言いたいことは、やはりそこらのチェック体制を厳しくしていただきたいということを改めて要望しておきます。
○委員長 先ほど藤田委員の分が保留になっていますので、藤田委員からもう1度質疑してもらって答えてもらいます。
○藤田委員 今回、4議案の総計が41億4,225万円の契約内容でございますが、これはずっと全協等でも各議員から出ていたことなんですが、最終的に契約の段階で土地代及びその他を含めて、この鶴川中学校舎建設に当たっての総額を教えていただきたいと思います。
○教育部長 それでは、お答えをさせていただきます。
 今お話しいただきました建設費のはかに、土地代といたしまして33億7,295万7,110円、これを合わせますと75億1,520万7,110円、あと、これ以外に平成13年度に予定しておりますけれども、グラウンド整備、あるいは植栽工事等が見込まれています。これはまだ正式な積算をしておりませんけれども、1億数千万円かなというような感じではおります。
○藤田委員 本来は先ほど質問して、この金額を聞いて終わろうと思ったんですけれども、契約案件だからということで総務部長は把握していなかったみたいですけれども、我々、この契約の金額等、あるいは契約の内容等を審査するに当たっ
て、総額というのが非常に重要なベースになるわけですね。そういうことを理解もしていない、把握もしていない。
 先ほど教育の方も土地代を調べに走ったりなんかしていますけれども、この総額がずうっと全協等から言っていても全然出てこなくて、最後の契約の段階でもだれも把握していないという状況は、私は非常に問題だと思いますし、どういうような形でこういったことを計画しようとしているのか。総額も把握していないというのは、私は非常に怒りを覚えたということを最後に意見としてつけさせていただきたいと思います。
○古宮委員 本件の事業は、原点に返りまして、鶴川現校舎が突っ張りをかっても、もうどうしようもならないという、いわゆる耐震の面ですね。
そこで、お尋ねします。耐震には耐震構造と制震構造と免震構造がありますね。制震構造を選んだ理由、まず1点。
○学校施設担当参事 おっしゃるとおり、建物が地震にというか、外力に耐える工法として耐震工法、それから制震工法、免震工法、この3つがあります。耐震工法というのは、今、私どものこの庁舎でも入っていますけれども、柱はり、いわゆ
る構造体で横で踏ん張ってしまうんですね。文字どおり路ん張ってしまう。それから、制震工法というのは、先ほどもちょっと触れましたが、柱はりで踏ん張る前に制震部材で一部もたせよう、これが制震工法。免震工法というのは、文字どおり
建物と地盤と縁を切って、建物にほとんど地震力を入れない。こういうふうな3つの大きな違いがあるわけですけれども、今回制震を選んだのは、先ほども説明しましたが、耐震工法でもクリアはしています。
 ただ、構造が重層、いわゆる階層が学校にしては多いということと最上部にプール、重たいものを載っけている。当然のことですけれども、学校は避難施設ということで、とにかく耐震工法そのものは構造体にまるっさり被害がないという工法ではないんですね。今回は特に免震と耐震の中間、制震部材を入れることによって、まず制震部材で地震に耐えてもらおうというふうなことで今回特に制震を選んでいます。
○古宮委員 大事をとって耐震以上の制震にしたということは理解できました。ところが、さっきの説明の過程において、これは非常に新しい技術である。そこで、お尋ねしたいが、その制震構造の工事をどの業者がやるかということだね。この
6社はすべて町田市の業者であって、別に見くびるわけじゃないけれども、こういう特許を持ったところのことをやるだけの技術が恐らくないんだろう。そうすると、その業者が直接その工事に関しては監督、施工するんですか。
○学校施設担当参事 制震工法そのものは、先ほどもちょっと触れましたが、10社近くその技術をもう既に開発して持っています。その中には、いわゆるゼネコンと言われる業者以外にメーカー、製鉄会社といいますか、メーカーもあります。し
たがって、私どもでは、今回計画の段階で性能で発注しています。一定のこういう地震が来たときにも大丈夫なようにしてくださいという機能発注をしている。したがって、今回とったJVがどのメーカーを選ぶかというのは、これからJVが検討してやっていただける、こんなふうに思っています。
○古宮委員 最後に質問しますが、こうした共同企業体6社でやる。もし建設後、大きな瑠庇、そういうことが発見されたときには、だれが、どの社が責任をとるのか。共同企業体の一番の大きな懸念はここにあるんだね。だれが責任をとるの
よ。乗用車でも5年間保証期間があるぞ。70億円もかける建築に、だれがそれは責任をとるんだということが明確にならないと、私は知りませんじや、おまえ・・‥・・。
○学校施設担当参事 JVの一般的な考え方として、幹事会社というのが必ず決まっているわけです。ですから、JVが解散した後も幹事会社がすべて責任といいますか、面倒を見ていただける。
○古宮委員 この場合は幹事会社はだれだ。
○学校施設担当参事 石井工務店です。
○川畑委員 基本的なことをちょっと確認したいと思います。
 17社のうちの今回、5社以上で新築工事の指名の制限をつけたわけですけれども、5社以上にされたという根拠の説明がちょっとなかったと思いますので、改めて5社以上の説明をしていただきたいと思います。というのは、今回、5億円以上
の建物についてはBランクだけですよね。Aランクが入っていないわけでございまして、5社以上にすると、それと同等な信用があるというふうに考えてされていると思うんですが、この辺、5社とされた理由をもう1回お聞きしたいと思います。
 それと、やはり大変な金額の工事でありまして、資金繰り等が大変なことも十分に考えられるわけでありますが、このような工事の場合に前払い金とか中間金とか、いろんなお金の支払いがあると思うんですが、通常どのようにされているの
か。今珂、地元育成ということで大変いい企業体の試みをされているわけでありますが、これが通常と違って何か工夫されているのかどうか、通常どおりなのかどうか、お金の支払いについてお聞かせ願いたいと思います。
○総務部長 今回、17社を指名いたしまして、3グループ以上つくってほしいというのは、やはりグループの中での競争性も持ってもらいたいということでやったわけです。そういう中で経審の評点が850点以上の会社も必ず入れてほしいというような中でやったわけですが、5社以上とした確たる理由というものは特にありません。17社なので、市内業者とすれば3グループつくっていただくわけですから、当然5社以上になってもらいたいということで、できるだけ広くという意味での5社という単純な考え方でございます。
 それから、支払いの関係でございますけれども、当然現在あります規則にのっとってやるということになります。まず、契約と同時に保証会社の保証があれば前払い金を払います。それから、普通の工事ですと、工期が長い工事の場合ですと
出来高払いという形になります。これは出来高の90%、そこまでいったらば90%払いますよという形になっていまして、今、市の方で、ちょっとこの工事には間に合いませんけれども、中間前払い金制度というものを取り入れていこうかなという
ことで、今後の検討課題として今認識しているところでございます。今回の工事については、やはり現在の制度の中でやっていただかざるを得ないというふうに思っております。
○川畑委員 今の5社以上という説明の中で、むしろ5社以上というよりもグループの方を優先したというふうな理解をするわけでありますけれども、そうしますと、どちらかというと、5社以上のグループの信用度合いより、むしろ契約の競争をするために3グル}プでないといけない、このように判断したと考えていいのかどうか。
 私が非常に不安に思っていたのは、やはりグループにしたときのグループの受け皿がそれなりの信用性がないといけないのかなと。だから、5社以上という前提があったのかなと思ったんですが、今の説明でいくと、どちらかというと、指名の競争を優先するために3グループ以上というような説明と理解をしたわけですが、それでいいのかどうか、それを改めてお聞かせいただきたいと思います。
 もう1つは前払い金ですね。これは普通の共同体も同じかもしれませんが、この前払い金の管理は各構成員の方々がそれぞれに分割するのか、それとも一括してどこかで管理していくのか、これについてお聞かせ願いたいと思います。
○総務部長 グループが優先というふうでもないんですが、これだけの工事になりますので、やはり5社以上は必要であろうということで、また競争性を持たせるためにも、3グループ以上にしたいということで、両方というふうにお考えいただければと思います。
 それから、前払い金等の管理ということでございますが、それは市がこうしろああしろということではなくて、ジョイントの中で話し合って決めていただく内容というふうに思っております。まず、そこの辺までは、どういうふうにするかということは市の方では確認はしておりませんし、また今までもジョイントをやったときには、そういう確認は一切しておりません。グループの中でのお話ということになろうかと思います。
○川畑委員 最後の質問にしたいと思います。
 今回、初の試みで市内業者でこういった共同企業体をつくられたわけでありますけれども、今後、こういった市内業者の共同体というのは引き続さ可能性があり得るのかどうか、その辺についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○総務部長 基本的には、指名選定基準とか、いろいろ基準はあるわけですが、今回は特に現下の経済状況等も踏まえてということで特別な判断を下したということでございます。したがって、これから先、どういうふうな状況になるかわかりま
せんけれども、また同じような状況の中で、それなりの工事があれば、可能性はあるというふうには思います。ただ、それには今回ぜひこれで成功してもらうというのが前提としてあるのではないかというふうには思います。
○志村委員 先ほどの続さで恐縮でございますけれども、市内業者育成ということはきのうきょう始まった問題ではないわけなんですよ。過来から議会も声を大にして行政側に訴えてきておるわけでございますけれども、今回のこういう結果をと
らえてみても、この要綱は全然直っていないんですよね。市内業者を育成という観点があるのであるならば、本来ならばこっちを直しておかなければいかぬわけです。
 わかりやすく言えば、さっき言った、いわゆる内容の中の特別を適用したということになっておるわけですね。こういう特別で物を進めていくということは非常に不可解な問題が出てきてしまうんですよ。だから、その辺について、今後これを改正する考え方もあるかどうかというのが1点でございます。
 もう1点は、学校施設担当参事の方から今ご答弁がございました、古宮委員が質問いたしました瑕疵があった場合の責任体制はということでございますけれども、たしか今国会で今度は建設省が10年間の責任期間を設けるということが法令化さ
れるみたいなんですね。こういう形になってきますと、市内業者、幹事会社である1社が10年間その責務を負っていくということになると非常に厳しいものが出てくるわけなんですよ。その辺はどうでしょうか。その辺についての総務部の方の考え方はどうですか。
○総務部長 まず最初に、入札参加者指名基準でございますけれども、基本的な考え方は第4条にありますように、優先指名というのは、こういうことでやるんですよ。町田市内に本社または営業所を有するもの、これがまず最優先ですよ。この
考え方は変えるつもりはありません。したがって、今伺、本当に特別、特殊な形でやったわけですが、これが恒常化するかどうかということについては、先ほどもご質問がありましたけれども、今のところ先が不明でございます。
 したがって、現在の段階では、この工事をやったことによって基準を変えるということは考えておりません。当然、必要な改正はやらなくてはいけないとは思いますが、この工事に関しての改正というようなことは考えていない。
 それから、職痕責任というような形ですが、当然幹事会社が中心となって、ジョイントというのは工事が終わりますと解散しますけれども、会社自体は別々の形で残るわけですね。そうすると、幹事会社を中心として全体で責任を果たしていた
だくということになろうかと思うんですが、確かに10年のときにどうなのかと言われても、これは我々の方の立場とすれば、法律にもそうなっているので、10年間はぜひお願いしたいんだという以外、ちょっとお答えのしようがないんです。ずうっと会社があっていただくように願うだけというか、それしかちょっと言いようがないんですけれども。
○管財課長 瑕疵担保責任につきまして、ちょっと補足説明をさせていただきますと、共同企業体を構成しますと、建設共同企業体協定書というのを必ず市の方に提出していただいております。その18条というところに解散後の瑕疵担保責任とい
う規定がありまして、当企業体が解散した後においても、当該工事につき瑕疵があったときは、各構成員は共同連帯してその真に任ずるものとするという規定がございます。ですから、代表者の石井工務店に音頭をとっていただいて連帯責任、共
同企業体を解散しても、6社は責任を逃れられないという規定になっておりますので、一応補足させていただきます。
○志村委員 理論的におっしゃることはよく理解しておるんですよ。ただ、こういった経済情勢でございますから、どの会社も50年も100年も永久的に存在するという保証はないわけでございまして、ましてやこれだけのベースの工事でございま
すから、いわゆる契約金額が29億5,000万円。そういった形の中で10年間という形で枠をはめられてしまいますと、中小企業としては大変厳しい重荷を負うことになってしまうんですよ。
 そうしますと、先ほどからご説明のある、いわゆる特別という形の中でとらえていったときに、市内業者の育成が逆に市内業者に重荷を負わせてしまうということにもなるわけであって、その辺をどう考えているかと私はお尋ねしておるわけで
す。片方は、そうやりますよということであれば、片方においては市内業者は、そんな重いものをしょっていくんだったらば、できないよと言って仕事を遠慮してしまうということもなきにしもあらずということがありますから、その辺を今後の問題としてはどう検討していくのかを含めて考えているかということをお尋ねしているわけですから、よろしくお願いします。
○総務部長 先はどの各共同企業体の中で協定を結ぶわけですけれども、その協定の中では瑕疵責任はこうしましょうというのがあるわけですね。それは共同企業体として、そういう瑕疵はみんなで連携してやりましょうよと言いながら、この工
事をやりましょうとなっているわけです。
 もう1つは、基本的な話とすれば瑕疵がないような工事、要するに監督もきちっとやりながら、将来的な瑕疵がないような工事にするというのが基本だと思っているんですね。したがって、今回の場合でいいますと、各企業体の中でみんなの共同責任で暇庇については対応していきましょう。それで、この工事をやりましょうという協定を結んでおりますので、瑠庇が10年間と長い期間だからやめるという話は今回なかったわけですけれども、これから先、当然10年という法定期限があったとしても、会社がなくなれば、それは責任が追及できないわけです。そうなったときには、市の方でやらざるを得ないと思うんですね。したがって、最初に言いましたように、そういうことのないような工事の監督を強化するということが一番の瑕疵をなくす方法ではないかなというふうには思います。
○志村委員 努力を期待します。
○田中委員 校舎の新築工事について、5社以上についての質問について、広い意味で5社以上なんだということでありましてご説明があったので、その部分は理解をしたんですけれども、まず11月29日に指名業者選定委員会の中で校舎の新築
工事については17社を指名した。あと、衛生設備工事では15社、電気工事では14社というようなご説明がございましたね。わからないのは、17社、15社、14社ですか、それぞれの会社を指名している中で、どうしてこの数字の指名業者なのかなと
いうことがわからないんですけれども、その部分をまずご説明いただきたいと思います。
○総務部長 今回の指名に当たりましては、市内登録業者の中で、まず市の工事に対して実績のあるところ、それから経営評点で850点以上のところが入るような形での指名にしたいということで、市内Bランク、あるいはCランクの上位の17社を指名しております。ほかの工種につきましても同じような形で、市内の各業者につきまして市への実績のあるところ、あるいは実績がなくても、その工種についてそれなりの実績のあるところというような形で指名したわけです。したがって、ほとんどの市内の業者が大体指名の対象になってきたという内容になっております。
○田中委員 今の件はわかりました。それから、今回、4件契約があるわけですけれども、それぞれ指名があるわけですから確認をしておきたいんですけれども、指名競争入札、ただ、議案を見ますと契約の方法が随意契約になっております。したがって、随意契約に移る経過があったのではないかと思うんですけれども、その部分をご説明いただきたいんですね。
○総務部長 今回のこの工事につきましては、4件とも12月27日に入札を行いました。そういう中で4件ともそうなんですが、第1回目では落札者がなかった。第2回目も行って、それでもなお落札者がなかったということで、地方自治法の施行
令の中に落札者がないとさには随契がでさるという項目がありまして、それに基づさまして、市の方としましては2回目の落札金額の一番低いジョイントベンチャー、そことだけ見積書を再度徴収をして落札金額に至ったということで随意契約を
行ったということでございます。
○押田委員 今の田中委員の質疑に関連するんですけれども、2回の競争入札で落ちなくて、最終的には随意契約になった。2回目の、いわゆる競争入札では落ちなかった金額と市が契約した随意契約の差額は幾らになりますか。
○総務部長 すべて……。
○押田委員 第10号議案だけでいいです。
○総務部長 差額は4,000万円でございます。
○押田委員 結局、市の予算に合わなかったから随契にして、業者を泣かせて4,000万円下げて随意契約に持っていった、こういう解釈をしていいわけですか。
○総務部長 市は入札予定価格というのが決まっておりますので、そこのところまでいかなければ契約いたしませんので、入札予定価格を上向った契約はできませんから、泣かせたというよりは、入札予定価格まできたので、それ以下になったの
で契約ができたという内容でございます。
○押田委員 説明の仕方はどうあっても、結局、最終的には業者の、いわゆる請負契約が4,000万円下回ったということは事実だよね。そういうことでしょう。
○総務部長 業者の方で出した札よりはというこ
とでございます。
○押田委員 地場産業育成ということで、今回、この種の3グループで市内業者だけで入札させたというのは進歩だと思うんですよ。それはそれで歓迎するんだけれども、先ほど来いろいろ答弁を聞いていますと、下請ではなくて上請に対するい
ろいろなご批判もありましたけれども、市内業者育成ということになってくると、元請は市内業者ですね。業種によっては元請で、この5社なら5社がやるのではなくて、当然下請、孫請になってくる話も出てくると思うんです。建物が複雑ですから、根切りから始まって、校舎ですから棟はないかもしれませんけれども、屋上工事までいろんな業種が入ってくるわけですね。先ほど来ですと、部材も市内業者というような部長の答弁がございましたけれども、そうなってくると、下請も孫請も全部市内業者という枠をはめるんですか。
○総務部長 全部断定したわけではないんですが、できるだけ市内の部材も使ってはしいということを要望したい。また、当然下請、あるいは孫請という形も出てくると思います。そういう中でも使えるものであれば、市内の業者を使ってはし
いという要望はしていきたいというふうに思います。
○押田委員 もちろん、それを理想とするところですね。それで建物ができれば一番いいわけだけれども、結局は市内業者の育成もさることながら、市民の血税で四十何億かの工事費を含めて校舎を建てるわけですから、校舎の性能という言葉が当たるかどうかわからないけれども、でき上がった校舎そのものも予算以上のものができて、つくってもらわなければ困るわけですね。そうすると、余りそこで枠をはめてしまって、いわゆる部材業者も市内、例えばサッシなんかの場合にはメ
ーカーがありますから、それはともかくとして、仮に丸棒にしても鉄骨にしても生コンにしても、市内業者に限ってしまうと、むしろコストアップになってしまう可能性もあるわけね。
 それから、町田市内と相模原市とはいろんな関係で交流がありますから、市内業者で下請、孫請を相模原市の業者と提携している工事店もあるかもしれませんね。調べたわけではありませんけれども、当然常識的に考えられる。その辺はどうするのか。余り下請まで、孫請まで、あるいは部品まで市内業者という枠をはめてしまうと、逆にコストアップになってしまって、でき上がったものがいろいろと問題があるようなことになる可能性もあるのではないかなという気もするので、その
辺、どう見ておられますか。
○総務部長 先ほどから申し上げておりますように、できるだけ使ってほしいという要望を出すだけでありまして、市内業者でなければだめだというような限定はする予定は持っておりません。できるだけ使ってほしいという要望を出していきた
いということでございます。
○斎藤委員 今の押田委員の質問に関連してですが、市内業者育成ということは議員の各会派は、もうそういうことで気持ちの上では一致しているわけですけれども、ただ、これを強力に推し進めていくと、いろんな弊害もあるというふうにも聞
いているんですね。結果として、要するに最終的に高いものを市が買わされたということになる恐れが、今回の例、1つ2つの例では、そういうことは出ないかもしれないんですが、何年聞か続けていきますと、当然町田だけの仕様、町田スペシャル仕様みたいな形ができてきたり、いろいろな弊害もあるというふうに聞いているんですが、これはある程度の年数、今は緊急事態ということなんですが、この特殊な形態を例えばもう数年以内に限るというふうな考えはあるのかどうか、お尋ねします。
○総務部長 先はどもお答えしましたけれども、今回は特例というような形でやっておりまして、今後やるかどうかということについてまだ先行きは不明ということでございますので、今回の評価というようなものも、やはりやっていく中で今後の対応も考えていかないといけないのではないかというふうに思います。この方式ですべて今後やっていくということではございませんので、その辺についてはこれから先、また何かの案件が出たときに、それにふさわしいようなやり方があれば、またそれを考えていくということになるのではないかというふうには思っております。
○斎藤委員 ぜひ歯どめをひとつよろしくお願いしたいと思います。
 それから、28日の全協のとさに関連してなんですが、今回、建築工事の7社のうち、1社が辞退したということで、そのときに9社関連していて、12月の初めに9社が全員集まったというあれだったんですが、ある議員さん一名前は忘れましたけれども、何社かは行っていないはずだというふうな情報があると。もしこの辞退した会社が行っていない会社だったら大変おかしなことになりますので、その辺の経過はどうだったのか、お聞かせいたださたいと思います。
○総務部長 全協を受けまして、1月31日と2月1日に再度9社からヒアリングしました。その結果、全社が行ったことを認めております。
○今村委員 契約については各委員から話が十分になされたと思いますので、最後に1点だけ市の姿勢をお聞きしたいと思うんですが、工期が平成14年1月25日というふうに書いてありますが、地域、それから今の鶴中の1年生が自分たちは使えるのか使えないのかというのを非常にはらはらしている時点だと思うんですね。南中のときも、結局、プールを少し卒業生が泳いだということがありましたけれども、やはり1月ということであるならば、雪が降ったとか、工期がどうしてもおくれてしまう。大きな台風が来るとか、そういうこと以外はぜひ工期内にできるだけ早く終わらせて、今の1年生、そのときには3年生、卒業間近ですけれども、ぜひ使っていただけるようにという声がかなり大童く地域であるんですけれども、その辺、要望も含めて決意のはどをお聞きしたいと思います。
○教育部長 私どもも全くそう思っておりまして、少なくとも卒業式、あるいはその前にプールとか、あるいは小ホールとか、できるだけ使えるようにでさればというふうに思っております。
○委員長 ほかにありませんか。
   (「なし」と呼ぶ者あり)
○委員長 これをもって質疑を終結いたします。
 これより一括して討論を行います。
   (「なし」と呼ぶ者あり)
○委員長 これをもって討論を終結いたします。
 これより採決を行います。
 第10号議案について原案のとおり決することに
賛成の方の挙手を求めます。
   (賛成者挙手)
○委員長 挙手全員であります。よって第10号議
案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 第11号議案について原案のとおり決することに
賛成の方の挙手を求めます。
   (賛成者挙手)
○委員長 挙手全員であります。よって第11号議
案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 第12号議案について原案のとおり決することに
賛成の方の挙手を求めます。
   (賛成者挙手)
○委員長 挙手全員であります。よって第12号議
案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 第13号議案について原案のとおり決することに
賛成の方の挙手を求めます。
   (賛成者挙手)
○委員長 挙手全員であります。よって第13号議
案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上ですべての案件の審査が終了いたしまし
た。
 これをもって委員会を閉会いたします。
             午後零時2分 散会

j11204201「学校移転新築工事契約(指名停止問題!) 委員会審議の全文」はこの行で終わります。


● 資料:総務常任委員会 工事入札に関する一大事件の審議の全文
 平成12年1月19日に開催した、総務常任委員会の会議内容の全文を収録しました。内容の概略については、記事「工事入札の封筒が、他社に開けられた事件!(総務常任委員会)をご覧下さい。
 なお、下記の文章は、印刷物をOCR読み込みしたため、字句に若干の間違いがある可能性がありますが、工事入札に関する一大事件であるため、会議の発言の全文を収録いたしました。町田市議会は、委員会の議事を全文記録し、議事録として保存すると供に、コンピューターに記録データを保存しているのですが、オフラインで使用されています。さらに、フロッピーディスクへの読み出しも採用しておりませんので、議事録からOCR読み込みすると言う、非効率的な作業を強いられています。インターネットがこれだけ利用されているときに、時代感覚の無さにあきれます。同時に、この種の便利さを議会の皆さんに同意させ得ないでいる自分が情けなく思っていますが、今回のように実例で、その不合理さを解き明かしてまいります。
 総務常任委員会の委員長は吉田勉が務めており、副委員長は、今村路加議員が務めてくれています。記録の記載方法に関して、何点か補足いたします。
 @この記録は、行政報告と呼ばれるものです。問題事項について行政担当者が説明し、委員が疑問点について質議すると言う形式です。議案と違って、審議を経ても結論を出すというものではありません。また、委員の質疑と、担当者の答弁の間に、進行役である委員長の言葉があるのですが、委員会議事録では割愛されています。
 A審議の後半部分に、(吉田)委員長が休憩を宣告する場面がありますが、その休憩理由は、行政担当者と委員のやりとりに混乱を生じた時に取るものです。委員の質問内容を明確にするためにじっくりと再説明をする時や、委員が行政担当者の答弁を取り違えたて議論の進行が見えなくなった時などに休憩を取ります。この際も、そのケースです。
 B委員会の議事録の最後には、委員長が署名をすることになっています。実際には、一字一句をチェックすることは困難ですが、本会議の議事録は議長が、委員会の議事録は委員長が、職権で字句の訂正を行います。たとえて言えば、委員が、自分の発言中に適切でない言葉や表現をした際に、その訂正を委員会の中で委員長に申し出ると、委員長は字句の整理として、取り扱います。同様なケースで、自分で訂正を申し出ず、他の委員から「動議」が出て訂正や取り消しをした場合は、委員会の記録に、その経過が記録されます。

* 時期も移り変わり、当事者の状況も変化がありえたことだろうし、名称を伏せた部分もあります。(平成20年2月16日に追加訂正)

◎ 以下、総務常任委員会の審議内容全文です。
           午後1時4分 開議

○委員長 ただいまから総務常任委員会を開会いたします。
 行政報告について審査を行います。
 審査順序につきましては、お手元に配付してあります順序に従い進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
    ○行政報告(「町田437号線道路舗装改良工事その2」の入札経過について)

○委員長 担当者から、特定事件、契約事務について、行政報告の申し出がありましたので、これを議題にいたしたいと思います。
 行政報告、「町田437号線道路舗装改良工事その2」の入札経過についてを議題といたします。
 担当者の報告を求めます。
○総務部長 閑会中に総務常任委員会をお開きいただきましてどうもありがとうございます。
 大変残念なことだったんですが、きょう、市で今までにわかっていること、それから市が行った処分等について報告させていただきたいと思います。
 町田437号線道路舗装改良工事その2でございますが、これは前の2・2・4号線、境川団地の近所の舗装の打ちかえ工事ということでございます。
 11月22日に指名業者選定委員会を開きまして、9社の選定を行いました。その後、11月26日に各指名した会社に資料の配付を行っております。入札の日にちが12月10日でございました。午前10時10分ごろでございます。町田437号線道路改良工事その2の指名業者に入札室へ入るよう声をかけたところ、4社が入り、残り5社はその場では入札がなかった。
 そこで、入札した業者にその理由を尋ねたところ、1社が体調が悪くトイレヘ行っているので少し待ってとのことでありました。数分後、残りの5社が入ってきたので出席をとり、直ちに入札を開始しました。
 そのとき、**工務店の入札書が開封されているのを確認しました。なぜ開いているのか確認しましたところ、入札書に代理人氏名の印を押したか否か確認するためで、自分で開封したとのことでありました。
 1回目では、予定価格に達しなかったため、2回目の入札に入りました。そのとき**工務店は、2回目の札がないので辞退させていただきたいというような申し出がありました。後ほど辞退届を提出するようその場で指示いたしまして、後日、**工務店より辞退書が提出されました。
 同じ入札がありました12月10日の午後4時過ぎですが、きょうの入札において、ほかの業者に開封されたのではないかというような通報がありました。
 そこで、12月10日は金曜日でしたので、13日に**工務店を呼びました。12月10日金曜日執行の入札について、**工務店より事情聴取を行ったわけですけれども、具体的な事実は確認できませんでした。
 12月28日2時半ごろ、業者からの取材結果ということで、12月10日の入札についで情報提供がありました。28日は御用納めの日でしたので、1月4日、まず**工務店を呼んで事情聴取をいたしました。
 その後、1月5日には、株式会社イワヲ建設、菊一建設の事情聴取を行いました。1月6日に多摩重起建設株式会社、株式会社多田建設、土屋企業株式会社、双立建設株式会社、株式会社フジオ工業、株式会社山田工務店より事情聴取を行いました。
 その結果、12月2日に古淵のすかいら−くに9社が集まった。工事を希望するかしないかということの話があったということがわかりました。また、山田工務店においては、当日、**工務店の札の入っている封筒を開封したということを認めました。
 したがって、市の方では1月7日に山田工務店に対し、契約を締結しない旨の通知を行いました。また、1月13日には、談合を疑わせる行為があったということで、9社に対しまして指名停止 処分することを7日付で行いました。
  ただ、この指名停止の期間でございますけれども、山田工務店については9カ月、これは直接開封をしたということで、入札を妨害した行為だということで9カ月、それから、多摩重起建設株式会社については、当日、あけてみせろというようなことを強要したということで、6カ月間の指名停止、残りの各社については談合を疑わせる行為があったということで、3カ月の指名停止処分という処分を行ったところでございます。
  以上が437号線の道路舗装改良工事その2の入札あるいはその後の経過でございます。
○委員長 これより質疑を行います。
○志村委員  12月2日に古淵のすかいら−くへ皆さん集まって、ご説明ですと入札を希望するかどうかという確認をしたとさらっと言ったけれども、いま少し詳しいそこいらの事情はわかっていませんかね。
○総務部長 そこまでのことしか実を言うとわからないということでございまして、実際にそこで具体的に何が話し合われたかということまでは、各社とも一切言っておりませんので、わかりません。
○志村委員 そうすると、今回、今ご説明されたように、それぞれの各社の指名停止そのものは、談合があったから指名停止にしたんですか、あくまでも、談合の疑いがあるので指名停止にしたんですか、どっちなんですか。
○総務部長 今回の指名停止については、指名停止措置要領というのがありまして、これは今までもずっとこれできているわけですが、その中で「不正又は不誠実な行為をし、工事等の契約の相手方として不適当であると認められるとき」ということでやっておりまして、談合があったとかなかったとかというのは、これは別の機関が決めるものでして、市の方では、つかんでいる範囲の中で集まって工事希望をとったということが談合の疑いがある、イコール談合ということには見ておりませんが、談合の疑いがあるということでの指名停止処分でございます。
○志村委員 私が心配するのは、こういう結果が出てすぐ処分が行われたという形の中で、今、いわゆる要領があるからということで、要領の内容を明らかにされたわけでございますけれども、絶対談合がなかったよという訴訟を起こされた場合、対抗できるかどうかという問題が片方にあるんですよ。それで確認したわけだけれども、その
辺はどうですかね。
○総務部長 もし訴訟を起こされたならば、やはりうちの方で行ったヒアリングの結果に基づいての措置でございますので、受けて立つ以外ないというふうに思います。
○管財課長 ちょっと補足させていただきますけれども、談合云々の判断につきましては、今、部長が申し上げましたように、独占禁止法の第3条または第8条に抵触するということが明らかになった場合に、初めて公正取引委員会の方の措置もありますし、また、刑法第96条の3というところに、談合または入札妨害罪という規定がございま
す。これは、警察の所管で構成要件該当性、違法性、有責性、そういうものに該当するとなった場合に有罪となる。ですから、その2通りの法的な判断が出て、初めて談合あるいは入札妨害罪というものが適用されることになります。
 市レベルでは、通常、こういう他の機関の判断を待って、公正取引委員会の排除勧告あるいは警察に逮捕された、あるいは公訴を提起されたということを待って通常は措置しておりますけれども、今回の場合は、市が事情聴取した結果、入札前に全員が集まったということ、これは否定している方も何人かいらっしゃいます。
 ただ、何社かはこれを認めておりますので、聞き取り調査をした状況では、全員集まったことは間違いないだろうと。そこで話し合われた内容については、またそれぞれ違っておりますので、とにかくどういう話し合いをしたかは別にして、入札前に全員集まったその行為、それが公正であるべき入札を市民の目から見て疑わせる可能性が大
である。その点をとらえまして、こちらは指名停止措置要領の不正または不誠実な行為があったという項に当てはめて、この項に当てはめますと1カ月以上9カ月以内の指名停止をすることがでさるということで処分させていただいております。
 処分という言い方が法的に解釈すると当たらない、指名停止というのは市の内部の意思決定であって、行政処分には当たらないということになっております。ですから、営業停止等、業者が明らかに営業できないような状態になる場合には、これは行政処分、指名停止というのは、この業者はちょっと施工状況が悪いから今回は指名から外し
ておこうとか、そういうことは通常やっているわけで、それを市の内部意思決定として業者へ伝えたということです。
 ですから、業者は営業してはいけないとか、あるいはほかのところで契約をとってはいけないとか、そういうことにはなりません。ですから、これは、訴訟という話もありましたけれども、通例はこれだけをとらえて訴訟の対象にはならないというふうに担当の方では判断しております。
○古宮委員 1月6日付の新聞報道と1月14日付、どちらも朝日だが、新聞報道の内容とは今の説明は大分違うようであるな。「封破り差し替え要求」入札直前に−直前にだよ一談合強要、「入札参加全社を指名停止」にしたと。参加した全会社を指名停止した。
 そうすると、きょうのこの配付された資料によると、これは山田工務店が落札しているんだよな。そうだろう、落札しているんだろう。そうすると、我が町田市が策定しておる咋年7月1日改正した「指名競争入札参加者心得」によると、次の各号に該当するものは、当該指名は、これを取り消すという明文があって、その第2項に「競争入札又はせり売りにおいて、その公正な執行を妨げた者又は公正な価格の成立を害し、若しくは不正の利益を得るために連合した者」とあるね。連合というのは、これは談合なんだよ、談合した者だ。
 これは第3項だけれども、「落札者が契約を締結すること又は契約者が契約を履行することを妨げた者」、こういう入札及び落札の妨害をした者は、これは業者を指名停止するという明文があるけれども、この記事によると、入札直前にその入札の封筒を破って、これはこの規定に反するね。破っちゃいけないということになっているの。破って入札したと。これは、きょうのこの資料の第1回のときか、それとも第2回の入札の決定したときか、どっちかい。この規定の何に該当するんだ。
○管財課長 今申し上げましたように、指名停止措置要領の「業務に関し不正又は不誠実な行為をし、工事等契約の相手方として不適当であると認められるとき」は、1カ月以上9カ月以内の指名停止をかけることができるという規定に適用させていただきまして、指名停止をさせていただいた。
 それで、今、古宮委員のご指摘のありました談合あるいは明らかな入札妨害罪、ですから、談合というのは、先ほども申し上げましたように、刑法の適用を受ける者、それから独占禁止法という法律があります。そちらの適用を受ける者、ですから、両方重複して対象になるというケースもありますけれども、とにかくそういう判断を待って適用するものがこの指名停止措置要領の、先はど申し上げました独占禁止法第3条または第8条第1項1号に違反した場合において、2カ月以上9カ月以内の指名停止をかける、あるいは談合の罪として「有資格業者である個人、有資格業者の役員又はその使用人が談合の容疑により逮捕され、又は逮捕を経ないで公訴を提起されたとさ」、こういう場合は1カ月以上12カ月以内の指名停止をかけるという規定になっておりまして、こちらを適用して今回処分したということではない。市の方でこれに該当するかどうか、法的な判断をする権限は市にはありませんから、警察が談合の罪に当たるかどうか、警察が当然やるわけです。それから、独占禁止法に抵触するかどうかは公正取引
委員会が判断を下します。
 ですから、市として事情聴取をした段階で、全業者が入札前に一堂に会したという事実が、全社からではありませんが、市としては事情聴取にお いてそういう事実があったと認定した。もう1つ、封筒を切ったという事実についても、これは業者が認めております。もう1点は、それを開封 しろと、これは強要したとか、そういう話は一切ありませんけれども、とにかく開封しろと言ったことは1業者が認めております。
 ですから、全社3カ月の処分、それから開封を要求した業者については、それよりも重くして6カ月の処分、直接開封した業者、それにつきましては最高の9カ月の処分、処分という言い方が適当ではないと先ほど言わせていただきましたけれども、一応そういうことで今回の指名停止というのは決定させていただいたということです。
○古宮委員 結局、公取または刑法の談合に該当するか否か、おそれがある、また、それが談合したか否か、これはあなた、最高裁までいかなければわからないよ。
 ところが、この記事によると、大下さんの時代からガラス張りで外から見えるようにした、神聖であるべきその入札の会場に行って破ったということは、はっきりあなたも認めているし、記事もちゃんと書いているとおり認めているんだよな。だったら、そんな裁判なんかしなくて、そういうおそれのあるところの行為をしたということの業者を何で落札するんだよ。
○総務部長 当日のお話は先ほどさせていただきましたが・・‥‥。
○古宮委員 ここは法廷じゃないんだ、市民感情で話しているんだ。
○総務部長 先ほどお話しさせていただきましたけれども、なぜ封を切ってあるか、その封を切ってある業者に確認しております。そういう中では、代理人の方が見えていたんですけれども、代理人の方が印鑑が押してあるか否か、それを確認するために切りましたということで入札が始まっておりました。
 したがって、入札の前に市の方でほかの業者の人が切ったという事実がわかっていればそういうことはなかったわけですが、当日の入札においても、当該業者の人は印鑑を確認するために切ったんだということでしたので、そのまま入札の執行を行った。
 しかし、後で事情聴取をした結果、ほかの会社の人が切ったという事実がわかったということでございまして、入札をやっているときにはその事実までは市の方でもわからなかったということでございます。
○古宮委員 これは、こういう企業の死活問題に関することであって、入札に持ってくるのに、おまえのところは判こをついておるかちょっと見せろなんて、そんなばかなことが世の中に通ると思っているのかい、幼稚園の子供が持ってきたんじゃないじゃないかい。他社の入札に判こをついておろうとおるまいと、そんなことは何も関係ない
じゃないか。中身を見たいためにやったことに間違いないじゃないか。
○総務部長 先ほど申しましたように、自分で切ったと言っているわけですよ。ほかの人に切られたとは言っていないんです。判こが押してあるかどうか、自分で切ったということでございましたので、その時点でだれかほかの人に切られたということでもあれば、当然その時点でその入札はやりませんけれども、自分で判こを押したかどうか
忘れちゃって、見るために切ったんだということでしたので、そのまま入札を行ったということです。
○古宮委員 私は了解できないんだけれども、ほかの委員の質問をしてください。
○殿村委員 まず幾つか確認したいんですが、12月2日に古淵のすかいら−くで会ったというのは、これは何社でしたか、もう1度確認したいんです。その中には封を切られた*:]工務店も入っていたのかどうか。
○総務部長 うちの方で確認している段階では、12月2日には9社全社でございます。したがって、入っておりましたというふうに私どもはとらえております。
○殿村委員 これは**工務店からも直接確認をしているわけですね。そのことを確認します。
○管財課長 これは**工務店も認めております。
○殿村委員 先ほどの古宮委員への説明の中で、**工務店は封を切った理由として、印鑑を押しているかどうかを確認のために自分で切ったということで、結果として2枚の入札の札、既に当初入れてあった札を破棄して、つまりもう1枚残っていた札に新たに書き直して入れた。だから、2回日には辞退せざるを得なかったというふうに理
解していいんでしょうか。
○管財課長 その件については確認しておりません。
○殿村委員 確認していないというのは、ちょっとどういうことかお聞きしたいんですが、つまり、新聞報道によれば、そういった報道になっていますよね。そのことを市として確認をしたのかどうかが1つ。それが第1点。もう1つは、入札の札というのは仮に間違えて、要するに訂正をしなければならない状態になつたときに、その分が足りなくなるからもう1枚下さいということができるのかできないのか。
○管財課長 書きかえにつきましては、事情聴淑をしたんですけれども、書きかえたという確認はとれておりません。
 それから2点目、入札書の訂正の件ですけれども、一たん提出した入札書の書さかえはできない、これは無効となるという扱いになります。また、提出された入札書が数字を、金額を2本線等で書きかえた数字の入札書が提出された場合、これも無効という扱いにいたします。ですから、提出された入札書、これについては書きかえも認め
ませんし、また、訂正された金額の入札書も認めない。また、内容が、数字が判読しにくいもの等も無効という処理をしております。
○殿村委員 こういった封が開封されて、みずから開封をしたと言った業者が、大楯工務店がこういう理由だからと仮に言ったにせよ、そのことと連動して2回目の入札の際に辞退をしたということで、こういうことは時々あることなのか、それともこういう状況というのは極めてまれなことなのか。そして、万が一極めてまれだとするならば、そのことによって何か正常でないことが起きているのではないかとそこで想像しなかったのかどうか、その辺、いかがですか。
○管財課長 入札書が切られて一切られてといいますか、結果的には切られたということがわかったわけですけれども、開封されたまま出されるということはまれな事態。また、2回目の入札を辞退するということは、これはたびたびあります。
 それから、先はどもご質問がありまして、業者によっては入札書を何枚か持ってくるのかという話ですけれども、入札書は、業者が調製して、自分でつくって持ってくる。ですから、市の方としては、入札書の形式を示して、こういう形で入札書はつくりなさいということで示して、業者がそれにのっとって必要事項を自分のところでワープロなりで打って、それを持って釆ますから、市に対して入札書がないからくれと言われても、こちらには準備はありません。
 ですから、業者によって1枚しか持ってこない業者もいれば、数枚用意している業者もございます。それは業者の対応によってまちまち、そういうことです。
○殿村委員 辞退というのは時々あるということですけれども、開封と辞退ということが双方伴ってあったということは極めてまれだというふうにとらえていいと思いますけれども、そういうときに、私は率直な疑問として、公正な入札をするべき行政の立場として、できるだけそういう点で慎重な対応を図るべきではなかったのかというふうに、その時点で思うわけですけれども、その辺について改めてお伺いします。
○総務部長 基本的には、開封されているとその人は入札に参加できない、そういう形で本来は処理すべきだったかと思います。
 入札したらだめということではなくて、開封してある業者だけを排除するという形になるんですね。ただ、そういう中で、確かになぜ開封されたのかもうちょっといろいろ気を回して、この入札は延期するとかなんとかという措置がとれればよかったかとは思いますけれども、実務問題としてやっておりますと、この日はちょうど入札日で、結構数多い入札がありまして、はとんど市内業者の方ばかりの入札ですので、開封してあっておかしいなとは思いながらも、理由を聞いて入札をやってしまったということで、その点については、今後、対応についてちょっと考えなくてはいけないかなというふうには反省しておりますが、当日はそういう状況の中だったということで、行われたということでございますので、今後はちょっと気をつけていきたいというふうには思います。
○殿村委員 それから、ちょっと別の1月6日付の朝日新聞の記事の中で、2段目のところで「談合に参加していると思った業者の1人がロビーで、『中身を見せろ』と求め、落札した業者の従業員がカッターで封を破った」と。その次なんですが、「札には落札が予定された業者より低い価格が記入されていたので、高い数字を書いた札に取り換えるよう求めたという」と書いてあります。
 ここの「高い数字を書いた札に取り換えるよう求めたという」というくだりですね。この点について、事実関係はどうですか。
○総務部長 第1回目の入札の最低価格は**工務店でございました。したがって、落札した業者よりも第1回目の札の金額は低い金額でした。第2回目については、札を2枚しか持ってこなかったということで、もうなくなったということで辞退ということでございますので、2回目の金額は**工務店についてはないということです。
○管財課長 この入札結果、お持ちになっていらっしゃると思いますけれども、予定価格というのが税込みの金額ですから、これから税を外しますと3,900万円ちょっとぐらい、今、税抜きの数字を手元に持っておりませんけれども、**工務店の入札の数字、これも税抜きの数字なんですね。そうしますと、ほんのわずかの差で**工務店が落札する可能性もあったわけです。
 ですから、この事実から見ても、我々は**工務店が入札書を書きかえたかどうか、明らかにこの時点で**工務店が一番高いのを入れていれば、この結果だけから類推した場合でも、そういう可能性というのは認められるかもしれませんが、これから見て、実際に書きかえたのかなという疑問が1つあります。
 それから、事情聴取した結果においても、その書きかえを命じた、あるいは書きかえた、それを周りで目撃していたという業者はおりません。**工務店がそのように主張されているということで、先ほど釆、朝日新聞の記事がいろいろ出てまいりますけれども、朝日新聞の記事は新聞記者が記者として取材し、確認した事項を記事にしてい
るものでございまして、1月6日の朝日新聞の記事をごらんいただいてもおわかりのとおり、この取材は12月28日に私のところに朝日の記者が来て、こんなことがあったということだけれども、管財課はどうなのかというコメントを求められまして、ここへ私のコメントー私のと言うと語弊がありますけれども、入札をやり直す考えは今のところありませんという答え方を12月28日の時点ではしております。
 要するに、そういう情報がもたらされたからといって、既に入札が柊わっているもの、その事実関係が何も確認でさないのに、直ちにそういう情報があったから、じゃ、やり直しましょうということは言えない、そういう趣旨です。
 ですから、この後、この新聞記事にはなっておりませんけれども、そういう情報がもたらされた以上は、こちらとしても業者から事情聴取を行い、その可能性が事情聴取の結果認められれば、その時点で検討させていただきます。やり直す云々という話は一切しませんけれども、事情聴取を行い、その時点で検討させていたださますという
言い方をしております。その後段の部分がこの新聞記事から切れている、やり直す考えはないという部分だけ新聞記事になっております。
 ですから、12月28日に取材に見えた時点では、あくまでも新聞記者が情報を得て、こういう情報があるけれども、どうなのか、管財課は一切承知していない。だから、承知していないのに、その時点で入札をやり直すとは言えませんから、こういう記事のつくり方になったということです。
○殿村委員 もう1度確認したいんですが、書きかえたという部分について、印鑑を押しているかどうかを確認したということはおっしゃいましたけれども、書きかえたという事実は、また、何かを書きかえたかというその事実はあったのかどうか、そこをもう1度正確に。
○管財課長 先ほど来申し上げておりますように、書さかえた事実については、他の業者の目撃証言等、一切その点について確認をとれておりません。*:工務店の主張では、強制的に書きかえさせられたというふうに、この新聞記事になっておりますから、そのような言い方をしておりますけれども、ほかの業者が一切そういう事情を認め
ていないということがありますので、こちらとしては事情聴取をし、事情聴取も、ご存じのとおり、我々には警察権等もございませんから、聞く内容というのはごく箇条書き的に、こういう事実を知っていますか、知りません。こういうことについてあなたはどうでしたかという聞さ方で、通り一遍の聞き方になりますけれども、そういう事情聴取。
 そこで確認した事項が、先ほど申し上げましたように、とにかく全員が入札前に集まった、これは事情聴取の結果、確認できる。また、封筒を切ったという者も本人がそれは認めております。それから、それを見せろと言った、見せてどうするんだとか、見せて書きかえさせたのかとか、そういうことは一切発言の中にありませんから、です
から、見せろと言った事実、あるいはカッターで封をあけた事実、そういうものを市としては確認し、今回の処分をさせていただいた。
 ですから、記事に書いてあることを市が全部確認しているかということを言われますと、市としてはそういう確認はしておりません。
○殿村委員 私はなぜそこにこだわるかというと、書さかえたかどうかというのは極めて大きな、今回の問題で言えばかなり大きな問題になってくるというふうに私は認識しているわけです。
 つまり、場合によっては、予定価格は事後に公表されていますけれども、結果として**工務店が第1回目の入札で一番低いわけですから、落札する可能性はあるわけですよね。今回の事のてんまつから言えば、談合と思われる行為の中でこういう記事を読んでいますと、つまりどこの業者に落とすかというようなことが話し合われていたと
思われるわけです。
 そういうことからすると、この第1回目の入札でいけば3,950万円と落札した山田工務店よりも低いわけですから、そのまま書いた金額でいけば、これはたまたま税抜きでいくとたしか予定価格が3,873万円ですよ。さらに勘ぐれば、もしこれが**工務店が書きかえたということになってくれば、この予定価格そのものが流れていったと
いうことも考えられなくないわけですよ。極めて近いこの金額ですね。3,873万円よりは下回らないように、3,950万円と一番低いけれども、こういう額に、これは書きかえたか書きかえないか、どうしてそこのところをもっときちんと確認しなかったのか。
 しかも、これで見ますと第1回目、第2回目、**工務店を除けば、山田工務店が一番低い金額、第1位なんですね。第2回目もそうですよ。極めてそういう点で談合があったという問題、それから情報が流れていたのではないかという可能性、そういうものがこれを見るだけでも感じ取れるわけですが、そのあたりはどのように調査をされたか。
○総務部長 2回目の入札結果のところを見ておわかりだと思いますが、3,873万円という数字をもし知っていたとすれば、3,750万円というような落札数字は出てこなかったのではないかというふうに思いますので、その辺では入札予定価格が漏れていたということは考えられないと思います。
 いずれにしましても、今回のこの事件といいますか、我々は後で知った部分が大変多くございまして、聞く範囲も限られていて、ちょっと警察とは違いまして、なかなか聞さづらい部分がございまして、聞ける範囲の中で聞いたということです。先ほども管財課長が言っていますように、すべて何でもかんでも聞いているということではございませんで、うちの方とすれば、談合的なものがあったのかどうか、価格の調整をやったのかどうか、その辺を中心に聞いたということで、なお後、当日の各社の入札前に何をやったのか、それを中心に聞いておりましたので、今お聞きになられた書き直したか、害さ直さなかったかというようなところについては、具体的に相手からも聞いていないということでございます。
○管財課長 今の答弁を補足しますと、要するに、**工務店は書さ直しをさせられたという主張をしておりますけれども、ほかの業者、他の業者がどうだったのかということで聞いているわけです。そうしますと、他の業者は、そういうことは言っていない、書き直しを要求したことはない。いずれも書き直しの強要といいますか、それについては否定しております。
○殿村委員 だから、そこのところなんですよ。ということは、他の業者は否定しているかもしれないけれども、当の大楯工務店は書き直しをして、この3,950万円という金額を書いたというわけでしょう。**工務店に言わせれば、そういうことですよね。だから、場合によっては、その前の金額が予定価格より下回っていた可能性が十分
にあるわけですよ。これは結果として見るかどうかということはありますけれども。
 それで、なおかつ9社の中で1回目の第1位が**工務店ですよ。書きかえさせられて、第1位が*:工務店ですよ。この予定価格の極めてすれすれの数字を知らなければ、そこのあたりの際どいわざというのはできないのではないですか。そのあたりをどう考えますか。
○管財課長 そういう推測の話というのは、我々管財課として、そういうものをつかんでいれば当然入札自体、もう全体を無効にするなり、そういう対応をとらなければなりませんので、かなりこういう問題は、入札というのは談合問題もそうですし、いろいろな問題がある。ですから、入札行為自体が、市民が見て疑いのないような形でやらなければいけない。そういう点に担当としては気を使っているわけです。
 ですから、いろいろな情報は飛び交いますけれども、こちらとしては公正な入札を執行する範囲で事情聴取を行い、そこで確認できた範囲で市として処分できるもの、それを今回対応させていただいているということですから、先ほど来申し上げておりますように、大楯工務店の主張とほかの業者の主張が食い違っている。そういう点も確か
に、またその他事情聴取の中では、9社の言い分が必ずしも一致しない点が多々ありますけれども、それらについてすべて一致させるように追及し、その確たる証拠をとった上で処分しなければいけないのかということになりますと、その辺は市の判断にゆだねられている範疇ではないかと思います。
 事情聴取をしますと、通常の場合は、そういう事実はありませんということで終わりまして、間違いありませんという誓約書をとって終わるという形ですけれども、今回の場合は事情聴取をしたところ、集まった事実を認める業者もおりますし、また封を切ったという事実を認める業者もいて、市としてそういう事実を把握しておきながら、警察が動いて結論を出す、あるいは公取の方で何らかの処分をするまで結論を待つ、そういうわけにはいかないだろうという判断を市でいたしまして、こういう市独自の指名停止を今回はさせていただいたということです。
○殿村委員 私が先ほど来お尋ねしていた件については、いただいた入札結果の公表の数字から判断、また報道の内容から判断して、余りにも不自然な面が見受けられるということでお尋ねした点ですので、ここらについては当然そういう不自然な状況について調査をしているはずだということで聞いたわけです。その点についてはいいです。
 もう1点、警察と公取委の動き、これはどのように聞いているかということ。
 もう1点は、談合問題等については、これまでもたびたび問題になってきているわけですけれども、現在の町田市における公正な、また明朗な入札制度のあり方という点で、さらに前向きな制度の改善という点でどのようなことを考えているのか。
○総務部長 警察にしろ、あるいは公取委にしろ、うちの方で聞いても一切お答えいただけません。また、聞くということ自体も、向こうの捜査の関係でお答えできないのだと思いますが、やっているかやっていないか、それさえも教えていただけないということで、警察、公取が具体的にどういうふうにしているかというのは一切わかりません。
 それから、入札制度の関係ですけれども、以前やっていました指名業者を一堂に集めての現場説明会、これはなくしました。例えば9社を指名したときには、2つにグループを分けまして、このグループは午前中に書類を渡す、要するに積算のための書類を波す。こちらのグループは午後に渡すというような形で、一堂に集まる機会をなくそ
うということで、そういうことをやってきたわけですが、それでもなお今回、9社が1つの工事の中で集まったということもあります。そういう中では、これから先、早急に検討しなくてはいけないかなと思いますが、現在の入札制度をどういうふうにしたらいいのか、この辺については早急に何らかの改善策を考えていきたいというふうに思います。
 ただ、何をやっても談合されてしまうのではないかなという疑いがなかなか消えなくて、実際にはどうやったらいいのか大変難しい問題で、これは町田だけではなくて、国でも都でも、ほかの市町村でも皆さん頭を悩ましているところなんですけれども、そういう中でより談合しづらい制度といいますか、そういうものは早急に考えていさたいと思います。
○古宮委員 談合したかしなかったか、業者に聞きましたが、そんなことはありませんと言いました。そんなことは当たり前じゃないかね、君。はい、談合しましたなんて言うばかがどこに行けばおるんだい。
 そこで、天下の朝日新聞の報道ときょうのあなた方の説明、報告とは大分違うな。1人がロビーで中身を見せろと求め、落札した業者の従業員がカッターで封を切った。入札には、落札が予定された業者より低い価格が記入されていたので、高い数字を書いた札に取りかえるように求めた。そして、あなた方は詳しい事情はわかりませんか
ら。あなた方は、そんなことで市民に対して、納税者に申し開さができると思うのか。今、部長も課長も、これ以上、私たちは警察でもないし、公淑でもありませんから。警察や公取は強制権を持っている。しかし、あなた方は、そういう職権がないからといって、それ以上調べる力がないのかい。何も警察じゃなくたって、おい、出頭しろと言ってから調べる、聞くことは越権でもなければ何でもないじゃないか。一般の市民がこの事件に対して、問題に対して対応したのと全く同じじゃないかよ。
 我々市議会議員だって、これ以上調べるよ。おれは今夜から調べるよ。いいかね。全く同じじゃないかよ。君たちはそんなことをしたか、いいえ、私たちはしません。しませんと言うのが当たり前じゃないか。そんなもの、したと言ったら法律にひっかかって、刑法にひっかかるじゃないか。
 もう1点間きたいのは、それだけの疑惑がありながら、なお入札し、工事にかからなければならないほど、この事業は、部長、急いでおったのかい。
○総務部長 入札の前にそういう事実がわかれば、当然やらないわけですが・・‥‥。
○古宮委員 いやいや、そんなことを聞いているんじゃない。これだけの問題があるのに落札させて、工事にかからなければならないほど緊急の工事だったかということを聞いているの。
○総務部長 問題があるのに落札した、当日にはその辺は全然わからなかったわけです。問題がわかったのは、入札が終わった後にわかったわけです。入札は12月10日なんですね。事情聴取をやったのは1月なんです。新聞が出たのも1月6日です。ですから、落札のときにわかっていれば、当然何らかの措置をとったわけですが、入札のときにはそれがわからなかった。だから、落札までしたということです。
 437号線は、先はど言いましたように、境川団地のところの旧2・2・4号線の舗装の打ちかえです。実は半分は水道工事でされいに舗装が終わっていまして、残りの半分が物すごく傷んでいるということで、建設部とすれば早急に直したいという工事であったということです。
○古宮委員 今、部課長の説明では、これはそういう入札、落札の行政行為が終わった後、新聞が書いたという説明ですね。だったら、あの入札を担当するあなた方の係は、こういうようなことがあったのは全く知らなかったのか。どうなの。
○総務部長 当日は知りませんでした。
○古宮委具 そのときは知らなかった…‥・。
○総務部長 はい。
○川畑委員 何点か教えていただきたいんですけれども、こういったたぐいの工事というのは、落札して本契約は大体いっぐらいに結ばれるものなのかどうか、まずお聞きしたいと思います。
 それと、先ほどの説明でいきますと、12月10日の4時ぐらいに通報があったということでございまして、翌週明けの13日の月曜日に**工務店を呼んで事情聴淑をした。それから12月28日の2週間、総務部としてはどういった活動をされていたのかどうか、その辺についてお聞きをしたいと思います。
○管財課長 契約の手続ですけれども、通常、入札が終わりますと、入札の翌日の日付で契約書を締結する。ただし、実際は入札の工事契約に必要な書類調製のため、それらの必要書類を備えて、おおむね1週間程度の期間内に提出していただく。ですから、業者が会社の方の印鑑を押して市の方へ提出し、市が市長印をその契約書に押して、それで契約の効力が発生するということになります。
○総務部長 12月13日に**工務店を呼びまして、事情聴取を行ったわけですが、具体的な事実は全然確認できませんでした。それは当日、入札に参加した代理人の方が社長と相談してということで、その後、うちの方には連絡がなかったということでございます。
○川畑委員 そうしますと、通常ですと1週間ぐらいですから本契約されるわけですね。されたんですか、されなかったんですか、これについてお聞さしたいと思います。
○総務部長 うちの方でも、ちょっと事実をいろいろ確認したかったので、市の方の印鑑は押しませんでした。したがって、契約は成立していない状態ということでございます。
○川畑委員 では、なぜ年明けになって各社を呼んで事情聴取されたのか。その時点で事情聴取とか、その辺の事実関係を調査しようという行動をとろうというお考えがあったのかなかったのか。また、あったとしてでさなかったとしたら、その理由をお聞かせ願いたいと思います。
○総務部長 一応はかの業者に開封されたのではないかというような通報があったわけですが、その辺について*:工務店の方を呼んで聞いたらば、社長と相談してというようなことで全然その後、連絡がなかった。12月28日に取材結果、こういうことがあったのではないかというような情報提供がありまして、市の方では、ご存じのように、28日は御用納めの日なんですけれども、1月4日には**工務店、5日はイワヲ建設、菊一建設の2社、6日には残
りの会社を呼んで事情聴取を行ったということで、大楯工務店の方の対応が、なかなかどういうふうなのかというのが、本人が破かれたとかなんとかと言ってくれていれば、当然うちの方としても、13日以降事情聴淑には入ったと思うんですけれども、その辺では**工務店が何も言ってきていない。
 ただ、たまたまそういうような通報があったということだけでしたので、うちの方とすれば、28日の新聞記者さんからの情報提供に基づいて、それに基づいて事情聴取をやったということで、事情聴取に入るのがちょっとおくれたかなという気はしておりますが、先ほど言いましたように、何かあるのではないかということで契約自体はとめておりましたので、実際には契約の破棄ということではなくて、契約はしませんというような形での通知で契約をしないということでやったということです。
○川畑委員 この辺、非常に難しいところだとは思うんですけれども、情報提供があったときに、やはり情報によって市の職員の方々というのはぴりぴりとした形で、業務とか事実関係を確認していかれると思うんですが、この辺の体制について、今後再発防止、この辺をどう考えていらっしやるのか、それについてお聞かせ願いたいと思います。
○総務部長 私も初めてで、どういうふうにしたらいいかというのをちょっと迷っているような部分もありましたけれども、難しいのは単純にそういう情報があったというだけで、これは本当の部分ももちろんあるのでしょうし、そうでなくて捏造といいますか、そういうような部分もあるだろうとか、いろいろあります。
 しかし、今回のように、実際に入札時に封が切られていたというようなこと、これは大変まれなことでございますので、単純にきょうの入札で不正があったよというだけではなくて、封を切られて出てきたものに対して不正があったよというようなことがあれば、それについては今後はもう直ちに市のやれる範囲の中でやっていきたいとは思いますが、例えば今回のものが2回とも入札が終わってしまった。あれは不正だったんだよと言われても、調べるのが大変難しいわけですね。具体的なものは何もないわけですね。封が切られていたわけでもなければ、そういうのが一切なければ大変難しい問題ですので、その辺には慎重に対応しないといけないと思いますが、今後の対応につ
いてはできるだけ不正がないような形で入札させるということも含めまして、早急に検討していきたいと思います。
○田中委員 今の関連なんですけれども、先ほどもお答えがあったんですけれども、まず開封されたものを入札の箱に入れたということですね。これについて、当然要領なり要綱の中でさちんと規定されていると思うんですね。ですから、その時点で中止をするとか、慎重な対応をするとか、先ほど来このご意見はあろうかと思うんですけれど
も、総務部長は対応について反省をしているということですから、それはそれとして、ただ、今後、やはり担当する職員等への徹底した周知が必要だと思うんですね。その部分は早急に対応すべきだと思うんですけれども、どうでしょうか。
○総務部長 今回のこれを受けまして、職員には当然規則がありますので、それに基づいて適正な措置をするようにもう既に言ってあります。ただ、難しいなというふうに今思っていますのは、例えば今回の件で言いますと、切ってあったのは1社なんですね。切ってあったその1社だけが入札になったとさに除外になるんですね。残りの8社でやるという形になってしまうんですね。果たしてそれでいいのかなというのがちょっとね。
 切った理由までいかない限りは、さちっとした理由がない限りは、8社にしていいのか、もう1回入札をやり直すべきなのか、その辺というのの見きわめが大変難しいなというふうに思っていますが、当然異常な事態ということで、これ以外にも何かあるかもしれません。たまたま今回は封を切ったということですけれども、それ以外にも何か異常な事態の入札というのがあったとすれば、直ちに入札をやめるくらいの形で対応を考えていきたいというふうに思います。職員にも徹底していきたいと思います。
○田中委員 もう1点お伺いしておきますけれども、今回9社を指名していますね。これは指名業者選定委員会の中で指名をされたと思うんですけれども、この9社を指名した理由というんですか、当然要綱なり要領なり規則に基づいての指名だと思うんですけれども、その辺をご説明していただきたいんです。
 もう1つは、先はど総務部長のご説明の中で、現状は5社ずつを呼んで説明をしているということなんですけれども、今回のこの入札に関しても、それと同じような方法でやったのかどうか。
○総務部長 まず、入札の指名でございますが、本件の工事は予定価格3,870万円強ということで、舗装工事でBランク、7社以上という指名基準がございます。Bランクの業者、その中で舗装工事について登録してある業者の中から選ぶわけですけれども、まず1点目としては、指名が偏らないようにするということで、過去の指名実績、
それから現在の受注状況、そういうものを含めて検討し、9社を決定したということでございます。
 それから、今回のこの工事につきましても、現説にかわる資料の配付については午前と午後に、9社ですから4社と5杜に分けて配付をしたということでございます。
○古宮委員 1月14日の朝日新聞だ。処分を受けたのは、入札書の封をカッターで切ったとされる山田工務店、これは停止9カ月、入札書の開封を要求したとされる多摩重起建設、封を切られたという**工務店も3カ月。
 そこで、お尋ねしたいんだが、市が再入札を決めた1月7日にさかのぼって処分を実施する。さかのぼってよ。入札を決めた1月7日にさかのぼって処分を実施する。これはどういうことかね。これは山田工務店が落札しているな。これはさかのぼらなかったのかい。
○総務部長 処分の内容は、ここに書いてあるとおりでございます。ただ、市が再入札を決めたということが言われていますが、再度入札するかどうかというのは、ここでもって決めるということでございまして、この時点では再入札は決めてはおりません。1月7日という数字は、先ほどもお話ししましたように、5日、6日の2日間が主でございますけれども、業者を呼んで5日、6日で事情聴取をしたわけです。6日までに終わらせまして、その結果、談合を疑わせる行為と入札の妨害があったということで、1月7日付で処分を行ったということでございます。それで、1月7日には、12月10日に行いました入札の結果、落札している山田工務店に対して、契約をしないという通知を行っているところでございます。
○古宮委員 山田工務店に契約しないということをあなたが通知したの。
○総務部長 しました。これは先はどから言っておりますように、しました。
○古宮委員 いつしたの。
○総務部長 1月7日です。
○委員長 休憩します。
             午後2時18分 休憩
            −◇−−◇
             午後2時19分 再開
○委員長 再開いたします。
○殿村委員 ちょっと済みません。事実関係をもうちょっと尋ねたいと思いますが、さっさ私が聞いたときに、**工務店を含めて、すかいら−くだったかな、9社全社で集まって話をしたということでしたが、改めて新聞記事を読みますと、とにかく、いわゆる**工務店と思われる業者が談合に参加していなかったからというような記事になっていますね。それで当日、多摩重起建設ですか、これが関係あるようにということで協議したというような話になっていますが、このところの事実関係をもう1度、どう確認したか。
○総務部長 先ほども言いましたように、12月2日は9社が集まって、どなたが希望しますかということをやっている。これが大変違反となるおそれが強いということで、受注意欲の情報公開、要するに参加しようとする業者が入札について有する受注意欲、受注実績と受注予定者の選定につながる情報について、業者間で情報交換を行った。これらは大変違法性が強いということで、これは公正取引委員会の方で出しております「独占禁止法と入札談合問題」という冊子があるわけですが、その中でそういうことが言われているということで、市としては12月2日に集まって、どなたかやりたい人ということまでやったということが推測でさるということで、集まった9社全部について談合の疑いがあるということで処分をかけたということでございます。
○殿村委員 それはわかっているんです。だから、この新聞報道では、9社全部が集まってというような報道にはなっていませんよね。そのあたりの事実の確認はどうでしたかと。
○総務部長 うちの方は新聞報道ではなくて、実質的に各業者から異体的にヒアリングをしたその結果、こういうふうな疑いがあるということで処分をしております。新聞報道に基づく処分というか、指名停止をかけるということは行っておりません。自分の足で稼いだというとおかしいわけですが、自分で確認した情報に基づいて行ったとい
うことでございます。
○殿村委員 最後に1点。いわゆる指名競争入札のあり方について、これは一般競争入札というのが固から地方自治体を含めて原則だというふうに思いますが、実際の流れとして指名競争入札が大半の部分で導入されている。いろいろ入札制度の改善なども当然されてきてはいるわけですけれども、1つの方法として条件つきの一般競争入札ということも検討の課題に値するのではないかと思うわけですが、談合を未然に防止するという点で、その辺のあたりの検討をされているかどうか、お聞きしたい。
○総務部長 今までもいろいろ行ってきたつもりですけれども、今回のこの経過を踏まえますと、もう1段、あるいはもう2段何か考えないといけないのかなというふうには思っております。その辺では、いろいろなやり方があろうかと思いますけれども、その辺については早急に検討していさたいと思います。
○委員長 はかにありませんか。
   (「なし」と呼ぶ者あり)
○委員長 これをもって質疑を終結いたします。
 以上で行政報告は終了いたしました。
 以上ですべての案件の審査が終了いたしました。
 これをもって委員会を閉会いたします。
             午後2時24分 散会
                                         署名 吉田 勉
 
((12/02/15) j11202151 資料:総務常任委員会 工事入札に関する一大事件の審議の全文の記事は、この行で終わります)


● 資料 新たな国民政党の創建をめざして
 「国民政党期成同盟」呼びかけ文書についての前書き
 昭和52年当時に、私たちが結成した「国民政党期成同盟」が、その組織の考えを明らかにするために作成した文書の全文です。当時の記憶では同本を国会図書館にも送付しており、現在も収納されているものと考えます。
 この文書は全文で3万5千字に及び、HP記事としては分量が多すぎますが、下段の理由で掲載するものです。「要旨・新しい国民政党の創建をめざして」と言うタイトルで別ページに、9月中に掲載する予定です。歴史的な文書であるため、原本に合わせた要約となるでしょう。
 掲載理由は、次の通りです。私は自由民主党に党員として籍を置くわけですが、党活動の一端を担う地方議員として、「自由民主党は国民に対して、地域住民に対してどうあるべきか」をいつも見つめ直すことにしています。そうした考えを持つに至った原点になる文書として、この「新たな国民政党の創建を目指して」を再度皆さんの目に触れる場所に置くことに致しました。もちろん、この文書は私が自由民主党に参加する以前のものであり、自分自身が自由民主党に所属している今、この考えと全て同じと言うことはあり得ません。むしろ、自由民主党はその柔軟性によって、国民や住民から寄せられる批判にこれからも応えていけるものと考えています。
 以下の文章は、「新たな国民政党の創建をめざして」文書の本文を平成11年7月にOCRで読み込み、今回復刻したものです。原文と相違点があれば、校正した吉田勉の責任です。
◎ 「新たな国民政党の創建をめざして」本文 
1、はじめに
 こんにち、わが国の政治は、未曾有の試練のなかにあります。
 概括すれば、わが国の政治は、その制度・運用ともに欧米の経験に追随する、という方法で行われてきました。とりわけ戦後の政治体制は、欧米における歴史的な政治経験のひとつの決算ともいうべき、民主主義の全面的な採用による、いわゆる「戦後民主主義」と総括されるような形式のもとにあります。この形式としての「戦後民主主義」のもと、さらにはわが国独特の諸政治勢力の競合、すなわち、保守主義を標榜する「永久」与党と、社会主義体制への移行を主張する野党の対立、という政治状況のなかでわが国は、戦後復興、さらには経済の高度成長をもなしとげ、有数の「経済大国」として今日に至っております。

 周知のように、経済の高度成長の過程は、物的生産性を暗黙の基準としたかのような社会全般にわたる政策の斉一化が並進し、その結果はこんにちに至って解決すべき、いくたの困難なもんだいを生じせしめております。さらに、価値観の多様性・多様化傾向が定着する一方、その背後においては、わたくしたち国民がそれぞれの「価値」を追求する諸活動を保障する、物的資源への価値の収斂、一元化が進行するなかで、わが国の政治は従来経験し、解決してきた状況・もんだいときわめて異なった状況・もんだいに直面し、その解決を要求されているのであります。この、まさに画期的というべき時機において、わが国の既存の諸政党は、このような状況の変化に対応するもんだい解決の方法を提起する、という基本的な任務を果すことはおろか、新しい方法の提起の緊要性すら自覚し得ていないといわねばなりません。

 このような政治状況は、かねてわが国が陰に陽にその経験を摂取してきた欧米の諸国にも共通しており、民主主義は、それを政治制度として採用しているすべての国において、わが国におけると同様、もんだい解決の能力を問われているのであります。

 これらの把握が正しいと仮定すれば、こんにち、わが国の政治は、日々生起する諸もんだいの解決という任務ともうひとつ、それと異なったレベルにおけるもんだい、すなわち、現行解決ルールの批判的な再検討かよび処置、という問題に直面しています。
 この課題の解決にあたって、手本とすべき「先進国」は存在しません。わが国は、独自の努力によってこの課題を解決しなければなりません。まさにこのことが冒頭において指摘した、わが国の政治が直面している未曾有の試練のゆえんであります。
 端的に「保革伯仲」ということばによって象徴される政党政治の現状は、一部の論者が指摘するように、単に自由民主党の、あるいは保守主義の危機という把握によって対処し得る水準にあるでしょうか。わたくしどもはこのような把握と深く見解を異とするものであり寸す。多くの先達、先憂諸氏とともに、わたくしどもは、こんにち直面する政治の方法をめぐるもんだいは、既存のあれこれの党派の消長によって解決され得る、と判断しておりません。むしろ、既存の諸党派がそれぞれ一因子として構成しているところの現下の政治構造そのものが問われている以上、これら諸党派の現状認識の変化を前提とした自己批判、自己改革がなしとげられないかぎり、これら諸党派の存在は、まさに解決すぺきもんだいを構成するものといわねぱなりません。

 議会制民主主義のもとにおける方法の水準をめぐる混迷の分析分よびそれをふまえた新たな方法の模索・確立への努力こそ、こんにちのわが国における、政治の、それ自体にかかわる重要かつ緊急の課題であります。

 こゝでまず第一にもんだいとしなけれぱならないのは、現下の政治状況、すなわち従来採用されてきたもんだい解決の方法と、政治が直面するもんだい状況との間に存存する空隙がどのような理由によって生じたのか、ということてありましょう。すなわち、この空隙は、政治の方法としての民主主義の原理・原則の論理的帰結として現前しているのか、それともむしろ原理・原則と、それを基本的枠組として運営される政治実践の場における、諸政治党派の理念ー実践との間に乖離が存在することこそ、こんにちの政治状況の原因なのかということが、判断されなければなりません。

 以上のようなもんだい意識を前提として、わが国の諸政治党派を観察するとき、わたくしたちは奇妙な事実に気づかざるを得ません。こんにち、議会に甘ける諸党派は、いずれをとりましても、民主主義を否定したり、あるいはその原理・原則の一部に公然と疑義を表明している党派はありすせん。全党派一致して民主主義の体現者、(しかも、各党派それぞれ自党こそ唯一の、と形容して)であると主張しております。しかしながら、一体いずれの党派が党の立党の精神・理念・理論体系と民主主義の関係を論理的に明らかにしているでしょうか。さらには現行憲法に対する諸党派の言動においてもこのことは如実であります。改憲、護憲とそれぞれ党派により主張は相対立しておりますが、これら憲法に関する政策を云々
する諸党派において、一体いずれの党派が、党の理論体系と現行憲法の理念との論理的な関係を明らかにしているでしょうか。

 いうまでもなく、政党の存在は党の理論体系が規定するものであって、憲法あるいは時々の政策によって規定されるものでありません。しかしながら如何なる理論体系を軸とする政党であれ、およそ政党として国政に参画せんとするならば、国政の基本的枠組みとしての憲法と自党の理論体系との論理的な関係は自覚しておかねぱならず、さらに公党としての性格上、一般に明らかにしておく義務があると思われます。しかしながら、ただの一党としてこの当然なすべき作業を行っていない、これがわが国の自称民主主義の体現者であるところの既存の諸党派のすがたであります。


 ここであえて断定すれば、わたくしどもは、こんにち既存の諸党派は、自前の民主主義論も現行憲法論も備えていない、というのが事実であると考えております。さらに付言するならば、改憲派・護憲派を問わず、現在的には、これらの作業にかえて現行憲法の条文の引用をもって満足しているのであります。一例をあげて検討すれば、「言論の自由」ということです。現行憲法はその二十一条において言論の自由をうたっております。しかしながら、憲法は、当然のことながら、その根拠については何も述べておりません。何故に言論の自由を保障するのか、というもんだいは、すなわち、諸党派の理論体系によって説明されなけれぱなりません。この説明を怠っている党派の主張する「言論の自由」については民主主義は方便である、という批判を免がれ得ないとわたくしどもは考えます。

 わが国の議会政治は、保守主義を標傍する自由民主党と、目的政党すなわち、世界観・倫理観にもとづいて描いた理想社会の実現をめざす党派が存在し競合するというかたちで展開されてきました。憲法のもとでの議会制民主主義という枠組みのなかでこれら諸党派は、それぞれが自党こそは真に民主的であり、民主主義を保障する党であり、真に国民の利益を実現していく党であると主張しております。しかしながらこれら諸党派は、民主主義のもとにおいては、意見の対立ということをどのように把握するのか、意見の対立という状況において採用されるべき政策はどのような方法によってなのか、といういわば民主主義の全くの初歩的ルールさえ確立することはおろか、党独自の主張さえ持っていない、さらには持つ必要さえ自覚していないのであります。
 このような諸党派が今日まで曲りなりにも国政を運営し得てきたのは、第一に現行憲法の定着ということ、第二の理由としては、とりわけ昭和三十年以来遂行されてきた経済の高度成長であります。高度成長に対する国民的合意があり、諸党派もこのすう勢をけん引し、後押しする、という状況が、諸党派の民主主義政党としての基本的欠陥が暴露することを防止していたとわたくしどもは判断しております。


 こんにちにいたって、これら諸党派の延命策は、「福祉国家」てあります。わたくしどもは、「福祉国家」もまた、「高度成長」と同じ轍を踏むであろうと予測します。将来にわたっての財源の保障を、机上ブランとしてさえ提出し得ない次元での「福祉国家」とは、まさに現在解決すぺきもんだいをますます解決困難なもんだいにして次代の国民に背負せるものであります。まさにわが政党改冶の状況は、将来の環境変化を予測し、備えるという重要な任務を放棄し、ただ今日、明日を如何に延命するか、という党利党略を越えることをきわめて些少であるといわねぱなりません。

 わたくしどもは、この政治の現状の主要な一因は、自由民主党が保守主主義政党として当然具備すべき要件を欠落させている、という点にあると判断しております。詳細は次節において述ぺますが、自由民主党は、民主主義論も、保守主義の理論も備えておらず、改憲を主張しつゝ、実はその民主主義・保守主義とは基本的に現行憲法の諸条文そのまゝであり、しかもそれらに対し何の理論的コメントさえ加え得ない、というところであります。
 目的政党はひとまずおくとして、いやしくも保守政党を自称し、現行社会体制を存続させることを党是とする自由民主党が、自前の民主主義論・保守主義論を有していない、この保守政党としておよそ他と比肩すぺきもない重大な要件の欠落こそ、わが国の政治状況を今日なくあらしめた主因であります。
 
 論述してきたわたくしどもの判断が、一面的ではあれ、現在の政治状況の原因分析として的を外していないとすれぱ、こんにちの政治の方法をめぐる課題は、議会制民主主義の原理・原則と実践の乖離を如何にして克服するか、ということであります。そしてとりわけ保守主義を標傍するわたくしどものもんだい意識としては、理論なき保守派の現状打開の第一歩としての保守主義および民主主義の理論構築であり、その理論を基準とした既存保守政党の改造の可能性ということでありましょう。しかしながらわたくしどもは理由は後述しますが、もはや自由民主党が改造され、政治理論を軸とする国民政党へと改造される可能性はほとんどないと判断してまいります。
 
 わたくしどもは、以上のような判断をもって、自ら立って国民政党を創建することを決意しました。拠るものは、ただ自らの努力のみという位置から、多くの同憂・同志の人々があることへの確信をもって、およそわが国においては前人未踏の域に属する企ての第一歩を踏み出すことを決意したのであります。

 本冊子は、現在の政治を憂い、いかなる性格の政党が、現在ー将来において生起するてあろうさまざまのもんだいの解決という任務を果たし得るのか、というもんだいに関心を有するすべての人々に対するひとつの提起であります。以下においてわたくしどもは、民主主義および保守主義に関するわたくしどもの見解を明らかにし、独自の理論的立場から導き出される創建を目指す新たな国民政党の素描を試みたいと考えます。さらにそののちに、わたくしどもの理論的祝点からする自由民主党および新自由クラブの批判的検討を行いたいと思います。

 さまざまの経緯ののちに本冊子を手にされるめぐり合せとなった各位に対し、わたくしどもの意のあるところを充分かつ批判的に検討されんことを切望するものであります。


2、民主主義について

 わが国においては、保守主義者を自認する相手に対して保守主義の理論について語ろうと試みる人は、まず、なぜ理論をもんだいとすることが必要なのか、という点に関して、あまり興味すら示さぬ相手に、長々と説明することから始めなければならない、というのが大方の傾向であります。わが国の保守主義者とりわけ政治家の大部分は、政治理論を軽視し、警告に対しては空論であると一蹴してきました。しかしながらおよそ人間の目的意識的活動がすべてそうであるように、政治もまた理論の不可欠性を免がれることはできません。理論を軽視する論者自身、「実践は理論に優先する」、「理論は考慮する必要はない」という立派な理論的立場を選択して事を処しているともいえますし、さらに重要なことは、「理論は軽視してもよい」とする立場も、理論を重視する立場同様、実際の活動に先行して、さまざまの情報を取捨選択し、ある仮説をたてることを行わないかぎり、何事もなし得ないことは自明であります。この作業、すなわち仮説の設定にいたるまでの全作業を貫く基準こそが理論であり、わたくしたちは情報の取捨選択をたとえ理論を意識せずに行い得たにせよ、反省過程においては、選択の基準としてのさまざまの知識や信念が存在することを否定することはできません。この仮説構築にかける基準を、仮説構築の作業に先行して、理論として整合的に把握することの重要性は、人間の目的意識的活動は試行錯誤的方法によって行われること、目的達成に失敗した場合、失敗に学ぶ、すなわち、新たな試行錯誤に向けての仮説の構築、という段階において基準の果す役割に注目すれば明らかであります。政治実践にかいて、とりわけ保守政党に限ってのべれば、保守政党は、現行社会制度の全面的あるいは急進的な改変という方法を選択しない、部分的、漸進的改革の途を採用する以上、特に自己の政策認定を基礎づける理論の重要性が強調されねぱなりません。保守政党の政策は、状況の変化に機敏かつ的確に対応していくという性格をもつものですが、この政策の変化の背後に保守主義の理論が前提され、理論を基準として当該政策の「保守」性が主張し得てはじめて保守政党は、自己が「保守」であることを標傍しうるのであり、基準としての理論なき保守政党は、現在の政策においてはともかく、将来にわたって「保守」てありつづけることを主張する根拠を有しないのみか、無自覚のまゝ急進主義へと転回する可能性をも持っているといわねぱなりません。さらにこんにちの如く、政策の選択肢が少なく、目的政党諸派も一斉に漸進的政策を堤起しているとき、政策決定過程における方法論的論議の必然性、および国民への支持を訴えるに際しての政策以前の方法論的立場の主張の必要性等を考え合せるとき、一層明らかであります。さらに、保守政党は、目的政党と異って、党の支持層を特定しません。党は国民諸階層、諸グルーブのなかから特定のグルーブをもって他のグルーブに優先させる、という立場をとらないのであります。したがって、党はあるいは互いに利害の対立しているかも知れない社会的グルーブの両者に同時に党への支持をよびかけるわけですが、それは第一に政策の呈示によってではなく、利害対立を解決する方法を明示した党の理論によってであると、わたくしどもは考えます。
 このように保守政党における理論の重要性を前提として、わたくしどもの採用する、民主主義・保守主義の理論について政治および既存政党の状況と照合しつゝのべていきたいと思います。
 

 過去においてはともかく、普通選挙にもとづく議会制が、世界的に政治制度のすう勢となった現在において、民主主義は、一体何をもって他の政治制度と自らを区別するのでしょうか。まぎれもなく、特定のグルーブによる独裁のもとでの議会制が存在しており、そしてわたくしどもの理解するところでは、これらの議会制とわが国の議会制、すなわち民主主義にもとづく議会制との間には、中学生にでも具体的に列挙できるような多くの差異が存在します。これらの差異は如何なる根拠にもとづいて存在するのでしょうか。民主主義は、議会制一般のなかでどのような点で他との差異、主観的には優位性を主張するのでしょうか。およそこのもんだいに対して、解答し得ない自称民主主義党派は、国民に対して自党が民主主義政党である、という主張をもとに信頼を訴え、期待する資格がないといわねぱならないことは、論理的に明らかであります。
 おりしも、わが議会になける諸党派は、自党こそ唯一、民主主義の体現者であり、かつ擁護者であると主張しております。しかしながらどの党派をとり上げても、前にのぺたもんだいへの解答を導き出し得るような民主主義理論を備えているものはありません。それどころか、わが国の政治制度と自党の理論的立場を方法論的に関連づけて論じたことすらない、というのがわが自称民主主義諸党派の現状であります。
 このおよそ一国の政治にかかわらんとする政党であれば、論理的に考えてまず不可避であろうもんだいをいかなる理由からか、全く無視しているのがわが議会において活動中の既存諸党派の基本的性格であります。
 いずれの党派をみましても、民主主義と自らが信ずるスローガンをかかげ、スローガンの説明を要求されると別のスローガンをもって答える、あるいは憲法のあれこれの条文の引用をもって事足れりとする、さらには、何らかの政策を「真に民主的な」と銘うって提起することをもって、何かしら自党が民主主義を党是とする政党であることを立証した、あるいは現行政治制度のもとでの自党の位置を論理的に明らかにしたかのようにふるまう党派ばかりてあります。このような、「真の民主主義」諸党派の行ういわば民主主義のバーゲン・セールのような政治の現場における言動をみるとき、民主主義そのものに対する幻滅、直観的な破産宣告がなされることも理由なしとはいいがたいものがあります。
 しかしながら、何回も強調しておきますが、これら、民主主義を自称しつゝ、民主主義論も、現行政治制度における自党の位置づけもいまだ一度として試みたことすらない諸党派が政治運営を占有していること。この点にこそ現在の政治の課題、解決すべき社会的もんだいの質と解決方法の乖離という重大かつ緊急のもんだいの主因があるとわたくしどもは判断し、主張するものであります。
 
 主権在氏、政治の主体は国民である。ということが民主主義の原理・原則であるとすれば、民主主義の理論構築のアプローチは、この「国民」について考察することから開始するのが妥当であると考えます。「国民」、この一語のうちに、日本国籍を有するすべての個人が集合されております。すなわち、経験、性格、能力、社会的位置、信条等いずれをとっても、さまざまの具体的な政策の策定に先立って、統一することの不可能な差典を有する諸個人の総称が「国民」であります。したがって、わたくしどもは、いかなる政策といえども、「国民のため」、すなわち全国民の利益のため、と主張することは不可能であると考えます。このわたくしどもの判断が正しいとすれば、ここにおいて、「国民のために」と銘うってあれこれの政策提起を行う諸党派の非論理性が明白となります。かれら諸党派流の「国民のため」とは、「当の政策遂行によって利益を享ける国民のため」ということにほかならないわけてあります。さらにこの「国民のため」の政策にはいまひとつ「民主的」というレッテルが貼られております。すなわち、ある政策の遂行によって、国民の一部あるいは、大部分が利益を享ければ、その政策は全国民のための政策であり、民主的な政策である。というのが諸党派流の「国民」観であり、「民主主義」観であります。しかしながら、この「国民」観、「民主主義」観は、論理的根拠を伴なって提出されたことがないために、わたくしたちはこれら諸党派の「国民」観、「民主主義」観を合理的に検討することができません。
 したがって、わたくしたち国民のこれら諸党派に対する態度は、合理的な検討にもとづいて決定されるのではなく、非合理的なさまざまの動機によって、決定されている、といわねばなりません。すなわち、諸党派流の民主主義とは、当該党派が、「国民のため」、「民主的」と信じて堤起する政策の遂行によって利益を期待し得る国民の部分および、党の支持者にとってのみ、容認され得るものでしかないといわねぱなりません。わが国の政治は、まさこのような「民主主義」諸党派によって運営されており、その恣意的な「民主主義」・「国民」観にもとづく言動への請求書が、かれら諸党派流の政党の存在さえも保障する、わが国の政治制度にむけて不当にもつきつけられているといわねぱなりません。

 保守主義を標傍するふたつの党派を除くわが国の政党は、目的政党すなわち、現行社会体制を抜本的に廃止し、自らが信奉する世界観あるいは倫理観にもとづいて描きだした社会制度のブランをもって置き換えることを目的とする政党であります。端的にいって、これらの党派は字義どおり、「国民のため」の党であるとは、認め難いものがあります。これらの党は第一義的には、これらの党かかゝげる実現されるべき社会制度を支持する国民のための党であり、けして全国民のために政治運営を行う党とは認められません。勿論、これらの党からは、わが党の目的とする社会の実現は、国民の、場合によっては、全人類の利益となるものである、との反論がなされるでありましょう。すなわち、目的政党は、国民個々にとって何が利益であるか、ということを、当の本人よりも良く知っていると主張するわけであります。しかしながらこの主張は、客観的な検討を許さない性格のものであります。目的政党の目的の正しさは、当の目的を導き出す、特定の世界観・倫理観を前提として社会を分析する場合にのみ、その正しさが証せられる、という構造をもっております。わたくしたちは、ある世界観、ある倫理観が正しいか、誤まっているかを合理的に判断する基準をもっておりません。また、目的政党白身、自己の世界観あるいは倫理観から独立して、その目的の「普遍性」あるいは「歴史の法則」の具現であることを論証することはできません。したがって、目的政党に対する国民の態度は、目的を非合理的に受け入れるか、あるいは、政治の方法のレベルにおいて目的政党を拒否するかのいずれかてあります。
 党の目的に帰依する国民にとっては当然党は全国民の党であり、そして党が民主主義と唱えればまた民主主義の党として存在するのでしょうが、帰依しない国民にとっては、身元不明の目的を「真理」「善」として強要する党として存在することになります。もちろん、党にしてみれば、国民のための真の利益の具現こそが目的であります。強要してなんのはぱかるところがありましょうか。強要は、目的政党にとって神聖な義務であります。また、目的政党にとって、反対派の批判は、無知な輩のたわ言か、きたるべき至福の世界への参加をあらかじめ拒否されているグルーブの泣き言ということにもなりましょう。

 目的政党にとって、政治体制は、基本的にその目的達成にもっとも効率的な制度を採用する、というのが合理的であります。何も民主主義であるとか、議会主義であるとかこだわる必要はないのであります。実現すべき社会制度、あるいはもんだい解決の基準は、自党の世界観あるいは倫理観であるか、あるいはそれらから導出されるわけですから、党外のさまざまの視点から提出される反対意見の処理にあたっては、たとえ聴取が行われたにせよ、政治の意思決定に影響を及ぼすようなことがあっては、背理となりましょう。したがって、わたくしどもは、目的政党は、国民の特定の部分の党であり、たとえ党が国民の支持の絶対多数を得たにせよ、国民の党とは称し得ないと判断します。目的政党においてこのことを否定するならば、まず自党の民主主義論を提起することからはじめねぱなりません。民主主義論の展開を前提としない反論は、わたくしどもの主張をくつがえすことはできません。

 わたくしどもは、現行社会制度下におけるもんだいの発生をもって、自党の目的の正しさの論拠としかねない目的政党に対して、現在の政治状況の責任を負わせるつもりはありません。かれらにとって、政治の混迷もまた「わが党の目的の正しさ」を証する一例にすぎないのでしょうから。しかしながら、保守を標傍する自由民主党はこの限りではありません。

 保守主義は、現行社会体制において生起するさまざまのもんだいを漸進かつ部分的なアプローチによって解決せんとする立場であり、また現行社会体制の存続を前提として将来にかいて生起するもんだいを予測し、それらへの対応を準備することを任務とします。およそ、世界観・倫理観のいかんを間わず、こんにち生きている個々人はすべて何らかの解決すぺきもんだいに直面しており、それらのもんだいの多くはまた現行社会体制にかいて解決し得る、解決すぺきもんだいであります。わたくしどもは、個人が直面するもんだいにおいて、社会制度が変化しないかぎり解決不可能なもんだいは想定し得ないと主張しますが、この主張は除外しても、たとえ目的政党の最も戦闘的、先進的な党員である国民といえども、現行社会体制にかける利害をもっているという点は、自明であろうと思われます。したがって現行社会体制におけるもんだい解決を任務とする保守政党は、これら、目的政党の党員である国民を含む、現行社会体制におけるすぺての国民に対して責任を負う存在であるといわねばなりません。自由民主党が、保守主義を標傍しつゝ、果たしてよくこの任を遂行してきたか否かの検討は次章にまつとして、ここでは、いまのぺたような「国民」の多様性ということを前提とした政党のあり方を追究したいと思います。
 すでに明らかになったように、民主主義は、あれこれの政策に「民主」マークのレッテルを貼って提出することを意味するものではありません。民主主義を他の政治体制から分つもの、それは、主権在民、「人民の、人民による、人民のため」の政治を行う、その方法によってであります。国民の圧倒的部分が支持する政策を遂行することをもって一義的に民主主義とするのではなく、遂行すべき政策の決定過程のルールにおいて民主主義は自他をはっきりと弁別するのであります。このルールは、言論の自由を前提とした論議をつくすことであります。(わたくしどもは、多数決は、民主主義よりもむしろ議会主義のルールであると考えます。)では、民主主義はどのような理由から言論の自由を前提とした議論をもってもんだい解決の方法として採用するのでしょうか。もちろんこの民主主義の基本原理の根拠づけはさまざまの視点から可能でありましょうが、以下はわたくしどもの採用する根拠であります。

 歴史的な必然あるいは真理の具現へむけての過度期として現在を把え、過度期における力関係を考慮した戦術として、あるいは、国民の特定グルーブの利益追求を優先させることの論拠として民主主義を唱える、という目的政党流の立場と明確に異なって、わたくしどもは、民主主義とは、もんだい解決の方法であり、民主主義のもとでは、先験的に他者の意見に対して優位を主張しうる立場、あるいは理論は存在しないと主張します。この主張の根拠は詳細に展開せねぱなりませんが、ここでは後論に必要なかぎりにとどめたいと思います。根拠の第一は、何人といえども自己の主張の根拠を、「真理」に求めることは不可能である、ということです。もちろん主観的には、いかなる種類の「真理」も存在し得るわけてすが、この真理は、客観的な批判の対象とすることの不可能な主張であります。さきにも述べたように、真理の判定基準は存在しないのであります。

 第二の根拠は、わたくしたちは、ものごとの全体像を把握することが不可能である、という認識論上の立場であります。このことは、当代の科学の到達水準、当事者の認識能力の程度といった限界ではなく、論理的な水準での主張であります。わたくしたちは、「これがもんだいとなっていることがらの全体像である」と主張することはできません。わたくしたちは、ことがらの全体をあらゆる視角から同時に把握し、表現するという能力をもっておりません。

 認識の限定性ということは、当然予測の不完全性ということを帰結します。今日の時点において歴史のすう勢と見えたものが明日もまた依然としてそうであるということは論証し得ません。歴史のすう勢を把握するにあたって、当面、他への影響が小さく、捨象し得ると考えられたことがらが、時間の経過とともに、予測外の重要な位置を占めるに至り、ついにははじめに歴史のすう勢と
考えられた傾向を別のものによって換えてしまうということは、充分あり得ることです。

 よく言われることに、ことがらを真に把握するためには、先入感をすて、いわば白紙の状態において観察せよということがあります。この提言を実行することは、不可能であります。社会的もんだいの把握における意見の多様性という論旨に即してのべてみます。
 まず、あることがらが解決さるぺきもんだいとして認識される、ということは、もんだいの認識に先行して、一定の個有の立場が存在している、当のもんだいをもんだいとして認識し、その解決を希望する、という立場が認識に先行している、ということであります。ある立場に立ってはじめて、もんだいがもんだいとして認識されるわけです。(ただし、この立場とは、認識者がもつ、知識、信条等から構成される基準(理論)であって、唯物論者流の没個性的な社会的位置のことでありません。)
 先入感、つまり認識の基準を捨てて、白紙の状態て周囲を見わたしても、もんだいはおろか、何ひとつ認識することはできません。この認識における基準の先行ということに強く留意しなければならないとわたくしどもは主張します。

 もちろん、もんだい解決に際しては、わたくしたちは、固有の基準から出発しながら、できる限り、もんだいを多角的、多重的に把握し、検討しようと努力します。検討の結呆は、あるいは最初に認識を導いた基準のレベルへフィード・パックされ、基準の枠組みが変更される可能性もあります。しかしながら、この基準の変更も、「真」の基準への到達を意味するわけではなく、したがって、わたくしたちは、もんだい認識の提示にあたっては、基準を可能なかぎり明示し、「この基準を前提とすれば、もんだいはこのように把握される」というかたちでしか主張することはできません。そして、もんだい認識をこのようなかたちで提示することこそ、もんだい解決の重要な第一歩であることは、のちに論じたいと思います。
 以上においてのべたことから導き出される結論は、誰にせよ、自己の認識を唯一の正しい、あるべき認識である、と主張することは不可能であるということです。このことから、認識の、もんだい把握の多様性すなわち、社会的もんだいをめぐる社会意見の多様性ということが、当然のこととして認められるわけてす。この立場において、言論の自由ということが、単なる宣伝、党利党略、あるいは憲法条文の復唱などと全く異なった、論理的根拠をもった主張として、なされるのであります。
 主張の提起は、合理的なかたちで行わなければならない、ということを前提として、この立場は、自己の主張と異った主張の存在をもんだい解決に不可欠のものとして把握します。この立場が目的とするのは、自己の認識の正当性を証明することではなく、あくまでももんだいの解決ということですから、もんだい把握の段階において、自己と異った立場、基準を前提としてなされたもんだい把握を知る、ということは、自己の気づかなかったもんだいの側面、基準の欠点等を発見する機会を得る、ということです。このことは、もんだい解決という当初の目的達成に大きく寄与するものです。したがって、好むと好まざるとに関わらず、異った主張に積極的に耳をかたむける、ということは、およそ真剣にもんだい解決にとり組む時、不可欠の作業といわねぱなりません。
 解決すべき社会もんだいをめぐる意見の多様な存在を承認するとすれば、まず作成されねばならないルールは、複数の意見が存在するとき、採用すべき解決策を決定する方法についてであります。
 
 民主主義の意思決定ルールは、多数決である、という通説が当を得ていないことは、すでに明らかであります。通説に従えば、議会制さえ採用していれば、全体主義も、いわゆる人民民主主義もすべて民主主義ということになりましょう。 
 
 民主主義の意思決定ルールを検討するにあたって、原則とすべきことは、民主主義における意志決定は、多様な意見のなかから、より合理的な解決策を作り上げていく、という認識論に規定された、意志決定の方法であります。すべての意見は、修正されるべき部分を含んでいるであろう、ということを認めることは、およそ民主主義者にとって、最も基本的な信条であろうとわたしどもは、考えます。
 社会的もんだいの解決策の決定にあたっては、当事者全員の解決策に対する承認を得る、ということが最ものぞましい、という合理的な命題をふまえて、わたくしどもが主張するルールについては、機関誌上において詳細にのぺることとして、ここでは、解決策の決定にあたっては、もんだい把握のレベルにおける合意をかち取ることこそ最も困難なもんだいであり、民主主義における意志決定は、もんだい把握と、採用すべき方策という二段階においてなされる必要がある、ということを指摘しておくにとどめたいと思います。
 
 以上、民主主義を、特に言論の自由という原則にしぼって論じましたが、付言すれば、言論の自由を、認識論的に根拠づけているか否かということこそ、民主主義政党を他から分つ試金石であるとわたくしどもは考えます。


3、保守主義について
 「2」においてのべたことを前提としたとき、採用されるべき、社会もんだいの解決のための基本的枠組み、方法について検討していきたいと思います。

 わたくしどもは、ことがらを認識するとき、個有の立場から、そのことがらのもんだいとすぺき側面を抽出的に把握します。もんだい意識に照合して、関連性が乏しいと判断される側面あるいは部分は、捨象されるわけです。(このことを否定すると、わたくしたちはもはや、もんだいを表現することはおろか、把握することすら不可能です。)しかしながら、「一」において「歴央のすう勢」についてのべたことをくりかえすことになりますが、現在、関連性が乏しいという判断によって捨象された側面、部分が、事態の進展に相応して変化し、ことがらの死命を制するに至る、という可能性は、充分考えられます。あるいは、採用された解決策の実行によって、社会の予期しなかった別の側面に、否定的な結呆を及ぼす可能性をまた充分考えられます。したがって、もんだい解決の全過程を通じて、その解決策が依然として、もんだい解決策たり得ているか否かが、もんだいの変化の把握によって点検されねぱならないということと、解決策の実行による、社会の別の側面への波及効果の注視ということが、可能な枠組みが必要とされます。
 解決策が、大規模、急進的であるほど、もんだい解決過程を制御することは困難であり、場合によっては、全く制御不可能な事態を発生させ、社会を破壊する可能性すら存在します。
 
 これらに留意するとき、もんだい解決の枠組みは、端的に保守主義の立場すなわち、もんだいの解決にあたっては、現行制度、伝統を尊重しつゝ、部分的・漸進的なアプローチを行うという立場が採用されるのが合理的であるとわたくしどもは判断します。
 この保守主義は、もんだい解決の枠組みとして採用されるものであり、復古、旧守とは全く異なる立場であります。すでに明らかなように、わたくしどもの採用する保守主義とは、もんだい解決すなわち現状の改良、改革にあたって採用すべき解決策の基本的な枠組みであり、別に、革新ということと対立するものではありません。ただし、既存の「革新」諸党はすべて基本的な現行制度の改変を目的としてわり、この点において、わたくしどもの保守主義と明確に対立するものであります。
 
 さらに、復古主義すなわち、歴史上の特定の時代の制度への全面的な復帰を主張する立場にも若干ふれておきたいと思います。
 再三のぺてきましたように、わたくしどもの考えでは、わたくしたちは、ある時代の社会制度を全体として把握することは不可能であります。わたくしどもの判断では、復古主義はある基準にもとづいて当該時代の社会制度を恣意的に取捨選択し、当該の社会と一致しない、非歴史的な、新しい社会像を描き、その実現を目的とする立場であります。すなわち、復古主義とは、恣意的な基準にもとづいて、一定の時代の社会制度の取捨選択を行って、あるべき社会を想定し、社会総体をその社会像へ一致させようとする、全体主義・急進主義であって、保守主義とは、あい入れない立場であるといわねばなりません。                           
 経験的には、復古主義は、「伝統の尊重」、「伝統へ還れ」というスローガンを叫びます。しかしながら、復古主義流の伝統の尊重とは、さまざまの伝統の相互の連関を無視して、恣意的に抽出した伝統のみを美化し、「尊重」する立場であり、その実践の結果は、多くの伝統の破壊、ひいてはそれらの伝統との連関において存続する当の復古主義が称揚する個別の伝統そのものさえ、変化、破壊させる可能性があります。すなわち、復古主義の主張する「伝統の尊重」は、伝統の予期しない破壊の可能性を内包しており、さらにその全体主義、急進主義的方法は、その行動の結呆として制御不能な社会状態、解決不可能な社会もんだいの発生の可能性を多分に持っております。共産主義等の急進主義、全体主義同様復古主義は、このことを自覚していないといわねぱなりません。

 わたくしどもの主張する伝統の尊重とは、伝統の取り扱いを慎重に行う、ということであります。わたくしたちは伝統の発生、存続の理由、現在にかける機能などを全体として認識することが不可能であることから、伝統の急激な改廃が、引き金となって、生起するかも知れない制御不能な社会状態ということの可能性を考慮しているものです。この立場は必要に応じて伝統の批判的な検討を行う、ということと矛盾するものではありません。

 最後に次のことに留意していただきたいと思います。急進主義は、ある社会事象に対する価値判断から短絡的に総体としての社会を評価し、あるべき社会を想定し、その実現を目的とするに至る、という「論理」的な過程を有しており、このため当初は解決すぺきもんだいとして把握されていたことからが、遂には現行社会の全体が変革されねばならない理由のひとつ、目的聖化のための説得材科とされかねない、ということであります。
 保守主義の立場は全く異なっております。保守主義には、画一的な価値基準は存在せず、さまざまの基準によって発見されたもんだいは、解決過程において基準へフィード・バックされつつ、あくまでも個別のもんだいとして解決されて行くのであって、社会総体の評価を必要としません。

4、国民政党の素描
 民主主義・保守主義をかかげる国民政党は、すてにのぺたように、社会制度の全面的な改変を目的として結成される政治党派とは明確にことなって、あらゆる階層の信条、利害、経験、生活等いずれをとっても千差万別の諸個人によって結成される党であります。したがって国民政党の結成の基軸は、特定の信条や、利害ではあり得ないことは明白であります。
 それでは国民政党は、何を基軸として結成されるのでしょうか。わたくしどもの志向に限ってのぺていきたいと思います。

 国民政党のもっとも基本的な軸は、さまざまの水準におけるもんだい解決へむけての意志決定のルールであり、そのルールを根拠づける認識ー方法論であります。このもんだいについてはすてに先述しましたので、ここでは、わたくしどものめざす国民政党の認識ー方法論と世界観政党の認識一方法論との差異を明らかにしておきたいと思います。周知のように世界観政党の理論体系は、認識論を基礎として構築されています。
 その認識論は、当の世界観政党にとって、世界観の「真」性ないし「科学」性を証するものであります。論理的な検討を加えれば明らかとなることですが、世界観政党の主張とは全くことなって、いかなる認識論を採用したにせよ、認識論から論理的作業のみによって、世界観を構成することは不可能であり、また、世界観から目的が論理的に導出されるわけでもありません。しかしながら、世界観政党は、認識論一世界観一目的が論理必然的な関係のなかにあると錯誤しているために、その理論体系が閉鎖的な円環構造となっていることに気づいておりません。

 したがって、理論的な批判に対しては、目的ー世界観一認識論と遡及して答えるかにみえて、最終的には、認識論の防衛に際して、当の認識論から導出されたはずの世界観によっておこなうという転倒を演じ、あるいは、認識論を体得しないかぎり(!)理論体系の「真」性ないし「科学」性は把握し得ないと居直るわけです。この閉鎖的円環構造にとどまっているかぎり、世界観政党の理論体系は、他者の批判に対して先験的に、完壁に防護されております。実はこの超批判的な性格こそ世界観政党の免がれ得ない性格としての閉鎖性、独善性の根拠であり、このことは、世界観政党が、理論の次元において、失敗から学ぶ、ということを拒否し、ひいては、当の世界観政党の志向する目的と全く相対立する事態を生起する可能性をも論理的な次元においてすでにもっている、ということを明らかにしております。

 世界観政党の閉鎖的な円環をなす理論体系内の認識論とことなって、国民政党の認識一方法論は、特定の世界観と論理必然的に結びつくものではありません。また、特定の世界観と対立するものでもありません。(論理的には、「真」の認識を得るための方法として主張される認識論とのみ対立するのですが、世界観政党の理論体系は、この種の認識論と不可分であるために、体系そのものと、わたくしどもの認識論は対立するわけです。)
 したがって、わたくしどもの採用する認識一方法論は、いかなる世界観とも共存し、世界観は、この認識一方法論を自己の他への優位性の根拠とすることができません。この意味においてわたくしどもの認識一方法論は、開かれた理論であると主張することができると思います。この認識一方法論が開放されているということはきわめて重要であります。

 開かれた党、開かれた政治ということが云々され、党内の論議をひろく国民の前に明らかにすることが要求されております。公党として当然行うべき党内論議の公開を行わないということは、たしかに批判し、公開を要求すぺきものであります。しかしながら、党内論議が公開されることをもって当該政党が開かれた党であるとするかのような見解はわたくしどもは賛成できません。このことは、世界観政党を例にして検討してみれば明らかであります。世界観政党がその理論体系の論理的性格から、外部の批判を拒否する以上、世界観政党とわたしたちの関係は、敵か味方か、という二分法を超えることができず、党内論議が公開されている、いないにかかわらず、閉鎖的な関係であります。世界観政党が、自己の世界観に対する批判を許さない、ということは、党がその現実の言動において、いかに開放的なポーズを採用しようとも、その基本的な閉鎖性を変化させるものではありません。
 たとえば、次のような状況を想定してみれば、このことは明かであります。世界観政党が国家権力を十分に把握し、国民の大多数は同党を支持している。党内論議はかれらが主張する「民主主義」に即しておこなわれ、かつその一部始終は国民に開放されている、という状況にあるとしましょう。この状況は、はたして当の世界観を信奉しない国民少数派にとっても「開かれている」と判断できるのでしょうか? もし、「開かれている」と主張するとすれば、この「開かれている」ということは、少数派にとっていかなる意味をもつものなのでしょうか。
 わたくしどもの採用する認識ー方法論は、開かれた理論であります。しかしながら、このことをもって国民政党が開かれた党派であると、主張することはできません。
 ただし、この逆は主張しうることは先述した通りです。また認識ー方法論が開かれた性質をもつということは、この認識ー方法論を基礎にしながらなおかつ理論と無関係に何らかの権威をかかげることによって、閉鎖的な党派が存在する可能性をもっています。
 すなわち、開かれた認識ー方法論は、国民政党の必須条件であり、十分条件ではありません。
 
 第二の軸は、認識ー方法論をふまえた意志決定ルールとしての民主主義であります。この民社主義は、理論としての民主主義であって、現行法体系と無関係にたてられております。その内容については、第二章においてのべました。ここでは、議会制民主主義における多数決原理について若干、ふれておきたいと思います。わたくしどもの主張では、議会制民主主義は、少数意見の位置づけ、処置によって他の議会制ときわめてことなっています。認識一方法論から明らかなように、多数意見がたとえ相対的にせよ正しい意見であるとは主張できず、また多数意見の採用が即、「最大多数の幸福」を約束するものでありません。わたくしどもは、多数決を、実践における効率ということを考慮して採用します。この立場は、ただちに小数意見の取り扱い方を示唆します。
 採用されるもんだい解決策は、究極的に関係者の相対的多数の協力が予測される、という見地からのみ、採用されるのでありますから、解決に失敗する可能性は常に免がれません。したがって実践の結節点にかける総括は、採用された解決策のみならず、少数意見を基準としても行う必要があり、もんだい解決という目的にとって、実践に採用されるか否かを間わず、少数意見は全過程を通して、活用されるわけです。


 第三の軸は、保守主義であります。この三つの軸によって、国民政党は、その結集の軸である理論において、国民政党であることを主張し得るのであります。付言するまでもなく、党はこの次元において、世界観政党の党員たる国民もふくむすぺての国民に対して開放的な存在であります。現行社会体制内において生起するすべてのもんだいの解決をめぐる意志決定の過程において党が提起する解決策は、党外から提起される解決策に対して何の超越的優位性も主張する根拠をもっておりません。(意思決定過程の分析およびわたくしどもの主張する意志決定の方法は別稿にかいて論じます。)

 以上、のぺました三つの理論が党の結集の基軸であります。すなわち、わたくしどもの志向する国民政党は、党の綱領を基礎づける理論をもって結集軸とします。行動の基準としての綱領は、党の存在を明らかにし、党外の諸勢力、諸個人に党の位置づけを可能とする機能を同時に有します。
 したがって、政治勢力としては、理論を基軸とした党としてではなく、綱領レベルで一致する諸グルーブの連合として、また政策レベルでの一致による共同によって行動することを考えております。綱領および組織論については、今後の課題であります。
 わたくしどもの志向する国民政党の基本的性格についての論述を終るにあたって、次のことを明らかにしておきたいと思います。
 以上によって、意を尽したとは言い難く、表現もまた定まっているとは思いません。不充分な点、不明確な点は、おって刊行する同盟の機関誌において再度検討することによって責任を果たす所存です。御了承下さい。


5、自由民主党の自己改革の可能性について
 ここでのべるのは、本冊子て展開した理論を前提として、自由民主党の自己改造、すなわち国民政党としての再生の可能性についてであって、自由民主党の総体的な評価を云々するものではありません。したがって、検討は主として同党の欠陥とわたくしどもが判断する側面の指摘とその改善の可能性について行います。この点、あらかじめ御留意いただきます。

 自由民主党は、創設以来、同党の「体質」にかかわる批判が強まるたびに、改革、国民政党への脱皮ということをみずからに課し、国民に対して公約してまいりました。しかしながら、党はこの課題に対して何のみるぺき成果も挙げ得ないまま、現在の局面を迎えております。以下、自由民主党のもんだい意識に即したかたちでのぺていきます。
 自由民主党の自己改造の主眼は、いうまでもなく、国民政党への脱皮という点におかれました。そのたの方策として、個人後援会組織の党組織への再編ということが永年の懸案であります。今日にいたるまで、この懸案は、部分的にすら改善されておりません。
 国民政党における理論の重要性が、党として認められていない同党の政治理論は、党の自覚の有無は別として、いわゆる「戦後民主主義」であり、反野党主義であります。党は、多数専制か、一党独裁か、というきわめてもんだいを含む論法で、二者択一を迫ってきました。さらにその多数専制主義のもと安定与党として遂行する政策は、時流追随、野党との勢力関係という当面の戦術的必要によって行われた創設すなわち保守合同以来、のちにのべる党の構造から要求されるぽう大な政治資金の供給グルーブおよび層としての支持グルーブの利害を非合理的に優先させる傾向がありました。そして、それらの政策の批判に対しては多数決て押し切ることを常としてきました。
 戦前の議会政党からその構造と人材を受けついて発足した党は、地方有力者と官僚出身者の党、議員党として存在しながら、国民政党への脱皮の必要性を自覚していたものの、国民政党の結集軸を確立しえず、というよりもそれ以前の段階のもんだいとして、党の政治理論の必要性を認識し得なかったために、現在に至ってもなお戦前型の議員党として存在しています。すなわち、党の下部は議員個々人の後援会組織によって代行されています。 政治家の個人後援会を一概に否定するものではありません。ある政治家の信条、手腕、個性等を評価し、期待する人々が後援会を形成する、ということは至極当然のことであります。しかしながら、この個人後援会をもって党の組織的基盤とし、公党の自他を区別する理念、原則とおきかえることは不可能であります。自由民主党は、理論的次元の不備を放置し、その存立を個人後援会に託したために、本来、諸党派の理論のレベルて行われるべき、競合を効呆的に行い得ない党は、「実績」を主張して保守的傾向の人々を可能なかぎり結集しようとしました。戦後一貫してわが国の国政レベルの選挙は、野党がすべて目的政党である、ということもあって、イデオロギーをめぐるものでありますが、保守単一党という条件から、長期にわたって政権の座を占めてまいりました。しかしながら相次ぐ同党の欠陥の露呈は、警告の意味もふくんて、支持者の離反を促がし、いわゆる「保革伯仲」という現在の状況に至っております。現在、「結党以来の危機」に際会した自由民主党の依拠するものは、相も変らず代議士個々の個人後援会であります。個人後援会は、不当・過大な位置づけ、任務によって、変質しております。保守的傾向の人々を直接に個人後援会に組織することによって党の延命を図る以外に方途をうち出すことのできない自由民主党は、当の代議士について何の知識ももっていない人々をも後援会に組織せねばならず、しかしながら結集をうながす合理的な主張をもっていないために、地縁、血縁、地位、義理、利権等々およそ考えられる限りの手段を駆使して後援会の肥大化を図らねばならない、という構造が改革される兆候は見受けられません。
 個人後援会は、代議士を頂点とし、さまざまの動機で集まった地方有力者たちが中心グルーブを形成し、その下方にさらに個々の地方有力者のもとに、これまたさまざまの動機で集まっているグルーブが位置するという構造をもち、その最底辺は、後援すべき代議士の信条等々についてはおろか、極端には顔さえみたことがない、という人々によって「形成」されています。
 この組織は代議士と内部諸グルーブとの、あるいは内部諸グルーブ間の連関を公開することができません。連関の状況を照合すべき基準は存在せず、代議士が、いかに「さまざまの動機」に応えうるか、が唯一の接着剤である後援会においてひたすら直接的、非合理的利益の約束と「自由主義社会を守るため」という絶叫が、自由民主党の基本戦略であります。
 理論なき、閉鎖的地方党組織として、個人後援会をみた場合、その致命的欠陥は、党中央の欠陥の引きうつしとして、地方における利害調整過程の困難あるいは非合理性、不透明性ということ、また、他党の理論レベルでの批判に堂々と理論をもって応対し得ず、ただ内部において「実績」を確認し合う以外に基盤防衛をなし得ず、したがって、党の支持基盤を維持、拡大することがきわめて困難である、という点にあります。さらにその閉鎖性は、党と無党派の人々、政治に関心をもたない人々とを結ぶ保守党の開放性の原則を否定しています。

 自由民主党が国民政党への脱皮を真剣に志向するならば、党は個人後援会の再編を不可欠の課題とするであろうとわたくしどもは主張します。そしてまさにこのことが党改革の困難なことの理由でもあります。すなわち、自由民主党は保守政党として、今後も「永久政権」であり続けなければなりません。選挙に勝つこと、これは自由民主党にとって至上命令であります。自由民主党は、相互に背反する二つの課題を背負っております。「永久政権」を目ざして、戦略的に党改革を遂行しようとすれば、現在、手にしている政権の存続が危うくなり、戦術的に選挙に勝とうとすれぱ、党改革はそれこそ永久に不可能ということになります。自由民主党内の一部には、党改革を優先させ、野党に政権をわたすことを考慮すべきだ、との意見もあるようですが、党内の多数意見になることはないと思います。わたくしどもも保守派としてこのような安易な主張には、断固反対であります。
 自由民主党は、その基本的欠陥が原因となって噴出するさまざまのもんだいに、その場しのぎの「改革」を約束しつゝ、表面を糊塗しつゝ、「永久政権」を目指して努力する以外に方途はないように見うけられます。すなわち、自由民主党は、基本的に、現在わたくしたちの眼前にあるがままの構造で終始するであろうというのがわたくしどもの結論であります。
 残念なことに、こんにちに至ってもなな自由民主党は、その基本的欠陥を自覚しておりません。改革派と目される党のある有力者は、「山手線を速度で評価する視点から、すし詰めになっている乗客の立場に視点を変えねばならない」と主張しています。この発言は、評価するにやぷさかでありませんが、しかしながら、党の現状はもはや、「何が国民のためになるのか、もう一度考えてみょう」などという独善的な反省によって改良されるものてはありません。この有力者にしたがって「山手線」を例にすれば、速度を重視する意見と、乗心地を優先させることを主張する意見とが対立するとき、「山手線」に関して現実に採用される政策の決定は、いかなるルールのもとにおいて行われるのが、自由と民主主義の自由民主党にとって望ましいのか、ということ、この政策決定ルールを、いわゆる「戦後民主主義」を無批判的に受け入れ、「民主教育」どおりの、民主主義=多数決という同党の伝家の宝刀の破産をふまえて論じることからはじめないかぎり、政権を下りて党改革に努めても国民政党としての再生は不可能であろうとわたくしどもは判断します。

 自由民主党は、目的政党のイデオロギー面での攻撃に同一次元て応対し得ず、陰湿に支持グルーブ内部において「実績」を対置することによってしのいでおりますが、政党の将来は理論によって判断されるべきであり、今日までの「実績」が明日の成功を保障するものでないこと、このことは党にとっても支持者にとっても銘記すぺきことがらでありましょう。

 思えば自由民主党は、結党以来、基本的欠陥の内包にもかかわらず、わが国政の中心的にない手としての責務を負ってまいりました。この事実は否定し得ないものでありますが、現行社会体制を擁護する唯一の政党として同党は、社会体制擁護のために政治資金供給グルーブ、議員後援会の期待に応えねばならず、その現実の実践は、社会体制の擁護という目的が転倒して、支持グルーブの利害の非合理的な優先、という傾向があることもまた事実であり、自由民主党の国政担当の過程はさまざまのもんだいを生起せしめ、党の基本的な欠陥が露呈していく過程でもあった、と思います。

 自由民主党の現状および改革の可能性について、以上のように把握するとすれば、保守主義の理念をかかげ、急進的諸党派と、理論、政策両面にわたって競合し、党独白の行動のかなたに自由民主党にかわって、現行社会体制の存続を前提とした政治の中核をになう展望をきりひらいていく、新たな国民政党の登場が重要かつ緊急の課題として現前するのであります。
 
付記 新自由クラブについて
 自由民主党の内部改革に「絶望」し、脱党した人々を中心として結成された新自由クラブについて若干、感想をのぺておきたいと思います。
 まずことわっておかねぱならないことは、わたくしどもは、同クラブに対して抜き難い偏見をもっている、ということであります。
 わたくしどもは、同クラブに対して次の諸点に関して強い不信の念を持っております。
 第一・自由民主党の危機に際会して党内において何ら積極的に行動することなく、一方的に脱党したこと。第二・同クラブ結成時のリーダー諸氏はかって自由民主党文教部会に属していた。したがって、今日の教育の「混迷」に対して何らかの責任を負うぺきてあるにも関わらず、一切口をぬぐって評論家流の教育批判を行い、かつ、「教育立国」などと提唱していること。
 以上の二点についてのわたくしどもの不信はもとより理論のレベルに関わるものではありすぜん。理論以前のもんだいであり、仮にこのような所業、すなわち自己の果たすべき責任を果たさず、その事が一因となって生起した事態について、第三者然として評言を加える、ということが一般に容認される、ということになれば、相互信頼を基底とする社会的諸関係は根底からくつがえされることはだれの眼にも明らかでありましょう。
 そしてまさに今日、新自由クラブの指導的メンバーである自民党脱党グルーブは、このような批判を免がれ得ない行動をとっているのであります。
 思えば、自民党は党の次代をになうぺき「青年政治家」として、このような倫理感覚をもった諸氏を党内から生んだ、という点において、またしても党の欠陥を露呈しているといわねぱなりません。
 一般に、党内対立は、党の理論、政策を軸として存在します。党の体質にかかわる対立とは、理論次元の対立であり、対立ー脱党の途を選ぶ人々は、党の理論への反対なのか、党の実際の行動が理論と一致していないことをもんだいにしているのか、を明らかにし、さらにそれらをめぐる対立が党内においては解決し得無いことを明らかにする必要があります。ところが自由民主党はその現状を点検する基準となるべき理論をもっていないということから、脱党者も、一体何を基準に自由民主党を批判し、自己を確立していけばよいのか、ということが、自覚されていないとわたくしたちは判断しています。党の理論面での欠陥に気づかぬまま、脱党直前まで沈黙に終始していた脱党派の人々にとって、新党は、綱領、政策、組織よりもまず基本的な政治理論の構築を必要とする、ということが今日に至っても自覚されておりません。
 このことの教訓は、政治理論なき政党はその内部から建設的な批判勢力を生みだすことさえ困難である、ということを証左するものであります。

 新自由クラフの結成の動機は「反自民」であり、それ以上でも以下でもありません。それでは新自由クラフの「反自民」の「反」は一体自民党のどこに向けられているのでしょうか。
 わたくしどもが報道によって知る限りては、「反金権」、「反密室政治」ということが主張されております。 わたくしどもの自民党批判の視点からすれば、この「反自民」はあまりにも皮相的であります。
 わたくしどもには、新自由クラブの「反自民」保守主義はその基本的性格において、自民党ときわめて似通っていると思われます。このことは現実に同クラブ所属議員および議員候補者の経歴、選出過程が自民党の地方名士十高級官僚十タレントという型と相似であることにも明らかであります。すなわち、同クラブは前章て指摘した、自民党の基本的欠陥についての認識が全く欠落しているのであります。何故に保守政党は「金権」、「密室政治」と指摘されるような政治運営を行ってきたのか、行わざるを得なかったのか、というより根本的なもんだいにまで想到していないように判断されます。
 くりかえせぱ、同クラブは、先述した国民政党にかける政治理論の必要性、党独自の理論を装備する、というもっとも初歩的な課題が、課題であることすら自覚していない、といわねぱなりません。
 
 方法にかかわる理論を欠落させている現状において、マスコミから、綱領、組織論、基本政策と次々に「ないものねだり」をされるたびに御都合主義的にそれらを提起しております。さらにはこんにち解決を迫られているさまざまのもんだいについての「抜本的解決策」も数多く提起しております。しかしながら、綱領、組織論等は一体何によって保守主義を標傍し、現行社会体制の基本的構造を擁護していく政党のそれてあることを根拠づけられているでしょうか。この作業の重要性についてはすでにのぺたように明らかでありすます。さらに、「抜本的解決策」を同クラブはどのように実行に移す展望をもっているのか、一向に明らかにしておりません。同クラフが政権の座につくまで待て、というとではないかぎり、少数派であるこんにち、ただいまから、その政策の実施をめざして努力を開始せねぱなりません。その第一歩はどのようにふみだされているでしょうか。政治状況についてのわたくしどもの分析、把握が相当程度肯定されるとするならば、同クラブはまず政策決定過程のルールについて、検討し、他党派との間にルールについての相互確認を行う必要があります。この必要性を公然と認めていない同クラブはその「抜本的解決策」が現行政治の、ルールなき、場当り的取り引きの現場においてどのようにして現実のもんだい解決の施策として採用されることをかちとっていくつもりでしょうか。同クラブの打ち上げ花火のごとき「抜本的解決策」は、果たして具体的な実行へむけての方策をともなっているでしょうか。「保革伯仲」にかける「キャスチング・ボード」を占めることによってでしょうか。「保革伯仲」の将来は予測し得ず、さらに既存の諸政党のいずれが安定政権となったにせよ、かっての自由民主党の議会運営以上の運営を期待することは少くともそれらの党の論理的な検討の結果は、絶対に保障しておりません。
 理論なき保守、新自由クラブは、存続をめざすかぎり、「反自民」を個別政策レベルでうちだす以外、自由民主党と自己との相違を明らかにすることはできません。いわゆる「革新」諸党派顔まけの急進的、議会戦術を矢つぎ早に提唱、駆使することによってのみ、同クラブは、「反・自民」であることを自己確認し、延命するのであります。同クラブの「反自民」が理論的根拠を有しないため、自己の志向とことなって同クラブは、「反自民」ではあり得ても、「反自民」・保守たり得ているか否か、わたくし共はきわめて疑問に思います。
 例をあけて検討してみることにします。

 「いま、求められているのは新しい時代認識だ。
 日本の政治はいま明らかに国民より後を歩いています。
 政治を政治家だけのものにしてしまったからです。
 私たちは、あなたの気持に、そしていまという時代
 に敏感な政治を目指してます。」
 右は周知のように、今次参院選における新自由クラブの選挙用ポスターからの引用であります。ひとまず、この標語を手がかりとして検討に入ります。

 「新らしい時代認識が要求されている」という点については、わたくしどもも異存はありません。もんだいはそのなかみであります。「新らしい時代認識」は現行の政治に対する方法の水準での批判をも含んで行われないかぎり、さしたる意味を持ち得ません。同クラブの「時代認識」は、はたしてどのような次元で提起されているてしょうか。

 現在の政治が、国民から乖離している、という把握は、わたくしどもの主張するところと180度ことなります。むしろ、諸党派があまりにもその支持者、支持グルーブの直接・個別の利害に密着し、あるいはそれによって左右されていることこそもんだいであるというのがわたくしどもの判断であります。同クラブの把握の根拠は、「政治を政治家だけのものにしてしまったから」とされています。
 わたくしどもは、この主張が真に同クラブの認識であるとするならぱ、新自由クラブは衆愚政治、扇動政治を目指す、あるいはそれらへ転落してゆかざるを得ない政治集団であると断言します。
 こんにちの政治が「政治家だけのもの」であるならば、それら、政治を私物化している政治家を政治家たらしめている同クラブ以外の党派の支持者は一体、何でありましょうか。「政治家だけの」政治しか行わない政治家を政治家として支持している国民大衆は、すべて判断不能者か、ペテンにかけられているお人好し、ということになるのでしょうか。現在の政治が「政治家だけのもの」になっているという「時代認識」からただちに政治的無関心層への高い評価が導きだされるわけで、その愚劣なポスターのデザインといい、標語といい、まさに政治的無関心層、浮動層を照準していすす。
 わたくしどもはむしろ、信条としては保守主義者であるが、自由民主党への警告の意味て野党に投票するという人々、「保革逆転」を阻止するために、きわめて不本意であるが自由民主党に投票する人々、参加によって自己の政治的信条を表現することが充分にできず、しかしなお政治へのかかわりを放棄しない人々、まさにこのような人々の存在こそが保守再生の鍵をにぎっているのであり、その可能性の現実的な根拠であると確信しております。少くともこの標語をみたかぎりでは、新自由クラブにはこれらの人々とともに歩まんとする姿勢はうかがわれません。

 現在の政治は、政治家だけのものである、と主張することによって、新自由クラブは、右にのべたように屈折した政治参加を強いられつゝ、参加を追求している人々と共にあることを拒否し、「現在の政治」に背を向けている人々を中心的対象として「あなたの気持に敏感な政治」をやってあげます。と呼びかけているのであります。
 「あなたの気持に敏感な政治!」これがデマゴーグの呼びかけでなくて一体何てありましょうか。
次に「いまという時代に敏感」な同クラブの基本的な政策をひとつだけ検討してみます。

 同クラブはスローガンとして「親子三代が一緒にくらせる社会」を挙げております。多くの人がこのことを希望しているのは事実であります。一般論としては反対する人は少数でありましょう。
 しかしながら、このことを実現することはなみたいていのことではありません。まかり間違えば「列島政造」以上の急進主義政策となります。「親子三代が一緒にくらす」のが一般的である社会を実現するためには、わが国の経済構造、国土、資源利用等々に大変動を与えねばなりません。この変動の全過程が完全に把握され、かつ制御され得る、ということは絶対に論証できすせん。さらに変動を与えた結果、新たに予期しなかったもんだいが生ずるきわめて高い可能性に対しても深い考慮がなされるべきであります。合理的な思考を常とする保守政治家であれば、およそ堤起することのできない社会改造計画であり、「生産手段の国有化」にも匹敵すべき計画と言わねぱなりません。
 同クラブのリーダーの多くは自由民主党在籍当時、政治工学研究所に属しておりました。
 政治工学と銘うつからには、政治において工学的アプローチ、工学的方法を採用する、ということであろうかと思います。
 周知のように、工学の方法は、科学の方法と同一ではありません。工学の方法とは、目的合理性、ということであり、設定された目的達成のために、合理的な手段を積み重ねていき、この手段の体系を仮説として設定し、その各段階を実験によって検証し、実験によって予期せざる結果を生起した場合は、その時点において、対策、あるいは別の手段一仮設体系を考える、という、漸進的、合理的試行錯誤法であります。
 したがって、工学的方法を政治に応用しようとするとき、まず念頭におかねばならないのは、政治における実験の意味です。政治にかける実験は、実験室のそれと異って、失敗したからといって実験以前の段階に戻ってやりなおすことはできないということであります。このことと、保守主義の理念、すなわち、変化を恐れないが、制御不能な状態の招来を憂慮する、ということとを勘案した場合、まさにこのような急進主義政策をうちだす保守主義の政治工学研究所とは、一体何を研究していたのか、と考えざるを得ません。独断と偏見を承知でわたくしどもの感想を述べるならぱ、いわゆる、イメージ選挙、標語に象徴される、扇動政治、衆愚政治の研究でもしていたのではないか、というところであります。

6、むすび
 末だ、意を尽し得なかった憾みはありますが、以上、わたくしどもの決意を明らかにいたしました。試行錯誤のなかからこのようなかたちで活動の第一歩をふみだすにあたってまず、今日に至るまでに多大の恩恵をこうむった、多くの先達の業績に対して敬意と謝意を表します。わたくしどもの理論的作業は孤立したところで行われましたので、先達との対応は本冊子をもって最初ということになりますが、今後は、直接のご批判を期待させていただきたいと思います。
 批判的合理主義の唱導者である、カール・ポバー博士の存在なくしてわたくしどもが今日、このようなかたちで政治活動を決意することはなかったと思われます。残念ながら博士に批判的検討を仰ぐ機会はありませんが、明記しておきたいと思います。
 現に政治の現場にあって活動中の人々によって行われる批判は、わたくしどもにとってかけがえのないものであります。現に保守系無所属の立場を選択し、御活躍の諸先輩に対して、わたくしどもは、本冊子を契機として、理論的、実践的交流がはじまることを念願しております。ただし、机上の空論である、との評言には、実践によって応えていきたいと思います。
 わたくしどもが本冊子の基本的な読者として想定した人々、わたくしども同様、いわゆる戦後民主主義なるスローガンのもとで教育を受け、民主主義の具体例として、あるいは野党流の政治運営を眼のあたりにしながら成長し、民主主義に対して深い不安を抱きつゝ、なお民主主義を選択することを決意している諸君、いわゆる「浮動層」と一括されるなかの、自律的選択を貫いている諸君、
「保守」「革新」を問わずあらゆる政治党派の活動家諸君、
 暮夜、一人眼ざめて政治の現状と子供たちの将来、社会の将来とを考えあわせたとき、暗たんとせざるを得ない、すべての諸君に対して、わたくしどもは心から呼びかけます。

 わたくしたちが生き、わたくしたちの子供たちが生きる社会、今後とも解決すぺきいくたのもんだいが生起するであろうこの社会において、ただ個々人の英知と力の結集のみをもって、もんだいにたじろぐことなく直面し、情熱と合理的方法をもって解決にあたらんとするわたくしどもの意のあるところを明察し、より良き明日をめざしての努力の一端を、わたくしどもとともに、国民政党の創建という政治的課題の追求に与えられることを切望します。
 諸君の決起なくしてわが国政の前途には何らの希望もないことを銘記して、応答されることを期待します。
 
 国民政党期成同盟は、ここにみづからの決断と選択をもって、前人未踏の課題への第一歩をふみ出しました。前途への展望はただわたくしどもの行動のみがきりひらいていくものであることを肝に銘じて、しつように、そしてまた朗らかにこの途をあゆみつづける決意であります。

                                国民政党期成同盟
昭和52年8月

(以上で、「新たな国民政党の創建をめざして」全文の掲載は終わり)


● NPO ネパール奨学会 設立趣意書

ネパール奨学会は、私が参加しているNPO団体です。

参加申し込み、お問い合わせは下記に。

〒812-0016
福岡市博多区博多駅南2−11−26 福岡日本語センター内
     『特定非営利活動法人ネパール奨学会』
電話 092-481-7140 FAX 092-473-4190


『特定非営利活動法人ネパール奨学会』
設 立 趣 意 書

 日本は、敗戦の焦土の中から、奇跡的な経済成長を遂げました。そして今、世界中から注目されています。とりわけ、世界貢献のあり方が問われています。国論を分けて、政府は、PKOをカンボジヤに派遣しました。一方で、民間人の手で、様々なボランティア、支援活動が、世界各地で展開されています。
 今、東西冷戦構造は崩壊しましたが、南北の経済格差、食糧危機など、人道的立場から等閑視することのできない状況が続いています。これらの事態の背景には、様々な要因が横たわっています。それらの要因の中で、根本的で、かつ、重要と考えさせられる問題として、教育問題が指摘できると思います。
 現実に存在する貧困は、結果としての現象と考えます。貧困をもたらしている原因の一つが、教育問題ではないでしょうか。
世界の屋根といわれるヒマラヤ山脈によって北を遮られ、南部をインドによって封じられている小国・ネパールは、貧困に喘いでいます。
ヒマラヤ登山、トレッキングなど、日本人観光客の多くが、ネパールを訪れています。また、ネパールのルンビニが、仏教の開祖・釈迦の生誕地であることから、日本の仏教徒の多くが、巡礼に訪れています。
 私たちは、『経済大国・ニッポン』といわれています。その『経済大国・ニッポン』人がネパールを訪問するのは、単なる観光客であるに過ぎません。このことは、『経済大国・ニッポン』人は、ネパールを自らの欲望を満たすための対象としてしか考えていないといえましょう。
ネパール国にとって、観光収入は、国家的観点からも、大きな事業です。しかし、ネパールの現状を知る者の一人として、もっと、意識的、根本的支援をしなければならないと思います。私たちは、『経済大国・ニッポン』といわれる言葉とは裏腹に、決して、裕福な生活を営んでいるわけではありません。しかし、それでも、飢えることの心配だけはありません。むしろ、物質質的には、恵まれているとさえいえなくもありません。
 しかし、ひとり一人の力は、決して、大きくありません。それでも、多くの人々の善意を結集すれば、ネパールの地においては、私たちの想像をはるかに超える大きな力になり得ます。
 そういう意味から、一人でも多くの人々の善意を結集して、ネパールの子供たちに奨学金を贈る『特定非営利活動法人ネパール奨学会』を設立したいと考えました。
 どうか、あなた様にもこのような趣旨にご賛同をいただきますように、お願い申し上げます。その上で、ネパールの子供たちに奨学金を贈る『特定非営利活動法人ネパール奨学会』に加わっていただきますように、お願いを申し上げる次第です。
 何卒、よろしくお願い申し上げます。

     発起人(アイウエオ順)
岩 崎 隆次郎 福岡日本語センター・理事長兼校長
菊 池 高 志 西南学院大学法学部・教授
後 藤 勝 基 九州国際大学法学部・教授
清 正   寛 熊本大学法学部・教授
滝 井 義 高 田川市・市長
前 田   豊 弁護士
山 本 博 糸島医師会病院・院長

 (『特定非営利活動法人ネパール奨学会』の資料は、この行で終わり)