● 衆議院選挙開票立会人(比例代表・自由民主党)記録

◎ 要旨(選挙経過の見方と、開票経過の要旨)


(12/07/10) 平成12年6月の衆議院選挙の開票風景写真
           (私は、自民党比例代表選挙区の開票立会人となりました)

 町田市議会の平成12年第二回定例会は、6月5日の開会となりました。丁度、衆議院選挙をまたぐ期間の設定となりました。地方自治体には、地方の考えと予定があるとしたものです。読売新聞の記事見出しでは、全部の自治体が選挙に合わせて、会期をずらした読み間違うような書いていましたので、クレームのメールを送りました。(朝日新聞政治部と論争していますので、時間的な余裕が無く、読売新聞とまで議論しようとは考えていません)

 自由民主党公認の伊藤公介議員が、7回目の当選を果たしました。東京では、自民党候補が壊滅的な打撃を受けました。現職大臣を始め、有力者が落選の憂き目にあいました。

<以下、余談>

 東京都内では、深谷隆司通産大臣の落選が印象的でした。喜んでいるわけでなく、結果として、ご本人に私が指摘した問題が、選挙の落選という結果につながったと思います。3年ほど前になりますが、私は(党の研修会の席上で)、都連会長の深谷代議士に向かって、「党の幹部が選挙区と比例区の両方にエントリーするのはなじまないのではないか」と質しました。当時、この質問に対してのご本人の答えは、「そのようなことは、党が決めることです」とされました。自分は、自民党のトップクラスの幹部なのに、不思議な答弁でありました。その後、平成10年の参議院選挙の敗北の責任を取って都連会長を辞されて、なんと党本部の総務会長に就かれました。また、平成11年度の都知事選挙では、党本部の押しつけ候補が大敗したのに、党本部はなんの責も負われませんでした。

 深谷総務会長も臨席された都連大会で、私は「党本部の責任を明確にせよ」と言う主旨の発言を致しました。今回の選挙では、それらの皆さんが、こぞって選挙区と比例区とに重複候補となられました。結果は大敗で、重複の恩典は東京都では発揮されませんでした。その当時の都連会長も、深谷隆司大臣に足を引っ張られたのか、落選されました。私の言うように、(党幹部や現職大臣の場合は、)「比例区を辞して、小選挙区単独で戦う」と宣言しておれば、支持の広がりが少しでも異なっていたのではないでしょうか。全て、後の祭りであります。

 次の戦いに置いては、背水の陣で戦われることでしょう。出来ることなら、比例区の5番か、6番当たりの順位を希望し、自分の汗を書いていただきたいと言うのが、私の提案です。 <この、余談の小節は終了>

 幸いにして、ここ東京23選挙区(町田市・多摩市)では、我が陣営に勝利がもたらされました。比例代表の得票順位は、第1位 民主党、第二位 自由民主党、第三位 自由党、第四位 日本共産党、第五位 公明党の順でした。開票立ち会いで、特に印象深い投票用紙を紹介すると、「自由民主党」と一度書いて、「民主」の部分にはっきりと二重線をいれたもの=「自由党」と記したものは有効でした。

 私は、開票立会人を務めましたが、午後7時30分に開票所の市立体育館に着き、開票立ち会いに備えました。開票作業が全部終わり、午前3時ころ体育館を出て、就眠したのは午前4時ころでした。2時間ほどの就眠を取り、朝は地元駅に、(御礼)の朝立ちを行いました。通勤途上の代議士のお兄さんが、わざわざ、成瀬駅の自由通路の反対側まで立ち寄られ、御礼を言われて行かれました。



◎ 本文の構成

  1 市議会の開催と重なる、その他

  2 開票立ち会い経過

  3 得票結果、

  4 開票立ち会い資料

 


1 市議会の開催と重なる、その他

市議会開催と重なる

 町田市議会の平成12年第二回定例会は、6月5日の開会となりました。5月29日に議会運営委員会が開かれ、市長から会議招集の通知があったことが発表されました。委員会では、共産党会派より、「衆議院選挙と重なるので、議会開催日程を変更してもらえないか」と言う要望が出されましたが、委員の大半は、「もうすでに内定している試技会開催日程を、衆議院選挙にあわせる理由は薄い」と言う考えでした。

 参考のため、私がこの問題で、地方議会の開催日変更を記事とした読売新聞宛に、平成12年6月9日に、送付したメールを全文掲載いたします。ここでは、読売新聞の記事タイトルが、全ての議会て衆議院選挙にあわせて日程変更したように誤解される問題を指摘しました。相手からは、返答がまったくありません。

読売新聞都内版編集者 様
読売新聞多摩版編集者 様
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ほぼ同文を、メールアドレスがある最寄りの八王子支局に送っています。
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町田市議会議員の吉田勉と言います。
平成12年6月8日朝刊の多摩版 <衆院選6.25 とうきょう> と言う記事で、「議会よりも選挙優先?」は、スポーツ新聞でもあるまいし、見出しが行き過ぎではないのですか? たしかに、記事の最後の方に、八王子市・府中市・町田市が市政のスケジュールで、衆議院選に特別配慮はないとあるが、見出しだと、全部がスケジュール調整をしたし、それで良いと考えているかのような印象を受ける。それが、社会的に影響が大きい新聞の特徴である。ましてや、通常は、地方自治体議会・議員の動向などほとんど載せることが少ないのだから、記事の文面には注意が必要である。この編集結果は、記者の原稿文でなく、「整理担当者」の判断と考えるが、
結果はどうであったのであろうか。
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ちなみに、私は、選挙公示日の候補者第一声?の時間帯に一般質問が抽選にもとずく調整で割り当てとなっている。
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ネット時代と言いながら、一覧表には町田支局のメールアドレス無い様子、不思議?なるほど、インターネットやホームページに関心が無いはずである。(以下、省略)

● 参加した運動

 連日のように動員がありました。議員を対象とした会議はもちろんのこと、地域でのミニ集会、全体総会、分野別の集会などと盛りだくさんの日程でした。選挙戦でも、駅頭の朝立ち、夕立、党の確認車で頑張る議員も大勢でした。候補者の個人演説会にも数カ所参加しましたが、それぞれに議員によって話法も、話題も変わりました。

 私は、地元地域では地元の話に終始し、近隣地区では「情報化の推進と普及の困難性をどのように克服するか」ということを問題として取り上げました。

● 結果前の趨勢

 候補者の出陣式は、議会開催のために、全部の議員が参加できませんでした。しかし、盛大に行われたと聞きました。その他にも、地元代議士の自分自身の活動、あるいは後援会活動になんの問題も無かったようでした。事務所には、置ききれないほどの団体推薦証が置かれていました。さらに、ぎくしゃくしたものがあったかも知れませんが、公明党の推薦も決定しました。無所属の市議会議員も集会や街頭演説、個人演説会に駆けつけていたようです。業界団体の大半が推薦したようです。さらに、市議会議員数で現すと、6割の市議会議員が陣営に加わったようです。選挙としては、最高の体制ではなかったのでしょうか。

 最終日、町田の駅頭に、両者が打ち上げを行うスケジュールを立てました。相手陣営の「菅直人 来る」の看板が街のあちこちに目立ちました。当方は、大臣経験者ということで、中央からや有名人の応援弁士はありませんでした。昔ながらの場所取り合戦があり、当方の陣営は私鉄駅とJR駅を結ぶペデストリアンデッキ側をおさえました。遊説場所としては、最高の場所です。相手陣営は、団地方面側のバスセンターに陣取ったようでした。

 土曜日の街は、路上のライブコンサートの音楽がにぎやかです。選挙の演説を押しのけるような音が、駅前を覆っていました。当方の勢いは、前回選挙の橋本総理を迎えた時と比べると遙かに少ない勢力でした。相手陣営は、最後の盛り上げが大きいらしく、結構な動員であったと聞きました。

 最終的に、当日の私の役割は、路上のロックコンサートをしばらくお休みしてもらうことになりました。頼まれたわけではありませんが、なぜか、この役割を買ってしまいました。前座の演説も終わりかけようとしていたので、ここままにしておけないと考えました。熱狂的な聴衆に囲まれたこのバンドメンバーに対して、衆議院選挙の意義と選挙運動が優先することを告げました。幸いにも、この話を数分で了解してくれて、候補者本人の演説はスムーズに進みました。私にとって、選挙の演説が野外のコンサートに影響された光景を初めて見ました。



2 開票立ち会い経過

 今回の選挙では、私は比例代表選挙の開票立会人となりました。

 ちなみに登録順(敬称略)で記載すると、民主党 田中修一、自由民主党 吉田勉、公明党 川畑一隆、自由党 小川貫、社会民主党 今村路加、日本共産党 殿村健一という、合計6名が、集合時間の午後7時30分に町田市立体育館に集合しました。

 同様に選挙区選挙の分では、登録順(敬称略)で記載すると、自由民主党 伊藤公介陣営 金森 貢、自由党 長尾彰久陣営 藤田義一、民主党 市毛 えい子陣営 井上正行、日本共産党 佐藤洋子陣営 高嶋均というメンバーでした。   

 6月22日に、立会人の選挙がありましたが、申込人数の関係で全員当選し、その場で説明を受けました。大半の人物がその経験者で、慣れたものでした。私は、参議院選挙に続いて2回目の立会人となりました。立会人の関係の進行は、小選挙区関係が全て先行しました。比例区の扱いは、「従」となっています。ただし、両者の待遇はおそらく一緒でしょう。

 ちなみに、立会人の報酬は、今回 15,800円(税込み、所得税額 386円、差し引き支給額 15,414円を頂きました。食事は無く、開始されると立会人席に案内されて以降、配置されているのはお茶だけであり、菓子類もおいてありません。私は、よくこのことを承知しているので、会場に入る以前に食事を済ませていました。おそらく、日本全国同じ扱いとなっていることでしょう。自宅に帰る直前に、小さな箱に入ったお菓子を頂きました。事実を示すと、四ヶばかりの洋菓子の詰め合わせでした。そう言う次第で、自宅に帰り着いたのは、午前三時のことです。

 詳しく知りたい方は、吉田の現場報告記を掲載した、最終段の開票立ち会い資料欄をごらん下さい。

3 得票結果

比例代表区町田市開票分 平成12年6月25日、実際には26日の午前1時49分確定

 得票順位は、第1位 民主党、第二位 自由民主党、第三位 自由党、第四位 日本共産党、第五位 公明党の順でした。開票立ち会いで、特に印象深い投票用紙を紹介すると、「自由民主党」と一度書いて、「民主」の部分にはっきりと二重線をいれたもの=「自由党」と記したものは有効でした。

 町田市に限らず、東京では自由民主党をおさえて、民主党が圧勝でした。一昨年の参議院選挙でも、同様な光景を目にしました。民主党立会人の田中さんは終始満足そうな顔をしていました。自由民主党は、随分と自由党に取られたようです。自由党は所属市議がいませんが、今後の攻勢が予測されます。自由党開票立会人の小川さんは、小選挙区候補との比較で供託金没収ライン突破を念じているようでした。共産党、公明党が延びませんでした。開票作業の進展状況で、午前零時のころには、民主党、自由民主党、共産党の3党が並ぶ得票数でした。その時点では、共産党の殿村さんは本当にそんなに自分のところが強いのかなと、うれしそうな顔でした。特に、公明党は2万票に届かず、社会民主党に近い得票に終わりました。公明党立会人の川畑さんは、ずんぶんとがっかりされていました。社会民主党の今村さんは淡々としていましたが、小選挙区では石毛候補を支援しており、その善戦ぶりに比例復活を予想しているようでした。

1 自由党        24,481

2 社会党        3,592

3 無所属の会      1,998

4 政党自由連合    1,284

5 民主党         56,732

6 保守党          790

7 社会民主党     14,031

8 日本共産党    22,997

9 公明党       19,720

10 自由民主党    37,554

11  合計       183,179

12  無効票      5,437

13  投票者数   188,634

小選挙区町田市開票分 平成12年6月25日、実際には26日の午前1時49分確定

 自由民主党公認の伊藤公介全議員が、7回目の当選を果たしました。東京では、自民党候補が壊滅的な打撃を受けました。現職大臣を始め、有力者が落選の憂き目にあいました。幸いにして、ここ東京23選挙区(町田市・多摩市)では、我が陣営に勝利がもたらされました。

1 日本共産党    佐藤 よう子     24,695     

2 自由民主党    伊藤 公介     76,984

3 民主党       石毛 えい子    60,376

4 自由党       長尾 あきひさ   15,781

5 政党自由連合   山口 ひろし     1,647

6 無所属       塚原 光良      4,104

 

最高裁裁判官の国民審査は、特に問題がありませんでした。


4 開票立ち会い資料(平成12年6月25−26日)

午後8時10分、最初の投票箱が届きました。その開票所に持ち込まれる投票箱には、三ヶの鍵がついていました。また、投票所から運んでくるのは、投票管理者と投票立会人が一緒に来られました。会場内外には、警察官が警備をしている様子でした。
町田市は、市域が細長くて、一番遠いところでは、到着に一時間くらいかかるようです。電車を使うと便利ですが、通過区間に神奈川県がはいるため、その方法は使用しないと言う話が、立会人の間で出ました。真偽を確認せず。
投票用紙を別の投票箱に入れても有効との説明でした。そのために、指定の説明の他に、小さく○○投票箱と書いているそうです。投票用紙に、別の選挙の名を書いた場合は、無効となるそうです。新聞には、今回も逆にした例が掲載されていました。
午後の9時から、到着が遅れた一部の投票箱を残して、開票が始まりました。
テーブルに白布をかぶせ、その上に投票箱が、場内に配置されていますが、投票用紙を箱から取り出しました。時間ごとに開票人員が増えていくようで、最大時は200人くらいがテーブルを取り囲んでいました。選管職員に、いままでに間違いは無かったのか聞くと、この体育館の観覧席からも、有権者が(双眼鏡で)覗いており、以前に、他の候補に間違っている最中に、場外から大きな声で指摘されたことがあったと言うことでした。少なくとも、町田市で開票には不正は無い様子でした。
開票では、最初の段階でテーブルを開票従事者が取り囲みます。それぞれに、手で投票用紙を取り、自分の前に各政党ごとに置いていきます。この時、立会人は、その厚みをざっと見て回ります。すでに、比例区で民主党に自由民主党が引き離されていることは一目でわかります。ちなみに、小選挙区のほうは互角か、我が方がやや多いかなとの印象でした。一部には、逆の光景も目に付きました。すでら、この時点で自由党の得票が、思ったより多いのも目立ちました。
次に、それぞれの政党ごとに束にして、1枚こどに再確認します。それを次の段階に回し、その束をカウンターにかけ、100枚づつに結束します。再度、その中身を合っているかどうか確認作業を行います。相当に、用心深く点検をしている様子が分かります。
その100枚を、1000枚ごとにゴムで結束し、プラチック箱に置きます。1箱で8000枚のものが出来上がりました。一番上に、政党名と枚数を記した用紙を付け、それをスーパーのレジにあるようなOCRで読み込んでいました。OCRはパソコンに直結しており、プリンターも持ち込まれていました。
数字を読み込んだ後、立会人席の前配置したテーブルに積み上げられます。その付近を二階の観覧席から、各陣営の運動員の皆さんが、双眼鏡などでのぞき込んでいます。これは、昔ながらの光景です。立会人によっては、トイレの回数が多い人があり、その間に携帯電話で連絡を入れているのでしょうか。吉田はもとより携帯電話を持っていないため、そのような心配をするむことがありません。何度か会場の隅で立ち、観覧席に向かって、証券取引所の「場立ち」のような手振りを行いました。開票立会人は、そんなことをやっていけなのでしょうね。翌日に聞いた本部の情報では、吉田は束の勘定をおおざっぱに目算し、随分と早い情報を流していたようです。
今回の投票用紙で印象的なのは、船舶からの洋上投票が一枚ありました。投票名は知っていますが、ここでは秘密にします。点字投票は20票以上あったのではないでしょうか。
無効票は、いろんなものがありました。まず、白票。何故か、ある名前を記した票が、数十票もありました。立会人一同、これはなんだろうねと、首を傾げました。架空の政党名も随分とありました。一部の無効票とされたものを、「異議あり」として、選管関係者に返しました。最終的には、選管で判定します。
最後に、投票数を選管委員長が発表し、集計用紙に署名と印鑑を押します。さらに、それを終えると、ダンホール箱に全部の投票用紙を詰め込みます。封印のテープを貼り、再度、印鑑を押します。この箱と中身の投票用紙は、次の選挙の開票まで保管するということです。途中で、裁判があれば、開封することもあるようです。町田では聞いたことがありません。
ようやく帰宅することになり、会場を出て、3時過ぎに公衆電話から、伊藤公介事務所に電話を入れました。秘書の橋本氏が電話を取り、丁寧なお礼を言われました。さらに、代議士の奥様が替わられて、より以上のねぎらいの言葉をかけていただきました。
自宅に戻り、4時ころに就眠しました。2時間ほどの就眠を取り、朝は地元駅に、(御礼)の朝立ちを行いました。通勤途上の代議士のお兄さんが、わざわざ、成瀬駅の自由通路の反対側まで立ち寄られ、御礼を言われていきました。 (以上)


◎ (12/06/08) a21207103  <「衆議院選挙開票立会人(比例代表・自由民主党)体験記}の記事は、この行で終わります>


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