● ”政治家はバカにすべきもの”というマスコミの風潮への批判!

◎ この文章を掲載する主旨

 一般の新聞に登場する議員の姿というのは、 「政治家はこんなバカなことをやっている」、あるいは「政治家はこんなひどいことやっている」 という類のことが大半です。全部の例証をあげて問題に出きるわけではありませんので、ここでは朝日新聞に限って問題としてとりあげました。他のマスメディアの中で、自分のところは政治家記事の扱いとして、「バカなこと」と「まともなこと」を公平に取り扱っている。あるいは、マスコミ記者は「善」の伝道者であって政治家は「悪」の拡張員という構図でなく、様々の政治家の行動自身を記事対象して報道し、政治の改善に向けた戦いがどの様に行われているかを、自信を持って報道しているということであれば、是非ご指摘願いたいと思います。

 そもそも、私が自分のホームページを持つ理由については、この中に記しています。掲載部分は、このホームページの冒頭(メニュー このホームページの主旨(私の考えと行動)欄の ○ このホームページの目的と役割  ★ 情報公開は自己開示の時代を迎えた!) に次のように記しています。

 国政においてはともかくして、地方自治体の行政や地方議会の動きについては、何か特別の失態やスキャンダルでも起きない限り報道されることは少なく、実態が一般の目には触れ難い状況にあります。ましてや地域の住民側から見れば、地方議会の議員は<日頃>何をやっているのか全く判らないと言うのが実感でしょう。そこで、その対応として議員側からの責任ある「情報の発信と交流」が是非とも必要です。
−−−−−

 マスメディアの報道が偏っていると考え、批判を加えてもご意見拝聴とされるだけであり、おもしろおかしくもない人物や、事件については知らん顔というのが通常の事例ではないでしょうか。私たちは現実の政治に関わっており、市政はもちろんのこと都政や国政に関するクレームまで、住民から聞く立場にあります。そんなことは国会議員に言って下さいよ!と言いたくなるようにことも、(「自民党」と言う看板を背負っている為に)答えさせられる立場にあるようです。

 さて、今回は、平成12年4月13日の朝日新聞「鼓動」欄の記事<政治感覚 学生に驚きと決意>が、正にそのことが反映された内容と思い、その記事内容の批判を書きました。この一面的に議員の姿を伝える記事によって、読者は議員と秘書に対してどんな印象を受けるのであろうか。少なくとも、新聞記者は議員の様々の姿を知っているであろうに、一方でけなす内容があれば、一方で支持をすべき政治家の姿勢もあろうと言うものである。今、注目の議員インターン(政治の実務研修生)を取り上げて、議員と秘書のあり方を嘲弄の対象にする意図と映るのである。

 まずは、その記事の紹介から始めたいと思います。

 


◎ 見出し

  1 朝日新聞のバカな記事

  2 そのバカな記事に、私がつけたクレーム

  3 朝日新聞の返信と、私の再度の送付文

  4 政治家がバカであるとする、朝日新聞の意図は何か?

 


1 朝日新聞のバカな記事

 平成12年4月13日付けの朝日新聞「鼓動」欄は、学生が、インターンとして秘書体験したという話を記事としています。

 学生が担当した活動として、@地元でのポスター貼り、A支持者に送るチラシの宛名書きや封筒詰め、住所のパソコン入力、街頭でのチラシ配布、各戸配布であったそうである。そうした活動の苦労話と、単調さが学生にとって印象深いことであるように記しています。戸別のポスター貼りが順調で、ラッキーと喜ばせる当たりが、実にマスコミ的であるのかもしれません。

 学生秘書の活動に記者が同行した記事として、まずこのポスター貼りの活動が紹介されています。学生秘書はスーツ姿で住宅地図を手に持ち、一軒一軒インターホーンを押し歩くという。マニュアル通りのセリフを喋り、面談までが一苦労だとして、「まだまだ、若い世代などで、ご指導いただければと思っています」と続けさせるのである。面談した相手に、最後にポスターを貼らせてくれと御願いする行為を、記者氏は具体的に記事としているのである。

 担当記者は、こんなことを学生秘書の政治活動として書き、記事と称しているのである。私に言わせれば、政治活動は物量戦であり、ポスター貼り活動もその一環です。ポスター貼り一つとっても、後援者が自分の自宅の目立つ箇所に貼ってくれるケース、目抜き通りで、自分のポスターだけが無いという訳にはいかないため貼るケース。自分の勢力が弱いことをカバーする為に、政治パンフレットの持参を目的にポスター貼りを兼ねるケース等。こんなことは、政治の関係者であればイロハの内容であります。こんな一遍の挿話で、地道で多様な政治活動を総括してほしくないものです。ましてや、議員インターンが若い世代で指導が必要だとするなら理解できるが、松下政経塾を出て、2期以上も代議士を務めている議員の紹介としては、人をバカにしているスタイルを取るものである。

 また、学生が議員の会議などを見学させた感想を掲載しています。@担当した党の部会に出て、政府側が資料を出さないことを嘆かけせたり、A居眠り議員の起き抜け質問のとんちんかんさを指摘させ、インターンに「オレがやらにゃきゃ」と決意させたり、政治家の知識の無さや官僚のやる気の無さを問題点として指摘させさていますが、これは、朝日新聞のお得意の「やらせ」です。

 具体的なケースとして、(民主)党の部会に参加した学生秘書に、政府側が事前に用意してくれた資料はわずかしか無いと嘆き、官僚とは情報を隠すんだと憤慨させています。また、先のように厚生部会では居眠議員が、急に起き出して見当はずれの発言をしたことを取り上げ、「こんな人たちが日本を動かしていると思うと、不安でたまらない。やっぱりオレがやらなきゃと思った」と書くのである。党名は書いてないが、文脈からすると<民主党>のことであろう。「おい、おい、朝日さん、国は、民主党に動かされているいるんじゃないよ、自民党だよ!」と言いたくなってきます。部会の記事を書くなら、自民党か、今や大きな精力を奮う公明党の部会をインターンした記事としないで何になるのでしょう。

 また、党の専門プロジェクトチームに参加した学生秘書には、「政治家には法律の知識がない。・・・官僚には知識があるが、やる気がない」とし、「将来、何らかの形で法律をつくる過程に携わりたい」と締めくくらせているのである。私は、自民党の身びいきで言うわけではないが、こんな恥ずかしいことは、記者さんが事実をすこしくらい指摘してあげて終わりとするべきではないでしょうか。

 記事の全編が、議員と秘書の姿をあまりにもゆがめていると考え、次のメールを送りつけた次第です。そのメールに返信が届き、さらに返信メールに再返信を送付したものです。今回のやりとりは、この時点で休止しています。

 

2 そのバカな記事に、私がつけたクレーム

 下記の文章は、平成12年4月17日、吉田つとむが朝日新聞の政治部宛に、<「鼓動」の記事内容について>として送付したメールの全文です。なお、次の段にこのメールに対する朝日新聞の返信メールと、さらに吉田が再送信したメールを記載しています。




  <「鼓動」の記事内容について>
朝日新聞 政治部 鼓動 担当者 様
*******
 貴紙の特集記事、鼓動の「政治実感 学生に驚き・決意」を拝見致しました。
 真摯な学生を、いかに国会議員や専門秘書の皆さんが、いい加減に取り扱ったかがわかりました。本来は、明日の続きを見て感想を書くべきでしょうが、他の関係もありますので、ここに記載します。
*******
学生のインターンというなら、@予算委員会の審議を丸一日見続けた印象はどうであったか、A一般の国会議員にとってもっとも重要な「質問趣意書」の作成にかかわって、どのような作業を行ったかなどの記事は用意していただきたいものです。
この記事では、単なる政治不信を招いているだけのことです。
●あなた方は、地方議員を議員と考えてもおられないかも知れませんが、インターンの記事を書くなら、「I−CAS」の議員インターンの内容についても触れて見てもらいたいものです。その上で、政治家と秘書について書いていただきたいものです。
*******
「開け電網政治の時代」の掲示板に、貴紙から照会があったという文がありました。
インターネットの世界は、国会も地方もありません。有名、無名も関係なく、金がないとか、組織がないとか泣き言も通じません。とにかく、ハンデも無く、入り乱れています。新聞社との違いです。
ただし、当事者としては、時として、意味不明の文章や人目にさらすのが恥ずかしい文章も残します。ただし、自己責任のルールの中で戦っています。
●同サイトの評価では、有名人と無名の議員が同列で扱われ、あくまで記載事項の中身のみです。そんなところも少しご覧になって、記事をとりまとめて頂きたいものですね。
*******
町田市議会議員 吉田 つとむ



3 朝日新聞の返信と、私の再度の送付文

 下記の文章は、平成12年4月18日、朝日新聞の政治部から吉田つとむ宛に、<Re: 「鼓動」の記事内容について>として送付されてきたメールの全文です。なお、この返信メールに続いて、さらに吉田が返信メールへの再返信したメールを記載しています。とりあえず今回のやりとりは、これで終わっています。



<Re: 「鼓動」の記事内容について>
吉田つとむ様
 メールを送っていただき、ありがとうございました。
 「鼓動」のコーナーは、永田町・霞が関だけの情報で構成される政治記事を少しでも変えたいという思いで、この4月からスタートさせました。40人ほどいる政治部の記者は、国会、首相官邸、政党、中央官庁に集中配置されており、政治を動かそうとしている市民や地方議員、NPOなどの様々な動き、胎動のキャッチは十分とはいえません。しかし、少しでもそのような動きを紙面化したいと、始めたものです。
 吉田様もお読みいただいたと思いますが、ここ数年、政治部は「改革と市民」「政治家よ」「変革のサポーター・NPO」など、市民と政治をつなぐシリーズを手がけています。「鼓動」もその延長上にあります。
 政治部のシフトが国会議員に偏っていることは否定しませんが、それは地方議員を無視するということでは決してありません。伝統的な取材体制がそうなっているとい
うことであり、その体制を少しでも変えていきたいとも思っております。
 「鼓動」シリーズでも、今後、様々なかたちで地方議員が登場しますし、同じ政治面では、市町村長をとりあげる「首長物語」という月一回のシリーズも始めました。
 上に書きましたように、政治部記者は永田町に集中配置されているために、各地の情報をどう収集するか、最大の悩みでもあります。インターネットも今後、出来る限り活用し、ご指摘のように、ウェブ上の政策論議などについても記事にしたいと思っております。
 今後、情報などがありましたら、よろしくお願いいたします。
                       政治部次長 大西信治 



<再返信 「鼓動」の記事内容について>
政治部次長 大西信治 様
*********
早速、ご返事賜り有り難うございます。
貴重なお時間の中、詳細な状況説明に感謝申し上げます。
*********
私が申し上げたかった点は、次のことです。
あまりにもレベルの低い、議員インターンの例をあげるだけだと、政治不信が増すに過ぎないと指摘しました。貴紙の多摩地区のローカル版で、昨年の末に募集に関する案内記事がありましたが、実施状況まで見ていただければ良かったのですが、国会
議員は議員インターンを只で使えるボランティア」の感覚で使っていたのでしょう。私(たち)は、少なくともそんな手法は取っていませんと言いたかった次第です。
政策秘書でさえ、使い走りに使っている国会議員の事務所のインターンと、私たちのところに来るインターンでは意欲の相違点があるのかもしれません。
→このところ、自分のホームページにインターンの記事も掲載しています。
ご笑覧下さい。
*********
貴紙には、以前に、議会の調査研究費の件でお電話したこともありますが、国会の文書通信費と同じ感覚で、ついも指摘は馬鹿なことをやっている例ばかりの紹介で、これまた国民の議員への不信を増長させることばかりが記載されています。
私のような無名のローカル議員は、マスコミの議会を嘲弄するキャンペーンをかいくぐり、蟷螂が斧のごとく、自分の力でインターネットで自己発信するほかありませんでした。
*********
幸い、先に送りましたように、このバーチャル政界では、地方も国会も同一に扱ってくれる、「開け電網政治の時代」のようなサイトも出現し、ようやく戦いの場が作られたと思っています。
*********
まずは、ご返信を頂きましたことへの御礼にかえて。
*********
町田市議会議員 吉田 つとむ



4 政治家がバカであるとする、朝日新聞の意図は何か?

 閲覧者の皆さんは、度々ご覧になるように、私が学生を議員インターンとして受入を、開かれた政治の一環氏として位置づけていることをご存じと思います。しかし、なにせ相手は、大新聞の「朝日新聞」ですので、だれしも朝日の方が正しいと思われることでしょう。一般の住民や国民から見ると、無名の吉田つとむが言うことより、朝日新聞の記事は100倍の信頼性を持っています。「{やっぱり、議員は寝てばかりではないか」、「何にも勉強しないで、無気力な役人に翻弄されているのか」等々。

 閲覧者の皆さんは、吉田つとむのホームページに、次のように記していることをご存じです。

●情報公開は<自己開示>の時代を迎えた!吉田つとむは、地方議員の活動とはどのような「行動と発言あるいは態度であるべきか」を発信続ける。

<このホームページを通じて、私の考えと行動を監視し続けて下さい。>

 上記の部分で、「<このホームページを通じて、私の考えと行動を監視し続けて下さい。>」の文言を入れるようになったのは、平成10年にインターンとして来てくれた、出雲充君の「提言」であります。提言を取り入れた結果、ホームページ冒頭の文字配置は不揃いとなりましたが、吉田つとむが言いたいことはすっきりとおさまっています。出雲君に限らず、私のところに来てくれた議員インターンの学生は、議会の傍聴や資料の作成に、熱心さと謙虚さで対応してくれました。この私の判断が正しいかどうかは、インターン学生自身が度々書いてくれた文章でご判断頂きたいと思います。

 インターン募集と称して、学生に無料アルバイト=(単純作業)ボランティアを募るのが流行しています。有名議員の中には、ホームページを使って、はっきりボランティア募集=ビラ・リーフレット類のポスティグ作業など、と明記しているものも出始めています。そうした風潮にかけている者は何か、と言う問いかけが必要と考えました。私も少しは政治を経験してきていますので、吉田つとむのボランティア募集とはどういうものかを示す必要があると考えました。そこで、別途記事として、「ボランティア募集、吉田つとむを応援することとはどんなこと?」を掲載しました。議員インターンに対して、政治家は何を提供し、またどのようなものをボランティアに期待するかを、呼びかけ文を発表することを明らかにすることにしました。

 政治活動の実験の一つととらえています。

 さて、本論に戻ります。上記のように、私は、朝日新聞に対して議員インターンを記事として取り上げるのであれば、「I−CAS」と言うグループの議員インターンも触れて、議員と秘書の記事を書いてもらいたいと申し入れました。何も、私を記事にせよ!と、下品な話をするわけではなく、新聞はものごとを公平に見るべきだとささやかな主張をしているにすぎません。私が知る限りにおいて、朝日新聞が紹介した議員インターンの記事は一面的な誇張のみであり、これから、政治を勉強しようと言う学生に対しても、議員に関する皮相な印象を植え付けようとするキャンペーンとしか言いようがありません。

 すくなくとも、議員インターンと言うのは、政治の新しい活動分野です。議会と議員活動の情報公開を進めていく一環でもあります。学生はそこに開かれた政治があると考え、議員インターンに応募してきています。もちろん、中には手っ取り早く議員になる方法を見いだそう! あるいは、学生身分を1−2年留年して、議員インターンをやっていれば、その内25歳になって被選挙権ができ立候補してみようと言う不届き者もいるかもしれません。この議員インターンは始まったばかりであり、実態は不明です。

 ただし、政治に関して、「学生は純粋で、議員はずるくて怠け者」と言う考えを、この朝日新聞が、読者に植え付けようとしていることは明白です。このようなキャンペーンの結果、少なくとも古狸みたいな政治家は叩かれます。果たして、朝日新聞はどんな政治家をうみだそうとしているのでしょうか。次回に、この推測を続けてみたいと思います。

 そうそう、朝日の議員インターン記事で、そこに登場する学生は、期せずして有名大学の学生です。議員インターンという本来は地味な試みが、有名でない大学の学生なんか参加も出来ないということになるのではないでしようか。「I−CAS」の例では、様々の大学学生が議員インターンに参加しようとしているのですが、朝日新聞が例に取り上げた記事では、著名大学に限られているのです。そうか、ボランティアの世界にも、有名大学の権威がもてはやされようとしているのか! 新しい世界に、ぬかりなく権威付けを狙っているのか! こんな単純なことに誰も気が付いていないのでしょうか。(続く)

a21205151  <”政治家はバカにすべきもの”というマスコミの風潮への批判!の記事は、この行で終わりです>

TOP  戻る