会派視察報告(個人) 福井県鯖江市・市議選電子投票選挙
(03/10/02) 

前書き

 福井県鯖江市の電子投票選挙の現地視察(2,003年7月5−7日)に、会派視察ですが、一人で出かけたものです。旅費などの公費負担があり、公式記録を提出しました。下記のものです。会派の幹事長を通じて、議会に提出します。


福井県鯖江市の電子投票選挙の現地視察(2,003年7月5−7日)

まちだ新世紀 吉田つとむ

1. 視察月日 平成15年7月5日(土)−7日(月)
         ただし、7日は戻り日程。
2. 視察地  福井県鯖江市
3. 調査事項 7月5日(土) 電子投票の準備状況
    7月6日(日) 電子投票の実施状況

1 視察対象の概要

福井県鯖江市がおこなった市議会議員選挙の、電子投票実施状況を視察取材した。 今回は、その電子投票選挙において、候補者(陣営)がその広報をどのように行っているかも取材を行うことにした。そこで、現地では、地域を自由に動き回るため、レンタカーを使用することにした。

2 電子投票導入と選挙運動 

今回の福井県鯖江市の選挙では、電子投票式の投票が行われた。実際にその状況を現場で見てみると、候補者の選挙運動では、その方法の説明をさまざまの機会に行っていた。

1. まずは、事務所にその画面表示を大きく書いている候補者。特に、その候補者の部分を色分けして、その位置がわかりやすいようにしていたことが目に付いた。
2. 宣伝カーのボディーに、その表示画面と自分の氏名を書き出した候補者もあった。(これは、法的に問題ありません)
3. 選挙の演説会で、候補者がおこなう立候補の演説や、応援の演説以外に、選挙運動の事務員的な立場の人物が、この新しく導入される電子投票選挙の詳しい説明を行う陣営があった。ちなみに、投票の数日前には、投票画面の位置が決定したとのことであった。

思うに、有権者が投票のやり方で、不安があるようではしっかりした選挙運動とはいえない。今回の視察では、選挙運動の中で、運動主体の側がどのような広報活動を行っているか、取材相手がその選挙運動にゆとりがあったためか、具体的に見学できたことが成果であった。

3 選挙の投票書の設置状況

選挙の投票所設置の準備状況を、その現場で視察見学する機会を得た。投票所は、一般の施設を利用したもので、大きな保育園に設置されるものであった。設置は投票前日ある土曜日で、まだ園児たちが大勢遊んでいたが、そこの遊戯室を使って、投票所が作られた。午後1時にそこの選挙実施者と電子投票気機材を扱う業者などの関係者が集まり、受付などの机と椅子、発券機置き場、投票管理者席、(電子)投票台、点字投票台(電子投票の音声案内方法のものは、通常の電子投票機にオプションで取り付ける)、立会人席などを作っていった。 全体の設置には、1時間30分ほどの時間をようしたが、万全の準備ができたでようであった。現場では、施設内に鍵をかけ、翌日の開票作業に備える体制が整えられた。

4 電子投票の開票

電子投票分の開票作業は14分で終了した。
最初に電子投票分の開票結果が発表され、最後に不在者投票分の手書き投票分の開票結果が発表されたが、私はその疑問票の最終判定を確認せずに、選挙の開票会場を退出した。開票作業が順調であったため、そこの見学者の大半は、その時点で開票会場から引き上げていた。

なお、開票作業は、午後9時10分に開始した。電子投票分の開票作業は、午後9時24分に終了したとのことであった。不在者投票分もあわせて、午後9時40分に第1回目の開票即票が発表された。
当日有権者総数 51,948人
投票者数    37,653人
投票率     73.34%

第1回目の発表(午後9時40分)35,547票(開票率94.41%)電子投票 34,922票(氏名を選択した投票数)
 同         241票(投票者を選択しないで、終了した票数ーー白票扱い)
第2回目の発表(午後10時10分)37,135票(開票率98.62%)        第3回目の発表  吉田は、未確認で退場。

5  電子投票選挙のトラブルについて

選挙の投票時間中に、有権者が渡された投票カードを、(誤って)電子投票機の本体とモニターの隙間部分に差し込んだというトラブルが数件明らかになった。なぜ今までこうしたトラブルが起きていないのに、今回続いて発生したかの疑問に、メーカーの責任者がその場で回答をくれた。それは、選挙管理委員会が、電子投票機に、投票カードの差込口を示した説明の紙を付け加えたために発生したものだとういうことであった。ちょうど、そのことを書いた紙の示す位置が、機械の隙間になっていたと言う。 
メーカーでは、そうした説明文を付け加えることを想定していないとのことであった。その投票機は、それ自身に差込口が電子表示されており、今までは他の都市の電子投票では、そのランプ表示にしたがって、有権者が投票していたわけである。(私は、従来からの電子投票をすべて現地で見学してきたので、機械の構造もそれなりに把握している。そのメーカー責任者の説明で、事態を了解した) 選挙管理委員会側の説明は聞いていないが、設置の現場で、その模様を見学していたものからすると、その責任者の説明される通りであろう。 

追記:

ちなみに、7日の直接取材はなく、選挙記事を確認するため、地元で新聞を購入し、町田市に戻る日程とした。