「政治家とインターネット時代」(結果編 第3回)

 自分の基盤を考える
                                       町田市議会議員 
                                        吉田 つとむ

● 求めない支持基盤はどのようなものであったか?

 過去2回下位当選であった吉田つとむであるが、前回は得票を6割も増やした。
 端的に言えば、新しい時代に対応し、インターネットによる情報の相互交流に自分の活動を傾注したことが、一般の人々の共感を呼び起こし、投票に向かわせたということである。そこで、インターネットを多用したことが若い人の間の支持を広げたと推測する一般的な見方があるが、その見方は全面的に否定されよう。
 というのは、町田市では候補者の年齢層が大変若く、20歳台の議員が毎回誕生している。その結果、今回の当選議員の平均年齢は、48歳という若さにまでなっている。地方選挙のおいては、血縁関係の支持者を基本に、同窓・同期を中心にした候補者自身が直接の顔見知りの縁がある人物らによって、その支持者の普及・拡大を務めるのが一般的手法である。
 一方で、吉田は地元に血縁関係や同窓・同期の縁もなく、他の地域から大人になって、町田市に引っ越してきた人物です。吉田は既にこの時53歳に達しており、上記のことを勘案すると、若い人が吉田を積極的に支持をする理由にはなりえない。むしろさらに、選挙ごとに年齢を重ねており、先の若い人の支持が大幅得票になったとは考えがたい。

● 選挙の背景を再点検すると、団体の支援を排除したことが有利に

 今回の選挙時において、後援組織が大きく拡大するという状況は起きなかった。むしろ、前回より、集会などの動員力は、選挙ごとに低下してきたのが現実である。また、近隣で現職候補者に引退があったが、(他地区でも同様に現職候補者が引退した事例があったが、結果的にはまったく違った状況であった)それが直接得票増につながったとみる根拠は見つからない。さらに、他に支持が流れたり、地区の投票率が明白に低下するという事例が発生した。
 また、吉田つとむは野党時代を含めて、自民党公認の立場の立候補を固く維持し続けたにも関わらず、特定団体組織の支持はもとからほとんど受けること無く選挙を行ってきた。今回は唯一人、公認候補では組織団体推薦を求めなかったため、事実上、組織的な応援・推薦は一切無かった。
一見、組織・団体の推薦は有利に見えるが、果たして、組織の選挙に対する影響が衰えてきている今、組織による推薦はどのような意味を持つのであろう。候補者・議員の立場から見ると、組織によって束縛される時間が減少したと見なすことができる。つまり、議員本人が、自分の判断と意識の中で、フリーに振舞える時間と場面が増加したことになるのだ!
 さらに言えば、夜はインターネットに打ち込むことが可能になったのである。

● 自民党所属地方議員の選挙は、自由闊達な行動とスタイル

 結局、自分の行動時間とスタイルが拘束されるのは、所属政党の自民党によってのみとなった。もとより、自民党の場合は、地方議会の各議員・候補者が自由に、のびのびと選挙戦を闘うことを前提にしている。ましてや、地元の自民党代議士は、反自民的な無所属候補にも、自民党公認候補とさほど変わらない支援関係を持っているので、我々は代議士によってすら拘束されない関係にある。
 これまた、夜はインターネットに打ち込むことが可能になったのである。

<紹介>
講演依頼.COM: 講演依頼やイベント出演依頼の申込受付サイト。有名人から、各種エキスパートまで。吉田つとむも登録されています。選挙前にその紹介記事を書きましたが、その続編で、として書いた連載記事。

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