文教生活常任委員会視察報告(富山市・加賀市・鯖江市)
(03/05/22) 

視 察 名 文教生活常任委員会行政視察
平成15年5月13日(火)〜平成15年5月15日(木)
視察先及び調査事項
富 山 市 ・文化・スポーツ施設の整備、充実について
加 賀 市 ・義務教育の整備、充実とその質的向上について
鯖 江 市  ・青少年の健全育成と社会教育の振興について

視察所感 1 富山市芸術文化ホール(愛称 オーバード・ホール)

平成8年に、建設費約170億円で建設された音楽ホール。定員は最大で、2,200席を誇り、オーケストラの際には、1,684席という。舞台は、三面半で構成され、2,000uという広大さである。楽屋などの設備や部屋数などを含めて、町田市民ホールと比べようもない。 特徴は、隣接の民間施設と一体の構造になっていることであり、参考に値する。町田市にも、大規模ホールの要望が高いが、相模原市のグリーンホールとの共存を考える上では、音楽(優先仕様)ホールの意味が高い。 しかし、その建設費用を考慮すると、町田市において、短期的にそれを建設しようという促進の声を出しづらいものがある。東京都が都民に対して、文化推進の施策を中心部に偏在させず、ブロック別の対応をする以外に考えられない。

視察所感 2 加賀市錦城中学校 

 学校の教訓は、強く・正しく・美わしくとする。本校舎の改築を平成14年末までに終え、15年1月(14年度3学期)より、その校舎で授業を始める。15年4月1日現在では、3学年・16クラス・567名の生徒数である。 今回は、有名な設計家で安藤忠雄氏の設計で、地元産の杉財を多用した新設の2階建て校舎を見学した。学校敷地が51,102uと広大さを誇り、現在は旧校舎用地をグランドに整備中であった。また、全部の施設が改築されたのでなく、建設時に即して、既存の講堂(体育館兼用)、旧体育館も合わせて利用されていた。 この校舎の特徴は楕円形(ラクビーボウル)の形をしており、真ん中に昇降用の階段やフリースペースを配置した、2階建ての構造である。その両側に教室となっている構造は、非常にユニークである。学校の管理者は、構造が外壁を含めて木造部分が多いと言うことで、冬場の暖房費がかさむこと、将来のメンテナンス費用の見込みが不確かなことなどを懸念されていた。しかし、そのぬくもりがある木造校舎の学び舎で生徒たちが成長をすることを考えると、その学校の特徴は、他に変えがたいものがあることをだれをも否定できないであろう。現地で視察した自分自身でも、そうした校舎建設を推進する立場に立ちたい見地になった。

 私が注目したのは、学年オープンスペースに配置されたネットパソコンであった。そのパソコンはフリーなスペースにあるため、生徒が休み時間に自由に使えることは言うまでもない。なぜこうしたことを紹介するかと言えば、町田市ではコンピューターを、神社の「ご神体」のような取り扱いをしており、厳重な鍵をかけた特別室に配置している。つまり、町田市では、生徒が自分の医師で自由に扱える状況になっているのが、パソコン教育の現状である。 この錦城中学校では、パソコンが校舎内の4箇所にフリースペースに配置されているが、それぞれの場所ごとに10台も配置されていたことが驚きであった。ネットパソコンを使って、生徒が実際にそれをインターネット利用している姿を見てみたかったが、われわれが訪問したのは、あいにくと午後の授業時間中のことであったため、生徒が使っている姿を、じかに見ることができなかったのが残念である。 さて、こうしたフリースペースにパソコンが配置されたのは、どのような理由であろうか。さらに、その予算措置はどうなっているのか、質問をすると、この地域では教育に関する関心が高く、全部が篤志家らの寄付によっているという。今時では、そうした有志で寄付をして、将来の子どもたちの教育のために資するという美風に感嘆した。こうした寄付はたびたび行われており、今回は、このフリースペースに配置するパソコン設備となったそうである。

 町田市でもそのような美風を有した篤志家の事業家の皆さんが、大勢あらわれるのを期待したい。

 視察所感 3 鯖江スポーツクラブ 

 NPO組織で運営するスポーツクラブ。生徒においては、学校の部活動をしのぐレベルで存在しているのが特徴である。 正会員が年額で5,000円といい、個人レベルで考えると決して安い金額ではないのに、それでもって組織が継続しているのは、各種目のリーダーの意識的な参加が形成された意義が大きいと推測した。 合わせて、市の建物(NPO法人市民活動交流センター)を拠点にする運動の自主運営が、側面で貢献していると考えた。 <の他の雑感> 視察先のどの自治体においても、その市の産業・お土産・観光案内に熱心である。自治体職員は、地元産業界の営業マン役を果たしていることに感心した。視察資料には、宿泊先の案内。お土産の類のパンフレットまで持たされるが、それぞれの市の産業を考えた上でのことであろう。

 平成15年5月21日  町田市議会議長 様                委 員 名 吉田 つとむ