文教生活常任委員会視察報告(第1次案)平成14年5月

 <前書き>
 本年から、常任委員会視察も、議員の報告文を添付することになりました。当たり前のことですが、ようやく念願がかないました。取り合えず、今回視察の第一次案をアップします。できれば、スタイルを視察対象の解釈と感想、町田市に適応した場合とを分割して、提出記事にしたいと思います。(間に合わない場合、これを提出します)

<本文・施設概要>
 京都府城陽市の「文化パルク城陽」を視察した。ちなみに城陽市は、京都市と奈良市の中間に位置する人口8万4千人弱の都市である。もよりの鉄道は、JR京都線と近鉄奈良線がある。

 今回の視察の大きな目的は、複合施設における1,300人収容とういう大ホールの位置付けを観察することであった。なぜなら、町田市は市民ホールの収容客数が800人に過ぎず、大型の市民ホールの建設が住民の大きな要望でもあるからである。

さて、この「文化パルク城陽」は、平成7年度に完成し、その規模では、敷地面積18,145u、延床面積で19,968uもあり、大ホールが1,300人(3階建て)も収容できる広さを持つ。内容では、各種の文化・教育の複合施設であることが特徴である。
交通アクセスでは、近鉄京都線寺田駅から450mの近距離。JR京都線城陽駅から1,300m。 車の利用では、駐車場が全部で300台用意される。
次の施設で構成されている。
● 大ホール1,300席、(3階建て)
● ふれあいホール(400席)
● プラネタリュ―ム(関西圏第3位の大きさ)
● 図書館 成人と児童対象で分割(1階、2階)
● 歴史民族資料館
● コミニティーセンター(複数の会議室を持つ、コミセンが運営)
 ● 大会議室 400名収容(宴会場としての利用が可能)
● 幼児・児童用にプレイルーム(地階。現在17万冊の蔵書、うち4万冊が児童書)
● 市民プラザ(1階、ロビー構造)
● レストラン(京都の有名ホテルが経営)
● カフェ 
● その他、エントランスホール、茶室、事務室など
――――――――――――――――――――
<所感:大ホールの利用目的と、設置場所の考え方について>

 大ホールを3階建てとした理由は、舞台への臨場感(音響は、2時的とした)を優先したという。詳細では、1階席は962及び車椅子席が12、2階席は196、3階席は146を占める。3階建て部分の最後尾席で舞台を見ても、大変近い印象であった。さらに、2-3階席の階段全部には、落下防止の小さな柵があるが、そうしたところにも安全性を考えた施設となっている。

 町田市で、大ホールを建設するに際して、音響優先のシンフォニーホール型とするか、観劇優先の客席の階層構造とするかの判断が必要になる。私見では、相模原市のグリーンホールとの関連性で、前者のものを優先するように考えたい。ただし、そのためには相模原市との完全相互利用の原則が確立する必要がある。

  駐車場は、全部で300台収容するが、建物周りの外、隣接した位置にある2箇所の駐車場は、自前の所有でなく借りたものという。最寄りの交通機関では鉄道駅が最適であり、近隣自治体住民の利用も多いという。(現に、宇治市等も)稼働率は20%(この数字は高い方と言う)の実績である。
  町田市の場合は、絶対的な住民数(39万人)が多いので、城陽市における考えまでは考慮せずに住む可能性があるが、どういう場所に建設するかと言う判断も避けがたい。さらに、町田市の場合は町田駅周辺に公共機関の建設物が集中し、車による交通機関の利便性が極めて非効率な状況になっている。それを更に強める結果となる施策は、外に適当な場所が手当てできる場合、できるだけ避けるべきである。また、町田市全域の公平性を考慮する見地からも、「分散配置」の意識が欠かせないものと考える。

  その他の施設内容では、大会議室の利用形態であった。内部はホテルの宴会場クラスの施設で、食事も内部のレストラン(京都の大手ホテルが運営)が食事サービスを行い、結婚式などの宴会にも対応できるレベルであった。利用者に,大変好評であると言う。さらに会場をパーテ―ションで2分割もできる構造をしていた。そうした面で、施設の利用性を高める考慮がなされていた。
それにしても、一般会計から年間で4億3千万円以上の持ち出しが出ているが、これからの町田市政では、こうした事態を発生させると、後で批判も起きてこよう。事前に設置計画の数値を全部公表して、再度住民レベルの議論を巻き起こした上で行政判断をなすべきである。建設の是非については、議会で十分な議論を経て結論を出すべきである。

  他にも注目する施設があったが、その種のものは、別の機会の論じることもあり得るので、今回の視察対象の中では記述を割愛した。