「文化会計」を設定し、行政の説明責任を果たせ


◎ この記事の趣旨

 さる昔、TVの「こんなものいらない」と言う番組にも取り上げられた「町田市立国際版画美術館」の運営協議会が、2001年2月28日に開催された。
 この日の運営委員会では、事業報告の内容に関して、大西委員(議会選出の雄弁家)が質疑を行い、<もっと事業収支が見合うように、<入場者を増やすために、「版画」にこだわらない美術品を展示するべきだ>、と言う意見を提起された。吉田は、大西委員とはいくつかの点で見解が異なっており、<版画美術館は、「町田市が全国一」と言える,唯一の施設であり、この施設が多方面に役立っていることを説明すべきだ>と述べ、<いわゆる「環境会計」に相当する、「文化会計」を導入すべきではないか>と提案した。
 その他の議論の後、三橋会長より、「運営委員会の審議内容が、市政の施策に反映されていない。委員が会議で述べたことには、行政がもっときちんと対応すべきだ」と、述べられました。

 なお、吉田つとむは、委員としてこの会議に参加した。基本スタンスとして、私はこの種の行政委員会では、聞き役の方を大切にする。議員は議会で発言するのが基本であり、この種の委員会の状況を参考としている。

◎ 会議で問題とされたことと、問題としたこと

  この日の運営委員会では、まず行政より、来年度の事業予定(展覧会事業/企画展)が説明された。この事業報告内容に関して、大西委員(議会選出の雄弁家)が、数件の質疑をおこなった。主旨は、<もっと事業収支が見合うように、入場者を増やすべきであり、「版画」にこだわらない美術品を展示するべきだ>と、言うものだった。他にも、幾人かに委員も同趣旨に見えた。もとより、入場者が増えることは誰もが期待していることである。
 一部に異なった見方があり、「入場者数で判断するのに問題があり、水準と言うもの考えるべきである」との主旨だった。

 吉田は、大西委員の主張に何点かの考えで同意しています。また、いくつかの点では見解が異なっており、<版画美術館は、「全国一」と言える町田市の唯一の施設であり、この施設が町田市の知名度アップを含めて多方面に役立っていることを説明すべきだ。さらに、外来者の誘引につなげるべきである>と述べた。さらに続けて、<事業会計の他に、(いわゆる「環境会計」に相当する)「文化会計」を版画美術館は、導入すべきではないか>と提案した。

 他に、この施設の「市民利用率の低さ(市民の利用率40%)」も、別途問題とされた。税金を払っている市民に、直に役立つべきだとする見地のようだ。関連して、施設の一般開放の拡大すべきとの意見が多く出た。岡野副会長は、特に「講堂」の利用(現在では、利用日数が100日程度)対象の拡大を要望されました。

◎ 行政の考え方

 美術館は専門的な分野に入り、専門職の担当分野が大きい。委員の質疑にも、専門の「学芸員」が答弁する姿が目立つ。答弁では、「企画展に関することでは、寄贈品の展示企画を開催する必要があること」が特に目立った。

 専門家委員の中で、「町田市立国際版画美術館」の新規購入品を検証する作業の大変さが提起された。数千万円の絵画の作品購入するのでなく、版画は単価の低いものを数多く購入するため、大変な数量の作品を点検することにだと言う。

◎ 今後の課題と展望

 趣旨の書いたように、その他の議論の後、三橋会長より、「運営委員会の審議内容が、市政の施策に反映されていない。委員が会議で述べたことには、行政がもっときちんと対応すべきだ」と、述べられました。

 私が考える 「町田市立国際版画美術館」は、個々の課題で、当然利用率が低い部分の改善は比較的だと判断する。例えば講堂の場合、関係団体の申し込みを優先し、それ移行は一般にも貸し出しを行えばよい。現に、消費生活センターなどが入る「町田市民フォーラム」はその方法で有料貸し出しを行っている。今後の改善を期待するが、そうない時ははっきり提案をしたい。

 入場者増の対応策として、入場無料案が各種話題とされた。正式な提案とは考えなかったので、意見は述べなかった。しかし、なにもかも、無料と言うのには賛成しがたいと考える。


(01・02・28)                         戻る