002.休憩(きゅうけい)


002.休憩(きゅうけい)・・・休憩だけど休憩ではない理由

 本来は、会議(本会議、委員会)において、昼の時間や2時間以上に会議が続いた場合に、書記さんの手を休めるために休憩を取ります。あるいは、議事が混乱して不規則な発言が出た時や、質疑が一段落した時に、議長(委員会では委員長)が休憩を宣告します。一旦休憩すると、その間は書記さんのの手と、会議の録音テープが止められます。つまり、その間に議員(委員会では委員)が発言しても、記録には残りません。このように書くと、なんと言うことはありませんが、この休憩と言うのは、傍聴者には大変評判が悪い時があります。

 参考記事(インターン生とのやり取りを掲載。一部語句の訂正をしたものもあり)

第一例 委員会の最中の休憩にたいする疑問
第二例 動議が出たために休憩したケース



<第一例> 2001年1月(定例議会以外の期間に開催された特別委員会)
議員インターン生の山本さんのコメント
 今日の委員会は議会改革委員会ということで、以前の委員会とは違う委員会だったのですが、一番気になったことは休憩中の扱いとその間の話し合いです。

  委員長が「休憩します。」と言い、委員会自体が休憩し、進行も止まるのかと思えば、そうではなく、むしろ、そこから議論は盛んに重ねられており、話し合われる内容も濃いように思えたのですが、この休息中という時間はどういう時間なのでしょうか?

  あと、開会中は休憩中に話し合われた内容の確認というように見えたのですが、それでは、議事録に残らない部分がかなりあり、市民の代表としての議員として、話し合った内容が公表されないということは矛盾しているように思えるのですが、どうなのでしょうか?

■ 吉田の答え
 委員会を見ていて、そのように感じるでしょうね。1対1の議論と異なりますので、仕方ない面があると思います。複数の意見を戦わせているのですから、順に発言するのだけでは、議論が進展しないこともあります。市民に対して、ごまかしとはならないように、議員は気をつけるべきでしょう。
 それでも、休憩を多用しないのが、これからの議会の目標です。TV中継をやる時代に入ると、休憩・休憩を連発すると、議論が中断し、会議中継の意味がありません。

<第二例> 2000年3月定例本会議
村上さんの疑問とコメント
 今日は、市長に質問している議員の発言に対して、道議がありました。いきなり他の議員が手を挙げて発言を求めたので、何事かと思いました。質問している議員の発言内容に、気に入らないことがあったようです。議長はその道議を採択し、本議会は休憩になりました。吉田さんに聞いたところ、その間、その二人の議員の間で話し合いによる調整がされるようです。そして、議会運営委員会が行われます。これには、張本人の2人は参加できません。その委員会では、経過の説明がありました。この後の本議会でどのようにするかの台本を委員の人に知らせているようなものだと感じました。その後、本議会が、道義をされた議員が、その言葉の趣旨を説明し、相手の議員が納得したという発言をして、そして、市長の答弁から始められました。あれだけごたごたしていたのに、何事もなかったように市長の答弁が始められたので、なにか、間の抜けた感じがしました。(吉田注: 村上さんには記に毒ですが、説明文のため、間違いの用語もそのまま使用しました)

● 吉田の答え
 「道議」とあるのは、「動議」と書きます。この動議というのは、議会だけでなく、一般の会議でも同じことですが、他の議事に優先して取り扱います。議員の発言中に重大な間違いがあったり、ウソがあったりした場合に、他の議員が「議長!動議」と声を上げ、議長からの指名と発言の同意を求めます。その議員は、議長から指名をもらうと、自分の席で、「○○議員の発言中、××という発言がありましたが、その内容は事実と違っており、重大な問題であります。よって、該当部分の発言の取り消しを求めます」等と一気にまくし立てます。その事態になると、議会が緊張するのがわかるでしょう。
 久しぶりの「動議」でしたが、この動議というのは、それをかける側も、かけられだ側も、発言の真偽の問題となる訳ですから、真剣です。市議会は、「記録」が文書で残していますので、このようなことは「記録」の中で異常な出来事があったことがわかります。事態によっては、自分の発言を訂正したり、取り消すことも起きます。私自身、総務常任委員長の時を除いて、自分が動議をかけたり、かけられたり、本会議の中で騒擾の当事者となることが何度かありました。