掲載原稿「政治家とインターネット時代」(第6回-最終回)

 第6回 インターネットと政治家の選挙戦略
                                       町田市議会議員 
                                        吉田 つとむ

● 電子投票の始まりと、変化する情報源 

 時代の流れを受け、総務省は、地方自治体選挙に電子投票方式を推進する方針であり、すでに公職選挙法の改正に向けて動き出している。元来、電子投票システムの導入は、自治体がそれぞれに決定するとされる。しかし、各自治体の決定は、二つの追い風を受け、自治体選挙における電子投票は身近に迫ることになろう。その追い風とは、新しいもの好きの政治家感覚と、大きなビジネスチャンスをつかもうと試みるこの分野の開発メーカーの戦略である。

 現在、選挙における最も強力な情報入手手段は口コミである。しかし、電子投票導入の推進を受け、政治情報源、またその入手手段は変化しつつある。つまり、その口コミの方法は携帯電話のメール発信によるものが主体となってきている。更に、政治的に関心が深い層は、ブロードバンドを利用した、インターネット情報を得るだろう。つまり、業界団体や一部の有力者が情報の発信源であった時代は終了し、インターネットが新しい情報源となり、その情報が選挙戦の決め手となるのである。


● 政治情報の双方向性と、HP掲示板の役割

  一般的に、住民の情報源は、政治家の発言を直に聞き、見ることによって形成される。そして、住民が最も関心を持つものは、議員の議会発言より、彼らと政治家との対話である。つまり、住民は政治家との情報双方向性を求めているのである。しかし、現在は、情報化時代であり、インターネットも重要な情報入手手段なのである。そこで活躍するのは、インターネット上の掲示板である。その掲示板において議員は、具体的な問題を、住民の質問や批判に対し、タイムリーに、かつ的確に回答することが求められる。そして、議員自らの情報提供の積み重ねが、政治家に対する信頼形成に発展することになる。つまり、インターネット上の掲示板は、これからの政治家にとって、住民とのつながりを持つ、重要な役割を果たすといえる。

 そして、掲示板において見逃してはならないのは、そのやり取りが、その掲示板に登場しない無数の声無き声の持ち主と、影の応援者に見守られていることである。言い換えれば、1人の意見書き込みの向こうに、10人の閲覧者がいて、さらに携帯電話のメール情報で100人に伝播するわけである。つまり掲示板は、一対一の対話ではなく、大衆の面前で演説するのと同じと考えるべきである。


● 論より証拠をお好みの皆さんへ!

 これまでの私の意見を一言でいうならば、「インターネット議員が勝利をつかむ」ということである。しかし、ここまで主張しても情報化社会の到来を理解できていない人が多い。そうした人たちには、選挙におけるインターネットの有効性を示す実験で情報化社会を実感していただきたい。その実験とは、これだけインターネットに傾注する私が、選挙で勝利することである。インターネット議員が選挙戦で勝利をつかめば、まさに「論より証拠」である。実験結果を楽しみにしていただきたい。

<紹介>
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