● 私製版視察報告◇明石市・尼崎市・茨木市(都市環境常任委員会)

◎ 全体の要旨

 町田市議会の都市環境常任委員会は、下記のように2泊3日の日程で行政視察を行いました。なお、日程に記しているように、(ビオトープほたるの里)は、民間の松下興産(株)が所有、管理するものです。

22日(月) ○常任委員会視察(明石市・明石クリーンセンター)
23日(火) ○常任委員会視察(尼崎市・神崎浄水場)(松下興産(株)ビオトープほたるの里)
24日(水) ○常任委員会視察(茨木市・市営自転車駐車場)

 最初の視察地(明石市・明石クリーンセンター)は、常任委員会の審査で問題となっている、プラスチック中間処理施設の運行情況を視察したものです。驚いたことに、一部かいしゅうされたペットポトルなどはリサイクルされていましたが、視察目的の機械は稼働しておりませんでした。廃プラの中間処理をしても、それをリサイクルする体制が整っていないというものでした。詳細は、下段の説明覧をごらん下さい。なお、廃プラスチックの中間処理施設の建設問題で、委員会の論議がどのように進展するかをご注目下さい。 

 二番目の視察地(尼崎市・神崎浄水場)は、自前の浄水場視察でした。市内の1割の水道水を供給しているといいます。長い歴史を持つ古い視察ですが、更新された施設を見学したものです。

 次の視察地、(松下興産(株)ビオトープほたるの里)は、民間の大手企業が都市ビル開発を行った際に、空閑地を利用して、樹木の植え込みなどを自然化してつくったものです。都市空間の中で、憩いの場所となっています。 

 最後の視察地(茨木市・市営自転車駐車場)は、駅と一体化した市営自転車駐車場です。自転車の駐車台数が多く、利用率が極めて高い施設でした。利用料では、町田市が採用していない学割制度があるのが特徴でした。

 行政の担当者にも、この種の視察をやるようにし、効率的な施設運営を果たせるようにさせたいものです。

◎見出し

  1 明石市(明石クリーンセンター)

  2 尼崎市(尼崎市・神崎浄水場)

  3 ホタルの里(松下興産(株)ビオトープほたるの里)

  4 茨木市(市営自転車駐車場)

 

1 明石市(明石クリーンセンター/稼働していなかった廃プラ減容機処理)

 明石市は、人口が約29万5千人の兵庫県西部に位置する、瀬戸内海に面する細長い都市です。明石クリーンセンターは、市の中央ライン付近の一番山側に位置します。収集で言うと、効率的な場所に位置しているようです。

 施設は旧施設の横に配置されたもので、住友重機械工業によって、平成8年1月に着工し、平成11年3月完成、同4月より稼働中とのことで新しさが目立ちました。内容は、可燃(水平ストーカー方式) 160t×3基(2基運転) 8000KW/時の発電を行い、自家発電には2000KWを使用しているとのことでした。売電金額は、1億2千万円にのぼると聞きました。隣接して、120万立方の管理型埋め立て地を持っており、排水は公共下水道に接続しているとのことでした。 

 さて、廃プラスチック関係の施設ですが、実際に見ようとした部分は、動いていないとのことでした。今回の視察は、平成12年3月議会で行った、廃プラ施設の建設工事費の質議や、同関連請願審査にもとづいて行ったものですが、明石市の場合は、廃プラ施設が発泡トレー・ペットボトルを除いて稼働していなかったという場面に遭遇した次第でした。

 本来の場合、明石市では廃プラ類は、自動選別の後、ペットボトルや発泡トレーは圧縮結束されていますが、その他のプラスチック類は減容機(圧力をかけ、熱を加える)にかけることになっているものですが、運転されていないと言うことでした。実際に、その作業を行っても、持っていく先が無いためとの説明を受けました。

 この明石市の考えは別として、廃プラスチック処理施設で実際に稼働している施設を見学するという目的は、達成されませんでした。この施設が稼働していなかったと言うことは、今後の町田市の廃プラスチック中間処理施設建設にどのような影響を与えるかは不明です。少なくとも、廃プラ中間処理施設の建設に何の問題も無いという説明は困難となりました。

 

2 尼崎市(尼崎市・神崎浄水場)

 尼崎市の人口は、47万人強で町田市より一回りおおきな都市です。水道事業では、大正7年から水道の供給を行っているとのことであり、古い歴史を持っています。視察した神崎浄水場は、市民の1割のエリアを対象にしており、おいしい水を供給するため、高度浄水処理施設を建設しました。特徴は、原水を凝集沈殿させたあと、オゾン処理・活性炭処理・塩素処理を施したもののです。従来は、塩素処理を行い(臭気発生時のみにオゾン処理をしていた)給水していたということです。

 コスト的には、実感アップするとのことですが、神崎浄水場以外では、阪神事業団が他のエリアをカバーしているとのことでした。それ水道水も、この高度浄水処理による水道水に順次切り替わっているということです。

 他に、施設内を一巡させていただき、水の監視と分析を24時間体制で行われているところなどを拝見させていただきました。町田市の場合は、東京都から受託事業として水道水の供給を行っており、参考とさせていただきました。 

 

3 ホタルの里(松下興産(株)ビオトープほたるの里)

 松下興産(株)が、大阪市内のビジネスセンターの建設にあわせて、造ったのが「ビオトープほたるの里」です。大阪城に隣接したツイクタワービルの間に、小面積ではありますが、安らぎの空間を作り上げています。人工的な雰囲気を避け、木立と灌木及び自然の草を植栽しています。目線的には、内部から外への視界を遮らないように構想されて折り、おちついた雰囲気を作り上げていることはまちがいありません。

 都市空間にホタルが生育できる環境を作り上げようとしたものですが、周辺のビルの明かりでその効果は薄いと聞きました。トンボや蝶などの種類は多いとのことでした。メンテナンスは、通常のビル管理の中に含まれると言うことですが、関係者の手数は並大抵ではないとのことです。コスト的には具体的なメリットを生むわけではないとのことですが、この種のものを都心のビルには併設していただきたいものです。天下の松下だから出来ることかもしれません。 

4 茨木市(大型の市営自転車駐車場)

 人口26万人弱の、大阪府の茨木市に訪れました。視察先は、茨木駅東口の市営駐車場です。ここは、駅の改札口に直結するエレベーターを備えており、利用者にとって大変便利なところに造られています。町田市も学ぶ点が多いと思いました。

 収容台数2562台、2段ラック式を採用、サイクルベアー(自転車昇降補助ベルトコンベアー)を2箇所に設置、工期は平成7年12月より平成9年10月まで、事業費は10億7千万円の立派な施設でした。

 経営は管理公社が行っており、(財)自転車駐車場整備センターへり委託は採用する考えは無いとのことでした。理由は、同財団の管理体制などへの疑問があるためとのことでした。実際には、市内に14ヶ所の自転車・バイク駐車場を配置しており、放置自転車は大幅に減少したという説明でした。ただし、バイク・自動二輪車については、市の管轄エリアの放置情況に苦慮しているようでした。

 また、料金では、自転車の月極料金で学割制度が導入されており、1ヶ月で一般1500円、学生1200円とのことでした。町田市では学割制度を行っていません。あった方がいいでしょうね。

  ★ 茨木市市営駐車場料金表

左側料金区分

使用料

使用料

定期使用料

 

車の種類

一時使用料

回数券(11)

1ヶ月

3ヶ月

普通自動車

30100 301,000

南茨木駅前東

25,000

中央公園

30,000

無し

自動二輪車

一日250

2,500 4,000 11,000

原付自転車

一日200

2,000 3,000 8,000

自転車

一日100

1,000

一般1,500

学生1,200

一般4,000

学生3,500

 

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