掲載原稿「政治家とインターネット時代」(第2回)

 第2回 政治家の能力比較はインターネットで!

● HPを保持することが、能力であった時代

インターネットの草創期には、マスメディアによって、HPの保持者は<情報化時代の旗手>であると扱われた輝かしい時期があった。政治の世界でも同様であり、それは、議員がHPを開設すること自体が新聞のニュースとして扱われていたことで証明される。

● HP開設は、選挙道具のアクセサリーか?

ところが、実際にHPを持ってみると、何の反応も無いというのが実情である。そのため、政治家が後援会の増強という旧来手法に固持して、新しくIT分野の開発に取り組もうとしないという事態が起きている。このような状況では住民から遅れていると思われたくないため、選挙の前に形だけのHPを開設する議員が出ることになろう。つまり、HP開設は政治家にとって、選挙道具のアクセサリーにすぎなくなる可能性がある。では、どうしたらその傾向を打破することができるのだろうか。私はその解決方法として、政治家HPの評価、比較が役に立つと考える。

● 議会HPは、議員HPにリンクする

政治家HPの充実のための第一歩として、議会HPの開設が重要な役割を果たすと考えられる。全国市議会議長会報によれば、市議会情報を掲載するHPを、「開設している」が419市(62.5%)であり、内容も充実しているとは言い難い。しかし今後、議会HPの増加は不可避である。大半の議会HPには、議会の説明や、議決の状況を掲載し、加えて議員一覧表を掲載している。今後は、それに議員HPをリンクさせる時期も近い。そうなると、各議員のHPを比較することができる。そしてHPを持たない議員は比較対象から見落とされるという状況に陥り、完全に遅れをとってしまうのである。

● 政治家の評価サイトの登場

オンブズマン組織が、議員の質問回数を一覧表にまとめたことがある。これからは、各議員の政務調査費の使途実態や視察状況も、同様に比較するケースが起きるだろう。なぜなら、その情報は、インターネットを通じて、より簡単に発信することができ、ゆえに、オンブズマンに限らず、個別自治体の議員HPの記事を、住民が比較することは容易だからである。その例えとして、個人が政治家HPを評価したサイトがある。政治家のHP情報を収集し、その内容に対して点数をつけるのである。この評価、比較の手法はインターネット上に公開されており、今後は広く拡大しよう。つまり、個々の自治体ごとに政治家HP評価サイトが、(統一地方)選挙を前にして一挙に出現することが考えられる。もちろんこれは私達の身近に起きていることであり、あなたの支持する政治家や議員本人が評価されるのも遠い未来のことではない。果たして、彼らはどんな評価を受けるだろうか?

<紹介>
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