廃プラ中間処理施設の視察報告

廃プラ中間処理施設の視察報告(福山市)−都市環境常任委員会

● 前書き

 廃プラ類のリサイクルは、どの自治体にとっても大きな課題である。町田市でも、ここ数年来の課題となっており、昨年度には、当初にその建設工事費が予算化されたが、その後に減額(全額を減額した)する事態に至っている。2001年の当初予算でも、計上されていなかった。
 (これらの経過については、たびたび問題として取り上げてきた)

 いずれにしても、施設を建設することは必定であり、今日ではどのような施設にするか、この1点に問題が集約されたのではなかろうか。行政は、将来的には分散処理の考えを示しており、私が下段に挙げた問題点を解消することが、ことの進展に寄与すると考える。

1 概要

 名称を福山クリーンセンターと言い、ゴミ・リサイクルの拠点となっている。

処理内容

 ◎ 不燃性ごみ処理ー近隣に埋立地 (115t/日)
 ◎ 可燃性粗大ごみ処理設備(10t/日)
 ◎ プラスチックごみ処理設備 (45t/日)
 ◎ 計画中のものとして、可燃ごみ(300t/日)をRDF(ごみの乾燥固化方式)がある。
    現在は、隣接の清掃工場で「焼却」している。

 現状など

 ◎ 竣工 2000年9月1日
 ◎ 総事業費 約75億円

 設立までの経過(福山市の配布資料文章ー該当個所の全文)

 2000年4月1日から容器包装リサイクル法が全面施行され、新たにプラスチックごみの資源化が必要となった。
 また、本市の埋立地が逼迫しており、粗大ごみの減容資源化により延命化を図る必要から、隣接して立地している既存の清掃工場の一部に建設した。
 この地域は工業専用地域であり、既存の清掃工場が設置されていたこともあって周辺住民の理解は得られた。

2 見出し
 a)主な観察点
 b)町田市との関係
 c)今後の課題
 
3 主な観察点
 
 1 新設の建物であり、施設の内外ともきれいな感じであった。   

   建設後、1年を経過しない施設であり、大変きれいな感じがした。
   
 2 処理機の概要(圧縮品と非圧縮品の相違)
    (下のリストは、パンフと説明をもとに、吉田が作成)

   工程 1 ごみピット、2 クレーンにより移動、3 破袋機、4 選別機、5 風力選別機、(手選別) 6 磁選機、
                                            5−2 ボトル選別機(手選別)

    <5 風力選別機、(手選別) 6 磁選機、の関係>
    ● 残渣
    ● 鉄類
    ● フィルム圧縮梱包機
    ● その他(商品)プラスチック 

    <5−2 ボトル選別機(手選別)の関係>
    ● ペットボトル圧縮梱包機
    ● 塩ビボトル 
    ● その他プらボトル圧縮梱包機

 3 手選別の拡大と、リサイクルのランク

   選別工程の人員を導入する。容器包装リサイクル品の引き取りランクの向上のため。
   現在では、Bランクの処理をする。(説明による、以下も同様)
   リサイクルをめざすが、2−30%は商品になっていない。

 4 周りの環境と立地条件(海岸の埋立地)

   立地は、海岸の埋立地の突端にある。
   場所的には、工業専用地域となっている。
 
 5 廃プラリサイクル品の行く先

   リサイクル品は、日本鋼管の関係会社に引き取られていると言う。
   高炉還元剤としての利用方法があるが、福山市のものがどのように利用されているか、不明である。
   (施設での説明では、NKK福山で用いられていると考えられるが、NKKの開発段階がそこまで達しているのだろうか。以前に、NKK川崎の高炉を施設見学したが、含有塩素の関係で廃プラごみのリサイクル品を高炉還元剤に用いていなかった。この点に関心がある方の協力を得たい)
   
4 町田市との関係
 
 a) 福山市では、立地が海岸の埋立地の突端にあり、町田市では望み得ないところである。
 b) 町田市で収集するプラスチック類は、全て圧縮梱包するか、それとも福山市のように分別するか。
 c) 手選別品の割合をどの程度に高めるべきか、町田市ではAランクを目標にするか、住民に任せるか。
 
5 今後の課題

 a) 早晩、町田市でも、廃プラ中間処理施設を建設することになる。今日における反対者は、その分散処理を望んでいる。
 b) 町田市は、将来的にはその考えを導入する考えであるが、当面は現行のリサイクルセンター内に建設する考えである。
 c) 棚上げされている工事費予算は、いずれ再提出されるだろう。今回の視察結果を踏まえて、できるだけの疑問点を解明したい。
(2001年5月16日)