誤報の第2弾―― 朝日新聞の不幸な誤報[歩きたばこ規制]報道
2002.3.15作成

<前置き>

 全国紙の記事に関して、町田市の「歩きたばこ禁止問題」の誤報問題を連載しています。
 第1弾は、<誤報の引き金―― 毎日新聞の[歩きたばこ禁止]の報道>として、2003年3月14日付けの、HP新着記事としました。
 また、第2弾は、<誤報の第2弾―― 朝日新聞の不幸な誤報[歩きたばこ規制]報道>として、2003年3月15日のHP新着記事として掲載するものです。
 新聞の誤報問題と関係取材の手抜きを通じた、記者のスタンスを問題としました。
 なお、当該記事は連載とし、数回にわたって掲載する予定です。ご期待下さい。

<2002年11月20日の朝日新聞、その誤報記事の本文掲載して紹介>

 町田市における「歩きたばこ禁止問題」報道に関して、毎日新聞の誤報は、次なる不幸な誤報をもたらしました。
 それは、2002年11月20日の朝日新聞の、「歩きたばこ 町田も規制の動き 来月、市議が議会に提案」とする誤報記事でした。

 それでは、その記事の本文を見てみましょう。
 千代田区が実施した「歩きたばこ禁止」が、町田市にも広がりそうだ。人通りの激しい地区での歩きたばこを禁止し、違反者から罰金を取る条例改正案を、藤田学市議(まちだ新世紀)が来月2日から始まる定例議会に提案する。多くの会派が賛成するとみられ、成立の見通しだ。千代田区と違い、路上の立ちたばこは対象外となる。(以下、省略)


<朝日新聞が、誤報記事を書くに至る理由>

 前回に書いたように、この条例案の12月提案は存在しませんでした。前日の毎日新聞の記事における見出し部分の誤報が、この日の朝日新聞記事ではさらに本文記事での誤報へとさらに事態は動いていきだしました。前日の毎日新聞が、他の議員や議会の全会派に取材した様子が見られないことが、翌日発行の朝日新聞にも継続したのでしょうか? 一般には、そのようなことがあるはずがありません。ましてや、全国紙の朝日新聞はその記事編集や取材に関して、その堅実さを誇っているはずだと考えられます。

 朝日新聞に記事には、「多くの会派が賛成するとみられ」と書いてありますが、そうした会派の動向を探った様子はまったく感じられませんでした。私が見るところ、この朝日新聞の記事が記者によって書かれた時間(11月19日の夜まで)に、ほとんどの議員は、この「歩きたばこ禁止条例案が、12月議会に提案されるという情報」を知らなかったはずです。その理由は、毎日新聞の報道がほとんど知れ渡らなかったからなのです。(これまた、本当の話です)

 しかし、そうした「会派の賛否動向」は、朝日新聞記者が、各会派の代表(幹事長)に電話でも確認すれば、全員が「歩きたばこ禁止条例案が、12月議会に提案されるという情報を知らないので、賛否は不明である。」と答えたでしょう。新聞記者が、議会の会派の動向を書くのに、その責任者の取材もしていないと言う、新聞記者にとっては初歩的なミスを犯して記事を書いたのです。そのようなミスが、新聞記事の誤報と言う事態を生み出したと言う次第です。

 さて、2002年11月19日の夜の段階で、私のところにきた情報は次の通りでした。藤田学議員が、「11月20日に、歩きたばこ禁止の条例案提出に関する記者会見をする」と言うものでした。電話連絡によるものですが、私の意見は、会派の代表と同じもので「藤田議員は、議員提出議案を出したいのであれば、まず、会派議員にその主旨を説明した上で、記者会見を行ってもらいたい」と言う主張でした。しかし、議員提出議案の提出は議員の固有の権利であり、あくまで「まず、所属会派=まちだ新世紀の議員に内容説明を行ってもらいたい」と言う範囲の要請を行いました。藤田議員からは、その時点で記者会見の実施に関して、回答はありませんでした。

しかし、そう時間がたたないうち、藤田学議員より、「明日の記者会見の内容が、既に毎日新聞に掲載されており、他社のメディアからその経過を説明してほしい、と言う記者会見要請があっている」と言う連絡を受け、私はそうした記者会見を否定すべきではないか、と言う主張を続けられませんでした。

上記のやり取りを行っている最中(もしくは、前後の時間=2002年11月19日の夜まで)に、この朝日新聞の記事は書かれたはずです。朝日新聞の記者が、こうした記事を書く際に、やるべき取材をしておれば、朝日新聞は誤報を出さずに済んだでしょう。 (以下、次回に続く)

* 付記:念のために申し添えますが、私は喫煙を20年以上に渡って行っておりません。