● 古布、古繊維の焼却処分とリサイクル

◎ 新聞記事 行き先のない古着 品質悪い一部
          返却受け入れ焼却処分 (多摩市)と、私たちの生活

  (以下、読売新聞記事の引用です) <多摩市で分別収集した古着・ふる布類がさばき切れないでいる問題で、同市は(中略)品質の悪いものを中心に20%の返却を受け、焼却処分するものに決めた。>
 この事態は多摩市に限ってことでなく、町田市も同様です。この問題で業界の状況を、私は昨年(平成12年6月)の記事更新で紹介しています。町田市は、すでに昨年の12月段階で、多摩市と同様の措置を取っています。本来であれば、市の担当部局(環境部)は、この状況をを市民に広報し、<しばらくの間、古着・ふる布類を回収に出さずに>自宅にしまっているように、アッピールすべきです。
 以下、私が町田市環境部と対応した内容を紹介し、上記の<しばらくの間、古着・ふる布類を回収に出さずに、自宅にしまっている>=タンス保管を訴えとします。



◎ 見出し
    1 最初の要請の紹介
    2 町田市に伝達(メール文での依頼)
    3 町田市は、昨年12月から「再利用できないものを引き取りごみ処理」=焼却
    4 本当の問題点


1 最初の要請の紹介

 平成12年6月。「古繊維業界の危急について」、友人の中野聰恭 氏(ナカノ株式会社 代表取締役−古繊維業界の経済人で、私の第2回新春の集いの講師を御願いした)から、メールが送られてきました。早速、HPに記事(以下に、主旨を抜書き)にしました。あわせて、町田市への依頼文を伝達しました。
 「この繊維業界では、一貫してメーカーの回収責任はなく、古繊維業界の回収ルートが古来より定着していました。安い新品の衣服が大量に出回るために古繊維が増え、一方で機械産業分野の高度化などでウエス需要が減っています。また、回収に際してのビニール類の混入による資源のゴミ化が起きている情況です。業界ではリサイクル化の停滞が起き、保管倉庫の維持管理費などの問題から、古繊維類の引き取りが困難となっています。
 その中で、「経過措置のお願い!」とし、
 経済実態と法律や環境行政の矛盾の狭間に置かれている故繊維業界の窮状をご理解の上、貴社を含め各関係部署にお願いをしております不能品の無料返却が、他都市同様に実施されるまでの経過措置として、以下の件よろしくお願いいたします。
 支払い清算の際、支払い対象となる仕入数量に3円を乗じた金額を、不能品の処理負担分として相殺値引きさせていただきたくお願い申し上げます。
 上記お願いの目的はリサイクル不能品の発生元への無料返却実現のためです。重ねてご支援と関係部署への働きかけにご協力をお願い申し上げます。
 あくまで経過措置です。無料返却が実行され次第、上記の相殺値引きは取り止めさせていただきます。」 (以上は、中野さんの依頼文の紹介)

2 町田市に伝達(メール文での依頼)

 業界では、そのために引き取り制限でタンス貯蔵、あるいは自治体段階での一般ゴミへの転換、及び古繊維の引き取り有料化を一時的に導入しているところです。そのことによって、回収を専業とされている方々の仕事が減るのは明白です。その関係の皆さんの窮状はどのようなものでしょうか。我が町田市は、紙・ダンボール・古布を一括回収しており、回収された古布がどのようにされているか気になります。この事態を無視して過ごすわけにはいなかないものです。
 先の、中野聰恭 氏が業界の代表として、各自治体の「ごみ」担当部局に依頼された文書をメールで受けました。当時、町田市は「メール文」を文書とみなさず、(やむなく紙に落とし込み)町田市の「市民相談」担当に渡しました。形式的に無駄のあることでした。それから、「ごみ」担当の環境部に託されました。

3 町田市は、昨年12月から「再利用できないものを引き取りごみ処理」=焼却

 2001年2月6日、町田市環境部に、分別収集した古着・ふる布類がさばき切れないでいる問題を問い合わせをしました。当日中に、以下の回答(情報提供とした文面です。この回答文は、吉田宛の回答でなく、町田市の回収業者さん宛てのもの)がありました。主旨は良いのですが、この事態を危惧し、照会した者に早期に「情報提供」くらいは、行政として必要ではないでしょうか。
 どうも,町田市環境部のやり方は、受身のやり方で情報の自己発信に欠けています。

<提供資料内容>

 「ウエスゴミ処理について」と題するもので、町田市長名の全文紹介です。

 ウエスゴミ処理について

 平成12年11月27日付けにて依頼のありましたことにたういて、下記条件により引き受けいたします。
 


1 リユース等一切再利用できないものは、当該収集月の収集量20%を上限とし、翌月搬入すること。なお、処分料は無償とする。
2 ゴミ発生量は貴社の報告書をもとに決定する。
3 搬入方法等は市の指示とする。
4 この適用は12月収集量(2001年1月処分)からとする。

**その他、実績数値の情報提供を受けました。
     12月収集量  101、410kg
      1月ゴミ処理  15,810kg(15.6%)

4 本当の問題点

 「この繊維業界では、一貫してメーカーの回収責任はなく、古繊維業界の回収ルートが古来より定着していました。安い新品の衣服が大量に出回るために古繊維が増え、一方で機械産業分野の高度化などでウエス需要が減っています。また、回収に際してのビニール類の混入による資源のゴミ化が起きている情況です。業界ではリサイクル化の停滞が起き、保管倉庫の維持管理費などの問題から、古繊維類の引き取りが困難となっています。」
 (中野聰恭 氏(ナカノ株式会社 代表取締役 の考え)

 1 繊維業界の改善点
    1 再利用しやすい衣類に、換えて行くべきです。
    2 リサイクル率の高い、現行ルートの回収に協力すべきです。

 2 行政の改善点
    1 「分別収集した古着・ふる布類がさばき切れないでいる」状況を、市民にきちんと広報すべきです。
    2 「リサイクル出来なかったものは、ゴミ焼却処理されること」を、もっと住民に知らせるべきです。
    3 <しばらくの間、古着・ふる布類を回収に出さずに、自宅にしまっている>=タンス保管を訴えるべきです。


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