議会運営委員会視察報告(登別市・室蘭市・函館市)平成14年7月

<前文>
議会運営委員会行政視察 平成14年7月22日(月)〜平成14年7月24日(水)

調査事項 (議会運営に関する事項について、 議会の会議規則、委員会に関する条例等に関する事項について、 議長の諮問に関する事項について、 町田市議会報に関する事項について)

視察先:登別市 室蘭市 函館市
 <概要記事>
 今回の視察は、北海道の南部の3都市を視察した。テーマとしては、議会のインターネット中継(室蘭市)と、議会だよりの議員編集(3市とも)を特に取り上げた。

1 登別市では、特に議会だよりの議員編集に特徴があった。視察では、詳細な質問を委員が続け、大変お世話になった。観光都市であるにもかかわらず、宿泊も休憩しないで失礼したことが心苦しいことであった。

2 室蘭市の視察では、特に過去の議会内容(映像)もインターネットで見ることが出きるのが特徴であった。とりわけ、外部からのインターネット操作で、議場内のカメラの移動ができるのは、国内唯一だろうと推測する。今年の6月議会にはじまったばかりであったが、その記録をビデオプロジェクターで視聴する準備をしていただき、室蘭市の厚意にとりわけ感謝したい。

3 函館市では議会中継記録をCATV局に渡し、それをそのまま放映するという。委員会の中継では、CATV局がデジカメ取材し、即座に放映するとのことであった。

<個別記事>
  視察所感 <登別市>
 北海道登別市は、人口が約5万5千人。全国でも有数の温泉として有名である。市内は3地域に分かれており、市役所・市議会は市の西部に位置する。
<議運委員長 大村喬俊議員より特別の説明を受けたことに感謝したい>
1 議会だよりについて
 議会の広報紙として、毎議会ごとに発行する。発刊にあったって、その愛称を市民に募集した点がユニークである。その名称は、「議会だより でぃすかす」と名づけられており、2002年2月の段階で、第24号を数えていた。
 紙面では、市民の発言欄があり、参考資料の24号では、新成人が成人式に関する感想を述べていた。それらの記事の取材は、編集委員(全部議員)が行い、議会だよりの堅苦しさを和らげている。
 町田市の議会だよりではやっていない事として、行政視察の内容を具体的に報告している。町田市議会の委員会報告では、視察の所感記載をようやく開始したに過ぎない。
インターネットHPにも、その報告文がアップされており、情報提供のレベルが高い。
 登別市においては、そうじてこの議会だより編集で、議員編集が徹底している。わが町田市議会が、将来的に参考にすべき点である。掲載記事の選定と取材活動・レイアウト・校正作業までに議員のかかわりが一貫している。
 上記の過程として、議員全員へのパソコン支給・議場持込などを含め、議会と行政のIT化が町田市より遥かに進んできたことが特徴である。というか、町田市がそのIT後進自治体であることが、確証されたことにも意義があった。

 視察所感 <室蘭市>
 北海道登別市は、人口が約10万2千人。鉄鋼と造船で有名な産業都市である。観光と産業廃棄物の受け入れ産業化を目指している。

1 議会本会議のインターネット中継について
 本年の6月議会から、本会議のインターネット中継を実施したという。今回、室蘭市議会には、その計画導入時点で町田市議会議会運営委員会の視察受け入れを決定していただいた。そのことをまず感謝したい。
 室蘭市のインターネット議会中継の特徴は、本会議のリアル中継を行うだけでなく、過去の議会模様をいつでも視聴できる、アーカイブ(バックナンバー記録)もセットで準備していることである。この方法によって、市民が自宅で議会の発言状況をいつでも見ることができるようになり、議会への関心がより身近になるであろう。議会の情報提供手段として、IT技術時代に相応しい装置である。
さらに、行政機関が、庁内や出先機関に大型モニターやビデオプロジェクターを配置することになれば、自宅のネットパソコンだけでなく、大勢の市民がより見やすい画面で視聴できるようになる。さらに、一般職員への議会情報の浸透にも有効であろう。
 まだ、このインターネット議会中継は、一般の市町村自治体の中では、特に先進的な議会で取り組まれているに過ぎず、全国でも10自治体程度のようである。町田市がこの際導入すれば、東京都内では第一号になる。より開かれた議会つくりの観点で、このネット中継をぜひとも取り入れるべきだと考える。


 視察所感 <函館市>
 北海道函館市は、人口が約28万5千人。北海道の玄関口として栄えてきた、水産・
観光の都市である。

1 一般質問時間とその運用について
 函館市には、町田市議会と異なり代表質問制度があったが、町田市ではその是非を巡る議論に終止符を打ったばかりのため、この報告からははすことにした。
 また、函館市で個人質問と言っているものは、町田市の一般質問に相当するようである。そこで、函館市の個人質問の時間と、その運用について着目することにした。函館市の個人質問の持ち時間は60分となっていた。他に、会派の議員数に応じた持ち時間配分があり、議員一人が行う質問・質疑の総時間数が100分と定められており、議会日程が極めてシンプルに決められているようである。
 一般質問では、議員の発言(答弁を含む)時間が、あらかじめ定められており、その時間前に終了すると、10分以内の時間であれば、その後は次の質問者の発言時間を繰り上げるようである。それ以上の場合は、議長の判断とされるが、実際には休憩時間で調整が取られている。(「発言予定表」というものが作成され、そのスケジュールが最優先されているようである)
 「議事進行」に関する発言にも時間配分が記されており、5分以内のものは、質問者の発言時間内とされる。さすがに、5分以上を要した他会派議員の場合、議長の裁量権とされており、議会の順調な進行が最優先されていることがユニークであった。